まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

リムジンの男

2023-12-17 | 演劇
 向井理主演の舞台「リムジン」を観に、福岡に行ってきました(^^♪
 広島公演のチケットを取り忘れて気づけばソールドアウト福岡公演はまだ完売しておらず、迷ったのですがムカイリー会いたさのあまりチケットゲット!師走の忙しい中、インフルから回復したばかりの身で、博多行きの夜行バスに乗り込んだのでした。九州は、大分と長崎には行ったことがあるけど、福岡は初めて。広島からは大阪よりも近い。仕事帰りの疲れ果てた状態でバスに乗ったので、シートに座った瞬間にバタンキュー。気づくと早朝の博多バスターミナルでした。

 朝6時頃の博多駅、まだ真っ暗で人影もほとんどありません。寒くなかったのが幸いでした。お腹減ったので、モーニングでも食べようと博多駅内をウロウロしてたら、地下街の博多一番街で開店を待つおじさんたちの列がある店を発見。


 たんや HAKATAという牛タン専門店。朝から牛タン!🐄いいかも(^^♪牛タンモーニングを注文。めっちゃ薄い牛タンが3枚だけ、というちょっとトホホな内容でしたが、味は良かったです。7時を過ぎると、すっかり外は明るくなり、通勤や観光の人々で駅に活気が出始める。構内を歩いていると、また行列を発見。いっぴん通りにあるシロヤというパン屋でした。行列を見ると並んでしまう、日本人に多い悲しい性。人気商品のオムレットを買いました。一口サイズの食べやすい、ちょうどいい甘さのスウィーツです。

 ちょっと時間があったので、博多駅から歩いて10分ぐらいのところにある、長福寺というお寺に行ってみました。日中は12月とは思えぬ、コートを脱いで歩いたほどの暖かさ。長福寺は大きな大仏と、その内部にある地獄めぐりが有名なのだとか。大仏の中に入ると、地獄絵図が展示されていて、さらに奥に行くと真っ暗な空間に。手すりを掴みながら暗闇を進みます。闇を抜けて、極楽浄土へ私は行けるのかしら。

 劇場がある久留米へとJRで移動。久留米でも駅の近くにある水天宮という神社参詣。七五三でにぎわっていました。そして、上演される久留米シティプラザへと。早くも大勢の観客が開場を待っていました。

 去年の年末に東京で、「ハリー・ポッターと呪いの子」を観てから1年も経たずして、舞台の上のムカイリーと再会できるとは。ムカイリー、舞台出演に積極的なのが嬉しいですね。でも、ドラマも映画もガンガン出てるムカイリー、すごい働き者ですよね~。ハリー・ポッターの彼も魅力的だったので、今回もきっと。最後列という最悪な席で、ステージにムカイリーが登場するのを待つ私。オペラグラスを握る手にも力が入ります。ついに開演!

 ムカイリーは田舎の小さな工場経営者役。田舎にこんなスマートなイケメン工場長おらんわ!ムカイリーの顔の小ささ、スラ~っとした長身のスタイルのよさに、またもや瞠目。40過ぎても容姿がほとんど老化も劣化もしてないところがスゴいわ。おっさん臭ゼロな若々しさのムカイリー、家族思いな男の役を明るく可愛くコミカルに演じてたんだけど、何だろう、素敵なんだけど、物足りないというか、これじゃない感が否めない。ムカイリーに似合う役は、善い人役でも悪い人役でもなく、冷たい役なんですよやっぱ。優しそうだけどドライで冷徹な役が、最も彼の個性と魅力を活かせると思うんです。

 若い従業員の言動にカチン、イラッが募り、ついに本音を吐露してしまうシーンで、心底ウンザリした表情、冷たい目つきと物言いをするムカイリーに、おおこれ!これだよ!ムカイリーはやっぱこうやって、冷ややかに他人を見下して侮蔑、冷笑しなきゃ!と膝を打ちました。それにしても。ラスト近くにスーツ姿になるムカイリー、細っ!!棒みたい!胸に男性的な厚みが全然ない。ちょっと痩せすぎ?働きすぎで窶れてるようにも思えました。非メタボな体は驚嘆ものですが、中年男性の色気が全然ない。もうちょっと崩れて肉付きよくしてもいいと思う。
 小市民なムカイリーはチャーミングでしたが、小市民な話は正直つまんなかった…私の口には合わない喜劇でした。周りのお客さんたちは笑ってるのに、私はどこが面白いのか全然わからずポカン、すごいバツが悪い思いをしました。
 カーテンコール。ハリー・ポッターの時と同じく、ムカイリーは不機嫌そうな憮然とした表情。ニコリともしません。心底めんどくさそうです一瞬だけ、バックステージに戻る直前、隣の水川あさみに話しかけられた時に笑顔を見せてくれました。

 ムカイリー、今度はどんな舞台に出てくれるかなと余韻にひたりながら、西鉄電車で太宰府へ移動。福岡に来たからには、太宰府天満宮にも寄らなきゃ。天満宮には夕方近くに着いたのですが、観光客ですごい賑わっていました。コロナ時代が遠く感じられました。
 博多に戻り、バスの時間まで余裕があったので、ゆっくり夕食。博多駅前はクリスマスイベントでごった返し状態。ちょっと梨泰院の恐怖を感じました。福岡といえば、やはり博多ラーメン食わなきゃね。有名なラーメン店Shin Shinは、思った通りすごい行列。臆せず並びます。でも、ぼっちが幸いして、そんなに待たず店内に入れました。ラーメン、美味しかったです🍜

 まだ時間があったので、一杯ひっかけようと博多KITTEにある博多とりかわ大臣という居酒屋に入りました。ここも人気店みたいで、行列ができてました。大好きな鶏皮をつまみに酒とか、私もすっかりおっさんになったもんだよいい感じにホロ酔い状態でバスに乗り込み、早朝広島に着くまで爆睡してました。
 楽しかった!疲れるけど、たまには遠くへ出かけて羽を伸ばすことも大事ですよね!また楽しむために、仕事も頑張ろうと思えますし。

 ↑ 美しすぎる41歳。そろそろ決定打な代表作、演技を!今のムカイリーにやってほしい役、ぴったりそうな役はいっぱいあるんだけどな~。高村薫の「冷血」を、ぜひムカイリー主演で映画化してほしい!


 
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秘剣ながれぼし 前編

2023-03-17 | 演劇
 横浜流星主演の舞台「巌流島」を観に、神戸に行ってきたわいや~!
 「セールスマンの死」を観るために訪れて以来の神戸。その日は春の快晴とポカポカ陽気で、絶好の行楽日和。観劇前にまた寄った南京町の中華街も、人・人・人!春に浮かれた気持ちは、梨泰院の恐怖と大勢のマスクをしていない人たちによって、瞬時に凍りついてしまいましたあまりにも楽しそうで幸せな光景…戦争や震災や社会問題といった深刻な不幸など、この世に存在していないような錯覚さえ覚えてしまいました。私もしばし憂いを忘れ、春うらら。中華街といえば、買い食い。大して食べられないくせに、いろいろ食べてしまうんですよね~。焼き小籠包、揚げ餅、角煮のちまき、美味しかった(^^♪でも吐きそうに

 舞台が上演される神戸国際会館へ。三ノ宮駅のすぐ近くなので、方向音痴なわしでも彷徨うことなく到着。のんびりと開演時間直前に行ったのですが、すでに長蛇の列。さすが今をときめく横浜流星が主演とあって、99%は女性客。きれいなお姉さま系の女性が多かったような。わしの老母世代のマダムもたくさんいました。幅広いファン層の流星くんですね。

 舞台「巌流島」は、数年前にコロナで上演を断念してしまったという経緯が。紆余曲折を経ての晴れ舞台、上演中止に忸怩たる思いだったという流星くんにとっては、執念のリベンジステージでもあったようです。

 宮本武蔵役の流星くん。ワイルドな風貌になると、よりいっそう美しさが引き立つ男です。こぎれいなイケメン役の時より好き。無骨でニヒルな流星as武蔵、どこか退廃的な破綻した心の闇を感じさせる役が似合いますね。低い美声も男らしくて素敵。でも、今回座った席は3階の後ろのほうだったので、オペラグラスを使っても流星くんの顔は豆粒状態表情とかほとんどわからない意外と小柄で細いので、殺陣にあまり迫力はないのですが、動きが俊敏で鋭く若々しい躍動感で魅せてくれます。

 運命の出会いをする武蔵と佐々木小次郎。コロナで上演中止になる前は、伊藤健太郎が小次郎役だったのですが、彼は不祥事のため降板?歌舞伎俳優の中村隼人が小次郎役に。武蔵と小次郎の関係とやりとりがライバルというより、男同士の友情以上恋人未満なブロマンスっぽかった。強くてクールな武蔵に、小次郎だけでなく出てくる男性キャラはみんな恋してるみたいだった。みんな武蔵にかまってほしくて仕方ない!斬られてもいいからと命がけで。女はほぼ出てこない、ドキ!男だらけの決闘大会!男たちの熱く濃密なぶつかり合いは、かなり腐向けだと思いました。
 憧れや畏敬、憎しみや嫉妬など、男たちのドロドロとした激情を一身に浴びる武蔵、いや、横浜流星の男ぶりは、物語が血生臭くなるにつれていっそう匂いたっていくのだった… 
 to be continued ⚔
 
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I wish you a magical year 2023!後編

2023-01-08 | 演劇
 どんな役を演じてもにじみ出てしまうムカイリーの、あの人を見下したような冷ややかさが好き。なので、大人ハリー・ポッターはまさに適役!アルバスへの態度はほとんどモラハラな精神的DVなのに、嫌な感じは全然せず。私もムカイリーパパに怒られたい!失笑冷笑されたい!ドSなムカイリーに魅了されっぱなしでした。でも、主役はどちらかといえば息子のアルバスで、ムカイリーは出ずっぱりではなかったのがちょっと物足りなかったです。スコーピオスが変身したハリーの時のムカイリーは、すごく可愛かったです。それはそうと。満席の観客席、上演中に私の周囲では何人かの高齢男性がいびきをかいて寝てた。まあ、おじさんにはキツい内容なのは確か。ハリポタファンの奥さんに強制的に連れてこられたんだろうな。帰宅したら奥さんに怒られそうで心配に

 ハーマイオニーって、ハリーではなくロンと結ばれてたんですね!ハーマイオニーもハリーの妻も、ギャーギャー怒ってばかりのキツい鬼嫁で、女性キャラの好感度はかなり薄かったです。こじらせ少年すぎるアルバスも、見ていてイライラしました。キャラと喋り方、アルバスが炭治郎、スコーピオスが善逸、みたいだった。鬼滅の刃って、ちょっとハリー・ポッターの影響あり?あと、タイムトラベルで過去へ行く設定は、ほとんどバック・トゥ・ザ・フューチャーだった。自分たちの都合で過去をいじくり回して、関係ない人たちの人生や運命はどうなってもいいの?と鼻白んでしまった。

 からくり満載なセット、宙を飛んだりクルクル回転したり、炎やビームが出たり水中シーンがあったり、大がかりなマジックショーみたいな演出は、およそ目を驚かすものばかりでした。でもいちばんビツクリだったのは、まさかのBL!多様性を重視する時代らしいラブストーリーは、なかなか切なく微笑ましかったです。ひと昔前のイギリスでは犯罪だったのに、ラストのカミングアウトが温かく優しく受け入れられたのが現代的でした。旧シリーズは今もあまり観たいとは思わないけどこの舞台の映画版なら観たいかも。映画なら英国美青年、イケメンのラブシーンあるでしょ当然!

 続きはお楽しみに!な終わり方、まだまだ引っ張りそうな商魂たくましさです。カーテンコール、にこやかな共演者たちと違い、ムカイリーだけは笑顔をほとんど見せず、疲れた不機嫌そうな表情。何度も繰り返すカーテンコールにウンザリしてる?そんなところもムカイリーらしくて好きです
 期待以上にマジカルな舞台、そしてムカイリーのカッコよさと役者ぶりでした。美しくも成熟した大人の俳優に相応しい役で、今年こそ面白そうなドラマや映画にも出てほしいとI wish!舞台の上の彼もまた見たい!
 観劇後は、韓流ファンの聖地である新大久保へ。夜のとばりが降りた新大久保は、ごった返しの人!人!人!うう。梨泰院の恐怖アゲイン

 はちみつホットク、トッポギを立ち食い。ソウルで食ったのよりマシッソ!韓国の食材店やコスメ店など見て回ってると、あっという間に広島に戻るバスの時間間近に。今度はもっと余裕をもって楽しみたいコリアンタウンでした。急いで新宿バスタへ。ほとんど駆け込み乗車。バス内で夕食用に買ったプルコギちび海苔巻きを食べました。これもマシッソヨ~。
 素敵な思い出、年の終わりになって作ることができました。2023年も映画や舞台、たくさん観に行けたらいいなあ。旅行もしたいな~。ぼっちライフ、今年も健康で文化的に送りたいたいと思います(^^♪
 
 
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I wish you a magical year 2023!前編

2023-01-03 | 演劇
 皆さま、明けましておめでとうございます!
 素敵なお正月、お過ごしのことと存じます!わしは例年通り、ゴロゴロまったり寝正月を堪能してます(^^♪お雑煮のおもち、1個食べただけで喉がつかえ胃もたれするのは、加齢の悲しき証でしょうか
 年末、休みに入るとすぐに夜行バスに乗り込み、お江戸へと向かいました。舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を観劇するためです。6月頃にチケットをゲットして以来、ずっと楽しみにしていました。このために半年生きてた、と言っても過言ではないほどに。ハリー役は大好きな向井理長年ファンやってて、ついに生ムカイリーをこの目にできる!ありがたや~。寿命が延びそう(^^♪

 バスは早朝、新宿バスタに到着。慌ただしい年末ながら、大都会も朝早くだとまだ人はまばら。お昼の公演まで時間があるので、新宿3丁目にある珈琲貴族エジンバラで朝食。のんびり優雅なモーニング、のはずが、年末年始はモーニングやってません!と言われガーン😨仕方なく、カフェオレとスナックセットを注文。カフェオレは1000円!😨ド〇ールか〇リーズに入ればよかったかも、と思わずにはいられなかったドケチな私の前で、店員さんがカフェオレを淹れてくれます。さすが1000円。ポテトグラタンもサラダも、そしてカフェオレもすごく美味しかったです。朝からちょっとした贅沢。食べた後は近くにある花園神社に参拝。100円の賽銭でアレモコレモと祈願しました。


 昼前にTBS赤坂ACTシアターに到着。すでにもうたくさんの人がいて、華やかに飾り付けられたツリーとかハリー・ポッターカフェ、グッズ店などハリポタームード一色。向井理asハリー・ポッターに、もうすぐ会える!ドキドキワクワク(^^♪


 エントランスの前で、大勢の人たちが今か今かと開場を待ちます。梨泰院での将棋倒し圧死事件を思い出してしまい、ワクワク感が恐怖感に無事シアター内に入れて安堵!赤坂ACTシアターもきれいでおしゃれな劇場。すぐにグッズ売り場の列に並びました。でも間違えて、受付前まで来たのにまた列に並んでしまったアホな私プログラムと、ジミーへのお土産にとホグワーツTシャツを購入しました。
 いよいよ開演!実はというと私、映画のハリー・ポッターシリーズはTVで第1作目しか観たことないので、ハリー・ポッターに関してはほとんど無知。そのことに関してはあまり気にしてなかったのですが、舞台が始まってすぐに頭の中はクエスチョンマークでグルグル状態に。この人誰?どういう関係?何言ってんの?どういうこと?と、ハリー・ポッターのファンなら知ってて当然のことがチンプンカンプンで、いかに自分が無謀であったかを痛感。でも、会いたかったのはハリーではなく向井理。舞台の上のムカイリーを見ているうちに、ワケワカメ状態はどうでもよくなっていきました(^^♪いや~向井理、やっぱめちゃくちゃカッチョEですね~本家ハリー・ポッター、ダニエル・ラドクリフの100倍はイケメンです。

 映画やドラマで感じる以上に、顔が極小っ!豆つぶみたい!共演者の女優さんたちが気の毒になるほどの小顔に驚嘆。スラリとしたスマートな長身に、スーツもマントも似合うことといったら。声もきれい。ちょっと早口気味に、長台詞も危なげなくこなします。デビューの頃から応援してきた彼も、いい役者に成長しましたね。しかも風貌が劣化しておらず、美しさを保っているところがスゴいです。あんな大きい息子がいる役には違和感があるほどに若々しい。そして、やはりムカイリーには優しい役よりも冷たい役のほうが似合う。大人になったハリー・ポッター、まさかあんな男になっていたとは。出来の悪い息子に対して高圧的で支配的な、超エリートの毒親!アルバスへの冷徹で厳しい言動、非道い!怖い!第1作目の、あの可愛くていたいけだったハリーはどこへ行ったの。息子の劣等感と孤独を深める鬼父ハリー、演じるムカイリーの地に近い?冷たささ、そして美しさはまさは魔法、魔力だった…
 to be continued
 
 

 

 
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セージ&ケント セールスマンのバカ息子たち

2022-06-05 | 演劇
 舞台「セールスマンの死」を観に、神戸まで行ってきました~(^^♪
 超久々の神戸。都会だけど大阪ほどガヤガヤしてない、落ち着いたおしゃれな街ですよね~。せっかくなので、観劇前後に南京町で買い食いしたり、モザイクやハーバーランドなど街ブラしてみました。神戸タワーは現在改修中なんですね~。

 神戸駅近くにあるグリル一平でランチ。早めに行ったのですが、すでに並んでる人がたくさんいました。人気店なんですね。チキンカツを食べました。フツーに美味しかったです。おなかいっぱい状態で阪急電車に乗り、兵庫県立芸術文化センターがある西宮へ。兵庫県立芸術文化センターも、外観といい内部といい、きれいな施設!シンプルさにどこか高級感が。中央よりちょっと後ろぐらい席に座り、さあ開演!「セールスマンの死」は高名な劇作家アーサー・ミラーの戯曲。ブロードウェイの舞台だけでなく、名優主演で何度か映画化もされてます。

 舞台中央に、どーんと置かれてある冷蔵庫が不気味な存在感。以後、最後までずっと舞台に鎮座する冷蔵庫の周囲で、暗く重い人間ドラマが展開されます。決して退屈でなはないのですが、ものすごくイヤ~な話、イヤ~な人たちで、不快になったりウンザリしたりすることが多い舞台でした。俳優さんたちの熱演は圧巻なのですが、とにかく登場人物全員ことごとく、魅力もない好感も共感もできないイタいウザい連中ばかりで、性格も言動も卑小で醜い。イライラさせられたのは、彼らが自分自身、自分に近しい人たちとカブったからでしょうか

 無能、凡人、なのにプライドと見栄と意地だけは異常にある、けど強烈な劣等感も臭わせるウィルが、とにかくみじめでイタい!あんな父親、ぜったいイヤ!精神的に追い詰められていくウィルのコワレた精神を、現実と錯綜し混濁する設定と演出で描いていてなかなかシュールでした。ウィル一家のリアルなワーキングプアっぷりが、とにかく世知辛くて。給料や支払いの心配、無職、低学歴etc.話題や言い争いがせせこましすぎて。やっぱもっと楽しい、美しい世界の舞台が観たいな~と心底思いました。

 お話は気が滅入るものでしたが、役者さんたちの演技は素晴らしかったです!かなり豪華なキャスト。ウィル役の段田安則、TVドラマではクセの強いバイプレイヤーってイメージですが、舞台では堂々とした貫禄ある主演っぷり。すごくカッコよく見えました。精神も人生も崩壊するウィルを、いかにも狂ってます的ではなく、終始めんどくさい頑固おやじ風に演じていたのが秀逸でした。ウィルの妻リンダ役は鈴木保奈美。東京ラブストーリーからもう何年?わし世代には伝説的な女優。そんな彼女を、まさか生で見る日がこようとは。若い時の保奈美さんはミステリアスで冷たい美人って感じでしたが、長い月日と紆余曲折を経て素敵なマダム女優に。若い頃より好きです。50代半ばとは思えぬスタイルの良さ!生活に苦労してる庶民妻に見えんぞ。キャンキャンした高い声で可愛らしく演じてましたが、息子たちへの情や関心の薄さなど芯は冷たいリンダと、保奈美さんの往年の美貌がリンクしました。

 長男ビフ役は福士誠治、次男ハッピー役は林遣都、どっちも好きな俳優!二人ともすっかり大人の役者になりましたね~。二人ともドラマや映画とは声や話し方が別人みたいで、まるで外国ドラマの吹き替え声優みたいで笑えた。ビフはバカ男、ハッピーはチャラ男で、どっちも大人になれない未成熟で凡庸なクズ。ウィルとの苦い関係や軋轢があらわになるシーンなど、遣都くんより福士くんのほうが見せ場が多く、段田さんにも引けをとらぬ演技だったと思います。ウィルの兄役は高橋克実、ウィルの友人役は鶴見辰吾、脇役もシブい。ウィルの妄想?幻覚?として、冷蔵庫の後ろから毎回ふっと登場する克実さん。出番のない時は、ずっと冷蔵庫の後ろに隠れてたんですね(笑)鶴見さん、「ドン・ジュアン」に続いて早々と舞台で再会。TVドラマにもよく出てるし、売れっ子ですね~。いい役者だもんね。
 ラスト、冷蔵庫が初めて開いて…おいおい~と笑ってしまいました終わってホっとしてしまった、見ていて疲れる狂った逆噴射家族物語でした。本音も隠しごともほどほど、家族は適度に距離があったほうがうまくいくと、あらためて思いました。兵庫県立芸術文化センターでは、藤ヶ谷太輔の舞台「野鴨」も上演!秋にまた神戸に行かねば!チケット獲れるかのお~。向井理のハリー・ポッターは、チケット予約できたのに支払うのを忘れてしまい、気づけばもうチケット完売😢
 
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男前チャンバラ イッツ翔タイム②

2022-05-23 | 演劇
 三十郎にスターの座を奪われる坂東春之介役の近藤公園も、なかなか男前で美声。三十郎の親友で助監督の岡村役の入野自由は、有名な声優さんだとか。岡村役、男らしい青柳くんとお似合いの可愛いイケメンだったら、二人のブロマンスはもっと香しくなっただろうな。トホホだったのは、三十郎と恋に落ちる芸者役の人。元AKBと聞いて納得。演技といい風貌といい、志村けんのバカ殿の腰元レベルなんですよ。大人の事情な起用なんだろうけど、無名でもいいのでちゃんとした女優さんにしてほしかったです。スカッとジャパンなどイヤなおばさん役で人気の宍戸美和公も、芸者の一人で出演してました。演出がラサール石井だからかもしれませんが、全体的に演劇というよりコントみたいな舞台でした。ドタバタとギャグシーン満載なのですが、残念なことに私はあんまし笑えなかった。むしろ、もうちょっと真面目にやってほしいかも…とか思ってしまいました。

 明るく純粋な三十郎、背徳の悪漢である高円寺龍之介を二役のように演じる青柳くん。高円寺龍之介の十八番芸、舌を出して卑猥に腰を振る、が可愛かった!もうちょっとエロくやってほしかったけど。カッコカワイさは存分に発揮してたけど、色気のほうは希薄だったのが惜しまれます。役にのめりこむあまり、現実生活に支障が出てしまったり、自分自身を見失ってしまう三十郎ですが。役者の業の深さ、狂気とか破滅的な感じもほとんどなかった。いい子すぎ?

 書生みたいな普段着、高円寺龍之介の時の衣装、着物姿もカッコカワイいかったけど、海外ロケに出かける旅の船上での洋装もイケてた青柳くん。何を着ても似合いますね~。危険な戦場を利用して撮影を敢行する三十郎たちですが、映画に命を賭けてる心意気に感嘆というより、無謀すぎる!と呆れてしまった。もし今ハリウッドの映画人が、リアルな戦争シーン撮りたい!とウクライナでロケなんかしたら、大問題になるでしょうね。映画を愛する人たちのために、というよりもひたすらスクリーンの中で高円寺龍之介として生きたいだけの三十郎、そのためには自分だけでなく他人の犠牲をもいとわぬ狂気。コメディコント調でなければ、かなり怖い話になってたことでしょう。

 手に手をとって永遠にスクリーンの中で生きることになる三十郎と親友の岡村、というファンタジーなラスト。最近の演劇は映像も駆使することが多いんですね。三十郎と岡村の運命はBL的で、腐にはときめき度が高いものなのですが。二人にもうちょっと同性愛的な親密さがあれば、もっと切なく幸せな余韻が残ったはず。その点も惜しい。
 カーテンコール。三十郎じゃない青柳くんは、ドン・ジュアンのアイドルな藤ヶ谷太輔や、ガラ動のキャマカワいかった岡田将生と違い、すごく落ち着いた、ひょうひょうとしたところもある大人の男性って感じでした。キャスト・スタッフを代表して、観客に挨拶とお礼を述べる青柳くん。かんだ時に見せた苦笑いが可愛かったです。

 好きなイケメンを堪能した後は、おいしい夕食🍚大阪第四ビルにある洋食屋さん、ぶどう亭でステーキ&ハンバーグ定食をいただきマンモス(^^♪ひとりでも入りやすい店。ハラペコだけど小食な人にはちょうどいい量で美味しかったです。時どき大都会に出て演劇を楽しんで軽く美味しいもの食べて帰る。これが私のささやかな楽しみのひとつにすっかりなってしまってます。次はお江戸まで遠征して、大好きな俳優が主演の、あの人気魔法少年が大人になった設定の舞台劇を観に行きたいです(^^♪

↑ イケオジに進化中の青柳さん。大人の作品、演技での本格的主演作を熱望!

↑ 若い頃の青柳くん、可愛い!
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男前チャンバラ イッツ翔タイム①

2022-05-01 | 演劇
 またまた行ってしまいました!大阪へ!大好きな青柳翔主演の舞台「三十郎大活劇」を観に!
 世の中だいぶコロナへの恐怖も警戒も緩んできてますね。コロナで死んだほうがはるかにまし!と、連日報道されるよその国の非道い戦争に暗澹となる毎日です。塗炭の苦しみに苛まれることもなく、慎ましいながらもいろんなことを楽しめてる幸せを嚙みしめながら、今回も大阪に向かいました。
 到着した梅田の喧噪は相変わらず、疫病も戦争もどこ吹く風な活気に満ちていました。今回は梅芸ではなく、大阪城公園にあるCOOL JAPAN PARK OSAKA での上演。久々の大阪城、背景はどんより曇り空で落城寸前のような風情でしたが、公園ではたくさんの人たちが平和に憩っていました。

 ちょうど植木市をやっていて、ゆっくり見て回りました。広くて緑深くて、いいですね~大阪城公園。ジョーテラスとか知らなかった。美味しそうなお店もあったので、次回はランチしたいです。COOL JAPAN PARK OSAKAは森の中にあるような立地の、シンプルさがおしゃれな感じな劇場。それはそうと、気のせいかしらん?男性ひとり客がやたらと多かったような。劇場前の青柳翔のポスターを撮影するおじさんたち。私の両隣の席や前のほうの席にも、独りで来てると思しきおじさんたちが目立つ。99%女性客だった藤ヶ谷太輔のドン・ジュアンでは見られなかった光景。このおじさん率の高さは、いったい?青柳翔には男性ファンが多いのかな。確かに男(ていうか、その筋の方々)にもモテそうだもんね。私もまあ似たようなおっさんなので、妙なシンパシーと安心感。客席はガラガラではないけど、空席もそこそこありました。梅芸でのドン・ジュアンとガラスの動物園は、ほぼ満席でしたが…そうこうしてるうちに開園!

 暗い舞台中央に、うつ伏せになってる男が。青柳くん?にしては小さいなと思ったら、小倉久寛だった。すぐに青柳翔登場!大正時代の書生みたいな風体で、めっちゃ元気いっぱいで明るい好青年役!どちらかといえば若い頃から暗くて寡黙な役が多く、最近は胡乱な役を得意にしてる感じの青柳くんなので、アホみたいな陽キャラが新鮮かつ可愛い!最近はいい感じにおじさんになってきてた彼ですが、舞台の上ではめっちゃ若く見える!ちょっと痩せたのかな?さらに驚かされたのは、彼の美声。すごくハキハキと明朗で美しく響くんですよ。けだるく低い声で喋るイメージだったので、まるで別人みたいだった。俳優になる前は歌手を目指していて、数年前には念願の歌手デビューも果たした青柳くんなので、声がきれいなのは道理。今までそれを活かす役があまりなかっただけなんですね。マイクしてたおかげでもあったんだろうけど。つけてるマイクが目立って気になった。

 それと青柳くん、やっぱ背が高い!大きい!他の出演者とは身長差があって、彼と一緒にいると小倉氏や女優さんたちは子どもに見える。ガラ動の岡田将生も長身でしたが、スラっとほっそりしてる岡マと違い、青柳くんはガッチリと強靭そうな体躯なので、すごく男らしくて舞台映えします。明るい性格、デカい図体だけどヘタレで、頭ちょっとアレなのかなと思ってしまうほど純真な三十郎を、舞台狭しとダイナミックに演じる青柳くん、アラフォーとは思えぬほど若々しくて俊敏な動きと声!今回の席は前方のど真ん中だったおかげで、オペラグラスなくても演者がよく見える!青柳くんをガン見してたら、たまに目が合った?!な錯覚に襲われたりしてドキ!
 冴えない大部屋俳優の三十郎、実は北島マヤも真っ青の天才役者で、スイッチが入ってカリスマ悪人キャラにアドリブで変身!その鮮やかさ華麗さは、観客をも瞠目させ魅了する!自ら花吹雪を舞い散らせ、悪のヒーロー高円寺龍之介を爆誕させるシーンの、青柳くんのカッコよさときたら!声音も三十郎の時とは全然違ってて、ひょっとしたら青柳くんも三十郎同様、実はスゴい役者だったのかも…と、ちょっと彼への認識があらたまってしまった。高円寺龍之介が大当たりし、栄光の映画スターになる三十郎ですが…
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岡マの硝子メナジェリィ②

2022-03-13 | 演劇
 あわわ、今さら感ハンパないけど岡田将生主演の舞台「ガラスの動物園」感想の続き!
 ヒステリックに激情をぶつけ合う4人なのですが、それぞれが抱えている問題とか苦悩は、そんなに深刻でもないんですよね~。私の周辺にもあるある、いるいる、な事や人ばかり。口うるさく独善的なママなんか、わしの今は亡き祖母さんみたいで、懐かしくも苦笑い。あんなにノーテンキで元気いっぱいじゃなかったけど、自分の言うことは常に正しく、家族にそれを押し付けてきて、反対意見など頑なに受け付けず、世間体を気にして見栄を張り、恵まれている他人と自分の家族を引き比べて嘆いたり、どれほど私たちが彼女を失望させているか、辛辣に執拗に訴えてくるところなど、ほんとそっくりでした。あのママもすべては家族のためとか言ってたけど、愛も確かにそこにあったかもしれないけど、結局のところは自分のプライドと虚栄心ゆえ。そのために家族がどんなにイヤな思いをしようが傷つこうがお構いなしな無情さ、残酷さが醜くて、トムやローラと違って逆らいもせず言われ放題だった母の我慢してる姿などを思い出し、腹立つわ~絞め殺したいわ~なママでした。

 ママ役の麻実れいは、伝説の元タカラジェンヌ。華があってダイナミックな風貌と演技は、さすが舞台女優って感じでした。シリアス一辺倒にならず、どこかコミカルなところがママへの嫌悪感を薄めてくれました。コミカルといえば、姉ローラ役の倉科カナも。たまに吉本新喜劇?なギャク調演技、そしてアニメ声が珍妙な味を出していて笑えましたが、ローラってそんなキャラじゃないような?不思議ちゃん系コミカルタッチが、コミュ障なローラのイタさをユルくしていたようにも感じられました。学校にも行かず働きもせず婚活もせず、めそめそイジイジしながら母や兄に頼りきって暮らしているニート娘のローラには、ほんとイライラさせられました。
 
 『き〇がい』『びっ〇』など、舞台では放送禁止用語もフツーに口にできるんですね。やりてババアのように娘をトムの友人ジムとくっつけようとするママ。ジム役の竪山隼太は、ちょっと巨人の坂本勇人に似て見えた。ミュージカル調演技で、今にも歌って踊り出しそうでした。何だか秘密がありそうなジム、ひょっとして女っけのない美男子トムのことが?テネシー・ウィリアムズだし、岡マだし(笑)期待してしまったのですが、ただ単に婚約者がいただけでガッカリ。アテが外れたママ&ローラよりもガッカリ。でも、あんな母娘に引っかからずスルっと逃げたジムに拍手(笑)。

 トムが家を出る決意をし、捨てられる形の母姉は悲嘆と不安に沈んで終幕。イタい暗い家族ドラマでしたが、役者たちの演技が明るく軽やかだったおかげで、後味はそんなに重くありませんでした。カーテンコール、はにかみ&お腹のところで両手を振るキャマキャマしさ、激カワな岡マでした。舞台でも魅せてくれて、ほんと役者として成長著しい岡マ。今年は休養するというニュースは寂しいけど、ゆっくり充電してまたいい作品、いい演技でファンの期待に応えてほしいものです

 ↑美人~!生まれ変わったらこんな美人になって、いろんな殿方とBLしたい!
 演劇もっと観たい!と意気込んではみたものの、吉沢亮の「マーキュリー・ファー」も松下洸平&白洲迅の「夜来香ラプソディ」もチケット争奪戦に敗北😢青柳翔の「三十郎大活劇」と向井理の「ハリー・ポッターと呪いの子」もチケット取れんのんかのお~…
 
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岡マの硝子メナジェリィ①

2022-01-24 | 演劇
 鎮静するどころかますます跳梁跋扈するコロナ、その脅威が渦巻く中またもやコソっと大阪へ遠征してしまいました大好きな岡田将生主演の舞台「ガラスの動物園」を観劇するためです。
 藤ヶ谷太輔の「ドン・ジュアン」で、すっかり舞台に魅せられてしまった私。岡マも舞台!と知るなり躊躇なくチケットGETだぜ(^^♪でも、吉沢亮主演の「マーキュリー・ファー」はチケット争奪戦に敗れてトホホ。コロナコロナと騒いでますが、そんなの関係ねぇ!な人、けっこう多いんですね!って、私もその一人ですが
 去年の秋以来の大阪・梅田は、相変わらず人・人・人!コロナ恐るるに足らず、緊迫感ゼロでした。ちょっと遅めのランチは、ヨドバシカメラにある韓国料理店チャンチで。おひとりサムゲタン定食。サムゲタン、チョア~

 あっさりさっぱり、コラーゲンもたっぷりそうでマシッソヨ~。カクテキも美味しかったです。私はオナカイッパイになりましたが、男性や食いしん坊女子には物足りない量かも。食後はあまり街中をウロウロしたくないので、いつものホワイティうめだにあるパン屋さん、クックハウスでゆっくり時間つぶしのカフェタイム。
 開演17時前に、梅田芸術劇場へ到着。ドン・ジュアンの時と違い、某事務所タレントのコンサートな雰囲気ではなく、男性も多かったです。チケットすぐに取れたので、ひょっとしてガラガラなのかなと思ったけど、ほぼ満席でした。ついに開演、暗くなる会場。ワクワク!ステージには階段とアパートの部屋が。階段に岡田将生登場!

 今回はオペラグラスを忘れず持参。現れた岡マをガン見!モノトーンのシンプルな装いの岡マ、キレイな顔~!やっぱ美人ですね~。色、白っ!鈴木その子も真っ青な美白肌だけど、メイク感はほとんどなく透明感ハンパないです。顔、小さっ!スラ~っと長身スレンダーで、手足が長っ!映画やドラマ以上に、その美しい風貌は目を奪うものがあります。髪型が可愛い。冒頭から膨大な台詞を淀みなく操る岡マ、役者さんってスゴいな~と心の底から感嘆。映画やドラマと違う、ちょっとハイトーンな岡マの発声が新鮮でした。狂言回しのモノローグの声と喋り方が、何だか古畑任三郎のモノマネしてる妻夫木聡みたいだったけど。

 人気劇作家テネシー・ウィリアムズの戯曲は、ヴィヴィアン・リーのイタすぎるブッコワレ演技が強烈な「欲望という名の電車」など映画化もされ、日本でもファンは多い。私もいくつか映画を観ましたが、どの作品も家族の軋轢や性的な苦悩で心が病んだ人たちが、ヒステリックに激情をぶつけ合うという鬱なイカレ話ばかり。このガラスの動物園も、4人の登場人物がギャーギャーと大騒ぎよ!岡マは作家になる夢があるけど、家族を養うために倉庫で働いてる青年トム役。不満や鬱屈でイライラしてるけど、暗い重い感じはなくて子どもっぽいキャラ、喋り方がとにかく可愛かったです。岡マだけでなく、他の3人も今にも歌い出しそうなミュージカル調なので、深刻なはずの場面も何か笑ってしまった。岡マのトムをはじめ、ママも姉のローラも、第2幕から登場するトムの友人ジミーも、身近にいそうな&自分ともカブるイタい人たちで、イヤな共感を覚えつつ舞台の上で展開される愛憎劇に惹き込まれ…
 to be continued
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GAYAGAYAさせて 梅田のドンファン②

2021-10-22 | 演劇
 藤ヶ谷くんがほっそりしてるからか、ダンスも軽やかで敏捷な感じ。印象的だったのは、酒場でフラメンコ?踊る時に観客に背を向けて、腰を左右にカクカクフリフリ。あれ、可愛くてエロかった!
 自暴自棄的に俺さまだったドン・ジュアンが、亡霊に導かれるままにヒロインのマリアと出会い、真実の愛を知って生まれ変わるのですが。何かすごい急展開で当惑。恋に落ちるの早っ!運命の恋って、そんなもんなの?まあ、それはいいとして、マリアがね~。かなり不思議ちゃんなんですよ。私の苦手なタイプ。人を殺した時の気分は?殺した時どんな顔してた?とか、ウフフラララ~♫なノリでグイグイ食いついてきて、さすがのドン・ジュアンもタジタジになりつつ、面白い娘だな、可愛いな、みたいな感じに。あーいうタイプに弱い男って多いことは知ってますが、ドン・ジュアンもだったのね。
 
 百戦錬磨の恋の狩人とは思えぬほど、すっかり骨抜きにされてマリアにZOKKON命by シブがき隊状態になってしまったドン・ジュアンが、まるで初恋に戸惑い悩む中学生みたいに切々と歌う“Aimer(エメ)”は、この舞台のハイライトのひとつでしょうか。キスマイの時のアイドルソングとは違う、ソロでの大熱唱はなかなか胸熱でした。キスマイで歌ってる藤ヶ谷くんとは別人のようでした。彼の歌が上手なのかそうでないのか私は判りませんが、恋する男の純真なときめき、熱い想いが伝わり聞く者の心に響いたことは確か。それがいちばん重要なのではないでしょうか。年末のFNS歌謡祭とかで、藤ヶ谷くんエメ歌ってくんないかな。
 
 ラブラブモードに突入したドン・ジュアンとマリアが、結ばれて幸せな朝を迎えるシーンでは、ベッドの上でまどろんでるドン・ジュアンは上半身裸!客席の女性たちのボルテージはいっそう上昇し、双眼鏡を持つ手にも力が入ります細いけど、ほどよく引き締まった浅黒い肌がセクシイでした。ファンサービスは一瞬で終わります。すぐにシャツを着るので。あんなに荒ぶる刺々しさだったのに、すっかりメロメロのLove so sweet~♫(キスマイの歌じゃなくてすまん💦)な藤ジュアンは、アイドルに戻ったかのように甘くて可愛い。そんな藤ヶ谷くんも好きですが、やっぱ悪い藤ヶ谷のほうがいい!
 
 マリアがね~。不思議ちゃんなだけでなく、かなりゲスい女なんですよ。ラファエルという婚約者いるのに。結構ラブラブだったのに。ラファエルが戦場で戦ってる間、心配するどころか存在さえ忘れて他の男とチョメチョメ(死語)ですか?!男がいることをドン・ジュアンに隠してたのも姑息でズルいと思った。騙されたドン・ジュアンと裏切られたラファエルが可哀想!マリアだけでなく、ドン・ジュアンと一回寝ただけで自称妻なエルヴィラもとんだストーカー女だし。ドン・ジュアンもクズ男だけど、女たちも決して褒められたもんじゃありませんでした。まあ、真面目な誠実な恋愛なんてつまんない。男女の三面記事的な痴情のもつれもミュージカルにすると、壮大な愛の物語になるんですね!ラファエルと兵士仲間が踊って歌うシーン、某事務所っぽかった。エルヴィラ役の女優さんは、藤岡弘の娘さんだとか。たまに歌声がアレでガクっとなることも。

 みんな激情でイカレてしまい、そのおかげでドン・ジュアンも元のギザギザハートな男に戻った!ラファエルとタイマン勝負だ!ヤンキー不良漫画なノリですが、こちらは剣で相手を殺したほうが勝ちという命を賭けた決闘。やめてー!と男二人を止めるマリアには、河合奈保子の“けんかをやめて”を歌ってほしかった。ゴチャゴチャ言ってくる周囲に『うるさい!黙って見てろ!』と恫喝する藤ジュアンにシビレた決闘シーンでは、深紅の衣装に着替えて華やかに死地へと。永遠にマリアに愛されるため、ドン・ジュアンはわざと負けて死を選んでしまいます。何で女なんかのために!こいつらみんなアホ!と呆れ果てる反面、愚か者と嗤われても狂おしい恋、愛に殉じて破滅してみたい、と憧れもする私なのでした。
 
 死んだドン・ジュアンに降り注ぐ真っ赤なバラの花びら。最初はハラハラと、最後はドバっと、の演出がゴージャスでした。藤ヶ谷くん、カーテンコールではキスマイの時のように笑顔で手を振ったり、アイドルに戻って可愛かったです。30過ぎに見えませんでした。
 いや~。夢のような時間でした。藤ヶ谷くん、アイドルの仕事しながら舞台の稽古、大変だったんだろうな~。すごい努力、そして意欲が藤ジュアンを生んだのですね。あれだけ歌って踊って演技するとか、ただもう感嘆&尊敬です。映画やドラマと違って、一発勝負の緊張感が役者さんたちにとってはたまらない魅力なんでしょうね。また舞台に挑戦して、ますます演技に磨きをかけてほしいものです藤ヶ谷くん、Muchas gracias!J’aime Don Juan!
 すっかり舞台に魅せられてしまった私。年明けには岡田将生主演の「ガラスの動物園」と、吉沢亮主演の「マーキュリー・ファー」を観に行きたいです!チケット、とれますように!

 ドン・ジュアン、再々演よろしく藤ヶ谷くん!
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