「きみは何者か」
問うことで奏でる腕と腕は止まり
プレーは別のプレーへ移行する
原則を踏み外せばセッションの音は消える
問いを消してそのままに
プレーヤーはみずからを超え出るように
音を奏で、聴き、チューニングし、セッションを生きていく
花は桜だけではない、わかりきったことだ
幸せなセッションが生きられるように
ふさわしいセッションとの邂逅があるように
余裕があればやさしくすることもできる
だったら余裕を確保しな
確保するミッションをおのれに課す
クソをクソだと名指して喜び合うクソになるなよ
このコードだけで十分行けるはずだ
クソについて語るほどおのれが浮上する
なにごとかを語ったつもりのクソゲーム
ただのお守り言葉、ジンケン、セイギ
すべて宴会コースの刺身のつまになる
名ばかりの正義はすべて消える
言葉をプレスして析出すればそれだけが残る
たったそれだけのことだ
そうしてはじめて始発点に立つことができる
ほんとは敵も味方もない
あぶくのように湧いて出る
同じムジナの共通言語だけがある
だれが一番バカか、利口か
だれが一番正義か、悪か
こいつらとあいつら
わが陣営とあっちの陣営
敵陣の減点が自陣の加点に換算される
全体収支が変化しないクソゲーム
善人と悪人
利己と利他
イケているイケていない
主題は変化しない
同じ場所をグルグル回っている
グルグル回りながら
一つの現実を支え支えられあっている
本質は一つだ──
クソゲーを構成する同じ穴、同じムジナ同士
ここに実りはない
ゲインのかけらもない
このゲームを終わせた地点からはじまる
ほんとうに生きるに値するゲームがはじまる
