まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

夫の留守中に…

2021-10-31 | 北米映画 15~21
 「最後の決闘裁判」
 14世紀末のフランス。ノルマンディーの騎士ジャン・ド・カルージュは、留守中に妻のマルグリットが友人のジャック・ル・グリに強姦されたことを知り、ル・グリを厳罰に処すよう国王に訴えるが…
 大好きなマット・デーモンが、オスカー候補にもなったヒット作「オデッセイ」に続いてリドリー・スコット監督の作品に主演。共演者は旬の人気俳優アダム・ドライバーと、マットの大親友ベン・アフレック。ベンとは懐かしの「グッド・ウィル・ハンティング」以来の共同脚本も担当、しかもフランスを舞台にした時代劇!ということで、とても楽しみにしていました。時代劇といっても、もちろんマットとスコット監督なので、美しく格調高いコスチュームプレイになるはずがなく、スコット監督の「グラディエーター」同様に骨太で男くさい血なまぐさい内容と映像で成り立っていました。目を背けたくなる戦争シーンの荒々しさ野蛮さ。ラストのマットVSアダムの決闘シーンは、まさに血肉が裂け骨が砕ける残虐さで、しかも延々と続くので、よほどのドSドMでないかぎりもうヤメテー!と叫びたくなります。気の弱い人はご用心!

 ひとつの真実が3人の目を通して描かれる、というユニークな構成になっています。3人とも虚偽はしていないのですが、愛憎や虚栄心、プライドなど人間の俗な業が絡み合って、見事なまでに言い分や主張が食い違うのが面白くも怖かったです。正しいのは自分!という頑強で頑迷な自信や思い込みと、自分にとって都合のいい解釈が真実の形を変えてしまう事態は、現代社会の身近な生活の中でもよくあること。男にとっては情熱的な恋、合意のセックスだけど、女からしたら忌まわしいストーカーとレイプ。夫は家族のために粉骨砕身働いてるつもり。妻にしてみればそれは仕事優先で家庭をかえりみてないだけ。夫は子づくりに励み妻も抱かれて悦んでると信じてるけど、妻にとっては夫がやってるのはただもう苦痛な受胎目的の交尾。いずれにせよ、悪意は全然ないけどデリカシーのかけらもない、女性の心身や社会的立場を尊重しない男たちがおぞましかったです。ヒロインが味わった理不尽な苦痛や屈辱は、現代女性にも通じる女性差別、女性蔑視そのもの。女子向けの映画ではないかもしれないけど、若い女性にもぜひ観てもらって、あらためて女性の権利や自由について考えてみてもらいたいです。

 ジャン役のマット・デーモン、ほんま好きフランス人に見えない、時代劇が似合わない、けど顔がいいだけスタイルがいいだけな俳優には絶対に演じられない役を熱演し、今までにないほど圧倒してくれました。ジャン自身の語りの中では、無骨で不器用だけど誇り高いサムライのような漢(おとこ)、マルグリットの語りでは横暴で無神経で見栄っ張り男。いいマット、悪いマット両方を楽しめました。悪いマットはなかなか強烈で、ほとんど精神的DVな亭主関白ぶりが怖い。もし見たら、うちの旦那とカブる…とゾっとする奥さまがた多いかも。どこからどう見てもいい人なマットが、フェミニストが見たら憤激するに違いないクソ亭主役を演じてるところが衝撃的、かつ新鮮でした。

 ほんと非道いクソ亭主っぷりでしたが、素朴で明るく爽やか、温かみのある風貌のマットなので、陰険陰湿な感じは全然しません。何だか笑えたのは、子づくりシーン。愛も快楽もない、一心不乱に激しく腰を動かし続ける、ただの種付け行為に励むマットが滑稽で可愛かったです。あとマットって、ほんと若々しい!50過ぎに見えん。肌がつやつやとかメタボじゃないからといった類の若さではなく、雰囲気に加齢臭がないというか。剛健なゴリゴリしさも、パワーにあふれていて衰え知らず。カッコいいだけの役や見た目の若さに固執しない、役者魂もナチュラルなマットが好きです。
 ジャック・ル・グリ役のアダム・ドライバーも、売れっ子スターになっても守りに入らないチャレンジングな役者!

 この作品のアダム、今まででいちばんイケメンに見えました。女たちから熱い視線を向けられる美男子役もなかなか板についてました。ぬおお~っとデカい威圧感ある巨体、鋭い厳しい目つきが怖いです。マッチョな肉体美も披露。レイプシーンでの迫真の鬼畜っぷりもホラーでした。無残すぎる最期の姿もインパクト強烈です。悪人ではないけど、複雑な人格と深い闇を抱えている難しい役。演技派ぶってる日本の俳優にも挑戦してほしいものです。ジェイソン・ボーンVSカイロ・レンのガチンコ肉弾戦が、壮絶でないわけがない!マットもアダムもデカくてゴツくて屈強そうなので、決闘には迫力が。日本の某事務所タレントがアクションしたりチャンバラしてるのとは大違いなダイナミックさと生々しさです。
 マルグリット役のジョディ・カマーは、初めて知ったのですがTVで有名な女優さん?地味な美人。なかなかの熱演で、マットやアダムといった大物スターを脇役にしているみたいな存在感でした。マットと久々に共演したベン・アフレックが、イケズで軽薄な貴族役を好演。私生活では仲良しのマットを、愚弄したり陥れたりするベンが楽しそうでした。主役だと苦手だけど、脇役だといい味を出すベンです。マルグリットの父役が、リンリー警部ことナサニエル・パーカーだった!

 ↑ マットの新作「スティルウォーター」近日日本公開決定(^^♪

 ↑ アダムは「ハウス・オブ・グッチ」でリドリー・スコット監督作に連続出演。監督のお気に入りになったようです
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彼と僕の結婚

2021-10-29 | オセアニア、アフリカ、中東、その他のアジア映画
 秋の夜長のアジアBL映画祭③
 「Kasal」
 同棲中のカップル、弁護士のシャーウィンと映画監督のパオロは深く愛し合っていたが、結婚を望むパオロと違いシャーウィンは同性同士の結婚に懐疑的だった。そんな中、二人はシャーウィンの妹の結婚式に出席するため、田舎にあるシャーウィンの実家に向かうが…
 フィリピン映画も初めて観ました。これって私の無知と偏見のせいなんですが、フィリピンって文明化されてない極貧の国ってイメージだったので、映画の中のビル街や整然とした道路には驚きました。主人公二人も弁護士と映画監督という都会的な文化人たちで、決してリッチではないけどそれなりに恵まれた生活を送っている様子も意外でした。クールで優しいけど現実的で嫉妬深いシャーウィンと、繊細でちょっと不安定、脆いところがあるパオロの、甘く熱く求め合ったり激しく衝突したり、男女の恋人と何ら変わらないビタースウィートな愛が、いい感じに描かれていて素敵だなと思いました。仲間たちに付き合って何年目かの記念日を祝ってもらうシーンがあるのですが、フィリピンも都会だとLGBTに寛容なんですね。長く付き合ってると、幸せな関係を確実にするため社会的な保証や承認を得たくなるもの。ゲイに限らず、ぶつかるのは結婚の問題です。ちなみにタイトルのKasalとは、カタログ語で結婚という意味みたいです。

 結婚したいパオロと、結婚に意味や意義を見出せないシャーウィン。二人の主張や思いは男女とそう変わらないのですが、法律とか家族へのカミングアウトなど、同性同士の結婚に立ちはだかる壁はより大きく高いです。どうやらパオロの家族はパオロがゲイであることも恋人のシャーウィンも受け入れていたようですが、シャーウィンのほうはそうではなく、家族の前ではパオロとは親友同士で通そうとする。そんなシャーウィンに苛立ち傷つくパオロが痛ましい。でもシャーウィンってズルいチキン野郎!とは思えませんでした。どうやらシャーウィンの実家は保守的な名家みたいだったので、そう簡単にカミングアウトはできないのも理解。正直に生きれば自分はスッキリするけど、周囲の人を傷つけ苦しめるかもしれない。何かを犠牲できる勇気、そして冷酷さが自分らしく生きることには必要なのです。勇気がなかったシャーウィンを責めるのは酷。

 家族とのふれあいや軋轢を経て、二人が結婚するかしないかの揺れる想いにどう決着をつけるのかなと思ってたら、え?!ていうか、は?!な展開に唖然。そんなこと全然におわせもしてなかったので、唐突すぎる選択に可哀想すぎると同情(どっちがそうなのかは伏せておきます)。どういうつもりであの決断?推察するしかないのですが、あえていいように考えれば、男女の間だって永遠の愛なんてありえない、ましてや男同士の愛なんていつか壊れる。醜くそうなる前に、という悲観と絶望にかられて、でしょうか。他の男と寝たパオロを許せず、しつこく激しく責めていたシャーウィン。パオロの不安定で頼りないところに疲れてもう限界、と思ってたのかもしれません。いずれにせよ、深く強い愛が必ずしも幸せや希望につながるわけでなはない、と二人を見ていて思いました。いずれにせよ、結婚をしつこく迫るからウザくなって逃げたとか、愛が冷めたとかではなかったはず。

 フィリピンもタイやベトナム同様、東南アジアな風景。シャーウィンの実家は金持ちだけど、家屋とか庭の家畜とか料理方法とか、日本と比べるとかなり素朴というか原始的。結婚式が豪華で、朝から夜更けまで派手に騒いでたけど、いったいいつまでやってんの?あんな結婚式疲れるので出席したくないです。おばちゃんファンがショーの後に芸人にあげるおひねりみたいに、客が花嫁花婿の服にお金をピンで留める風習ってのがフィリピンにはあるんですね。男性の礼服がシンプルで爽やかでした。
 主演の男優二人はイケメンではないけど、個性的な風貌。シャーウィン役の俳優は濃ゆい端正な顔で、なかなかの肉体美でした。パオロ役の俳優は猿系のブサカワ顔。二人のセックスシーンは一回だけですが、かなりエロくて18禁🔞オーラルとか、ほんとにやってる?!なリアルさでしたが、過激で必要以上に扇情的なものではなく、愛し合ってる行為って感じがよく出ていて、こんなのでセックスしてるといいたいの?な手抜きで幼稚なラブシーンよりも好感が抱けます。日本でリメイクするなら、シャーウィンは向井理、パオロは池松壮亮がいいかな。
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パパが美青年と…

2021-10-27 | オセアニア、アフリカ、中東、その他のアジア映画
 秋の夜長のアジアBL映画祭②
 「Bridge of Destiny」
 妻子と幸せに暮らしているクオンは、ある悲しい過去を秘めていた。それを知っているかのように振る舞い、自分に近づいてきた青年タンの存在がクオンを不安に陥れる。クオンにスキャンダラスな罠を仕掛けるタンの目的とは…
 タイ映画に続いて、ベトナム映画も初体験。フランスの植民地時代やベトナム戦争など、ベトナムを舞台にした映画は今までたくさん観てきましたが、全編ベトナム語によるベトナム人の映画は初めて。でも、この映画って何だか韓流ドラマっぽくて、目新しさがあまりありませんでした。設定的にはスキャンダラスなドロドロの愛憎劇なのですが、それとは真逆な韓流ラブコメテイストに当惑。クオンの家族や息子の友だちのやりとりがコミカルすぎて、暗く悲しい秘密や復讐とのギャップに違和感。コメディもシリアスも!と両方欲張ったけど巧くいかず、まるで水と油を混ぜてしまったようなチグハグさでした。

 ヘンなコミカル調がなければ、なかなか面白いBLサスペンス、BLミステリーなのですが。若い頃に悲劇的なBLを経験し、現在は幸せな家庭を築き良き夫、良き父親として生きてるクオンに忍び寄る、暗い過去の影…クオンに接近しハニートラップを仕掛ける謎の美青年、そして彼を操る病身の女…交錯する過去と現在がしだいにつながり、ドラマティックな展開で謎が解き明かされていくサスペンス部分と、クオンの若き日の悲しいBL部分も別の映画みたいなアンバランスさながら、どっちも面白く描かれていました。金持ちのお坊ちゃまと貧しい青年との身分違いの恋は甘く切なく、まさにBLの王道です。性愛シーンがソフトすぎなのが惜しい。東南アジアの湿った空気と肌ってエロティックなので、もうちょっと濃密で官能的にしてもよかったのでは。二人があまりイケメンじゃないのも減点ポイント。

 クオン一家を崩壊させようとする謎の女の目的、正体もホラーですが、さらに衝撃的すぎたのがある人物の正体。さすがの私も、えー!?ウソやろ?!とビックラこきまろでしたわ。かなりトリッキーで、そーきたか!と一本とられた感じ。そこまでして愛を貫くのかと、愛の力、愛の執念に戦慄な真実でした。雨降って地固まる的なハッピーエンドでしたが、私がクオンの息子ならショッキングすぎて受け入れがたいわ~。悪役なはずの謎の女がいちばん可哀想だった。

 クオン役の俳優は、眞島秀和+元エグザイルの松本利夫、みたいな顔?美男ではないけど、すごい肉体美でした。息子は韓流ドラマに出てきそうなメイク感濃厚なイケメン。謎の美青年タンは、若い頃の藤木直人っぽかったです。日本でリメイクするなら、クオンは青柳翔、息子は白洲迅、タンは金子大地、がいいかも。のどかで美しい田園や河など、田舎の風景はベトナムのイメージ通り。高層ビルが立ち並ぶ都会は何だかベトナムっぽくなくて、自分の先入観と無知さを痛感。屋台でフォー食べたい!ベトナムにも行ってみたいです。
 
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美男運転手の秘密

2021-10-24 | オセアニア、アフリカ、中東、その他のアジア映画
 秋の夜長のアジアBL映画祭①
 「Driver」
 青年実業家のテイが失踪し、妻のケイダは運転手のマックと共に夫を見つけ出そうとする。ケイダはテイがひそかに別荘を借りていたことを突き止めるが…
 初めてタイの映画を観ました。観慣れてる韓国映画や中国・香港映画とは、やはりテイストが違いますね。まず、普段ほとんど耳にすることがないタイ語が珍しく新鮮でした。タイ人も、さすが南国人というか、みんな濃ゆいですね~。近くの雑居ビルに住んでる東南アジア人の集団、何人か判らなかったのですが、きっとタイ人!とこの映画を観て思いました。タイは南国だけど、灼熱の暑さって感じではなさそうで、温暖そうで過ごしやすそう。国民性も、韓国人や中国人みたいにエキセントリックではなく穏やかそう。いつか行ってみたい国のひとつです。
 このタイ映画、なかなかの掘り出し物でした。正直あまり期待してなかったのですが、よくできた2時間ドラマみたいで面白かったです。失踪した夫を探す美しい妻、彼女に協力する美男の運転手は明らかにワケアリで、二人は一緒に行動するうちに惹かれ合い…みたいなありきたりな展開と思わせて、え?!なドンデン返しが2度、3度と。衝撃的でスキャンダラスな真実と人間関係が、伏線を回収しながら暴かれていくプロットは、ちょっと強引ではあったけど退屈を許しませんでした。

 サスペンスとしても上出来でしたが、何の予備知識もなく観た人を当惑させる要素が、この映画にはあります。それが見所でもあります。テイが利用していた高級スパの実態が判明してから、その要素が濃密になり始めます。まあ、感がいい人や腐女子なら、運転手のマックを一目見ただけで察知できるはず。感がそれほどよくない人や非腐女子でも、ヒロインに命じられてマックが別荘のプールに落ちていた鍵を拾うため全裸になるシーンなどで、ああそういうことかと気づくでしょう。事件は男と男の秘められた愛と欲望が引き起こしたものであることに。男色の情痴が渦巻く禁断の世界にヒロインが踏み込んでしまい…なはずだったのが、またもや意外な真相が!描かれる男色は、隠微でソフトにエロティック。そういうのが苦手な人には、あまりお勧めできません。

 主人公二人が濃ゆい美男美女!マック役の俳優は、韓流男優の誰かに似てるんだけど、誰なのか思い出せない美しい全裸や男色濡れ場など、サービス精神旺盛でした。日本でもBL映画やドラマが人気ですが、日本のイケメン俳優もあれぐらいはやってほしい。ケイダ役の女優は、松嶋菜々子を濃ゆくエロくした感じ?BLに女が絡むのは好きじゃないのですが、恐ろしくも悲しい本性を秘めたケイダのキャラは魅力的でした。残念だったのは、失踪したテイ。男も女も狂わせる“運命の男”な魅力が全然なかった。ただのヤリチンなゲス男だったし。北村一輝をゴリラ化したような見た目もちょっと。日本でリメイクするならマックは新田真剣佑、テイは鈴木亮平がいいかな。二人の濃密なBLシーンなんて、すごい話題になりそうですね(^^♪
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GAYAGAYAさせて 梅田のドンファン②

2021-10-22 | 演劇
 藤ヶ谷くんがほっそりしてるからか、ダンスも軽やかで敏捷な感じ。印象的だったのは、酒場でフラメンコ?踊る時に観客に背を向けて、腰を左右にカクカクフリフリ。あれ、可愛くてエロかった!
 自暴自棄的に俺さまだったドン・ジュアンが、亡霊に導かれるままにヒロインのマリアと出会い、真実の愛を知って生まれ変わるのですが。何かすごい急展開で当惑。恋に落ちるの早っ!運命の恋って、そんなもんなの?まあ、それはいいとして、マリアがね~。かなり不思議ちゃんなんですよ。私の苦手なタイプ。人を殺した時の気分は?殺した時どんな顔してた?とか、ウフフラララ~♫なノリでグイグイ食いついてきて、さすがのドン・ジュアンもタジタジになりつつ、面白い娘だな、可愛いな、みたいな感じに。あーいうタイプに弱い男って多いことは知ってますが、ドン・ジュアンもだったのね。
 
 百戦錬磨の恋の狩人とは思えぬほど、すっかり骨抜きにされてマリアにZOKKON命by シブがき隊状態になってしまったドン・ジュアンが、まるで初恋に戸惑い悩む中学生みたいに切々と歌う“Aimer(エメ)”は、この舞台のハイライトのひとつでしょうか。キスマイの時のアイドルソングとは違う、ソロでの大熱唱はなかなか胸熱でした。キスマイで歌ってる藤ヶ谷くんとは別人のようでした。彼の歌が上手なのかそうでないのか私は判りませんが、恋する男の純真なときめき、熱い想いが伝わり聞く者の心に響いたことは確か。それがいちばん重要なのではないでしょうか。年末のFNS歌謡祭とかで、藤ヶ谷くんエメ歌ってくんないかな。
 
 ラブラブモードに突入したドン・ジュアンとマリアが、結ばれて幸せな朝を迎えるシーンでは、ベッドの上でまどろんでるドン・ジュアンは上半身裸!客席の女性たちのボルテージはいっそう上昇し、双眼鏡を持つ手にも力が入ります細いけど、ほどよく引き締まった浅黒い肌がセクシイでした。ファンサービスは一瞬で終わります。すぐにシャツを着るので。あんなに荒ぶる刺々しさだったのに、すっかりメロメロのLove so sweet~♫(キスマイの歌じゃなくてすまん💦)な藤ジュアンは、アイドルに戻ったかのように甘くて可愛い。そんな藤ヶ谷くんも好きですが、やっぱ悪い藤ヶ谷のほうがいい!
 
 マリアがね~。不思議ちゃんなだけでなく、かなりゲスい女なんですよ。ラファエルという婚約者いるのに。結構ラブラブだったのに。ラファエルが戦場で戦ってる間、心配するどころか存在さえ忘れて他の男とチョメチョメ(死語)ですか?!男がいることをドン・ジュアンに隠してたのも姑息でズルいと思った。騙されたドン・ジュアンと裏切られたラファエルが可哀想!マリアだけでなく、ドン・ジュアンと一回寝ただけで自称妻なエルヴィラもとんだストーカー女だし。ドン・ジュアンもクズ男だけど、女たちも決して褒められたもんじゃありませんでした。まあ、真面目な誠実な恋愛なんてつまんない。男女の三面記事的な痴情のもつれもミュージカルにすると、壮大な愛の物語になるんですね!ラファエルと兵士仲間が踊って歌うシーン、某事務所っぽかった。エルヴィラ役の女優さんは、藤岡弘の娘さんだとか。たまに歌声がアレでガクっとなることも。

 みんな激情でイカレてしまい、そのおかげでドン・ジュアンも元のギザギザハートな男に戻った!ラファエルとタイマン勝負だ!ヤンキー不良漫画なノリですが、こちらは剣で相手を殺したほうが勝ちという命を賭けた決闘。やめてー!と男二人を止めるマリアには、河合奈保子の“けんかをやめて”を歌ってほしかった。ゴチャゴチャ言ってくる周囲に『うるさい!黙って見てろ!』と恫喝する藤ジュアンにシビレた決闘シーンでは、深紅の衣装に着替えて華やかに死地へと。永遠にマリアに愛されるため、ドン・ジュアンはわざと負けて死を選んでしまいます。何で女なんかのために!こいつらみんなアホ!と呆れ果てる反面、愚か者と嗤われても狂おしい恋、愛に殉じて破滅してみたい、と憧れもする私なのでした。
 
 死んだドン・ジュアンに降り注ぐ真っ赤なバラの花びら。最初はハラハラと、最後はドバっと、の演出がゴージャスでした。藤ヶ谷くん、カーテンコールではキスマイの時のように笑顔で手を振ったり、アイドルに戻って可愛かったです。30過ぎに見えませんでした。
 いや~。夢のような時間でした。藤ヶ谷くん、アイドルの仕事しながら舞台の稽古、大変だったんだろうな~。すごい努力、そして意欲が藤ジュアンを生んだのですね。あれだけ歌って踊って演技するとか、ただもう感嘆&尊敬です。映画やドラマと違って、一発勝負の緊張感が役者さんたちにとってはたまらない魅力なんでしょうね。また舞台に挑戦して、ますます演技に磨きをかけてほしいものです藤ヶ谷くん、Muchas gracias!J’aime Don Juan!
 すっかり舞台に魅せられてしまった私。年明けには岡田将生主演の「ガラスの動物園」と、吉沢亮主演の「マーキュリー・ファー」を観に行きたいです!チケット、とれますように!

 ドン・ジュアン、再々演よろしく藤ヶ谷くん!
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朝鮮半島壊滅!

2021-10-18 | 韓国映画
 「白頭山大噴火」
 白頭山の噴火による大地震で、朝鮮半島は壊滅寸前の危機に陥る。韓国軍の爆弾処理隊を率いるチョ・インチャン大尉は、再び起こる地震を食い止めるための作戦遂行のために、北朝鮮から核弾頭を奪う任務を命じられる。インチャンの部隊は核の在り処を知る工作員リ・ジュンピョンと接触するが…
 大好きなイ・ビョンホン目当てで観に行きました(^^♪ビョン吉さん、今回もチェゴヤ!チョンマルかっちょよかったです初登場シーンから、掴みはOK!廃墟と化した北朝鮮の牢獄、闇の中からス~っと現れるビョン吉さん。髪はボサボサ、髭はモジャモジャ、服はボロボロ、ほとんどホームレスなのですが、ものすごい男前オーラ、カリスマムードを放ってるんですよ。アラフィフになって、以前のフェロモンだだ漏れな色気とは違う、ちょっと枯れた熟年の魅力を備えてきてる最近のビョン吉さん。枯れたといっても、男の色気は現役バリバリ。若い頃より好きだわ~。ビョン吉さんといえばの、あの強く美しい瞳、そして低く深い声。ファンはもう毎回、ヘビににらまれて魅了されて動けなくなるカエル状態ニダ❢🐸

 今回のビョン吉さん、カリスマな男前なのは相変わらずなのですが、かなりコミカルだったのが意外でした。敵か味方か判らない、油断するとすぐに裏切ったり出し抜いたりしようとするけど、いざという時は助けてくれるリ・ジュンピョン。人を食ったひょうひょうとした男を、楽しそうに演じてました。もともとコメディも得意なビョン吉さんなので、そういう演技もお手の物なのです。ケンカしつつもピンチを乗り越え共闘する主役二人のバディぶりも愉快でした。あまりにもコミカル調なので、大災害の深刻さを忘れそうになるほどでした。

 噴火や地震よりも衝撃的だったのは、ビョン吉さんの野グソシーン!森の中でズボンおろして座ってウ〇コ!ケツ出して!スギちゃんもビツクリなワイルドさです。彼ほどの大スターが、よくもまあ。キムタクなんか絶対にできないでしょ。そういえばビョン吉さん、「王になった男」でも脱糞シーンやってましたね。ウ〇コネタは韓流ではおなじみですが、トップスターにまでウ〇コさせるところがすごい。

 コミカルなビョン吉も魅力的ですが、やはり彼は韓流随一の千両役者。カッコよさも際立ってます。戦闘中の勇姿はとにかくクール&ハード。ぜんぜん強そうに見えない日本の俳優とはやはり違います。生き別れた娘への愛、そしてラストの悲劇のヒーローな行動など、悲しみも絵になるビョン吉さん。悲しみでよりいっそう美しくなる瞳!

 チョ・インチャン役のハ・ジョンウは、若い頃は苦手だったのですが、「神と共に」シリーズとか最近の中年になった彼はいい役者だな、見るたびに思うように。でもビョン吉さんのスターオーラが濃密すぎるせいか、どちらかといえば彼のほうが主役なのに地味でフツーの人に見えてしまいました。カン博士役は、人気者マ・ドンソク。プロレスラーみたいで科学者に見えん!コワモテだけど心優しい役は彼の十八番。英語名がロバートなのが笑えた。彼もかなりコミカルでした。

 噴火や地震など、ディザスターシーンはハリウッド映画も顔負けの大迫力でしたが、これは映画だから!と日本人なら笑って楽しめません。日本に住んでいる限り、安心して暮らせない…そんな恐怖や不安を抱かずにはいられませんでした。富士山だって、いつ爆発するか神のみぞ知る…
 この映画、北朝鮮から抗議が来そうな内容&シーンの数々。壊滅したピョンヤン、将軍さまも死亡、あの銅像も無残に倒壊、ラストは韓国に併合されてるみたいな扱い。将軍さまのご感想、聞いてみたいものです。壊滅した北朝鮮から核を盗むスパイ大作戦、みたいな展開にはちょっと失笑。正義のミッションというより、火事場泥棒じゃん。そういうところも、日本人には理解できない韓国の感覚、国民性です。

 ↑ アラフィフになってますます素敵なビョン吉さん、大人の恋愛ものとかにも出てほしいものです
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GAYAGAYAさせて 梅田のドンファン①

2021-10-15 | 演劇
 先日、有給をとってコソっと大阪に行ってきました!熾烈なチケット争奪戦に参戦し、何と!運よくGETだぜ!藤ヶ谷太輔主演の舞台「ドン・ジュアン」観劇してきました~
 久々の大阪は相変わらず人!人!人!で、コロナ禍を思うと梅田に着いた瞬間に引き返したくなりましたが、ワクチンもちゃんと接種したし、いつまでもビクビクしてもいられない、わしも経済活性に協力せねば、と自分を正当化して喧騒の街へと飛び込んだのでした。それにしても。何度来ても、梅田界隈はいまだにラビリンス。ホワイティうめだに今回もスムーズにたどり着けず。キョロキョロしながら歩く姿は、田舎者丸出し。ホワイティうめだにあるパン屋さん、クックハウスのパンが大好きで、いつも大量に食べて買って帰ります。

 暮れなずむ頃に、上演される梅田芸術劇場へと向かいます。茶屋町あたりもとにかく人!人!人!で、コロナ禍とは信じがたい光景。日本は元気を取り戻したと信じて安心してもいいのでしょうか。そんなことをつらつら考えてるうちに、梅芸に到着しました。
 劇場の前は、すでにウキウキな女性たちでいっぱいで、某事務所アイドルのコンサート前のような様相。ここにいる女性のほとんどが、藤ヶ谷くんのファンなんだろうな~と思うと、わしのようなぼっち来場のおっさんには明らかに場違いな居心地の悪さも覚えてしまいました。
 開場し、いざ劇場の中へ。梅芸はとっても華やかで立派な劇場。まるで高級ホテルみたいでした。わしは3階のど真ん中の席でした。満席の客席はほぼ女性。休憩時間のトイレが大変なことになりそう。18時過ぎ、ついに開演!ドキドキワクワク(^^♪

 「ドン・ジュアン」は、スペインのアンダルシアを舞台に、女たちを虜にし放蕩の限りを尽くして破滅する色男を描いたミュージカルです。オリジナルよりも、世間を騒がせた紀州のドンファンのほうが日本では有名でしょうか稀代の女たらしを、藤ヶ谷くんが歌って踊って演じるのです。でも、藤ヶ谷くんはなかなか舞台の上には現れません。ドン・ジュアンの父上役の鶴見辰吾さん、歌もお上手なんですね。金八先生とか大映ドラマ時代の彼を知ってる人たちにとっては、感慨深い鶴見氏のベテランぶりではないでしょうか。始まって10分ぐらい経って、やっと主役の藤ヶ谷くんが登場!

 岩のセットが割れ、そこからまばゆいライトをバックに、ドラマティックな音楽とともに藤ヶ谷太輔asドン・ジュアン降臨!周囲の女性たちはいっせいに色めきたち、双眼鏡をかまえて藤ヶ谷くんをガン見!しまった!双眼鏡もってくるの忘れた3階からだと顔がよく見えない
 黒ずくめのタイトな衣装の藤ジュアンは、悪魔の王子風。それにしても藤ヶ谷くん、細っ!腰なんかわしより細いのでは。女優さんたちと身長が同じぐらいの小柄さや、細いけど短く見える足など、うーん、あまり舞台映えしないのかな?と始めは思ってしまったりしたのですが、登場してやはり10分ぐらいしてやっと発した第一声『おいっ!』に、甘い電流がビビビと背中を走った!ドスのきいた野太くも甘く響く声、まさに♂!バラエティや歌番組のアイドルな藤ヶ谷くんも好きですが、やっぱ彼は役者なんですよ。こんなに生き生きしてる藤ヶ谷くん、初めて見ました。藤ヶ谷くんはいい人の役よりも、悪い男の役のほうが似合う。ブラック&ダークな魅力を放っていた「ミラー・ツインズ」や「華麗なる一族」の彼が好きです。非道なまでに放埓で、どこか自暴自棄な藤ジュアンがほとばしらせる退廃の匂い、暗い情熱と屈折した色気ときたら!

 ちょっとヤンキーみたいな、やから系なドン・ジュアンがイケてました。ナイフみたいに尖っては触るものみな傷つけた~♪by チェッカーズ みたいな刺々しさが、藤ヶ谷くんの悪そうな顔つきにぴったり。キャラや口調が、ミラーツインズの勇吾とちょっとカブりました。やたらと寄ってたかってくる男女を、邪険に突き飛ばしたり振りほどいたりする藤ジュアンのイケズさが素敵わしも藤ジュアンの足にしがみついて足蹴にされたい!(寛一お宮になってしまいますが)とにかく藤ヶ谷くんの持つ屈折した色気は、俳優業をメインにしてる同じ某事務所の先輩たちにはない魅力。人気はあっても結局は某事務所の域を出ない先輩たちのようになるには、あまりにももったいない。退廃や色気といった稀有な魅力を、藤ヶ谷くんには今後も大事にしてほしい、なんて思いがステージの上の藤ジュアンを見ながらいっそう強くなりました。
 『おまえたちが俺を呼べば呼ぶほど、俺は熱く燃えあがる!』『気安く触るな!何様だ!』俺さまなドン・ジュアンがヒロインのマリアと出会い、尊くも呪われた愛に身を投じていく第2幕は…
 to be continued
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さよなら愛しのスパイ

2021-10-08 | イギリス、アイルランド映画
 「ノー・タイム・トゥ・ダイ」
 MI6を辞め恋人のマドレーヌと静かに暮らしていたジェームズ・ボンドは、引退前に戦った組織スペクターからと思われる襲撃を受ける。マドレーヌの関与を疑い、ボンドは彼女と決別するが…
 待望のシリーズ最新作にして、ダニエル・クレイグのボンド卒業作。「カジノ・ロワイヤル」から15年、5作でボンドを演じたダニクレさん、お疲れさまでした!歴代ボンドの中ではいちばん好き。軽くて派手という007のイメージを覆した、クール&ハードなダニクレボンドでした。ストイックでシブいけど、ブリティッシュな魅力にもあふれていたところも好きです。007以外のダニクレ氏もそうですが、ファッションがハイセンスなんですよね~。地味なセーターやジャンパーも、ハリウッドスターにはない趣味の高さ。スーツとタキシードの着こなしは、映画界屈指です。

 最後のボンドも、スパイというより戦士のような武闘っぷりで、あまり秘密兵器とかに頼らない生身の肉弾戦は、激しく迫力があって圧巻。日本版スパイ映画「太陽は動かない」とか、ほんとお遊戯に思えてしまいます。ダニクレ氏、50過ぎであの動き、そして肉体美は驚異の一言ですが、さすがに昔日に比べると加齢感は否めず、肌とかも脂気がなくカサカサ。もともと老け顔なので、今回など顔だけだともうお爺さん。老体にムチ打つようなアクションシーンなど、無茶してるな~と痛ましくもあって。今回のボンド卒業は賢明な判断。ハリソン・フォードがンディ・ジョーンズを再演とか、想像しただけでイタくてヤメテー!と声を大にして言いたいもん。

 最後の戦いの決着、ボンドが選んだ漢(おとこ)の道は凄絶で悲劇的でしたが、同時に何だかスッキリサッパリした爽快感もありました。中途半端なことをせず、きっちり終わらせた潔さに拍手です。
 お話よりも私が感銘を受けたのは、世界各地でのロケーションの素晴らしさです。どこも旅心をくすぐる美しさ、珍しさでした。マドレーヌの実家がある湖畔の冬景色、あんなとこで絶対暮らせない!けど暮らしてみたい!ボンドとマドレーヌが滞在するイタリアの世界遺産マルーテ、常夏のジャマイカ、ラテンムードのキューバ、スコットランドの森etc.最も心惹かれたのは、やはりロンドン!007といえば、やはり大英帝国の首都ですよね~。ボンドにはロンドンがいちばんしっくりきます。

 ↑ この道路もすごく印象的でした。どうやらノルウェーにあるらしいです
 ボンドに関わる人々もみんな個性的で魅力的。マドレーヌ役のレア・セドゥは、前作に続いてのボンドガール、というよりヒロイン。007シリーズに連続して登場するヒロインって、かなり異色です。ボンドガールとは任務中だけのラブアフェア、が007のお約束、鉄則みたいだったので。ボンドとマドレーヌとの愛も、今までの007にはなかったドラマ重視。レアはまだ若いけど大人の女性に成熟して、きれいになりましたね~。シンプルなファッションもフランス女優らしくて素敵でした。
 ダニエル007の悪役は、インターナショナルな大物ベテラン俳優が起用され作品のクオリティを上げていましたが、今回は「ボヘミアン・ラプソディ」でオスカーを受賞したばかりのラミ・マレックというのが新鮮、かつ人気も実力もある俳優が悪役、というこれまでの路線を踏襲していました。

 オスカー受賞直後の最旬の人気俳優を悪役に起用できたところも、制作側の気合を感じます。ラミちゃん、ついこないだまでは博物館のエジプトの王さま役やってたのに、ずいぶん出世しましたね~。彼は個性的で魅力的な俳優ですが、今までの濃ゆい熟年ぞろいの悪役の面々に比べると、まだ若いせいか貫禄不足というか、強烈さに欠けてたというのが正直な感想。中盤になってやっと本格的に登場するので、出演シーンはそんなに多くなく、いかにも極悪人な言動もほとんどせず、マドレーヌや彼女の幼い娘にも優しいので、悪役って感じが希薄でした。もっとハジけたヤバい演技してほしかったかも。小柄なラミちゃん、和服?着てるのが珍妙かつ可愛かったです。ラミちゃんの服や能面、毒草島の庭園など、なぜか日本テイストなのが意味不明だけど面白かったです。ラミがボンドの銃撃をよけて逃げるシーン、その忍者屋敷のような仕掛けがドリフのコントみたいで笑えた。

 引退していたボンドに代わって007になった女性エージェントも大活躍。ボンドと張り合うのがコミカル調で楽しかった。新007が黒人の女性で、男より強くて優秀、という設定が時流に沿ってます。Qことベン・ウィショーの出番が、今までで一番多かったので嬉しかったです。Qちゃんといえば、ワタシ的にはオバケでも高橋でもなく007。Qちゃん、今回サラっとカミングアウトしてましたね!彼氏が来るのをお料理しながら部屋で待ってたQちゃんが可愛かったです。Qちゃんのフラットの内装がおしゃれでした。

 Mことレイフ・ファインズが出てくるたびに、キングスマン新作もったいぶってないで早く公開しろよ!とイライラ。公開延期はレイフのせいではありませんが。ターナー役のローリー・キニアも好きな俳優。ベン子さんとは「ホロウ・クラウン」でも共演してましたね。「スペクター」の悪役、クリストフ・ヴァルツの登場には驚きました。監獄でのレクター博士みたいな扱いが笑えた。ダニクレとは「ナイブズ・アウト」でも共演してたアナ・デ・アルマスが、ボンドガール役で登場。ルーキーなのでテンパってる様子が可愛く、でもいざとなったら凄腕なカッコよさで、セクシーキュートな魅力を振りまいてました。ボンドガールなのにボンドと色っぽい関係にならないのも、古い007との違いです。
 気になるのはやはり、次にジェームズ・ボンドを演じるのは誰になるか。何人もの有名英国スターが候補にあがってるみたいですが、個人的にはリチャード・マッデンとかドミニク・クーパー、チャーリー・ハナム、テオ・ジェームズとかに演じてほしいわ~。センセーショナル狙いなら、レジ・ジーン・ペイジ。007が若い黒人のイケメン、なんてのも革新的でいいんじゃないでしょうか
 
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蛇の道はイケメン

2021-10-01 | 欧米のドラマ
 Netflixでドラマ「ザ・サーペント」を観ました。全8話。
 70年代のタイ、バンコク。アランとモニクは宝石商を装って欧米のバックパッカーたちに近づき、薬を盛って殺害しては金品やパスポートを奪っていた。オランダ大使館の外交官クニッペンバーグは、無残な死体で発見されたオランダ人カップルのパスポートを何者かが使っていることを知り、独自の捜査に乗り出すが…

 実際に起こった事件を基にしたドラマだそうですが、にわかには信じがたいです。こんな凄惨で卑劣な犯行がなかなか発覚せず、犯人も捕まらないなんて。アジアでのバックパック旅行、やっぱ危険すぎます。事件のメインステージであるバンコクだけでなく、ネパールやパキスタン、インド、いま話題のアフガニスタンなど、東アジアを股にかけての詐欺&殺人は、インターナショナルで壮大なスケール。各国とも犯罪天国で、たやすく隠したりごまかしたりできる土壌が怖い。シャルル(アラン)の犯罪ってかなり大胆かつ杜撰なのに、誰も気づかない信じないとか怖すぎる。警察や大使館の適当な対応も、先進国では絶対ありえない。パスポート偽造や指紋とかで、すぐにシャルルの足はつくはずなのに、そうはならないアジアのユルさが戦慄ものでした。

 シャルルの犯行以上に、欧米バックパッカーたちの警戒心のなさに驚かされました。お気楽すぎ、スキがありすぎ。あんな惨い目に遭っていいわけはないけど、外国では用心深く!が鉄則な私からしたら、自殺行為に近いハメのはずしっぷりでした。彼らの自由な振る舞いには、どこかアジアを見下したところがあって、自分たちは何をしても大丈夫、許されるという傲慢さが透けて見えました。そんな驕った西洋人へ、シャルルは憎悪の鉄槌を下しているようにも思えました。

 それにしてもシャルルとモニクの犯行は、まさに鬼畜の所業。知能犯罪である詐欺+暴力犯罪である殺人は、「復讐するは我にあり」のモデルになった西口彰の犯罪とカブります。被害者になりすまして生活するところは、身代わり連続殺人の大西克己を彷彿とさせます。どっちの犯罪も、相当の才覚と胆力が必要。シャルルがその能力と魅力をまっとうな道で発揮してたら、きっと尊敬される人物として成功した人生を歩めたはず。悪って、やはり先天的なものもあるのでしょうか。蛇は蛇の道しか歩めないように。
 シャルル役は、大好きなフランス俳優タハール・ラヒム。希代の殺人鬼をセクシーに好演。彼ももう40歳になったけど、いい感じに熟しつつ、かつ青年っぽい若々しさも失っておらず、今回もカッコカワいかった理想的な40歳ですね~。

 男の色気も増して、ますますいい男になったタハール。浅黒い肌がエキゾティックで、英語から不意に変わるフランス語が耳に甘くて素敵。狂気に憑かれたような熱演ではなく、すごく淡々と日常のルーティーンみたいに詐欺も殺人もやってるところが出色。タハールって、どんな役でも社会の底辺臭がして、悲しげで薄幸そうなところが何だか愛おしいんですよね~。ニヒルで洗練された物腰と、ねっとりとした暗い目つきは、まさに美しく危険な蛇のようでした。上半身裸になるシーンが多いのですが、マッチョな肉体美ではないけどガッチリムッチリしたカラダは私好みです。モニク役のジェナ・コールマンは、小柄で小動物的な美人。タハールと彼女の70年代のファッションがおしゃれ!それにしても。愛と恐怖でシャルルに従ったみたいなモニクでしたが、ぜんぜん同情できませんでした。情状酌量の余地まったくなし。ほんとなら二人そろって死刑なのに、神も仏もない結末に唖然
 もう一人の主人公、外交官のクニッペンバーグ役は、これまた大好きなイギリス俳優ビリー・ハウル。

 ビリーって決してイケメンでも男前でもないはずなのに、そう見えてしまう不思議な俳優。この作品ではいつもよりちょっと恰幅がよくなっていて、それがいい感じに作用してカッコよくなってました。長身でスーツが似合います。知的なエリート役もハマります。オランダ人役なのに、やはりイギリス人っぽい。優しい温かい人柄ながら、事件捜査にのめり込んで仕事も夫婦関係も顧みなくなってしまう執着心が、正義感とか責任感を通り越して異常、そんな複雑な役を誠実に熱演してたビリーへの評価、私の中でまた上昇しました。タハールとはほとんどW主演なのですが、二人はいっさい顔を合わせません。直接対決シーンで演技の火花を散らしてほしかったので残念。

 危険なバックパック旅行だけでなく、東南アジアの底辺、闇に沈んでしまい、そこから脱け出せなくなる話もよく聞いたり読んだりしてたので、その怖さも描かれていたことも興味深かったです。気をつけないと、薬漬けにされてダルマ女にされてしまう!危険と同じぐらい、魅力もいっぱいあるアジア。タイにも行ってみたいな~。
 シャルルみたいな殺人鬼役、日本の俳優も挑戦してみればいいのにな~。魅力的な役だと思うけど。キムタクとか若い時にやっとけばよかったのに。今なら意外と似合いそうなのが櫻井翔かな。人当たりはいいけど上辺だけ、実は悪賢くて冷たいところがピッタリ。向井理もよさげ。

↑ 笑ったら超可愛いタハール。ジョディ・フォスターやベネディクト・カンバーバッチと共演し、ゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされた新作「モーリタニアン 黒塗りの記録」近日日本公開!

 ↑ ビリーって雰囲気が何だかすごく美しいというか、別にカッコつけてなくてもオシャレな服を着てなくても、洗練されてる感じがします
コメント (2)
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