多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

勝たないと納得できない子、勝負の意味がわからない子

2017-02-21 07:57:00 | 発達凸凹
昔 子どもたちが 小さかったころに、いわゆる「一番病」の子がいた。


何をしても「自分が勝たないと 納得できない」という子である。


定型でも 非定型でも そういう子は ある程度いるようである。


以前 発達凸凹の そういう子のお母さんから


「うちの子 勝たないと 納得できなくて パニックがひどいんです」という


ご相談というか うちあけ話をいくつか受けた。


私の 個人的見解だが、これは 特性というより 子育ての中で周囲から植えつけられたパターンも


いくつか 含まれていると思う。


何か できた時に、過剰に ほめられ、親や周囲が喜ぶ。


勝った時に「がんばったねー、一番でよかったねー」と称賛される。


TVでは スポーツなんかで 優勝した選手が ほめたたえられ 凱旋パレードとかも


あったりする。


そんな中で 「勝つ事にも価値があるが、だれでもいつでも勝てるわけじゃない」とか


「負けた時に わめいて泣き叫ぶことは ゲームや 勝負に参加するときにはルール違反だ」と


いうことを 教えてもらう機会がないと、「とにかく 勝たなければだめだ」ということだけで


頭が 一杯である。その上「これが特性だから」とか考える人がいて


その子の 機嫌を 取ったりしたら 悪循環でしかない。


小さい時は 感情コントロールは どんな子でも 簡単ではないから、


つけてしまった 習慣はすぐに 改善は できないだろうけれど、


徐々に 「いつでも 一番になれるわけではない」ことや


「何人 優れた人がいても その人たちが 競争すれば やっぱり順位がつくこと」などを


その子が 納得できる 言葉で 教えていかないと、


極端な場合「一番で無い自分は 価値がない」というところまでいってしまい、



「学校行ったって どうせ トップになれないんだから行かない」


「会社入ったけど 叱られてばっかりだから (それは指示であったり注意でしかないのだが本人は区別がつかない)


もういかない」という 


極端な 形で 表れることも ある。


発達凸凹の子は ルールを守る事の方に 気持ちが行きやすいから、


周囲がそれと知らずに 誤った言動で 本人に「ああこれが ルールか」という


誤学習をさせてしまうと その修正が 難しい時もある。


今告げた言葉を その子が どう受け止めるか、ということを観察していかないと


周囲が その言動を すっかり忘れた頃に 結果として 「誤学習の悪影響」が


表れるから、気をつけないといけない。これは定型・非定型関係ないのだが、


そこのところに 気を付けて 子どもに 声をかけたり注意している人は 少ないように感じる。


私は 発達凸凹であるが 勝つ事や 順位や その他ももろもろのことに 興味が無かった。


教科書を見れば 同じことが 書いてあるのに 同じ話を聞いて


しかも 同じことを 黒板から ノートに写す、という不毛な行為の意味がわからなかった。


なので 真っ白な ノートが 先生に見つかる度 叱られたが、「なぜそれをしなければ


ならないか」という理由は どの先生も 教えてくれなかったので 


叱られた 理由がわからず、当然 行動も 改善しない。家に帰ると


母親から そっくり同じことを 言われるのだが やっぱりわからない。


「勉強しないと 受験が大変だよ!」と 言われたことがあったが


何がどう大変なのか、なぜ 受験しなければならないか まで 教えてくれる人は


いなかった。私が そこまで 空気がよめてないとは だれも 気がついていなかったからだ。



誰かに 勝とうとか そういうことを思ったことは あまり無いように 思う。


その辺の記憶もあいまいである。


子ども達には まず 一番身近な 私のいう事や 指示を聞くことから 始め、(言葉が通じない時から)



それに慣れたら 父親、他の家族、園に入ったら その園の先生、という風に


「親が こういっていても 園で先生がこう言ったら それに従うのが ルールなんだ」という風に


「その場のボスに従う事」ということを 徐々に その子のペースで 教えていった。


そのボスから見たら 自分は 他の子と 同じ立場であり、場を仕切る権限や


好きなものを 勝手に 一番に選ぶ権利はない事 等々を 一つずつ教えていった。


そうやって 来たので、就職しても 上司の言う事を 聞いて 動き、


疑問に思ったことは 反論ではなく「質問」という形で


「伺ってもいいですか」と対応しているようなので、


どちらも なんとか やっていけてる様である。


今日も 元気に 夫も 子どもも仕事に行った。


私は 自分のペースで 家事をして 残りの時間に 何をしようか 考えている。 



  











俺ルール!―自閉は急に止まれない
ニキ・リンコ
花風社

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