葛飾戴斗 絵/高橋 康雄 編『絵本三国志』(徳間文庫)
を読む。
江戸時代に刊行された湖南文山の日本語訳に
北斎の弟子の葛飾戴斗の挿絵を施したのが
『絵本通俗三国志』。
本文を現代語に抄訳し、挿絵もピックアップした
ダイジェスト版になっています。
三国志演義を文庫本一冊にまとめたものとしては
蘆田孝昭『物語三国志』(現代教養文庫)がありますが、
あらすじだけを追う感があります。
この本では見開き1ページで文章がまとめられ、
次の見開きに挿絵が掲載されているので、
とても読みやすくなっています。
これは劉備が呂布の攻撃から逃れて漁師の家に泊まった時、
妻を殺してその肉を劉備にふるまったという場面です。
台所で漁師の劉安が妻の肉を切り取るところ。
タイトルは「劉安 妻の肉を煮て劉備に献ず」(88~89頁)。
子供向けのダイジェスト版なら除かれるエピソードですね。
他にも周瑜がヒゲオヤヂになっていたり、
挿絵を眺めるだけでも結構楽しめます。
ブックオフで見つけたので即購入したのですが、
これは掘り出しものでした。
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