怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

クリスマスクッキーは永遠に

2010年12月10日 | お菓子

11月下旬、ドイツの家庭にはこのような四本のろうそくつきの置物が飾られる。
詳しい意味などは、他のドイツ在住ブロガーの皆さんやドイツファンの日本人などが多く書いていることだろうから省略。
こちらはブログ仲間のpenguinophileさんのろうそく置物。残念なことに解説はなし、けど、手作りだそうで。リスらしきものもいて、嬉しい私。

この置物が飾られる頃になると、義母はいそいそと準備を始める。
信じられない量のクッキーを焼く季節がやってきたのだ。

まず、はじめはレープクーヘン。ニュルンベルクの製品が有名であるが、このように普通に家庭で作られる。
材料は、さまざまなバリエーションがあるのだが、「小麦粉・砂糖・ドライフルーツ・卵・ベーキングパウダー」などが基本である。
重要なのは右の写真の「レープクーヘン用香辛料」だ。
八角、丁子など、日本人がちょっと苦手とするスパイスが多く入っている。寒冷地では栽培不能な暖かい地方で育つ植物だ。昔は高価なものだったのだろうな、クリスマスだけの贅沢なお菓子だったに違いない。


左、手前側に見える黄色っぽい物体はジャガイモを茹でて潰したもの。ここ数年の義母のお気に入りである。
仕上がりが柔らかくしっとりするからだそう。
右、最後に小麦粉を入れて混ぜる。



粉末の薬剤を飲むときに使うオブラートをもっともっとブ厚くしたものに生地をのせる。

天板に並べて焼く。


左、チョコレートを湯煎して溶かす。う・・・この鍋と中のチョコレート、確か、私の記憶では去年の今頃に使ってそのままのものだぞぉ大丈夫かいま、うちの食料室の食材は驚異的に古いものばかりだから、去年のものはまだ新しい・・・
右、焼きあがって冷めたレープクーヘンに塗る。
できあがり。


義母は古い料理本や、雑誌の切り抜き、ラジオで放送したものを書きとめたレシピを使っている。
去年私が披露した「スノーボール」が義母にも好評で、今年は彼女にせかされて作ることとなった。
(写真右は日本から持参のお菓子の本から)


ところで、義母の計量器は左の天秤式である。これ、いつも算数レベルの計算を頭でしなければならない。
ぶつぶつ唱えながら私の数倍早く計算する義母を脅威に感じ、私は右のデジタル式を買ってきた~
あはは~、台所に並ぶ二つのはかり~


左、りす製作のスノーボールの焼き上がり。粉砂糖をまぶして出来上がり。
右、同じくりす製作のゴマクッキー。これを作る際、義母とひと悶着あった。「ゴマはクッキーにならない」と彼女が主張して譲らなかったのだ。はいはい、といいながら勝手に焼く私。

スノーボール、各種レシピがあるようだが、私は実家付近の知人に教わったのが一番簡単においしくできるので紹介したい。
この事務所のメンバーの一人の親族の方に教えてもらったのだ、お礼がてらこうして微力ながら宣伝広告さ~
クリックしてみてください

スノーボールの作り方
材料:無塩バター100グラム、粉砂糖40グラム、アーモンド粉50グラム、小麦粉100グラム、片栗粉40グラム
材料を混ぜて、冷蔵庫で30分ねかせる。直径2センチくらいに丸めて天板に並べ、170度で15分程度焼く。
粉砂糖をまぶす。
写真の仕上がりはちょっと焼きすぎで茶色だ・・・これでもおいしいけれど~

さて、これまで紹介したのは11月下旬にやったものだ。
が、この日はほんの始まりで、12月には入ると、ますます義母は頻繁にクッキーを焼く。
「りす、明日は家にいるか、いるのなら、クッキーを焼く」
と宣言されると、なかなか外出もしにくくなる・・・・

家中甘い香りに包まれ、さして試食もしていないのに、夜には塩味のあっさりしたものが欲しくなる。
スパゲッティを茹で、残り少ないラーメンスープを湯に溶かして食べたら、えらく旨かったぁ~


こんなのとか、あんなのとか~ もう、狂いそう~

ドイツ夫人たちには冬至が近づくと菓子を焼く本能がDNAに組み込まれているとしか思えない。
「なぜだか、やりたくなっちゃうのよ、習慣だからね」
と、義母。

まだまだいろいろ焼いているのだが、面倒なので今年はここまで。
最後にちょとおもしろいもの。

「アイスチョコ」と言うそう。
クリスマス前に雪が降ることが製作可能になる条件。溶かしたココアとココナッツミルク(いや、パームオイルだったか?)を混ぜたものを型に入れて、雪の上に置く。
固まったら出来上がり。
確か「大草原の小さな家」の料理本にもこんなお菓子の作り方が紹介されていた記憶がある。
新天地でも故郷のお菓子を再現していたアメリカ移民たちに思考が至ってしまった一瞬さ~