牡丹駅にもどります。
地下鉄に乗り換えを繰り返します。
6号線に乗ります。
こうやって見ても、日本の車両より大きいことがわかります。
梨泰院駅に到着します。
梨泰院に来た理由は、1つは服を作りに来たこと、もう1つは、例の大惨事(ソウル梨泰院雑踏事故)の現場に行くためです。実は、事故現場で手のひとつも合わせてこようと思ったのが、今回の韓国旅行を決意した最終的なきっかけです。ですから、旅の初日にて、この旅行の最終的な目的を達成することとなります。
一瞬「?」と思いましたが、犠牲者を追悼する付箋であることに気づきました。
現場です。ハミルトン・ホテルのすぐ隣です。この道自体を通ったことはありませんが、しかし近くは何度も通っています。
メッセージがびっしりとはられていました。
それにしてもこの道であれだけ人がいたら、これは事故があっても当然だろうなと思います。手を合わせて、犠牲者のご冥福をお祈りさせていただきました。
詳細はわかりませんが、何らかの政治団体らしきところが、えんえんマイクでがなりたてていました。
あらためて合掌しました。
奥が、事故現場です。
長きにわたって私がシャツを作っている「ハミルトン・シャツ」です。店舗が移転したという情報は知っていました。前の店より、梨泰院駅から同じ通りのやや離れたところにあります。
シャツを3着作りました。ここも3年ぶりです。3年たってやや痩せたので、あらためて身体を計測してもらったのですが、「変わりませんね」といわれて「おいおい」でした(苦笑)。で、店の女性に「日本人は来ますか」と聞いたら、「ほとんど来ません」という景気の悪い話でした。というわけで、ソウルに行かれる方は、ぜひこの店、あるいはそうでなくても、いろいろなものを買って消費をしていただければ幸いです。なお店の人は、この日私が着ていたシャツもここで作ったものでしたが、すぐ自分のところでのものだと見破ったようでした。このあたりはさすがです。なおこの店は英語が通じるので、日本人でも買い物はしやすいはず。
ここが旧店舗です。シャツの店であることは変わらないようですね。あるいは、関連店舗?
梨泰院を後にします。
(つづく)
読者の皆様へのお知らせ:渋谷の名画座「シネマヴェーラ渋谷」さんを、昨日(3/4)ブックマークに追加しました。興味のある方はご活用ください。
2023年10月27日の追記:次のような記事が『読売新聞』に出ましたので、参考までに引用します。写真は、記事にも出てくる金達顕さんと現場です。
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真後ろの人が亡くなり「生き残ったのはただの偶然」…ソウル雑踏事故1年、癒えぬ傷
2023/10/26 15:07
【ソウル=小池和樹】韓国ソウルの繁華街・ 梨泰院イテウォン でハロウィーンを楽しむ若者ら150人以上が死亡した雑踏事故は、29日で発生から1年となる。現場の路地には今も追悼に訪れる人が後を絶たず、生き残った人は心と体に痛みを抱えている。二度と悲劇が起きないよう対策も進められている。
タイガースあすにも優勝、雑踏事故や「祝賀ダイブ」警戒…大阪府警はハロウィーン6・5倍の1300人動員
日本人も犠牲
「みんなのことは忘れません」「どうか安らかにお眠りください」
事故が起きた路地の壁一面に貼られたメッセージカードに、亡くなった若者たちへの思いがつづられている。多くの人が足を運び、犠牲者を悼んでいる。
事故現場の壁にはメッセージカードが貼られ、多くの人が追悼に訪れている(23日、ソウル・梨泰院で)=小池和樹撮影
今月23日に旅行中に立ち寄った三重県の会社員女性(23)は「同世代の人たちがこの場で大勢亡くなり、未来を断たれてしまったかと思うと、やりきれない」と語った。
事故は昨年10月29日夜に発生。幅約3メートルの路地に若者らが密集し、身動きがとれなくなった上、次々と転倒。日本人留学生の冨川 芽生めい さん(当時26歳)、 小槌杏こづちあん さん(同18歳)を含む158人が窒息などで死亡した。人が倒れた隙間に周囲の人が倒れ込む「群衆雪崩」が起きたとされる。
今年は自宅で
「立っていた場所や救助の順番が違えば、自分が命を落としていた」。ソウル近郊に住む会社員、 金達顕キムタルヒョン さん(29)が振り返る。
当時身につけていた靴や時計を手に事故の状況を語る金さん(13日、韓国・仁川市で)
金さんは当日、5歳年上の妻と初めて梨泰院を訪れた。お祭りムードが一変したのは、現場の路地に入り込んだ直後。異常な密集状態で、両足が浮くほど周囲から圧迫された。
腕にはめたスマートウォッチで母親に電話をかけ、「死んでしまいそうだ」と伝えた。妻とともに耐え続け、駆けつけた救助隊員にやっと助け出されたのは、発生から1時間半ほどたってからだった。
ほぼ真後ろにいた人が亡くなっていたことを後から報道で知った。人気子ども番組のキャラクターの仮装をした人だった。「自分が生き残ったのはただの偶然だ」。そう思うと、涙が止まらなかった。
事故で負傷した左足の親指に今も痛みが残る。妻は人が密集する場所への恐怖で地下鉄に乗るのを避けるようになった。「もう二度とあんな思いはしたくない」と、今年のハロウィーンは自宅で過ごす予定だ。
イベント中止も
韓国警察は今年1月、事故原因は警察や自治体が対策を怠ったことにあるとする捜査結果を発表した。その後、現地では安全対策が強化されている。
ソウル市は今月、1平方メートルあたりの人の密集具合を検知する防犯カメラを梨泰院などに設置すると発表した。現場の消防隊員の撮影映像を市の対策室で瞬時に共有するシステムも構築したといい、市は「今年のハロウィーンは一人のけが人も出さない」とする。
他の自治体でも、通信データから混雑具合を把握する対策を試験導入したり、事故防止のためハロウィーンのイベントを中止したりする動きが出ている。
渋谷、DJポリス複数配置へ
日本では例年、10月末のハロウィーンに合わせて若者らが東京・渋谷に集結する。渋谷区は今年、「来街自粛」を呼びかけているが、コロナ禍が一段落したため街に繰り出す人が増える可能性もあり、警視庁は警戒を強化する方針だ。
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東京・渋谷の街頭で人々を誘導するDJポリス(昨年10月)
ハロウィーンで渋谷に人が集まるようになったのは10年ほど前から。主催者がいないため統制が取りにくく、人出予測も困難だ。例年、JR渋谷駅前のスクランブル交差点から、道玄坂やセンター街、文化村通りなどを仮装した若者たちが練り歩く。梨泰院と同様、狭い路地や坂道が多く、人が密集すれば雑踏事故が起きかねない。
警視庁は今回、人が滞留しないようマイクで誘導する「DJポリス」を複数配置するほか、センター街では状況に応じて左側通行を呼びかける。訪日客が来ることも見込み、英語や中国語、韓国語などでもスピーカーを通じて注意を呼びかける。
コロナ禍前の2019年は一晩で約4万人が押し寄せ、身動きが難しい状況が見られた。渋谷区は「渋谷はハロウィーンのイベント会場ではない」と呼びかけているが、SNSでは「渋谷に繰り出そう」といった投稿も目立つ。
警視庁幹部は「どれくらいの人が集まるかは未知数であり、万全の体制をとる」としている。(菅原智)