まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

レオ&ブラピ キネマの天地

2019-09-20 | 北米映画 15~21
 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
 1969年のハリウッド。かつては主演スターだったが、今はTVドラマの悪役で食いつないでいる落ち目の俳優リック・ダルトンは、自分のキャリアに悲観的でアル中気味、演技にも支障が出る始末だったが、スタントマン兼世話係のクリフ・ブースに支えられ何とか仕事を続けていた。そんな中、リックの隣家に新進気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーとその妻シャロン・テートが引っ越してくるが…

 クエンティン・タランティーノ監督待望の新作は、レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピットという超大物スターの競演!リック&クリフというフィクションと、カルト教団によるシャロン・テート殺害事件というノンフィクションを融合させ、60年代ハリウッドの業界人たちの姿をタラちゃんらしい独特の趣向と演出で描いています。

 60年代のアメリカンなファッションと音楽がまず目に耳に楽しい!ヲタクなタラちゃんらしく、当時の映画やTVのネタ満載。あまりにもマニアックすぎるし、さすがにリアルタイムでは知らないので、ちょっとついていけないところも多々ありましたが、面白かったし勉強にもなりました。タラちゃんが誰もが知ってる名作とか意識高い系アート作ではなく、くだらなそうでチープなB級映画やドラマをこよなく愛してることが、すごく伝わってきます。

 当時のハリウッドの大通りや撮影現場を再現したセットが、大規模かつ精巧。CGだらけ映画を観狎れてしまってる目を、およそ驚かすばかりです。いろんな出演作でいろんな役やってるリックの衣装だけでも、相当の製作費がかかってそう。あと、当時の車!私は車には全然詳しくないのですが、どの車もレトロかつオシャレ。特にポランスキー監督とシャロン・テートが乗ってた二人乗りのミニが可愛かった!車好きの人も必見映画です。リックの出演作のポスターとかにも、タラのこだわりが感じられました。それにしても当時のアメリカ人って、セレブも庶民もテレビドラマが好きだったんですね~。
 
 この新作は、いつものタラ作品より小粋さが増していて、タラちゃんもすいぶん円くなったな~と思いきや、いよいよシャロン・テートが…なラストになって、思いもよらぬ展開そして阿鼻叫喚のヴァイオレンス!最後の最後に、タラちゃん節炸裂!過激すぎて大笑い!ブラピとレオの大暴れも愉快豪快でしたが、クリフの飼い犬が驚愕の大活躍!あんなにおとなしく賢い名犬だったのに、ご主人さまを助けるため最恐の狂犬に!そして火炎放射器!なんでそんなもんが家に?!まるで岡田あーみん先生の漫画みたいな狂ったパニックが笑えました。犯人たちが哀れすぎ!

 これからシャロン・テートが惨殺されるのか~と、恐怖と緊張感を抱かせておいて、え!?何?どーいうこと?!な予想外すぎる展開と結末に、うう~んそうきたか~!とニヤリとさせられるタラの脚本、やはり冴えてました。話の面白さだけでなく、主演スターの魅力を活かしつつも他の作品の彼らとは違う面や演技を引き出すところも、タラちゃんは天才的です。レオナルド・ディカプリオは「ジャンゴ」、ブラッド・ピットは「イングロリアス・バスターズ」ですでにタラ作品に出演済みですが、落ちぶれることなく今なお第一級のスターであり続けている二人の顔合わせ、さぞや演技の火花を散らしてることだろうなという期待は、いい意味で裏切られました。二人とも、ただもうカッコいい、可愛い。ヘンな力みがなくて、軽やかで楽しそうだった。
 まずはレオ。オスカーを受賞した「レヴェナント」以来、久々のお仕事復帰。
 
 レオもすっかりおじさんになったけど、可愛いおじさん。エキセントリックな役や演技がほとんどなレオですが、今回はメソメソしたりイジイジしたり情緒不安定、コミカルにネガティヴなレオが新鮮でチャーミングでした。台詞が出てこず泣きそうな顔になるレオが可愛すぎ!デカくて貫禄も恰幅もある風貌と、内面の大人になりきれないナイーヴな少年っぽさのギャップもレオの独特さ、魅力です。プライベートと仕事で衣装とっかえひっかえなレオ七変化も楽しい。リックだけでなくリックが演じる役のシーンもたくさんあったので、撮影たいへんだっただろうな~。ダメ男だけど演技に真摯なリックに好感。落ち目なのにあんなプールつきの豪邸に住めるなんて、ハリウッドスターの稼ぎってやっぱ桁外れなんですね。
 クリフ役のブラピは、顔はおじいさんだけど、カラダと雰囲気は若い!

 優しさと男気、そして危険な香り。女は惚れる男も憧れる、そんなカッコいい役はブラピぐらいのスターじゃないと、演じても説得力ありません。カッコいいけどカッコつけておらず、ひょうひょうとラフな明るさがまた素敵。笑顔がすっごく優しいんですよね~。Tシャツとジーパンがあれほど似合うアラフィフ男優、ブラピの他にいません。屋根のアンテナを修理するシーンでは、上半身裸になるファンサービスも。四捨五入で60歳になるおっさんの体とは思えぬ肉体美です。

 クリフに甘えるリック、リックを甘やかすクリフ、ほとんどハリウッド版おっさんずラブでした。二人の友だち以上恋人未満な関係は、BLでもゲイではなく流行りのブロマンスなところが、腐女子受け間違いなしです。リックとクリフ、きっと爺になっても同じ調子で仲良くやってそう。
 シャロン・テート役を、今ハリウッドで最もアゲアゲな女優、マーゴット・ロビーが好演してます。セレブ感がありながら、すごく気さくで気が善いシャロン。自分の出演作を独りで映画館に観に行って、スクリーンの中で転んでパンツ丸見えとか、かなりチープでアホな自分の姿を楽しそうに見てる彼女、おおらかで明るくて可愛かった。いい人の役だけど実際は性格悪いんだろうな、と思わせる女優が多い中、マーゴットは美人だけど人柄も良さそうで好きです。

 ↑ レオは今作で、ブラピはもうひとつの新作「アド・アストラ」の宣伝でそれぞれ来日してくれました。二人ともいい感じにおじさんになって、若い頃とはまた違った魅力。日本の某事務所のおっさんアイドルたちも、年齢にふさわしい仕事すればいいのにね…
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美少年詩人レオ BL痴情のもつれ!

2017-01-06 | イギリス、アイルランド映画
 「太陽と月に背いて」
 1871年のパリ。高名な詩人ヴェルレーヌは、16歳の天才詩人アルチュール・ランボーと出会い、自由奔放で激情的な彼に魅了される。やがて彼らは、不毛で破滅的な愛に溺れるようになるが…
 昨年めでたく「レヴェナント 蘇えりし者」でオスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオ。どの出演作のレオも印象的ですが、とりわけ強烈で、なおかつ私がいちばん好きなレオと言えば、夭折したフランスの天才詩人を演じたの映画の彼なんですよね~。初めてオスカーにノミネートされた「ギルバート・グレイプ」と、歴史的大ヒット作となった「タイタニック」の中間、当時21歳!のレオの少年美が、ひたすらまぶしく鮮烈。彼の蒼い激情に圧倒され魅了されます。

 今ではすっかり貫禄も恰幅もあるハリウッド随一の大スターとなっているレオですが、この映画ではまだ甘酸っぱい青い果実!威圧感あるイカツい体格の今のレオと同一人物とは信じがたいほど、強く抱けば折れそうなほどヒョロっとしたポッキー少年。ヒゲもシワもなく、ツルツルな白い肌。サラッサラの髪。背は高いけど、体つきも顔も子ども!そんな少年レオが、おっさんとアンなことコンなことやりまくってるんですよ~。犯罪ちっくで、いいのかなこれ、マズいんじゃないかな、と萌える前に気まずい思いにかられます。

 ディープキス、そして全裸セックスシーン。美少年がハゲおやじに抱かれてるのかと思いきや、レオのほうがバックからおっさんをガンガン攻めてるじゃありませんか!唖然ボーゼンなのは、同性愛シーンだけではありません。とにかくレオasランボー、天衣無縫というか、傍若無人!まさに天才と何とかは紙一重。彼の行く所、迷惑当惑の嵐。大ヒンシュクを買いまくりな奇行のオンパレード。特に目がテンだったのは、詩人の会で、ランボーがテーブルの上に飛び乗って放尿!すっぽんぽんになって、窓から姿をさらしたり(レオの全裸は珍しくないけど、オチン○ン丸だしはこの映画だけ?)。まことちゃんも真っ青な、レオのイっちゃてるエキセントリック演技が、ファンにはかなりジョイフルです。

 現在のレオと21歳のレオ、見た目はかなり様変わりしてますが、激情ほとばしる狂気的な演技は今も昔も同じです。中年男を誘惑したり翻弄したり甘えたり嘲ったりする小悪魔なレオ、その笑顔も絶叫も涙もすべてがキラキラしてます。フランスの詩人というより、アメリカの悪ガキに見えなくもないレオですが、ファンにとって宝石のような映画であることは間違いありません。レオご本人にとっては、若気のいたりでやっちまった的な、触れてほしくない黒歴史映画らしいけど

 それにしても。この映画、詩人同士の耽美的で退廃的なBLというより、少年と中年男のドロドロした痴情のもつれ話なんですよね~。くっついたり離れたりを繰り返す二人。彼らのやりとりは、ちょっと三島由紀夫の「禁色」の悠一と鏑木伯爵を彷彿とさせます。ヴェルレーヌが、最低最悪な情けないゲス男でイラッとします。冷たくされても愚弄されても、恥も外聞もなく美少年に執着する姿が、あさましくて醜い!身重の奥さんがいるのに、同性愛ゲス不倫!それだけでも許しがたいのに、とんでもないアル中、そしてDV野郎ときてるんだから、もう救いようがない。奥さんを殴る蹴る、髪に火をつける!バカにするにもほどがある仕打ちとか、肉体的精神的虐待が非道すぎる。立派な犯罪者、いや、異常者です。

 ヴェルレーヌ役は、当時気鋭の英国男優だったデヴィッド・シューリス。顔だけだと、そんなにおっさんでもないし、イケメンでもあります。ハゲ&崩れた体でおっさんに巧く化けてる感じ。ヴェルレーヌの可哀想な若妻マチルド役は、フランスの名優リシャール・ボーランジェの娘ロマーヌ・ボーランジェ。パパとクリソツな顔です。すごい巨乳に目がクギヅケ!ランボーの妹イザベル役は、フランスの名女優ドミニク・ブラン。彼女がレオの妹って、めちゃくちゃ無理がありました。
 「危険な関係」や「キャリントン」などの名脚本家、クリストファー・ハンプトンが自作の戯曲を映画用に脚色。彼のオリジナル戯曲は、日本でも岡田将生主演で舞台化されました。岡マのランボーも面白そうですね。
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ツインズ☆ギャング

2017-01-04 | イギリス、アイルランド映画
 早いもので、もうお正月休みもセ・フィニ…
 もう身も心もグダグダ状態で、明日から働けるか不安です…
 去年末、職場のおばさんに騙されて?予約してしまった、ゆ○タウンのカープ福袋を受け取りに行きました。これで1万円!ショボい…と唖然となる内容でした。まあ、ゆ○タウンだしね~。福屋とかのカープ福袋とは、やっぱ違いますね。

 黒いリュックは可愛い。海外旅行にちょうどいいかも。
 あ、そうそう!私、ついに!旅立つことにしました!ああ~ビルマのどこかに~私を待ってる人がいる~♪スーチー女史に会えるかナ?御仏に世界平和を祈願したい…
 初めてビザも取得!昔はミャンマー大使館に申し込まなければならず、かなり面倒で時間もかかったらしいけど、今はe-visaの時代!ネットで申し込み、カード決済でサクサクっと手に入れることができました♪
 今はミャンマーの情報収集中!何か情報、そして旅のアドバイスなどありましたら、よろしくお願いいたします

 「レジェンド 狂気の美学」
 60年代のロンドン、イーストエンド。ギャングの双子レジナルドとロナルドは、裏社会で頭角をあらわしていた。愛する女性ができたレジナルドはカタギになろうとするが、それが一心同体だったロンとの間に不協和音を生じさせて…
 トム・ハーディが二役に挑戦!いつもの通り、ヤバくて可愛い、ヤバカワなトムハでした~クールで優しいレジーと、マジキチなロン。そっくりだけど全然違う双子を、それぞれ個性的にチャーミングに演じ分けていて、トムハファンにとってはチキン+フィッシュのWバーガーみたいなお得感ある映画となってます。

 まず、見た目。トムハasレジーは、男前とかイケメンとかではなく、ハンサムと表現するのがピッタリかも。普段は意図的にハンサム隠し、ハンサム崩ししてるトムハなので、珍しくハンサムな素を見せてくれてるトムハが嬉しい。今まで見たトムハの中では、最もこざっぱりしてるかも。常にパリっと小粋なスーツかタキシード、ヒゲも生やしてないトムハの、クラシカルなハンサムぶりに惚れ惚れ。ハンサムなだけでなく、スウィート&ロマンチックなトムハも珍しい。恋人に甘~いトムハに胸キュン!まるでジュリエットと逢瀬するロミオみたいなシーンとか、トムハもこういうのやればできる子じゃん!と感心。優しいけど、歩き方とか言葉遣いとかは粗野なヤーさんなところが、またそそるんですよね~。

 でもトムハ、やっぱスウィート&ロマンチックな演技は苦手そう。ラブシーンとか、ほとんどなかったし。逆に、血の気の多い荒ぶる演技にはノリノリで、気迫がこもってます。この映画でも、大暴れしまくってます。私でも勝てそうなヤワなイケメン俳優の喧嘩シーンと違って、トムハの暴れっぷりはド迫力で怖いです。でも、それこそ彼の真骨頂💛

 そして、トムハasロン。これがまた、なかなか強烈。こんな男、野放しにしちゃマズいよ~な、真性き○がいなんですよ。意味不明な発言がアレな人すぎて笑えた。そして、あのまばたきしない開ききった瞳孔!「レヴェナント」のトムハの目つきもヤバかったけど、ロンのそれはmoreデンジャラス!あんな目つき、演技でできるものなんですね~。トムハ独特のモゴモゴ声も、レジーとロンではビミョーに違ってたり、レジーはゴリマッチョだけどロンはデブ、なところも細やかな演じ分け。トムハって、マーロン・ブランドを彷彿とさせる役者になってきてるような。

 見事に演じ分けてるので、一人二役であることを忘れさせるほど。二人がイチャイチャ仲良くしたり、殺し合いみたいなケンカしたり、絡むシーンが多いのが驚異だった。不自然じゃない撮り方も巧みでした。トムハ、撮影は大変だっただろうな~。あれで一人分のギャラは、割が合わないような。
 絶対に離れられない呪われた宿縁みたいな双子の絆が、恐ろしくも悲しかったです。き○がいすぎるロンのトラブルメーカーぶりに振り回され、尻拭いに明け暮れるレジーが可哀想なんだけど、何だか二人のSM的な愛の形みたいでもありました。

 ロンがゲイ、という設定も話を面白くしてました。大好きな兄ちゃんに彼女ができると、ゲイ的な嫉妬の炎メラメラ!何かと女にトゲトゲしくしたり、ママと一緒になってイビる小姑っぷりが笑えた。レジーはもちろん、モンスターなロンも老母には超優しいところが、何かほっこりさせた。ロンにはべっている寵童役は、「キングスマン」のタロン・エガートン。頭悪そうなパッパラパー表情や笑い方が可愛かったです。トムハとのBLシーンは皆無。せめてキスぐらいしてほしかったな~。
 双子を執拗に追う刑事役にクリストファー・エクルストン、レジーの参謀役にデヴィッド・シューリス。二人とも、すっかりお爺さんになっちゃったな~

 ↑ クリストファー・ノーラン監督の戦争大作「ダンケルク」が、日本公開決定!トムハの快進撃は、今年もノンストップです
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2016年my cinema lifeを総括する

2016-12-30 | 映画雑記
 早いもので、2016年も終わりに近づいています。今さらジタバタしてもtoo lateな年の瀬、後悔や失敗を懺悔しながら今、静かに新年を迎える心の準備中な私です。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
 今年もいろんな映画、観ましたね!今年最後の更新は、恒例の映画総括!僭越ながら、2016年MYベスト3映画、男優、女優を発表
 その前に、今年はどんな映画を映画館まで観に行ったのかしらん?…

 1月 ブリッジ・オブ・スパイ
 2月 オデッセイ
    ブラック・スキャンダル
    キャロル
    白鯨との闘い
 3月 リリーのすべて
 4月 シェル・コレクター
    ロブスター
 5月 レヴェナント 蘇えりし者
    スポットライト 世紀のスクープ
 6月 スノーホワイト 氷の王国
    さざなみ
    太陽のめざめ
    愛と死の谷
    アスファルト
 7月 エクス・マキナ
 8月 後妻業の女
 9月 怒り
10月    −
11月 ジェイソン・ボーン
12月 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
    ミュージアム

 21本!毎年だいたい20本前後が、もう定着してますね~…観る予定だったのに観に行けなかった映画、今年もぎょうさんありました…池松くんの「セトウツミ」「だれかの木琴」とか、「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」「ハドソン川の奇跡」「マクベス」「ルーム」「マダム・フローレンス!」etc.来年こそ1000本は観に行きたいです♪
 それでは、2016年映画ベスト3発表!(DVDで観た年内日本公開作も含む)

 作品賞

1位 アスファルト

 感激!とか衝撃!な映画ではないけど、しみじみとほのぼのとした味わいが忘れがたい佳作でした。ちょっとズレたトボけた笑いもツボでした。

2位 さざなみ

 いい年して逃げ恥にハマった人に、ぜひ観てほしい大人の映画。結婚について、男女について、老いについて考えさせられました。

3位 エクス・マキナ

 斬新でユニークな映画でした。あの美しきAIがどうなったのか、すごく気になります。

 男優賞

1位 マット・デーモン 「オデッセイ」「ジェイソン・ボーン」

 オスカー候補&久々の当たり役復活。今やハリウッド随一のスターとして、面目躍如な今年のマットでした。来年も公開作目白押しなのは嬉しいけど、過労で体こわさないでね!若く見えるけど、もう若くないんだから!

2位 レオナルド・ディカプリオ 「レヴェナント 蘇えりし者」

 あらためてオスカー受賞、おめでと!レオにとっては栄光の年となりました。ゆっくり休んで、またいい仕事してください。たまには軽いコメディとか恋愛ものにも出て!

3位 トム・ハーディ 「レヴェナント 蘇えりし者」「レジェンド 狂気の美学」

 今年は初めてオスカーにノミネートされ、人気・知名度もますますアゲアゲ⤴⤴となったトムハ。大作の公開も控え、来年も引き続きイケイケ状態だネ♪

 その他、「リリーのすべて」「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」のエディ・レッドメイン、「白鯨との闘い」「リリーのすべて」「ロブスター」のベン・ウィショー、「ロブスター」「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」のコリン・ファレル、「スポットライト 世紀のスクープ」のマーク・ラファロ、「エクス・マキナ」のオスカー・アイザック、「メモリーズ 追憶の剣」「インサイダーズ 内部者たち」のイ・ビョンホン、「ドリームホーム 99%を操る男たち」のアンドリュー・ガーフィールド、「怒り」「ミュージアム」の妻夫木聡、が印象に残る好演でした。



 女優賞

1位 アリシア・ヴィキャンデル 「リリーのすべて」「エクス・マキナ」「二つ星のシェフ」「ジェイソン・ボーン」

 オスカー受賞!今や最旬の売れっ子女優となったヴィキャ子。ハリウッドで稼ぎまくるのもいいけど、来年は母国スウェーデンの映画の彼女も見たいものです。

2位 シャーロット・ランプリング 「さざなみ」

 齢70にして、初めてオスカー候補となったランプリングおばさま。いぶし銀のシブさがカッコいい!TVドラマ「ロンドン・スパイ」の彼女も激シブでした。

3位 イザベル・ユペール 「アスファルト」「愛と死の谷」

 フランス映画祭で来日したユペりんを、生で見ることができて超感激!クールにすっとぼけ芸は、もはや彼女のお家芸となってます。超話題作が待機中で、来年は彼女の年になりそうな予感。

 こんなん出ましたけどぉ~?
 よろしければ、皆さまのベストも教えておくれやす~(^^♪
 来年もたくさん、面白い映画、佳い映画を観たいですね!2017年もご一緒に、充実したシネマライフを送りましょう!こんな絶海の孤島、辺境の村落にある潰れかけの飲み屋みたいな激ショボブログに遊びに来てくださり、今年も本当にありがとうございました!よいお年をSee you soon!
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誘惑のアンドローラ

2016-07-20 | イギリス、アイルランド映画
 「エクス・マキナ」
 世界最大のインターネット会社で働くプログラマーのケイレブは、めったに人前には姿を現さない社長ネイサンの山荘に招かれるという幸運を掴む。山荘はネイサンの研究施設で、そこで彼は高度な人工知能を作り出すことに成功していた。女性型ロボットのエヴァに、ケイレブは魅了されていくが…
 「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞を受賞、マット・デーモンの「ジェイソン・ボーン」のヒロイン役に抜擢されるなど、今や映画界最旬の女優アリシア・ヴィキャンデルが、美しき人工知能ロボットを演じて話題になった作品。
 日本で観られるアリシアの出演作はほとんど観ている私ですが、この映画の彼女が今までで最も美しく可愛いかったかも!アリシアって、可憐だけど基本は地味子ちゃんじゃないですか。なので、華やかなヒロインとかセクシー美女役なんかされると、ちょっと違うのでは…という違和感が否めないのですが、今回のアンドロイド役は、彼女のシンプルで純朴な美しさが活かされていたように思われます。
 少女のようなあどけなさ、危うさ、はかなさで、俺が守ってやらねば!と男の父性本能を掻き立てたかと思うと、何を考えているのか分からない謎めいた微笑や、意味深な沈黙で男を不安にさせたり、挑発とも誘惑ともとれる言動や風情で男の欲望をもそそるエヴァを、寡黙で無表情ながらも蠱惑的に演じてるアリシアです。男たちを翻弄し破滅へと導くエヴァは、ロボットながら立派なファムファタールでした。映画史上に残るユニークかつ魅惑的なヒロインといっても過言ではないのでは。

 いかにもロボット、な演技ではなく、限りなく人間だけど、ちょっとした仕草などで表す機械仕掛けっぽいニュアンスも、なかなか見事なアリシアでした。ロボットなコスチュームは、マシン的でありながらどことなくエロくもあって。人間の服を着るシーンのアリシアも、すごく可愛らしかった。彼女にはやはり、ゴージャス系よりもシンプルで清楚な衣装が似合いますね。オールヌードシーンも大胆かつ可憐でした。相当の女優魂が必要な難役を演じのけたアリシアは、やはりあまたいる同世代の女優たちとは十把ひとからげにはできない存在です。エヴァ役を綾瀬はるかや石原さとみにやれといっても、演技力的にも事務所的にも絶対ムリでしょうし。
 神をもおそれぬ科学の進歩は、人間の思い上がりなのでしょうか。そのしっぺ返しのようなラストの惨劇に戦慄。人工知能なんて、ほんとに必要なのかな~。いつか人間を亡ぼすことになる本末転倒な未来が訪れそう。それにしても。世界のどこかには、人知れず高度な人工知能を作り出した秘密の研究施設って、あるのでしょうか。もしあるのなら、夢のようでいて、空恐ろしい…
 エヴァやロボットたちのヴィジュアルや、研究施設内の設備など、視覚効果やセット、メイクがユニークかつ驚異的。安易でチープなCGだらけの映画を見慣れた目には、すごく斬新に映りました。
 実質の主人公ケイレブ役は、「FRANK フランク」でウザい男を好演し、「レヴェナント」にも出演してたドーセル・グリーソン。いい俳優なのですが、ちょっと地味すぎる、ていうか、私好みのイケメンじゃないのが、残念ポイントな映画でした。ふかわりょうに似て見てたのは私だけ?

 ネイサン役のオスカー・アイザックが男前!男の色気、フェロモンが濃ゆい!なぜかいつも半裸で、艶っぽく浅黒い肌とムチムチしたマッチョボディがセクシーでした。一見ひょうひょうと陽気だけど、実はかなりヤバいコワレ人っぽさも薄々と醸してる演技が秀逸でした。あの社長、かなりの狂人、変質者ですよね~。まさに天才とアレは紙一重、頭が良すぎるのも不幸だわ。彼が美女メイド?のキョウコとディスコティックに踊るシーンが、シュールでカッコよかった!ダンス上手だな~。
 あと、美しい自然に囲まれた山荘が、リッチかつオサレで素敵だった!あんな別荘で休日を過ごしてみたいな~。
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復讐するはレオにあり

2016-05-02 | 北米映画 15~21
 「レヴェナント 蘇えりし者」
 西部開拓時代のアメリカの未開拓原野。狩猟中に熊に襲われ瀕死の重傷を負ったヒュー・グラスは、最愛の息子を殺し自分を置き去りにしたフィッツジェラルドへの復讐を果たすため、大自然の猛威の中で過酷なサバイバルの旅を続けるが…
 「バードマン」に続き、二年連続でアカデミー監督賞を受賞という快挙を成したアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品。
 レオナルド・ディカプリオ、期待通り、予想以上の大激演でした!観終わった後の、胃もたれに近い食い過ぎた感。このオナカイッパイ!ゲップ!感、好きなんですよ私。最近の俳優って、無難で軽くて薄い人たちばかりじゃないですか。感動や刺激に飢えた腹ペコの時に、少量のおかゆしか口にできないという物足りなさ。その点レオは、食えるもんなら食ってみろ!と言わんばかりの、どどーんと出された味付けの濃ゆい巨大ステーキみたいな役者。一部の映画ファンからは、演技が力みすぎで過剰!いかにも賞狙いであざとい!なんて批判されていますが、それの何が悪いの。うんざりするような学芸会、CM演技よりも、レオの激烈衝撃的な演技こそ、お金を払って見る価値があるというものです。

 で、ついにオスカーを獲得したレオ。もし受賞を逃してたら、当分チャンスもやる気もなくなってただろうな~と、あらためて受賞に安堵しました。これまでノミネートされた演技も、どれもオスカーに値する素晴らしいものでしたが、これで受賞はちょっと?もっと受賞にふさわしい役、演技はあるはず…と思ってた私も納得な、今回の初受賞。生半可な俳優には絶対ムリな壮絶な演技に、ただもう瞠目するばかりでしたが…あまりにも凄絶で、ほとんどギャクの域にも達していたような…ひょっとしてこれ、笑いを狙っているのかしらん?と、思わず吹き出してしまうそうになったのも一度や二度ではなかった…
 もうレオ、悲惨すぎ痛ましすぎ。もうひたすら酷い目に遭いまくって、ぐおぉー!!ぐわー!!ギエェ~!!と悶絶絶叫。もしくは、死んでたまるかー!とばかりに、ふんがー!!と奮い立つ、それだけ、みたいな映画なんですよ人間って、あっけなく死ぬかと思うと、なかなか死なない生き物でもある…

 ↑もうずっとこんな顔ばっかしてます
 心の中でツッコミまくらずにはいられなかったのが、レオの不死身っぷり。何で死なないの!?そこは死ぬでしょ?!なシーンてんこもりなのですが、死なないんですよ冒頭のインディアン襲撃の阿鼻叫喚な地獄絵図、巨大グリズリーに負わされた瀕死の重傷、生き埋め、極寒の雪嵐、激流の川に流されetc.どれか一つだけでもフツーは死にます。まるでRPGのように次々と襲いかかる危難、苦難を、ズタボロになりながらも決死でクリア。執念でゾンビのように復活、サバイバルするレオの鬼の形相、全身から揺らめき立つ気焔は、まさに入魂の演技。レオのファンじゃなくても、驚嘆し圧倒されること間違いなしです。ああいう精神と肉体を削るような演技って、なかなかお目にかかれません。レオも当分の間は控えるのではないでしょうか。そう何度もできるもんじゃないでしょうから。

 劇中の衝撃的なサバイバル方法に、ただもう仰天、お口ぽかーん。特に目がクギヅケになったのは、死んだ馬の内臓を取り出して、馬の腹の中に全裸になって入って風雪を凌ぐシーン。そーいや「ハンニバル」でも似たようなシーンあったっけ…すっぽんぽんになったレオのお尻が可愛かった。数々のサバイバル術を伝授してくれるレオですが、まったく参考にはなりませんフツーの人にはまず不可能だし、第一その前にフツーの人なら死んでますし。

 もう原型をとどめてないほど、傷だらけ血だらけ泥だらけなレオですが、たま~に、ふとした瞬間に、あ、やっぱ可愛い!とキュンとなる表情、イケメンのかけらを見せてくれます。
 圧巻の役者魂、イケメンといえば、レオの独壇場ではありません。ヒュー・グラスの息子を殺し、グラスを生き埋めにして置き去りにする非情な男、フィッツジェラルドを熱演・怪演したトム・ハーディも、やっぱスゴい俳優!男前!

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が大ヒット、この映画では初のオスカー候補と、大ブレイクを遂げたトムハ。今や最も勢いがある映画界の寵児となった彼が、レオにも引けを取らぬ強烈さで魅せてくれます。とにかく冷酷で激烈!触れてはならぬ地雷みたいな不穏さ、危険な空気をこれでもか!と放出してます。目つきがヤバすぎる!悪人というより、心がない男、みたいな怖さ。グリズリーみたいな荒々しさ、ゴツさですが、よく見ればやっぱ可愛い顔なんですよね~。レオにしろトムハにしろ、イケメン隠しって難しいんですね。ブサイクな名優じゃなくて、イケメンが崩壊するからこそ魅惑的なんです。風貌も好きですが、トムハのあの独特なモゴモゴした喋り方もすごく好き!

 ラストの、雪を鮮血に染めるレオVSトムハの最終決戦も、目を覆いたくなるような惨劇です。とにかく残虐なシーンが多いので、心臓が弱い人にはお勧めできない映画です。でも、厳しくも広大壮麗な自然をあますことなくとらえた映像は、驚異的に美しくて感動的。どーやって撮影したんだろ。

 ↑憎悪、敵意メラメラだった映画と違い、私生活では仲良しなレオ&トムハ。カキタレぐらいにしか思ってない女よりも、男の友情を大事にしてるレオに、すっかり懐いてツルんでるトムハが、ちょっと心配。嫁と子どもほっぽらかして、レオ兄さんと遊んでばかりいちゃダメよ!

 激烈な役ばかりじゃなく、たまには軽いコメディとか恋愛ものにも出てほしい二人です
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栄光のレオ

2016-02-29 | 映画雑記
 アカデミー賞が発表されましたね
 WOWOW加入してないし、仕事だったのでリアルタイムで情報キャッチできず、家に帰ってやっと・ゆっくり、youtubeとかで結果を楽しみました。
 今年最大の注目は、何といってもレオナルド・ディカプリオの初受賞が成るか否か。今年はこれまでと違い、正真正銘の大本命。受賞はほぼ間違いなしと見なされていましたが、やはり蓋を開けてみるまではヤキモキ。ファンでさえ落ち着かないのに、ご本人の心境はいかばかりか察するに余りあります。

 それにしても今年のオスカーは、まさにレオのための祭典みたいでした。おケイと久々のタイタニック再結成など、ファン感涙の大サービスでも話題を振りまいたり。それにしてもこの二人、ほんといつまで経っても姉と弟みたいな微笑ましいコンビ(カップルではない)。二人とも今や貫禄たっぷりの超大物スター、見た目もいい感じに可愛いおじさん、きれいなおばさんになって、タイタニックの二人を思い出すと感慨深いものがあります。レオはまだ何となく少年っぽさが残ってるけど、おケイは生まれながらの熟女みたいな風格、威風堂々さですね。1歳しか違わない二人ですが、気ままな独身貴族の男と、結婚離婚を繰り返し3人も4人も子どもを産んだ女とでは、やはり精神年齢の差が外貌にも表れますね。

 レオとトム・ハーディとのツーショットも嬉しかった!トムハ、ちゃんと出席してくれたのね。グラサン&タキシード、キマってました!マフィアのイカした若親分みたい!嫁もマフィアの情婦って感じだし。マット・デーモン、マイケル・ファスベンダー、イ・ビョンホン!なども、いい男っぷりを競ってました。
 華やかなレッドカーペット、スターたちのファッションもオスカーの魅力。ケイト・ブランシェットとブリー・ラーソンのドレスが特に素敵だった。ナニゲにオシャレ番長なエディ・レッドメインの、上品かつさりげなくスタイリッシュなタキシードが、相変わらず群を抜いたハイセンス。ジャレッド・レトのDQNっぽさも嫌いじゃない。
 受賞結果は…
 作品賞 「スポットライト 世紀のスクープ」
 監督賞 アレハンドロ・G・イリャニトゥ
 主演男優賞 レオナルド・ディカプリオ
 主演女優賞 ブリー・ラーソン
 助演男優賞 マーク・ライランス
 助演女優賞 アリシア・ヴィキャンデル
 外国語映画賞 「サウルの息子」

 レオ、おめでと~

 嬉しさと同時に、ほっと安堵!レオの思いのほか落ち着いた、スマートなスピーチも印象的でした。もっと感無量になって、お母さ~ん!と聖子みたいに号泣(古っ!)、を期待してたんだけど。弟(笑)の晴れ姿を感激で見守るおケイさんなど、会場の温かい祝福ムードも感動的でした。ほんと、良かったねレオ!GG賞でのレオVSレディ・ガガの因縁対決第二ラウンド、とかも見たかった(笑)。

 主演女優賞、助演女優賞は、まだ20代の女優たち!というフレッシュさ。「ルーム」と「リリーのすべて」どっちも早く観たいです。それはそうと。アリシア・ヴィキャンデルなの?ヴィキャンダーなの?前者のほうがヨーロッパっぽくて好きだけど。
 助演男優賞、スタローンは残念無念でしょうね~。でも、ライランス氏は受賞も納得の名演でしたもんね。ショボくれた爺さん風だった映画と違い、実物のライランス氏は帽子も小粋な英国紳士でカッコいいですね。

 ↑レオ、マーク・ラファロとも萌えツーショット。二人は「シャッターアイランド」で共演してましたね!
 助演男優賞といえば、同じマークでもラファロ好き好き大好き!自分が紹介された後、カメラに向かってウィンクしたラファロ、めっちゃカッコよかった~同じこと、亀梨がしたらオエッ!キモッ!なのに
 作品賞の「スポットライト」が最後に鮮やかに、勢いづいてた「レヴェナント」と「マネーショート」を追い抜きましたね!作品賞候補作の中では、いちばん楽しみでもあったし、ますます待ち遠しくなりました!受賞作も、ノミネート作も、ぜんぶ観るゾっと(^^♪忙しくなりそう!
 オスカーの後はいつもながら、祭りの後な寂寥感…来年のオスカーまで、無事に生きてるかどうかも覚束ない…って、毎年言ってますね

↑あらためて、おめでとうごじゃりまする~!レオ、嬉しそう!
 
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カエルの王子さま

2016-01-15 | 日本映画
 アカデミー賞のノミネーションが発表されましたね!
 衝撃的な番狂わせのない、大方の予想通り、無難な顔ぶれでした。そして、例年以上に華やかで、日本の映画ファンにも馴染のある顔ぶれでした。特に主演助演男優は、私の大好きなスターがキラ星のごとく犇めいています。いよいよ初受賞の勢いなレオナルド・ディカプリオと、今やハリウッドNo1のスターであるマット・デーモン、新・英国俳優王のマイケル・ファスベンダーの候補入りは当然の結果ですが、ギリギリラインだったトム・ハーディとマーク・ラファロも選ばれて狂喜&安堵!とにもかくにも、これだけのメンツがそろう授賞式が楽しみ!
 女優では、レジェンド女優のシャーロット・ランプリングの初ノミネートが、映画ファンにとっては嬉しいですね。あんた誰?な女優や、まだ若くて今後もチャンスがいっぱいある女優、またあんたか~な女優よりも、ここはランプリングおばさまに花をもたせてあげたいです。
 候補作品の中では、「レヴェナント 蘇えりし者」と「スポットライト 世紀のスクープ」が特に観たいです!
 ぜんぜん関係ない話ですが。いまTVでMステ観てるのですが、出演者の中に槇原敬之と平井堅が。画面的にこれOKなのかな~な、濃厚すぎるゲイゲイしさに胸焼けが。しかもトークのコーナーで、堅子さんが冗談で歌詞をパクリとか拝借とか言ってる後ろに、笑顔のマッキー姐さん、苦笑いしてる他の出演者、という場面がスリリングすぎ。歌より美味しかったです。

 「箱入り息子の恋」
 市役所勤務の健太郎は、30過ぎても親と同居中の独身男。恋人も友だちもいない健太郎の将来を心配する両親は、息子の結婚相手を求めて婚活。一方、健太郎は雨の中で出会った女性に恋をするが…
 最近とても気になる男、去年の紅白にも出演するなどミュージシャンとしても人気の星野源主演作。
 源ちゃんの演技、初めて見ましたが…なかなかの役者じゃないですか!見た目も演技も、個性的で味がある、でも独特すぎない強烈すぎない、いい感じに地味なところにも好感。

 決してイケメンではない、どちかかといえばブサイクなんだけど、何か可愛いんですよね~。ブサカワいい。たまに森山未來に似て見えたのは私だけ?小柄で、ちょこんとした風貌もキュート。声も好きです。眼鏡も似合ってて、ダサ男なはずなのにオシャレに見えてしまった。

 ルックスも好きですが、演技もチャーミングでした。几帳面で規律正しく、知的レベルは高いけど他人に関心がなくコミュニケーションが苦手、自分ルールを厳守して生きている、ちょっとアスペルガー症候群っぽい健太郎を、キモ可愛く演じてた源ちゃんです。昼休みは家に戻ってランチ、夜は自室で黙々とゲーム、ペットのカエルと無言の対話、というコミュ障&ぼっちシーンの源ちゃんは、かなり不気味、でもやっぱ何か可愛らしい。源ちゃんみたいに可愛い男が演じてなかったら、健太郎ってかなりヤバい男になってたかも。婚活用の写真の健太郎、まるで5人ぐらい殺した通り魔のまともだった頃、みたいな感じで笑えた。

 健太郎を心配して、息子のために婚活する両親。親子のぎこちなくもほのぼのしたやりとりが、コミカルで微笑ましいです。健太郎と似たような境遇(笑)の私は、ちょっぴり身につまされちゃったが。仕事以外はほとんど家から出ない、浪費が嫌い、結婚や恋愛に興味がない、他人と必要以上に関わりたくない、という健太郎と私の共通点がイタいですでもまあ私は、昼休みに家に戻ったりはしないし、会社の連中にも調子よく適当に合わせてるし、たま~にだけど夜遊びもするし、ゲームもしない、カエルと対話もしませんが。

 確かに、私だって健太郎みたいな息子がいたら、すごく心配したり不安にもなるだろうけど…彼や私みたいな人間って、そんなに不幸で哀れな存在なのでしょうか?いい年して引きこもりだったり、DVやアル中ヤク中、無職だったりしたら問題ですが、健太郎は真面目に働いてるし(しかも公務員!)、老後独りで生きるための貯蓄もしてるし、おかしな趣味も性癖もない。誰にも迷惑かけず、静かに孤独に安住することって、いけないことでしょうか。孤独に安住してた健太郎に私は共感を抱いてたので、恋を知って生まれ変わろうとする健太郎の変貌には、ちょっと寂しい気持ちにも。孤独に安住することは間違いだと君も気づいて!と彼に言われたようで。

 恋を知って、見た目もキャラも変わっていく健太郎のビフォーアフターも、源ちゃんは可愛く巧みに演じてました。コンタクトにして、若者らしい服を着た源ちゃんは、フツーにイケてる男子。初恋にモジモジウキウキドキドキしてる源ちゃん、少年のような初々しさでキュンキュンしちゃいましたわ。
 驚いたことに、源ちゃんのHシーンもあり。

 ガリガリで非セクシーですが、キスとか童貞とは思えぬ慣れた感じが。さすが、aikoを捨てて二階堂ふみに乗り換えた男!奈緒子の部屋でHの最中、彼女の両親が乱入するシーンで、すっぽんぽんも披露!滑稽だけど悲痛な全裸熱演が切なかったです。ケツ出して頑張ってました。 

 奈緒子役の夏帆は、うう~ん…歯茎が気になって…奈緒子、いくら盲目という障害があるとはいえ、大人の女なのに乙女すぎ。もうちょっと自己や自立心があってもよかったのでは。健太郎の両親役の平泉成と森山良子、奈緒子の両親役の大杉連と黒木瞳も好演してました。特に黒木さんの、娘の恋を応援するきれいで優しいママが素敵でした。

 可愛い上に多才な源ちゃん、モテモテなのも当然ですね。笑顔が好き!ミュージシャンな彼も素敵ですが、もっと俳優の彼が見たいです。ドラマにもっと出てほしい。「コウノドリ」観ればよかったな~。
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ブラッディキャッスル

2016-01-11 | 日本映画
 ゴールデングローブ賞が発表されましたね!
 
 作品賞(ドラマ) 「レヴェナント 蘇えりし者」
 作品賞(コメディ)「オデッセイ」
 監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
 主演男優賞(ドラマ) レオナルド・ディカプリオ
 主演女優賞(ドラマ) ブリー・ラーソン
 主演男優賞(コメディ)マット・デーモン
 主演女優賞(コメディ)ジェニファー・ローレンス
 助演男優賞 シルベスター・スタローン
 助演女優賞 ケイト・ウィンスレット
 外国語映画賞 「サウルの息子」

 まずはレオ、おめでと!

 これで一気呵成にオスカーも受賞ですね!初受賞で感極まるレオが見たい!
 マット・デーモンの受賞も嬉しい!

 レオとマット、また共演してほしいな~。意表を突いて、コメディとかで。
 助演女優賞が、最大のサプライズだったケイト・ウィンスレット!

 おケイさんご自身もビツクリだったご様子。レオと彼女のタイタニックコンビ、久々の再会にもファンは狂喜!
 そしてそして!TV部門の主演男優賞に、何と!ガエル・ガルシア・ベルナル!

 メキシコのスターが、アメリカのテレビドラマでまさかの受賞。「モーツアルト・イン・ジャングル」早く観たい!
 その他の受賞者も、レディガガとかスタローンとかジェニファー・ローレンスとか、例年以上に派手でミーハーな結果だったGG賞。来たるオスカーノミネーションはどうなるか、ドキドキワクワクで発表を待ちたいですね

 レオ&おケイ、久々のツーショット。そろっての受賞に、タイタニック以来のファンは嬉しさと隔世の念。それにしても。いつ見てもこの二人、姉弟にしか見えんのお。レオのほうが年上なのにね。ハリウッドの大スターとして貫禄も恰幅も備えたレオが、今でもおケイの前では可愛い男の子に見えるところが、何か微笑ましく温かい気持ちにさせます。今をときめく演技派マイケル・ファスベンダーも、おケイにとっては可愛い舎弟も同然!

 「蜘蛛巣城」
 戦国時代。謀反を鎮圧した鷲津武時は、森で出会った妖婆から蜘蛛巣城の主になるという予言を受ける。それを知った武時の妻浅茅は、迷う夫を唆し主君を殺させる。予言通り、武時は城主となるが…
 「リア王」が原案の「乱」同様、シェイクスピアの「マクベス」をアレンジした黒澤明監督の1951年の作品。スピルバーグ監督や宮崎駿監督に多大なる影響を与えたことでも知られる名作です。
 いや~。聞きしに勝る傑作でした!今まで観た黒澤監督作品の中では、いちばん好きかも。なかなかお目にかかれない、異色の時代劇ですよね~。本格的時代劇の骨太さとダークファンタジーの妖しさが融合していたのが、独特かつ斬新でした。印象的なシーンはたくさんあるのですが、特に強烈で好きなのは、森での妖婆の予言シーンと、ラストの矢浴びシーンです。あの怒涛の矢のシャワー、実際に三船敏郎に向かって放ってるとか。大胆で無謀すぎる演出に驚嘆。サクっと手軽にできるCGとにはないリアリティと迫力。この2シーンは、圧巻の映像美と演出です。50年以上も前の作品なのに、いま観てもスタイリッシュでユニーク。黒澤監督の偉大さを、今さらながら思い知った私です。最近のドラマや邦画の時代劇は、お花畑系か軽薄系ばかりでトホホ。本格的な時代劇を作るための人材が、絶望的に不足してるんでしょうか。

 美しいモノクロが、荒々しく血みどろな内容や場面を、耽美的なヴェールで包んでいるようで素晴らしい。演出や演技に色濃く出ている能のテイストが、妖しく強烈です。
 主演の二人、戦国時代のマクベスとマクベス夫人である武時と浅茅夫妻を演じている三船敏郎と山田五十鈴が、凄絶でディープインパクト!

 猛々しいけど、実は小心者で優柔不断、重要なことは自分ひとりでは決定できず、流されやすくて操られやすい武時は、今の時代の政界や経済界にもいそうな男。こういう人が権力を握ってはいけないんですよね~。三船敏郎の、今の時代の俳優にはない男くささ、スケールの大きさ、重厚さが素敵です。その三船敏郎を圧倒、子どものような存在にしてしまっているのが、浅茅役の山田五十鈴。こ、怖い!あの白塗りメイク顔、仕草、歩き方、声音、すべてがまさにもののけ!妖怪じゃないのに、妖怪以上の禍々しさ、面妖さ。放ってる妖気、凄気がハンパない。子どもが見たら泣きますよ。座って喋ってる時の、あの人形のように身じろぎもしない姿が、おどろおどろしい~。不気味な衣擦れの音、すうっと暗闇の中に消えてゆき、すうっと再び現れるシーンも、妖女じみてて恐ろしい。ハイライトはやはり、マクベス夫人といえばの血がとれぬ~と狂ったように手を洗うシーン。黒澤明監督も絶賛したという山田五十鈴の名演には、目がクギヅケです。希代の大女優と、きれいなだけ可愛いだけ自称女優との違いを、まざまざと思い知ってしまいます。
 マクベスといえば。マイケル・ファスベンダー主演の「マクベス」が、今年日本で公開!マクベス夫人役は、マリオン・コティアール。うう~ん?マリ子は美人だし女優魂もあるので好きですが、悪女役や狂女役は似合わないような。マクベス夫人といえばの毒々しさ、貫禄、狂気はマリ子にはないし…まあ、山田五十鈴の強烈な名演怪演を凌駕できる女優って、なかなかいないとは思いますが…
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嵐を呼ぶ男!

2016-01-06 | 欧米のドラマ
 イギリスのTVドラマ「嵐が丘」を観ました~。
 地主アーンショーに引き取られた孤児ヒースクリフは、アーンショーの娘キャシーと愛し合う仲に。アーンショーの死後、ヒースクリフを憎悪するキャシーの兄ヒンドリーは、ヒースクリフを召使として貶め、キャシーと彼の仲を裂こうとする。キャシーと駆け落ちの約束を交わすヒーストクリフだったが…
 あまりにも有名なエミリー・ブロンテの小説、恥ずかしながら未読。内容もおおざっぱにしか知らなかった(ガラスの仮面での劇中劇でとか)ので、こんな病んだ狂った話だったの?!と衝撃を受けてしまいました。ヒースクリフもキャシーも、イカレすぎです。でも、イカレてしまうほどの狂おしく情熱的な愛、憧れます。自分たちだけ破滅するならまだしも、周囲を巻きこんじゃあかんやろ~なんて思ってしまう時点で、私は絶対に嵐のような愛にモミクチャにされることなく、無風で無傷な人生を送るんだろうな~と、安堵と同時に失望もするのでした
 それにしても。キャシーとヒースクリフの電波カップルよりも、彼らのせいで非道い目に遭いまくった周囲の人々が哀れで。特にキャシーの夫エドガーそとその妹。当て馬どころじゃない被害ですよ。あの二人への仕打ちだけでも、キャシーとヒースクリフは地獄行きです。彼らの子どもたちも悲惨。親の因果が子まで。子どもまで巻き込んで愛憎劇だなんて、立派な虐待です。
 キャシーがただの迷惑なバカ女としか思えなかった。男をナメすぎ、バカにしすぎでしょ。ヒースクリフ愛してる!でもいろいろ不安だし~やっぱ金持ちで安全な男と!でも優しいだけの夫じゃ満たされない!やっぱヒースクリフ好き!私は結婚したけど、あんたはダメ!私だけのもの!と、キャーキャーギャーギャー大騒ぎ!あんな愚かで不実な女に、何でヒースクリフも夫も憑かれたように愛するのか執着するのか理解不能。原作でもあんななの?恋に狂うというより、思慮も分別もなく自分の思うようにならなくてプッツンするビッチなヒステリー女、みたいでした。演じてるシャーロット・ライリーという女優も、何か安藤ミキみたいな顔で、よけいキャシーが自己チューな自意識過剰女に見えた。
 このドラマを観たのは、言うまでもなくヒースクリフ役がトム・ハーディだったから。

 あいや~!トムハ、カッチョよかった~!「オリバー・ツイスト」の翌年だから、当時31、2歳?今でも十分若いけど、当然ながらさらに若い!20代といっても通じます。上流社会が舞台の時代劇なので、奇抜で珍奇なメイクも衣装もなく(晩年のヒースクリフは、コスプレ感が強かったが)、普段は隠したがってるイケメンぶりも余すことなく見せてくれているので、ファンはあらためてトムハの見目麗しさを確信、堪能できます。トムハの、ぽってり柔らかそうな唇がセクシーで特に好き!

 復讐の鬼になる前の、キャシーとラブラブだった頃のヒースクリフは、ワイルドながらも品のある風貌。トムハといえばブロンドですが、このドラマでは黒髪なのが珍しくも新鮮。セミロングの髪型も、少女漫画やハーレクインロマンスに出てくるヒーローみたいで素敵。あのインチキ作曲家、佐村河内も同じような髪型でしたが顔面偏差値の違いで、胡散臭いおっさんと野性的な貴公子に別れてしまうのです。颯爽と馬に乗るトムハもカッコいい!

 復讐の鬼時代は、こざっぱりした紳士に。晩年は、ブラックジャック?風。トムハのイケてる七変化も楽しいです。野郎くさい映画、役がほとんどのトムハなので、恋愛メインの映画、男女のからみがある役も珍しく、愛に狂うトムハが切なくて胸キュンです。自分を翻弄するキャシーを、市原悦子みたいにドアの隙間や壁に隠れてジ~っと見てるトムハ、キャシーにまとわりつくワンコなトムハ、嫉妬と屈辱に震えるトムハ、ぜんぶ可愛い!キャシーの兄にイビリ倒されるヒースクリフですが。トムハみたいな強そうな男がいじめに耐えてる姿って、何か嗜虐的な萌え~

 屈折したヒネクレ言動、不敵で挑戦的な面構え、プッツンしやすい激情、狂気の大暴れなどは、いつものトムハ。キレたらヤバい男だけど、怖くないんですよね~。可愛いんですよ。そこもいつものトムハ。狂気が陽性というか。暴れてるトムハより、フツーにしてるイザベル・ユペールのほうが100倍怖いし。ヒースクリフって、もっと陰々滅滅した病的なキャラ&雰囲気、やつれた長身痩躯な風貌、というイメージ。なので、イカレてても陰惨さや陰湿さがなく、悪ぶってもホントはいい奴な、ゴリマッチョで小柄なトムハにはあまり合ってなかったかも…悲しい悪魔ヒースクリフは、暗くて神経質そうな美男俳優のための役でしょう。

 キャシーの夫役エドガー役のアンドリュー・リンカーン、ヒンドリーの子でヒースクリフに育てられるヘアトン役のアンドリュー・ホーリーも、なかなかのイケメンでした。あと、ヒースクリフに命令されてキャシーに手紙を届ける男の子が、ジャック・オコンネル似で可愛いな~誰じゃろと思って後で調べたら、ほんまにオコンネルくんだったのでビツクリそれよりも…キャシー役のシャーロット・ライリーって、トムハの子どもを最近産んだ彼の現嫁だったのですね!

 レオナルド・ディカプリオ共演の「レヴェナント 蘇えりし者の」日本公開が待ち遠しい!初のオスカーノミネーションにも期待!

 ↑バッチとの謎のツーショット。昔、何かのドラマで共演したのかな?
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