社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社会民主党 中央規律委員 野崎靖仁、55歳。
日々の思いを綴ります。
 



国立文楽劇場 令和6年4月文楽公演「絵本太功記」を鑑賞。

Ehon Taikoki 絵本太功記 尼ケ崎閑居(平成15年)


大阪メトロ淀屋橋駅でポスターを見たので、国立文楽劇場へ。



第一部の「絵本太功記」を見ることにしました。

「絵本太功記」は武智光秀(明智光秀)が主人公で、
尾田春長(織田信長)を本能寺で討ってから
真柴久吉(羽柴秀吉)に敗れるまでを描いた
人形浄瑠璃・歌舞伎の演目です。

ここでは全十三段のうち、「二条城配膳の段」、
「千本通光秀館の段」、「夕顔棚の段」、「尼ヶ崎の段」の
四段が上演されます。



尾田春長(織田信長)は武智光秀(明智光秀)の逆心を疑い、
二条城での勅使饗応の際、
光秀の独断を口実に小姓の森蘭丸に折檻させます。
屈辱に堪えての光秀の諫言に、
怒りを募らせた春長は光秀父子を館から追い出すのでした。

千本通の屋敷で待つ妻操の元に、光秀と息子の十次郎が戻ってきます。
事情を聞いた家臣四王天田島頭は蘭丸を討とうとしますが、
春長の気性を知る光秀はそれを止めます。
しかし、春長の使者から真柴久吉(羽柴秀吉)の中国征伐への出陣と
事実上の領地没収の沙汰を告げられ、
光秀は諫める老臣九野豊後守を討って、謀反を決意するのでした。

光秀の母さつきは息子の反逆が許せず、屋敷を出て尼ヶ崎に隠棲しています。
ご機嫌伺いにやってきた操と十次郎の許婚である初菊に、
さつきは姑孝行よりも夫につくすべきであるとすげない態度を取ります。
一夜の宿を頼む旅僧に続き、初陣の許しを得るために現れた十次郎は、
祖母の勧めにより初菊と祝言を挙げ、討死の覚悟を胸に出陣するのでした。

光秀は旅僧を久吉とにらみ、風呂場の人影をめがけて竹槍を突き込みます。
ところが、深手を負ったのはさつきでした。
命懸けの母の諫めにも、主殺しの罪の深さを責める妻の言葉にも、
光秀は耳を貸しません。
しかし、戦場から戻った十次郎の瀕死のありさまに皆の嘆きが高まると、
こらえきれずについに涙を流すのでした。




中央座席19列18番に着席。最後列のセンターです。



10時55分、影アナ。

11時00分、開演。

「二条城配膳の段」と「千本通光秀館の段」の上演です。

舞台の上に字幕が表示されるので、何を言っているかわかる仕掛けになっています。

光秀が春長に辱められ、謀反を決意するまでの話です。

本能寺の変の原因が「怨恨説」で描かれ、
昭和の歴史小説のベースになっていることがわかります。

森蘭丸が千葉繁っぽい感じになっていたので笑いそうになりました。

11時57分、終演。ここで25分間の休憩になります。



12時17分、影アナ。

12時21分、開演。

「夕顔棚の段」、「尼ヶ崎の段」の上演です。

舞台上手に太夫と三味線が座る「出張り床」があり、
衝立の向こう側からターンテーブル式に座ったままで登場します。

尼崎に隠棲していた光秀の老母・さつきのもとに、
光秀の妻・操と光秀の息子・十次郎の許嫁・初菊が訪れます。

そして十次郎が初陣の許可を得に現れ、
旅の僧も一夜の宿を狩りようとします。

光秀は旅の僧が久吉であると見抜き、
物陰から竹やりで刺しますが、それは老母さつきでした。

そこへ戦いに敗れた十次郎が帰還。
光秀の目の前で老母と息子が命を落としました。

光秀の前に現れた久吉は、天王山での決戦を約束するのでした。

14時00分、終演。



NMB48の9期研究生公演の料金が4000円。
「絵本太功記」二等席が4000円。

55歳にして初めての文楽鑑賞でしたが、
今後も見に行きたいものです。



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宝塚大劇場で雪組公演『るろうに剣心』を見ました。



雪組公演『るろうに剣心』制作発表会 ダイジェスト


阪急宝塚駅を降り、



ソリオ1を抜けて、



「花のみち」を歩くと、



宝塚大劇場に到着。駅を出て10分もかかりません。




チケットカウンターへは正面入り口よりも
門を入って左の入口から入る方が近くなります。



10時30分ごろ到着しましたが、
当日券を求める長蛇の列ができていました。



並んでいるうちに座席は売り切れ、立見券のみになりました。

59番をゲット。番号順の入場となります。



開場10分前の12時20分に大劇場改札前に集合。




ここでも長蛇の列です。



12時25分、20人ずつ係員の誘導で立見エリアに入ります。



中央に近い立見2列目をキープ。



中央は立ち入り禁止です。



通路を開けて壁際にも立てるスペースがありますが、
この狭さ。

よく考えてみると、壁にもたれることができるので、
意外に楽な場所だということに気づきました。

次からは、ここを狙おうかな。



立見エリアの前には柵があるので、
そこにもたれて見ることができます。

私の前の女性は背が低いうえに前のめりで柵にもたれていたので、
視界はとても良好でした。



舞台のスクリーンに「るろうに剣心」の文字が浮かぶと、
写真に撮る人が多数いました。




13時ちょうどに影アナ。開幕です。

第一幕は、幕末から始まります。

長州の人斬りとして活動する緋村抜刀斎(早霧せいな)。

京の遊郭・島原の太夫に懸想するあまり、
辻斬りを重ねる新選組隊士・加納惣三郎(望海風斗)。

加納惣三郎はオリジナルキャラとして登場する敵役です。
(「前髪の惣三郎」で知られた人物ではありますが)

島原で抜刀斎・惣三郎・斎藤一が顔を合わせるシーンは
序盤のキャラ紹介としてもなかなか秀逸。

戊辰戦争後、明治11年の東京へと話は移ります。

「神谷道場の人斬り抜刀斎」を名乗る辻斬りが現れる中、
ふらりと東京に現れた流浪人・緋村剣心。

剣心と薫の出会い、弥彦・左之助とのからみもスムースに描かれます。

「赤べこ」前での剣心と左之助の立ち回りは歌舞伎調。
弥彦(彩みちる)の拍子木で大立ち回りを演じます。

彩みちるさん、いいですね。

阿片密造で得た金でガトリングガンを求める武田観柳(彩凪翔)。

政府高官に近づくフランス帰りの貿易商・ジェラール山下。
実は幕末に難を逃れた加納惣三郎でした。

人物が揃ったところで第一幕は終了。

あっ、蒼紫様(月城かなと)も登場します。
もう「蒼紫様」としか言いようのない凛々しさです。

14時14分から30分間の幕間に入ります。



14時45分、第二幕開始。

ジェラール山下(加納惣三郎)の洋館での戦いがメインです。

「ガトリングガン」「悪・即・斬」の歌はいいですね。

武田観柳の清々しいまでの小物っぷり。
「ガト、ガト、ガト…」で客席は爆笑。

斉藤さん(彩風咲奈)は、
やたらとくわえ煙草を手に持ち替える動作が気になりますが、
これは実写映画版を意識した演出でしょうか?

お話自体は15時38分に終了し、フィナーレへと移ります。

剣心と薫のラブストーリー、という基本を押さえたラストでした。

フィナーレはラインダンスから大階段へ。

やっぱり大階段を見ないと、ね。

16時の終演と同時に、みな足早に劇場を出るのはあいかわらずの光景です。



原作、アニメ版、実写映画版の要素が巧みにオマージュされた
面白い舞台でした。

アニメ版剣心がCDブック版の緒方恵美ではなく
元宝塚男役の涼風真世だったところからも、
いつか宝塚でやるだろうな、と思っていた作品でした。

剣心の内面の葛藤を
抜刀斎時代の過去の姿「剣心の影」(永久輝せあ)
との対決で表現するのは舞台らしい演出です。

武田観柳では小物すぎて敵役には不似合い。
(でも小物っぷりが好演すぎてギャグキャラとしては最高)

なので、オリジナルキャラとして加納惣三郎を出したのは正解でした。

洋館での舞踏会のシーンも宝塚ならではの華やかさ。

客席の通路を利用した立ち回りも、蒼紫様が通路を通ると歓声が。

生のオーケストラによるミュージカルっていいですね。

立見なら、なんと2500円。

また見に来たくなりました。



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NTL: Hamlet w/ Benedict Cumberbatch - Official Trailer


TOHOシネマズ二条で「ナショナル・シアター・ライヴ」の
『ハムレット』を見ました。

英国ナショナル・シアターで上演された公演を収録。
ライヴ鑑賞と同じ状態で映画館で上映するものです。




17時開演。普通の映画と同様、予告編が流れます。



本編の開始前に、カンバーバッチのインタビューと、
学生演劇の『ハムレット』を見に行った映像が流れました。

下の動画のダイジェスト版です。

Benedict Cumberbatch - Hamlet Interview [42 mins]


17時35分ごろ、上映開始です。

高校生の頃、京都南座で
片岡孝夫(現・仁左衛門)主演の『ハムレット』を見ました。
福田恒存訳です。

今回は字幕ありの英語版なので、
英語のリズムを感じることができます。

最初は城壁のシーンではなく、ハムレットの部屋から始まります。

そこに現れるホレイショー。
メガネにリュック、タトゥーを入れた現代風の若者です。

父ハムレット王の急死。
母ガートルードの急な再婚。

ノルウェー王の甥フォーティンブラスによる緊張が高まる中、
父の死に疑念を抱くハムレットに父王の亡霊が復讐を命じます。

疑惑渦巻く宮廷の中で感情が高ぶり、
涙目になるカンバーバッチの演技が印象的でした。

ハムレットは乱心を演じることになりますが、
オモチャの兵隊のマネをする「わかりやすい?」変人ぶり。

いちおう恋人オフィーリアとの接触を禁じられての気鬱、
という設定にしていますが、オフィーリアがそんなに美人ではなく
微妙なところがリアルと言えばリアルです。

時代設定は20世紀の初め、
第一次世界大戦のころでしょうか?

ハムレットが大臣ポローニアスを誤って刺殺し、
イギリスへ送られるところで第一部終了です。

片岡孝夫版でも、ほぼ同じところで休憩に入りました。
話の区切りとしては、この辺なのでしょうね。



ポーランドへ出撃するフォーティンブラス一行に出会い、
イギリスへ出航するハムレット。

父の死を知り本当に狂気に至ったオフィーリア。
円形脱毛症のように見えるのですが、そうなんでしょうか?

父の復讐を果たそうとするレアティーズ。
レアティーズを利用してハムレットを亡き者にしようとする
国王クローディアス。

イギリス王にハムレット処刑を依頼する
クローディアスの国書(国王糾弾の証拠となる手紙)を
手に帰国したハムレット。

事態はクライマックスへと向かいます。

このあたり、展開が急すぎます。

オフィーリアの墓を掘る墓堀のシーンが
ギャグパートになっていました。

墓堀りのオッチャン、父王の亡霊との二役なのかな?

フェンシングの試合中の事故に見せかけて
ハムレットを謀殺するクローディアスの計画は
国王、王妃、レアティーズ、
そしてハムレットの死となって終わります。

なぜか宮廷に一人で現れるフォーティンブラス。

「誰?」と言いたくなりますが、
ここは原点通りイギリス王の使者と同道することにした方が
話が分かりやすくなったでしょう。

本来ならハムレットが死の直前、フォーティンブラスが
次のデンマーク王に選ばれると言い残すのですが、
そのセリフがないので、よけいに不可解になります。

終演後、カンバーバッチから
セイブ・ザ・チルドレンへの募金のお願いがありました。



日本語訳とは違い、英語では言葉のリズムの良いセリフ回しになっていました。
セリフの冗長な部分は削っていることもあるのでしょうが。

小劇場っぽい舞台でも映像ではアップが多用されているので、
さほど劇場の小ささを感じませんでした。

カンバーバッチの涙目の演技、よかったですね。



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T・ジョイ京都で
「ロイヤル・オペラ・ハウス Live Cinema Season 2014/15」の
最終作品『ウイリアム・テル』を見ました。



ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで上演されたオペラを
世界中の映画館に中継するというものです。



『ウイリアム・テル』はシラーの戯曲をもとに
ロッシーニが作曲したオペラです。

台本はフランス語なので、全編フランス語。
なので主人公の名前はウイリアムではなく「ギョーム」。

日本語字幕付きなので、
何語で歌っていても歌詞の内容はわかります。

Guillaume Tell: An introduction (The Royal Opera)


17時から中継開始。17時15分ごろから本編開始です。

第1幕 70分(休憩 約30分)
第2幕 55分(休憩 約30分)
第3幕 45分(暗転   数分)
第4幕 35分

カーテンコールなども合わせた終了が21時45分ごろ。

5時間近くスクリーンの前にいたことになります。

幕間は休憩時間が十数分、
予告やインタビュー映像が十数分の約30分。

前日に上演されたものを中継するからなのか、
スタッフ・キャストへのインタビューに
日本語字幕が付いていませんでした。

Guillaume Tell: Singing the role of Arnold (The Royal Opera)


衣装などの設定は14世紀ではなく現代風。
スイスを支配するオーストリアの軍隊は自動小銃を装備しています。

14世紀の衣装を着た伝説の英雄ウイリアム・テルが
現代のウイリアム・テルに決起を促すように登場します。

シラーの戯曲では、
総督ゲスレルの帽子にお辞儀をしなかったテルが逮捕されますが、
今回の演出では、
スイス人女性がオーストリア兵にレイプされそうになるところを
テルが助けて逮捕される、と改変されています。

「帽子にお辞儀」ではギャグ要素が強く、
緊張感が削がれるきらいがあります。

スイス人女性がオーストリア兵に服をはぎ取られ、
テーブルクロスを身にまといますが、舞台上で全裸にされます。

第1幕の最後でメルクタール老人が総督の配下に射殺されるシーンもあり、
支配者の暴力性を赤裸々に示す演出が続くので、
中継冒頭に「暴力シーンと裸が出てきます」と観客に注意を促しています。

オーストリアの理不尽な支配が過剰とも思えるほど強調されているため、
テルたちスイスの人々が決起するまでの盛り上がりに共感できます。

しかしまあ、映画館でオペラが見られるなんて
いい世の中になったものです。



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南座で市川海老蔵特別舞踏公演を見ました。







三等席(4000円)は3階の奥の方。



このあたりから掛け声をかけるのが「大向こう」なんですね。



急な階段を上り、壁際の席に座ります。



舞台全体と、スッポンのあたりまでの花道が見えます。

眼鏡での矯正視力は1.2あるので、
役者さんの表情も見えます。



明治座よりも大きいかと思っていましたが、
同じくらいの大きさですね。



演目と時間は、次の通りです。

道行初音旅(みちゆきはつねのたび) 吉野山

18:00-18:40

幕間      20分

口上 四代目市川九團次 襲名披露

19:00-19:10

幕間      25分

新古演劇十種の内 身替座禅

19:35-20:30



まずは「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」。

四代目市川九團次襲名とあって、
佐藤忠信実は源九郎狐に道行改め九團次。

静御前に上村吉弥さんです。

去年、南座の「歌舞伎鑑賞教室」で
吉弥さんの「雷船頭」を見ましたが、
女船頭おきちはよかったですね。

今回の静御前も、また美し。

原作『義経千本桜』の人形浄瑠璃での演出通り、
早見藤太は現れず、忠信と静御前の二人での踊りとなります。

「特別舞踏公演」ですから、
踊りを見せるには原作通りの演出で正解です。

ここで20分の幕間。




四代目市川九團次 襲名披露の口上がありました。

ここで海老蔵が登場します。

ここで25分の幕間。




次は「身替座禅」です。

海老蔵が和事の代表作「身替座禅」の山蔭右京に初役で挑戦。

妻に内緒で遊女に会おうと一計を案じる山蔭右京。
一人で一晩座禅を組むと偽って、屋敷を抜け出します。

恐妻家でありながら遊女にメロメロとなる右京を
ユーモラスに、かつ色気たっぷりに演じています。

打ち掛けを被って右京の身代わりとなる太郎冠者に九團次。

主人と奥方の板挟みになる太郎冠者のアタフタぶりが
観客の笑いを誘っていました。

去年9月の通し狂言『壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)』では
荒事を見せていただきましたが、
今回は海老蔵の和事を楽しませていただきました。



これからも気軽に歌舞伎を楽しみたいと思います。

掛け声もやってみたいなあ…



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ふと思い立って、宝塚大劇場で公演を鑑賞することにしました。

阪急河原町駅から宝塚駅へ。

駅から徒歩10分ほどで、宝塚大劇場に到着します。

劇場に続く「花のみち」。

HKT48劇場でいえば、地下鉄唐人町駅からの
通称「ヲタロード」のようなものです。



宝塚大劇場に到着。



現在上演されているのは、宙組公演のミュージカル
『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』と
グランド・ショー『PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―』です。




劇場に入り、チケットカウンターで当日券を購入。

当日券は「当日B席」(2000円)と「立見」(2500円)の2種類。
その他の席も空席があれば買えます。

当日B席は2階最後列の席で、
立見は1階最後列の後ろの立見エリアでの鑑賞です。

立見は座席券が売り切れてからしか販売されません。

13時ごろにチケットカウンターに行くと、
立見のみの販売になっていました。

そこで、立見券(2500円)を買いました。
整理番号は4番です。



券と一緒に紙を渡され、
14時20分までに劇場改札口右側に集合するよう
指示されました。



14時10分ごろに劇場改札口に行くと、
立見券の整理列位置を示すプラカードがありました。



番号順に整列し、14時30分の開場と同時に
係員の案内で入場します。

座席券よりも立見の方が先に入場するので、
立見以外は誰もいません。



最後列の後ろ、テープで区切られた範囲が立見エリアになります。



当然ですが、調整室の前は立見できません。




立見最前列をキープすることができました。



最後列の後ろに柵が設けられており、
立見の観客は自分の場所の前の手すりに
ストールなどをかけて場所をキープします。



私以外の立見の女性客は
ストールや薄手のコートをかけて、その場を離れてしまいました。

立見の後、座席券の観客が入場。
指定席なので、場所がわからない人を係員が案内していました。
この辺は南座と同じですね。

観客のほとんどは、女性。

付き添いのような中高年の男性もいれば、
20代くらいの男性のペアもいました。

立見は十数名くらいでした。

14時58分、影アナ。

15時00分、開演です。

最初はミュージカル
『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』です。

フランス革命のころ、スウェーデンの国王だったグスタフ三世のお話。

フェルゼン伯爵をフランスに遣わした王様、といえば
わかりやすいでしょうか。
(ちなみにフェルゼンは登場しません)

大国ロシアの属国の扱いを受けていたスウェーデン。
親ロシア派の貴族によって国政が牛耳られ、
国民は圧政に苦しんでいた。

フランスで啓蒙思想や最新の戦術を学んだ王太子グスタフは、
父王の死後、クーデターで親ロシア派の貴族を追放し、
次々と改革を進めてゆく。

ロシアとの戦争に勝利し、オペラ座を建設して
スウェーデンを平和な文化国家にしようとするグスタフと、
軍備拡大を主張する親友ヤコブとの間の溝は深まり…

黄金の剣を手にデンマークからの独立を果たした
伝説的な国王グスタフの名を受け継いだ若き国王
グスタフ3世の生涯を巧みにまとめています。

戴冠式に現れたロシア大使が
女帝エカテリーナ2世の親書を読み上げた瞬間、
スウェーデンの青い旗が、ロシアの赤い旗へと変わった演出は
ビジュアル的にわかりやすい演出でした。

世界史の予備知識がない人でも楽しめます。

主役のグスタフ3世を演じるのは、
トップスターの凰稀かなめさん。

一瞬セリフに詰まったところがあったのは、
喉に何か引っかかったからでしょうか。

声を聴いていると『るろうに剣心』の
涼風真世さんみたいでした。

そうか、剣心の演技は、宝塚の男役の芝居だったか…と、
いまさらながら実感しました。

16時37分、30分の休憩時間に入りました。

ロビーに小林一三の銅像があったので、
記念写真を一枚。




どうしてもハナ肇の銅像コントを思い出してしまいますが…

私の立っていた場所の前の座席が空いていたので、
休憩時間に腰を下ろしたとたん、
「ここ、私の席です。」と言われたので、
すぐに立ち上がりました。

グランド・ショーから見に来る人もいるんですね。



また、休憩時間に通りがかったご婦人から、すれ違いざまに
「もう帰るから、ここに座って」とチケットを渡されました。

結局、最後まで立見でしたが。

17時07分、
グランド・ショー『PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―』開始。

大階段を埋め尽くす男役のみなさんのカッコよさ。

『伝説の怪鳥』では怪盗カナメールの七変化に圧倒されました。
銀橋でドレスの裾を踏んで転びそうになったのはご愛嬌。

18時03分、終演。

客席が点灯すると、特に案内もないのに
すぐさま観客が整然と外に出て行きました。

休憩時間を入れて3時間立ちっぱなしなのは
慣れていないと大変だと思いますが、
1階の立見からの舞台は視界良好でした。

どうしても表情を見たいならオペラグラスを使ってもいいですが、
ステージ全体を楽しむなら肉眼でも十分です。

生のオーケストラによる音楽も素晴らしく、
南座で海老蔵の歌舞伎を見たときと同じ、
劇場ならではのライブ感です。

貴重な経験をさせていただきました。

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京都四條南座で「九月花形歌舞伎」を鑑賞。
演目は市川海老蔵が景清を演じる『通し狂言 壽三升景清』です。



『通し狂言 壽三升景清』は、平家の武将
悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)が登場する「景清物」で
七世市川團十郎が撰定した「歌舞伎十八番」に含まれる
『関羽』『景清』『鎌髭』『解脱』の四演目を
まとめて上演するものです。



南座「九月花形歌舞伎」『通し狂言 壽三升景清』




突然思い立って南座へ行ったのですが、
当日券を買うことができました。

一番安い3等席(4000円)です。
3階の9列8番は、かなり後ろの席です。

いわゆる「天井席」というものでしょうか。
http://www.shochiku.co.jp/play/minamiza/gekijyo/images/seat.pdf



3階に上ると、座席の急な階段があります。
背もたれも、ほぼ90度。

お年寄りには(若くても)上るのが大変です。




狭いところに座席を詰め込んだせいなのか、
空間が狭すぎて使用しない座席もありました。



「天井席」だけあって、本当に天井が近くにあります。





座席の横には大きな柱が。



まあ、片側に人がいないだけ開放感があります。



肝心の舞台の方を見ると…



花道も含めて、けっこうよく見えます。
海老蔵だけに、幕には大きな海老が。



夜の部の公演だったので、16時30分に開演です。




最初の演目は『関羽』。

景清が夢の中で『三国志演義』の名将・関羽となり、
魏の部将・張遼が守る館に単騎で攻め込むというもの。

海老蔵が関羽の姿で馬に乗って登場。
馬の足というのも、大切な役だということがよくわかります。
馬の色は赤ではなく白でしたが。

颯爽とした関羽の姿、貫禄があります。

次は『鎌髭』

六部(巡礼のお坊さん)に変装した景清を討ち取ろうと、
源氏の侍たちが策を巡らせます。

いかにも小悪党っぽい源氏の侍たちのユーモラスなやり取り。
そんな中で市川左團次の三保谷四郎は威厳と存在感に満ちていました。

猪熊入道の中村翫雀と海老蔵の掛け合いには笑ってしまいました。

景清が余裕綽々で自ら縄にかかり、
猪熊入道に引かれるところで幕。

30分間の休憩に入りました。
ここまでで約1時間10分です。



歌舞伎には一幕だけ見る「幕見席」があります。
(南座にはなく歌舞伎座だけですが)

通しで見ると休憩も含めて長時間になるので、
一幕だけ見て帰る、というのも十分アリだということを
実感しました。



二幕目は『景清』。

牢に入れられた景清。
景清の妻で傾城の阿古屋は、秩父庄司重忠の説得により、
景清のもとへ向かいます。

孝太郎の阿古屋をはじめ、女形の皆さんのあでやかなこと。
男性が演じていることを全く意識させません。

通販番組のようなトークの「うるおい有右衛門」はじめ、
ユーモラスな場面もあって明るく華やかな雰囲気に包まれます。

それが海老蔵の景清と翫雀の重忠の一対一のやり取りになると一変。

猪熊入道とは正反対のノーブルで凛々しいキャラの重忠。
翫雀にギャップ萌えです。

ラストの大立ち回りでは、舞台上に大きな海老が登場。
大盛り上がりで幕になりました。

ここで25分間の休憩。




休憩中、舞台に「三升(さんます)席」がつくられました。



大詰めの『解脱』(約15分)だけを舞台上で見られる席です。
これで2000円は安いのか高いのか。




最後の『解脱』は暗転の中はじまりました。

海老蔵が花道から登場し、舞台中央までゆっくりと歩きます。
三升席の近くで音を立ててよろめいたのは、
ファンサービスだったのでしょうか?

海老蔵が大きな釣鐘の中に入り、出てきたところで点灯。

明るく華やかになりました。

幻想的な雰囲気のまま幕。

カーテンコールが終わるまで拍手を続けるのは、
正直、腕が疲れましたけど。



開演が16時30分、終演が20時。
休憩を合わせて3時間30分という長時間でした。

休憩時間がけっこうあるので、
幕間に何か食べるようにした方がいいででね。

三階席ではオペラグラスで見ている人もいました。
役者の顔を見たければ、それもいいでしょう。

役者の声も楽器の音も、マイクを使わず場内全体に
クリアに伝わります。

ライブで見る醍醐味のひとつですね。

セリフの中身は聞き取りやすいのですが、
固有名詞など意味の取りにくい言葉があるので、
演目の内容については事前に予習しておくのが賢明です。

劇場内でパンフレットの販売やイヤホンガイドもありますが、
それでも予備知識がある方が楽しめると思います。

座席の窮屈さを除けば、三等席でも十分楽しめました。

40代になって、また新しい経験ができました。

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MOVIX京都
METライブビューイング/ボロディン《イーゴリ公》」を
鑑賞しました。



ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラを
映画館のスクリーンで上映するものです。

午前10時から午後2時25分までの約4時間半。
途中で休憩が入りますが、長丁場です。



ポップコーンを食べながらオペラ鑑賞。
ライブビューイングならではの楽しみ方です。



『イーゴリ公』はボロディンの急逝で未完となった作品。

12世紀のロシアで遊牧民族ポロヴェツ人と戦った英雄
イーゴリ公の物語です。

「だったん人の踊り」は有名ですね。



新演出での上演なので、
演出家のチェルニアコフが新たに再構成しています。

<プロローグ>
イーゴリ公は日食などの凶兆にもかかわらず、
公妃の弟ガーリツキィ公に留守を任せて
ポロヴェツ人との戦いに出陣する。

12世紀の話ですが、衣装などは19世紀風になっています。

ポロヴィツとの戦いはモノクロのイメージ映像のように
スクリーンに映し出されます。

<第1幕>
ポロヴェツ人との戦いで負傷し、捕虜となったイーゴリ公。
息子のヴラヂーミルはポロヴィツのコンチャーク汗の娘と恋に落ちる。

イーゴリ公の心象風景を表すような、
赤いケシの花で彩られた舞台になっています。



イーゴリ公を高く評価し、
協力してロシアを征服しようと誘うコンチャーク汗。

望むなら馬も宝剣も女奴隷も与えるというコンチャーク汗が
イーゴリ公を慰めるために舞わせたのが「だったん人の踊り」です。

字幕で歌詞を見てわかったのですが、
コンチャーク汗を讃える歌だったんですね…



麿赤兒みたいだな…



コンチャーク汗はスキンヘッドでしたが、
(痩せた安田大サーカスのクロちゃんみたいな)
あれは剃っているのではなく特殊メイクでしょうね。




プロローグと第1幕で約90分。

ここで最初の休憩。
インタビューや対談などの映像もあるので、
本編と本編の間は30分ほど空いています。

<第2幕>(約57分)
留守を任されたガーリツキィ公は乱行の挙句、
イーゴリ公に取って代わろうと企む。

私兵を率いて支配権を要求するガーリツキィ公と、
あくまで公妃に忠誠を誓う貴族たち。

ポロヴェツ軍襲来の知らせが入る中、
ガーリツキィ公は突然死んでしまう。

ここで2回目の休憩。
インタビューや舞台裏の映像もあるので、
ここでも次の本編まで約30分空いています。

<第3幕>(約46分)
ポロヴェツから脱走しようとするイーゴリ公とヴラヂーミル。

コンチャーク汗の娘コンチャーコヴナは、
ヴラヂーミルに自分を連れて行くか、思いとどまるよう説得。

イーゴリ公は息子を置いてポロヴェツを後にする。



イーゴリ公が脱走するまでの部分は
リムスキイ-コルサコフが台本を書き、
音楽も大部分をリムスキイ-コルサコフとグラズノフが担当しているため、
新演出では大胆に省略されています。

ポロヴェツから帰還したイーゴリ公。

帰還を祝う人々の声を遮るように、
イーゴリ公は無謀な遠征を行った自らの不明を恥じ、
他の諸侯がポロヴィツへの報復を行うことを期待しつつ、
破壊された街のがれきを
ひとつひとつ片づけていきます。

人々がイーゴリ公と共に無言でがれきを片付けるところで、
フィナーレとなります。

敗戦で軍は壊滅し、国土は焦土と化していますから、
何よりも再建を優先させるのは君主として当然でしょう。

イーゴリ公の帰還を祝うシーンで終わらせるよりも、
新演出の方が深みのあるラストです。

初めてのオペラ鑑賞でしたが、
4時間半の長さを感じさせない内容でした。



最後に、裁判所横の桜を。



『イーゴリ公』の上映は、明日11日までです。

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MOVIX京都で「シネマ歌舞伎 女殺油地獄」を見る。



2009年に行われた「歌舞伎座さよなら公演」を撮影したもの。

シネマ歌舞伎『女殺油地獄』予告編


片岡仁左衛門が当たり役の河内屋与兵衛。

仁左衛門主演の舞台を見るのは南座の「ハムレット」以来。

店の金を持ち出して女遊びに興じる与兵衛。
金の無心を断られて家族に暴力をふるう与兵衛。

身勝手な放蕩息子の無責任さがにじみ出ています。

それでも品性を感じさせるのが仁左衛門のダンディな魅力。
どこか憎みきれないキャラです。

与兵衛を勘当しながらも、子への愛を捨てきれない両親。

借金に追い詰められて、
知人の豊嶋屋お吉に借金を申し込むも断られ、
お吉殺しを決意するところから与兵衛の表情は一変。

油まみれになっての立ち回りは、
壮絶な殺人の場面でありながらも滑稽さが醸し出されています。

与兵衛の愚かさが生んだ悲劇であることを示すかのように。

与兵衛が金を奪って逃げるところで終わりなのですが、
与兵衛の破滅という点で主題は完結しています。

機会があれば舞台公演を見たいものです。



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