ルーツな日記

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フジロック・ベストアクト第3位!

2012-11-14 01:08:00 | フジロック
DUMPSTAPHUNK / EVERYBODY WANT SUM

フジロック・ベストアクト第3位、ダンプスタファンク!!!

忘れた頃に突然再開されたフジロック・ベストアクト企画です。そうです、まだ終わってなかったのです。という訳で、第3位から仕切り直し。今年のフジロック最終日に登場した現行ニューオ-リンズファンクの旗手ダンプスタファンクです。この日のフジロックは私にとってまさにニューオーリンズ・デイでした。やはりダンプスタファンクの濃密ファンクを語るには、この日の苗場を浸食したニューオーリンズの空気感から始めなくてはなりません。

何せこの日、メインステージであるグリーンステージのトップに登場したのはギャラクティックですからね。最新作「CARNIVALE ELECTRICOS」からの曲を中心にニューオーリンズ・ミクスチャーな強力ファンク・グルーヴで盛り上がりました。そしてオアシスのインターFMブースで始まったラジオの生放送。ゲストはダンプスタファンクからアイヴァン・ネヴィル、イアン・ネヴィル、ニッキー・グラスピーの3人。インタビュアーはピーター・バラカンさん(ピーター・バラカンさんだけ“さん”付けするのはおかしいんですけど、なんかこの方がしっくり来るんですいません。他意はございません)。

私はこんな公開放送があることを知らなかったのですが、たまたまオアシスをぶらぶらしつつインターFMの前を通りかかったら、この放送が始まるところだったという運の良さ。こういうフジロックならではのサプライズは嬉しいですよね。もちろん観覧自由ですから、ちゃっかりかぶりつきな感じで拝見させて頂きました。アイヴァン・ネヴィルはご存知アーロン・ネヴィルの息子、そしてイアン・ネヴィルはアート・ネヴィルの息子という、まさに血統書付きの従兄弟同士。そしてニッキー・グラスピーは新加入の女性ドラマーながら、なんとビヨンセのバック・ドラマーとして活躍していたという逸材。あのビヨンセが結成した女性だけのバック・バンドとして話題になったあのバンドのドラマーですよ! 残念ながらインタビューの内容は覚えていないのですが、というより私は次の予定があり、せっかくの観覧も途中で切り上げなくてはならなかったんですけどね。で、次の予定と言うのが、ギャラクティックのサイン会。

場所を変えて場外岩盤ブースで行なわれたギャラクティックのサイン会。スタントン・ムーアをはじめメンバー全員とゲスト・シンガーのコーリー・グローヴァーが参加。残念ながらもう一人のゲスト、コーリー・ヘンリーは来ていませんでしたけどね。ま、贅沢は言えません。メンバーとの写真撮影もOKの和気あいあいとした和やかなサイン会でした。メンバーもみんな上機嫌で、英語が喋れない私も雰囲気だけでとても楽しい一時を過ごせました。もちろんサインも頂きましたし、写真も撮ってもらいました! やっぱフジロックに来たら一度はサイン会に参加しないとね!(すいませんミーハーで。)

そしてそんなニューオーリンズ気分満載な中、夕方5時40分、いよいよフィールド・オブ・ヘヴンにてダンプスタファンクのライヴが始まります。初来日ですからね。私も待ちに待った初めての生ダンプスタ。ステージ向かって左側、最前列かぶりつきをキープ。メンバーは前列左からニック・ダニエルズ(b)、イアン・ネヴィル(g)、トニー・ホール(b)、アイヴァン・ネヴィル(organ)、そして後列にニッキー・グラスピー(ds)という布陣。ニッキーとアイヴァンはインターFMの手ぬぐいを頭に巻いている。なんか嬉しい!

ニッキーがふてぶてしく叩き出すビートに導かれるように始まったヘヴィー・ファンク・ジャム。ニック・ダニエルズのチョッパー・フレーズとトニー・ホールのエフェクトを効かした重低音の絡みがいきなり格好良い!! これが噂のツイン・ベースですか! ちなみにこのニック・ダニエルズとトニー・ホールはそれぞれネヴィル・ブラザーズのベーシストを務めてきたニューオーリンズ・グルーヴ・マスター。特にトニー・ホールはあの名作「YELLOW MOON」時代のベーシストですからね~。そのヘヴィ・グルーヴの間を纏わりつくように埋めていくイアンのギター・カッティングとアイヴァンのオルガン。これがダンプスタファンクですよ!そしてそのファンクネスはまさしくニューオーリンズ! そのリズムの濃密度に浸っているうちに「Deeper」に雪崩れ込む。って言うか、このファンク・ジャムは長いイントロだったんですね。こんなジャム・バンド気質も嬉しい。そしてトニー・ホールはいつの間にかギターに持ち替えてる。この人、なかなかのやり手です。

ファンキーに喉を鳴らすニック・ダニエルズ、ソウルフルな渋みを感じさせるアイヴァン・ネヴィルという、二人の歌声の対比も見事。トニー・ホールもディープな歌声を聴かせてくれるし、ホント何から何まで真っ黒なヘヴィー・ファンク。2曲目「Everybody Want Sum」と最新作「EVERYBODY WANT SUM」からの曲が続く。とにかく5人の織りなすグルーヴの絡み方がハンパ無く濃密で、もう腰にきまくりというか、腰までどっぷりスワンプにハマった感じ。さらにその沼から抜け出せない感覚がことのほか気持ち良い!! 堪りませんね~。

さらにグラハム・セントラル・ステーションのカヴァー「Water」。こういうカヴァーでくるか!って感じ。さらにカヴァーと言えばニッキー・グラスピーがリード・ヴォーカルをとった「If I'm In Luck, I Just Might Get Picked Up」。ベティ・デイヴィスですよ!元マイルス・デイヴィスの奥方としても知られるファンキー烈女のカヴァー。ニッキーの地を這うかの如くなド迫力な歌声には痺れましたね~。もちろんドラミングも! この曲に限らず全編において、もう何年も前からこのバンドにいたかの様にグルーヴの要として強力なビートを提供していました。今回の来日でニッキーの虜になった人も案外多いのでは? さらに意外だったカヴァーはデヴィッド・ボウイの「Fame」。案外ストレートにミーターズ曲とかやってくれないんだな~、なんて思いながら、見事にダンプスタ色に染まった「Fame」、格好良かったです!

あと耳馴染みのない曲では「Blueswave」という曲。ブギっぽいハネたノリが印象的なアップ・テンポ曲で、今回のセットリストの中では異彩を放っていました。新曲ですかね? 「Put It In The Dumpsta」は彼らが昔からライヴでやっている定番曲。これも超ファンキーで格好良かった! ニッキー・グラスピーのドラムソロが圧巻だったのは「Lt. Dan」という曲。フェスという短いセットリストの中でニッキーのソロまで見せてくれたのは嬉しかったですね~。ビヨンセ・ファンの私としては、ここが今回のハイライトだったり。

ラストは07年リリースのデビューEPから「Meanwhile...」。ニューオーリンズらしい“間”が感じられるファンク曲ですが、中盤ではテンポを上げて8ビートに疾走する展開に。終始オルガンを弾いていたアイヴァンもここぞとばかりギターを持って中央に踊り出る。二人のベーシストと二人のギタリストが横一列に並んで繰り広げるロック・バトルに感客達も大盛り上がり。まさにバンド一丸!

いや~、それにしても凄まじいグルーヴでしたね。これぞまさに現在進行形ニューオーリンズ・ファンクですよ。ミーターズ的な濃密ファンク空間を受け継ぎながらも、よりファットに、よりタイトに弾けるグルーヴは、彼の地の瑞々しいパワーを感じさせられずにはいられませんでした。にしてもアイヴァン・ネヴィル、良いバンド作りましたね~。とにかく強烈なライヴ・バンドでした。個人的にはカッティングで終始アメーバ的な粘着グルーヴを醸していたイアンに1票入れたいです。

ちなみに私の見ていた位置からはステージ右奥の楽屋口がよく見えたのですが、そこには、ステージの様子を伺うダーティ・ダズン・ブラス・バンドのメンバー達がちらちら姿を現していました。そうです、この日のニューオーリンズ・パーティはまだ終わりません。次は真打ち、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの登場です!


この日のセット・リスト↓

01. Deeper
02. Everybody Want Sum
03. Water
04. Blueswave
05. If I'm In Luck, I Just Might Get Picked Up
06. Fame
07. Put It In The Dumpsta
08. Lt. Dan
09. Meanwhile...



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 12.09.27 フジロック・ベストアクト第4位! part3
 12.09.22 フジロック・ベストアクト第4位! part2
 12.09.20 フジロック・ベストアクト第4位! part1


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