まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

BL援助交際!僕専属の彼

2023-03-31 | 日本映画
 春のBL映画祭①
 「エゴイスト」
 雑誌編集者の浩輔は、専属トレーナーとして雇ったインストラクターの龍太と恋に落ちる。病弱な母との生活に困窮する龍太から、金のために売り専ボーイをしていることを打ち明けられた浩輔は…
 日本の映画やドラマでも人気のBLですが、そのほとんどは男と男という葛藤や苦悩がほとんどない、ライト&スウィートなキラキラもの。ファンタジーBLも悪くないけど、ゲイの人たちがどのように出会って愛し合って、社会と向き合っているのかを描くリアルなBLを、腐女子はもっと観るべきだと思います。この映画は、BL映画というよりゲイ映画。リアルだけど生々しくはなく、人気俳優を起用した甘美で哀切なラブストーリーになってるので、腐にもゲイにも口当たりがいい作品に仕上がってます。

 生活のために男娼をしているピュアな貧乏青年を、パトロンのように支援し庇護する裕福な大人の男…という設定は、ちょっと「藍宇」を。死んだ恋人の母親を献身的に支えようとする主人公…という後半は、ちょっと「追憶と、踊りながら」を。大好きなBL名作を思い出させる映画でしたが、うう~ん、何だろう。藍宇と追憶のように、この映画も甘い痛みや優しい悲しみで男同士の愛を描こうとしていたとは思うのだけど、私は感動よりも動揺してしまいました。浩輔がどう見ても、龍太にたかられているようにしか見えなくて…

 龍太ってすごくさりげなく言葉巧みに、自分の困窮を浩輔に訴えるんですよ。母に食べさせたいからと浩輔に高級弁当を買わせるシーンから、ん?と思ったんだけど、恋人関係になってからも遠慮しつつ、でもちゃっかりいろんなものを浩輔に買ってもらってる龍太に、私は警戒心を抱かずにはいられませんでした。浩輔、だまされてるのでは?と。男女間ではよくある話ですからね~。若いイケメンと恋愛できるんだから、まあ浩輔にとっては必要経費なんだろうけど、本当に愛し合ってる関係にしては引っかかる格差でした。驚いたのは、売り専を辞めさせるため浩輔が、月々お手当を与えて龍太を自分専属の恋人にするところ。そんな愛人契約を龍太は了承して、ますますラブラブになる二人なのですが、きっちり手当を受け取る龍太に、これは恋愛ではなく援助交際だよな~と、決して美しくない幸せに私の胸はザワつかずにはいられませんでした。

 龍太がおっさんゲイをたらしこむ汚い男だったら、浩輔もあそこまでのめりこむことはなかったんでしょうね。龍太の無邪気で優しくて弱いところが悪賢さや狡猾さよりも怖い、おっさんを虜にする魔性でもありました。いろんな男を相手に体を売る龍太ですが、嫌悪とか絶望とかいった悲壮さは微塵もなく、本当に相手のことが好きみたいにセックスしてるんですよ。まさにプロの男娼。スポーツインストラクターよりも、男娼のほうが龍太の天職なのではないかと思うほどに。それにしても。体を壊すほどに働いてた龍太、何でそこまで?母ちゃん元気そうだったし、借金でもあったの?

 龍太の死後は、龍太の母を支援しようとする浩輔。よほど愛に飢えてたのでしょうか。押しつけがましく物狂おしくもあって、何か怖かったです。浩輔の龍太、そして龍太の母を想う気持ちは、確かに強くて真摯だったんだろうけど、それ以上に幸せになりたい、孤独はいや、という自分本位さを浩輔からは感じられました。まさに悲しくてイタいエゴイストでした。龍太の母も息子そっくりで、戸惑いつつもちゃっかり浩輔の援助を受けるとか、あの息子にしてこの母ありでした。
 浩輔役の鈴木亮平、龍太役の宮沢氷魚が、期待以上のBL演技!二人の好演を心から讃えたいです。

 鈴木亮平の、いかにもなわざとらしさとか、作りものっぽさとかのない、さりげない表情や言動でのオネエっぷりが見事でした。すごくホンモノを観察、研究したんでしょうね。最近のBL映画やドラマって、オネエっぽい主人公なんてほぼほぼいないじゃないですか。鈴木さんのキャマっぽさが何か懐かしくも新鮮でした。ゴツくて男らしい風貌とギャップがある、女性的な優しさやプライドや執着などが軽やかかつ悲痛で、やはり卓越した演技力とチャレンジ精神を備えた俳優だとあらためて思いました。ハイセンスすぎるファッションも、ゲイゲイしく着こなしてます。龍太との初エッチの後、高揚感と多幸感から独りで踊るシーンで着てたガウンが強烈だった。

 龍太役は「レジェンド&バタフライ」で明智光秀を演じてた、最近売れっ子みたいな宮沢氷魚。ザ・ブームの宮沢和史の息子さんなんですね。言われてみると、何となく似てますね。たまに筒井道隆にも似て見えた。美男とかイケメンではないけど、笑顔が優しく無邪気で可愛かった。大柄な鈴木亮平より背が高い?!でもデカ男感は全然なくて、ひょろっとスマートな長身がカッコよかったです。鈴木亮平とのラブシーンだけでなく、売り専の客相手のセックスシーンもあり。浩輔と、そして客相手とのセックスではタチな龍太。どう見てもネコっぽい氷魚くんが年上の男たちを抱くシーンが、なかなかのギャップ萌えでしたわ。エッチしてる時も氷魚くんの笑顔や声が、演技とは思えぬほどスウィート&メロウ。

 亮平も氷魚も、よく脱いで絡んでラブシーン頑張ってました。最近の邦画、人気俳優の出演作では稀有な男同士の性愛シーンでした。でも、衝撃的とか大胆とかエロいとかいった感じはまったくなくて、あくまでソフトタッチ。お尻ぐらいは見せてほしかったかも。前は見えなくていいけど、ケツ出しは重要!浩輔の豪華マンションで愛を交わすのですが、あんな明るい場所でヤるとか、全部丸見え過ぎてわしは無理(笑)。
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なりすまし熟女にご用心!

2023-03-29 | フランス、ベルギー映画
 お松のフランス大女優映画祭⑤
 「私の知らないわたしの素顔」
 年下の恋人ルドに捨てられた大学教授のクレアは、若い女になりすましルドのルームメイトであるアレックスにSNSを通して近づく。いつしかアレックスとネット上で親密な関係になるクレアだったが、アレックスは彼女と会うことを熱望し始め…
 ジュリエット・ビノシュ主演の映画、久々に観たような。最近はコリン・ファース主演のTVミニシリーズ「ザ・ステアケース」でも、男にのめりこむ中年女のイタい必死さを好演してましたが、このフランス映画ではさらにイタかった。おばさんになったJBさんって妙に生々しくて、饐えたような女の性が観る者の胸をザワつかせるような役や演技が多い。アカデミー賞を受賞し、母国フランスのみならず英語圏の映画でも活躍する大物国際女優である彼女が、何でここまでするのと畏怖するやら呆れるやら。今回も、もう若くない全裸を堂々とさらし、あられもなく若い男たちを激しく求めたり。テレフォンセックスや車内自慰シーンとか、よくやるわ~な性演やホルモンバランス異常っぽい表情など、ほとんどホラーでした。

 裸もセックスシーンも、正直痛ましいだけなのですが、若い頃から不変な女優魂はあっぱれ。年齢を重ねても守りに入らず、どんどん恐れ知らずになっていくジュリエット・ビノシュとかケイト・ウィンスレットみたいな女優こそ、私にとっては真のアクトレスなんです。いい年してキレイカワイイに固執する、演技に深みや成熟が出ない女優は女優と見なしたくないです。同時に、おケイさんやJBが苦手な人が多いことも理解できます。二人とも常に現実的で生臭い女で、好感や共感なんかまったく求めてませんからね~。むしろその真逆、男をドン引きさせ、女には居心地の悪さを覚えさせる役ばかり選んでるような気がします。作り物、飾り物じゃないリアルな役を彼女たちは求めているのでしょう。そんなの求めてない!な映画ファンにとっては、気持ち悪いだけのおばさん

 それにしても。若い女になりすまし、嬉々として色気づく中年女のあさましさときたら。フランスって熟女がモテモテな熟女天国だと思ってたけど、そうでもなかったようです。どこの国ももてはやされるのは若い女のほうで、若くない女は蔑ろにされる。そんな屈辱や欲求不満から、クレアと同じようなことをして悦んでる女性って、実際にもたくさんいろんだろうな~。ピンクな会話や嘘、ごまかしも、かなりの想像力や演技力が必要でしんどそう。そこまでして男と知り合ったりセックスしたいものなのでしょうか。私なんかもう、仕事や自分のことでいっぱいいっぱい。SNSで誰かと親密になりたいと思う余裕も気力もありません。ましてや別人になりすましてまで。若さにこだわってたクレアでしたが、ありのままの自分を受け入れてもらえないのなら、もう独りでいいじゃんなんて思う私は、ほんと身も心も冷たく乾いてる人間なんだろうな~。

 アレックス役は、ピエール・ニネのマブダチ?フランソワ・シヴィル。おバカなイメージが強い彼ですが、よく見ればイケメンなんですよね。おバカじゃない役の彼、初めて見たかも。ナイーヴで情熱的な若者役のシヴィルくんもなかなかよかったけど、やっぱアホな子の彼のほうが好きかも。ルド役のギヨーム・グイも好きな俳優。シヴィルもグイもお尻出して、熟女相手のおつとめ頑張ってました。
 フランス大女優映画祭、お目汚しMeci !次回は春のBL映画祭開催(^^♪
 
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美青年の白い体を…

2023-03-27 | フランス、ベルギー映画
 gooブログ、ちょっと男優や女優の裸の画像をのせただけで、すぐに通報されて停止になってしまいます別に卑猥な画像をUPしてるわけじゃないのに…映画もブログも、過度なポリコレで表現が制約されすぎてしまい、優等生だけ、無難なだけの世界になっていってるのがつまんないです。美しい男優女優の裸体を卑猥なものとして見なすことのほうが、よほどそれらをイヤらしい目で見てると思うのだけど…

 お松のフランス大女優映画祭④
 「これが私の肉体」
 映画の主役にスカウトされたブルジョアの大学生アントワーヌは、主役を演じるはずだった青年ルカが不可解な投身自殺をしていたことを知る。映画監督のルイーズにアントワーヌは心惹かれるが、彼女はルカと親密な関係にあった…
 アントワーヌ役は、これが実質の映画初主演となったルイ・ガレル。現在39歳のガレル氏、アメリカ映画「ストーリー・オブ・マイライフ」での好演も記憶に新しい。映画監督としても最新作が高く評価されているなど、フランス映画界の才人として活躍中。若い頃よりアラフォーな今の彼のほうが、断然いいと思います。若かりしガレル氏は、確かに美形なんだけど、かなり独特というか特異というか、ちょっと不気味な顔なんですよね~。すごい美白肌!韓国アイドルみたいなメイクばっちりな人工的なものではなく、ナチュラルホワイトなんだけどきれいすぎて気持ち悪い。この初主演作の時は18歳!さすがにまだ顔は少年っぽくて、たまにすごくあどけなく見える時があり、初々しくはあります。

 まだ20歳にもなってないのに、人生も女も知り尽くして飽きてるかのような、あの冷めた倦怠感はいったい。日本の20代のアイドルや俳優に比べると、大人っぽすぎるルイです。「ドリーマーズ」や「ジョルジュ・バタイユ ママン」など、まさにフランスの全裸王子な脱ぎっぷりを誇ったルイですが、この初主演作でもガールフレンドとのエッチシーンなどで、前も後ろも一切隠さない姿に。有名監督を父にもつルイですが、日本の2世タレントには絶対不可能なすっぽんぽん演技です。18歳の少年をあそこまで脱がせるとか、今だと問題になるのでは。

 暗くて大胆だけど、ガツガツした気合いとか力みなどは一切なく、どこか優雅で高貴な雰囲気をまとっているのもルイの魅力でしょうか。どんなにイケメン、どんなに演技が上手でも、貴族やブルジョアの役には無理がある俳優が多い中、ルイのお坊ちゃまぶりはすごく自然です。なにげないけど洗練された彼のファッションも、さすがパリジャンなおしゃれさ。スラっとした長身もカッコいいです。
 ルイーズ役は、エルメスの高級バッグの名の由来にもなった、いい女といえば彼女な時代があったジェーン・バーキン。

 厳密に言えばフランス女優ではないジェーンですが、彼女をイギリス人、イギリス女優と見てる映画ファンって、ほとんどいないのでは。美女ではないけど、無造作で飾らない感じが素敵です。顔も、ひょろっと少年っぽい体型も、娘のシャルロット・ゲンズブールにやっぱ何となく似てますね。かぼそくて少し高めの声が可愛いです。優しくしたり冷たくしたり、息子のような年下の男を翻弄する熟女をミステリアスに、ちょっと神経症っぽく演じてます。年の差恋愛ドラマなのかな?と思いきや、そんな展開にはならず、アントワーヌとルイーズの関係がよくわからずじまい。ルカがなぜ自殺したのかも謎。そういうアバウトで曖昧な内容は、いかにもフランス映画です。映画製作の裏側とか、もっと面白く描いてほしかったかも。アントワーヌの恋人役、メラニー・ロランも若い!可愛い!彼女も脱ぎっぷりよすぎ!アントワーヌの祖母役で、「ピアニスト」などの名女優アニー・ジラルドが、ちょこっとだけ出てます。ボケてる(フリしてる?)意地悪ばあさんぶりが笑えた。アントワーヌの幼い妹たちが、結構な悪ガキなのも笑えた。

 ↑ パパのフィリップ・ガレル監督作「救いの接吻」のルイ、当時6歳!可愛い!
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秘剣ながれぼし 前編

2023-03-17 | 演劇
 横浜流星主演の舞台「巌流島」を観に、神戸に行ってきたわいや~!
 「セールスマンの死」を観るために訪れて以来の神戸。その日は春の快晴とポカポカ陽気で、絶好の行楽日和。観劇前にまた寄った南京町の中華街も、人・人・人!春に浮かれた気持ちは、梨泰院の恐怖と大勢のマスクをしていない人たちによって、瞬時に凍りついてしまいましたあまりにも楽しそうで幸せな光景…戦争や震災や社会問題といった深刻な不幸など、この世に存在していないような錯覚さえ覚えてしまいました。私もしばし憂いを忘れ、春うらら。中華街といえば、買い食い。大して食べられないくせに、いろいろ食べてしまうんですよね~。焼き小籠包、揚げ餅、角煮のちまき、美味しかった(^^♪でも吐きそうに

 舞台が上演される神戸国際会館へ。三ノ宮駅のすぐ近くなので、方向音痴なわしでも彷徨うことなく到着。のんびりと開演時間直前に行ったのですが、すでに長蛇の列。さすが今をときめく横浜流星が主演とあって、99%は女性客。きれいなお姉さま系の女性が多かったような。わしの老母世代のマダムもたくさんいました。幅広いファン層の流星くんですね。

 舞台「巌流島」は、数年前にコロナで上演を断念してしまったという経緯が。紆余曲折を経ての晴れ舞台、上演中止に忸怩たる思いだったという流星くんにとっては、執念のリベンジステージでもあったようです。

 宮本武蔵役の流星くん。ワイルドな風貌になると、よりいっそう美しさが引き立つ男です。こぎれいなイケメン役の時より好き。無骨でニヒルな流星as武蔵、どこか退廃的な破綻した心の闇を感じさせる役が似合いますね。低い美声も男らしくて素敵。でも、今回座った席は3階の後ろのほうだったので、オペラグラスを使っても流星くんの顔は豆粒状態表情とかほとんどわからない意外と小柄で細いので、殺陣にあまり迫力はないのですが、動きが俊敏で鋭く若々しい躍動感で魅せてくれます。

 運命の出会いをする武蔵と佐々木小次郎。コロナで上演中止になる前は、伊藤健太郎が小次郎役だったのですが、彼は不祥事のため降板?歌舞伎俳優の中村隼人が小次郎役に。武蔵と小次郎の関係とやりとりがライバルというより、男同士の友情以上恋人未満なブロマンスっぽかった。強くてクールな武蔵に、小次郎だけでなく出てくる男性キャラはみんな恋してるみたいだった。みんな武蔵にかまってほしくて仕方ない!斬られてもいいからと命がけで。女はほぼ出てこない、ドキ!男だらけの決闘大会!男たちの熱く濃密なぶつかり合いは、かなり腐向けだと思いました。
 憧れや畏敬、憎しみや嫉妬など、男たちのドロドロとした激情を一身に浴びる武蔵、いや、横浜流星の男ぶりは、物語が血生臭くなるにつれていっそう匂いたっていくのだった… 
 to be continued ⚔
 
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春の夜の闇はあやなし

2023-03-13 | 映画雑記
 アカデミー賞が発表されましたね!
 コリン・ファレル、受賞ならず!残念!断酒の願掛け、効果なかったのお~。今夜は飲みます(^^♪残念だけど、ノミネートされただけでも本当に嬉しかった。俳優として円熟期を迎えてるコリンなので、これから何度もノミネートされて、いつか受賞するでしょう。それを見届けるまで、頑張って生きます!コリンを破っての主演男優賞受賞、ブレンダン・フレイザーの奇跡の復活劇は映画以上のドラマ。イケメンだった若い頃を知る者としては、いろいろあって別人のような風貌になったフレイザー氏に感慨深いものが。
 今年も授賞式は観られなかったので、帰宅してYouTubeで主な受賞シーンや出席スターを楽しみました。

 コリンは息子さんと出席。コリンのお子さん、初めて見た!可愛いですね!こんな大きい子がいるのが驚きなほど、コリン若く見えますね。コリンみたいなパパ、いいですね~。羨ましい。驚喜の登場だったのが、「イニシェリン島の精霊」のロバ、ジェニー!大好きなイニシェリン島が、まさかの無冠に終わってしまったのが残念。候補になったイニシェリン組よりも、きっとファンのほうが大きな落胆。でも、ジェニーの黄泉がえりにほっこり。

 最多受賞となった「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の快進撃や、話題のインド映画「RRR」の主題歌パフォーマンスなど、派手!!!by 中山美穂 なシーン満載みたいでしたが、主演男優賞にノミネートされてた新進俳優、ポール・メスカルが私の目を惹く存在でした。まだ26歳!若い、可愛い!美男とかイケメンとはではないけど、確かに何か輝くものを感じます。「aftersun アフターサン」楽しみ!

 プレゼンターのアンドリュー・ガーフィールド、リズ・アーメッドもカッコよかった!二人とも年齢を重ね、どんどんいい男になっていってますね~。でもポール・メスカルとか、新進の台頭は後を絶ちません。油断禁物!美とファッションで妍を競う女優の中では、フローレンス・ピューの衣装が独特で目立ってました。

 国際長編映画賞(外国語映画賞)はドイツ映画「西部戦線異状なし」が受賞。出演者兼プロデューサーのダニエル・ブリュール、すっかり貫禄ある男になりましたね~。相変わらずカワウソみたいで可愛いけど!

 最も嬉しかった受賞は、大好きな名コメディエンヌ、ジェイミー・リー・カーティスの助演女優賞受賞!ミシェル・ヨー姐さんのアジア人初の主演女優賞受賞も快挙でした。

 ハイライトだったのは、作品賞のプレゼンターだったハリソン・フォードと、助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クアンのツーショットでしょうか。「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」から約40年。喋るのがしんどそうなほど爺さんになったインディと、おっさんになったショート少年の再会、そして客席で二人を優しく見守ってるスピルバーグ監督に、往年の映画ファンはさぞや胸アツだったことでしょう。

 毎年これが最後かも…と言いつつ、毎年つつがなくオスカーの感想を語ることができてる私。来年も無事にオスカーの日を迎えられますように!
 あらためて、受賞結果。

 作品賞 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
 監督賞 ダン・クワン、ダニエル・シャイナート
 主演男優賞 ブレンダン・フレイザー
 主演女優賞 ミシェル・ヨー
 助演男優賞 キー・ホイ・クアン
 助演女優賞 ジェイミー・リー・カーティス
 国際長編映画賞 「西部戦線異状なし」

 ↑「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」もう39年!も前の映画なんですね~… 

 
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変なおじさん!脳内どろドロン

2023-03-05 | フランス、ベルギー映画
 お松のフランス大女優映画祭③
 「真夜中のミラージュ」
 アル中の中年男ロベールは、列車のコンパートメントで出会った女ドナシェンヌと関係を持つ。ドナシェンヌについて列車を降り、嫌がる彼女の家まで押し掛けたロベールは、そこに次々と現れる人々と奇妙な騒動を起こすが…
 60・70年代に日本で絶大な人気を誇ったアラン・ドロンですが、美男の代名詞と言われたその美貌や、出演した巨匠や名匠の秀作佳作は称賛されても、彼の演技が高く評価されることはそんなになかったようです。美しい俳優や女優が否応なくたどる道、加齢とともに衰退する美貌とキャリア…あの人は今なスターになりかけていた80年代のドロン氏が、セザール賞の主演男優賞を受賞し再注目され、俳優としても再評価された作品です。そう聞くと、さぞかしシリアスな役と熱演を?と思うし、映画ポスターや邦題は大人のラブサスペンス?だと思わせるものですが、ノンノンノン!そんなんじゃ全然ありませんでした!不条理コメディ?いい意味で予想も期待も裏切る珍作、怪作でした!

 「バルスーズ」のベルトラン・ブリエ監督作と知り、納得の珍妙さでした。とにかく独特、ていうか意味不明でシュールです。これは現実の世界なのか、そうでないのか、定かではない不可思議な展開と場面に、観客は困惑させられます。わけわからん~だけど、何か笑えます。人生と愛の危機に瀕した中年男の魂の彷徨、混沌とした深層心理の世界だと思うのだけど、そんな小難しさでウンザリさせるお高くとまった映画ではなく、酔っ払いのドンチャン騒ぎを見ているような愉快奇怪な映画でした。この映画の台詞や内容を理解できる人を尊敬、そして心配します

 かつて一世を風靡した稀代の美男、アラン・ドロンのうらぶれた姿、イカレっぷりは往年のファンにはショックかもしれませんが、確かにキャリア最高の演技と言われてるだけはあるインパクトです。その名の通りドロンとした、視線が定まってない目。若い女を追っかけ回すストーカーおやじで、意味不明な言動を繰り返し時に大暴れするなど、完全にヤバい人。ファンが愛するイメージをブチ壊すリスキーな役ですが、そんな悲壮感はまったくなくて、変なおじさんをノリノリで演じてるドロン氏です。インタビューによると、若い頃からコメディに出たかったけど、ファンが喜ばないから断念することが多かったとか。そんなドロン氏のコメディへの意欲が、この映画で炸裂してます。まさに中年の狂い咲き!

 ストーカーおやじ、変なおじさんだけど、どこかトボけてて可愛いドロン氏です。滑稽なシーン満載ですが、私が特に笑えて好きなのは、崩れた本棚の下敷きになっちゃってるシーン。ほとんどコントでした。初老に近いけど、やっぱ美男なドロン氏。くたびれたスーツも似合ってて、小粋に見えてしまう。ドロン氏みたいな見た目はダンディなイケオジでなければ、確実に通報される役ですし。
 ドナシェンヌ役は、大好きな素敵女優ナタリー・バイ。

 当時35歳ぐらいのナタリーおばさま、さすがに若い!美人っていうより、いい女。常に無表情で冷ややか、時に激しくプッツン、おじさんにトゲトゲしいドSな女を、クールにミステリアスに演じてます。冷たい役でも、優しそうで柔らかな感じがするところが好きです。80年代の髪型も、いま見るとカッコいい。ラストでソファに座ってるナタリーおばさまの美脚!まさにザ・女優な足でした。
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春に誘われたわけじゃない

2023-03-01 | 映画雑記
 今日から3月ですね!黄昏どきになって突然の暴風雨、夜になってもしとどな雨です。雨音は春の近づく足音でしょうか。春遠からじ。でも、決して春が待ち遠しいわけではないんですよね~。春になると心身が怠くなり、肌も荒れてしまうので鬱…
 春の憂鬱の中、やはり映画が心の慰め。春から初夏にかけて、観たい映画がたくさん公開されるので楽しみ!劇場鑑賞マストな作品をピックアップしてみたけんね!
 
 青春弑恋

 台北で実際に起きた無差別殺人事件をモチーフに、若者たちの心の闇と孤独を描いた衝撃作。リン・ボーホンが怖い!
 
 幻滅

 文豪バルザックの名作の映画化。セザール賞作品賞受賞!主演は期待のフレンチイケメン、バンジャマン・ヴォアザン。脇を固める出演者も豪華。
 
マネーボーイ

 愛し合う男と男。その一人は男娼…中国産のビターテイストなBL映画。

 オオカミ狩り

 人気イケメン俳優、ソ・イングクが初めて悪役に挑戦。強烈なヴァイオレンス描写も話題に。

 ヴィレッジ

 横浜流星が社会底辺者役。きれいなイケメン役よりも、彼の美しさってこういう汚れた腐った感じの役のほうが冴えると思う。 


aftersun アフターサン

 注目のアイルランド俳優ポール・メスカルが、娘とひと夏を過ごす若い父親を演じ、今年のアカデミー賞主演男優賞にノミネート!

 告白、あるいは完璧な弁護

 ソ・ジソブが殺人容疑者となる富豪役を演じたサスペンス映画です。
 
 苦い涙

 ハイペースに作品を発表してるフランソワ・オゾン監督が、ドイツの鬼才ファスビンダー監督の「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」を男女逆転させてリメイク。大女優イザベル・アジャーニが大女優役で出演してます。

 皆さまが楽しみにしていらっしゃる作品は何でしょうか。お聞かせいただけたらI'm so happy!
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