まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

神聖イケメン大帝♡

2020-11-29 | 欧米のドラマ
 NOW MY抱かれたい男No.1かもしれないドイツイケメン、ヤニス・ニーヴナー主演のTVミニシリーズ時代劇「最後の騎士マクシミリアン 権力と愛の物語」を観ることができました~全6話。
 15世紀の神聖ローマ帝国。皇太子マクシミリアンは、強国フランスの脅威に対して無能な父帝に反発し、鬱屈した日々を送っていた。そんな中フランス王ルイ11世は、父を亡くしたブルゴーニュ公国の公女マリーにも圧力をかけ、自分の息子との結婚をマリーに強いる。マリーはまだ見ぬ婚約者であるマクシミリアンに救いを求めるが…
 このドラマ、ヤニヴ目当てに画像や動画などネットで目にするたびに観たさが募り、ついに辛抱たまらなくなりDVDを買ってしまいました。WAKUWAKUさせてよヤニヴ念願かなって出会えた時代劇のヤニヴはどうだったかというと…

 あいやー!ヤニヴ、めっちゃイケメン!カッコいい!可愛い!凛々しい!雄々しい!爽やか!ワイルド!そしてセクシー!若い男の魅力にあふれていて、年老いたおっさんであるわしの目にはただもう眩くて、胸が苦しくなるほどでしたわいな。いや~若い男って、本当にいいもんですね(水野晴朗調)!!

 ただ若いだけじゃ、もちろんダメですよ。とにかくこのドラマのヤニヴみたいな演技、日本の同世代のイケメン俳優や某事務所タレントには絶対に無理です。少年のような清々しさながら、それ以上に“♂”なんですよ。爽やかなイケメンですが、キレイキレイなスマート優男ではないヤニヴ。長身だけどがっちり骨太な体格はいかにもドイツ男らしく、歩き方とか挙措も猛々しいのが素敵。そしてヤニヴったら、TVドラマ仕事とは思えぬほどガンガン脱いでるんですよ。

 いいカラダ引き締まった筋肉質ボディだけど、不自然にバキバキではなく程よくムチっとしてるところが、まさにわし好み爽やかで涼しげなので、イヤらしいほどのエロさはありません。結婚前の恋人と、結婚後にマリーと、なかなか大胆なラブシーンあり。お尻どころかアソコも丸出し!生まれたままの姿で女たちを激しく甘く抱くヤニヴ、まさに眼福です。荒々しい腰の動きと優しいキスのギャップが素敵でした。マリーとの初夜、寝室の前にいる家臣たちに全裸で人払いを命じるシーンが好き。おちりがプリンとしてて可愛いんですよ!って、もうすっかりエロおやぢ目線

 キラキラスウィートなキング&プリンスではなく、誇り高く勇猛な戦士風なヤニヴがとにかくカッコいいです。甲冑姿が特にチョベリグ(死語)。貫禄とかカリスマとかをまだ備える前の、未熟さゆえに失敗したり傷ついたり、がむしゃらに満身創痍になって戦いながら成長していく青年、としてマクシミリアンを演じたヤニヴの全身全霊な熱演を、小手先な小賢しさが鼻につく自称演技派や、CMレベルのイケメン俳優&某事務所タレントに飽き足らない人にぜひ見てほしい!

 窮鳥のようだったマリーのもとに困難を乗り越えて馳せ参じるマクシミリアンは、まさに白馬の王子さま。救いの騎士、そして将来の夫が、ブサイクや年寄りではなく若くて爽やかで精悍なイケメン青年だなんて、おとぎ話のようなファンタジー。万難を排して結ばれるマクシミリアンとマリーの運命は、まさに事実は小説よりも奇なりなスケールとロマン。初邂逅シーンは、初めて逢ったのにやっとめぐり逢えた、みたいな感じでした。
 マリー役は、「LOL 愛のファンタジー」でソフィー・マルソーの娘役を演じてたフランスの若手女優、クリスタ・テレ。美人ではないけど優しそうで聡明そう、でも気丈で剛毅な、いい女な姫君をクールに優雅に好演してました。彼女も入浴シーンやラブシーンで、ヤニヴに負けず劣らずな大胆全裸に。脱ぎっぷりがよすぎるところが、欧州男優女優のいいところですね。マクシミリアンはドイツ語、マリーはフランス語を話すのですが、お互い何の支障もなく意思疎通できてるのが不思議でした。

 フランス王ルイ11世役の俳優が、まさかダスティン・ホフマン?かと思ったら、え!?ジャン・ユーグ・アングラードだった!ビツクリ!かつてはフランス映画界きっての色男だった彼も、すっかり爺さんになっちゃってる!穏やかでもの静かだけど、陰湿な策謀や残虐な拷問が好きな変態キング、キモい役だけどそうは見えないところが、さすが元二枚目。

 神聖ローマ帝国の皇帝一族や貴族たちの衣装や城は、きらびやかさや華やかさとは無縁の荒涼とした野性的な趣で、地方の豪族って感じです。ブルゴーニュ公国のほうは優雅で洗練された文化的な美しさだけど、かなり地味。フランスは大国なのに暗くて陰惨で魔物の世界みたいだった。オーストリアのハプスブルグ家に関してはほぼ無知だったので、ドラマ鑑賞の前後にちょっと調べたり、世界史の勉強になりました。大好きなイギリス王室時代劇の、どの時代とカブってるのかな?フランスやオーストリアの王室時代劇も、もっと観たくなりました。

 ↑ ヤニヴの最新作、TVドラマシリーズの“Munich”は、名優ジェレミー・アイアンズ主演のナチスものみたいです。ヤニヴ、また美男ナチス軍人役?Netflix作なので、そのうち観られるはず!楽しみ!
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き〇がい農場

2020-11-26 | フランス、ベルギー映画
 「狼獣たちの熱い日」
 巨額の現金を強奪し逃亡したジミーは、田舎の農場に身を潜める。しかし、農場を営む一家はみな狂っており、ジミーは異常な世界を目の当たりにするのだった…
 世間で評判のよい、老若男女誰が見ても大丈夫な、無難で無害で破綻のないポリコレ映画よりも、駄作のレッテルを貼られながらも危険で有毒でハチャメチャなトンデモ映画ほうが好きです。B級犯罪映画のレジェンドスター、リー・マーヴィン主演のこの作品、類まれなる珍&怪作として一部マニアの間ではカルト的な人気らしく、私も以前から気になっていたのですが、ようやく観ることができました。期待通りの笑撃でした。こんな映画、今のポリコレ時代では絶対に製作不可能ですよ。話も展開も登場人物も、支離滅裂でアナーキーで意味不明で狂ってて笑えます。冒頭の現金強奪シーンから、もうハチャメチャ。市街戦みたいなチープかつ問答無用なドンパチ、幼い子どもまで無残に撃ち殺されます。舞台が農場に移ってからは、もうシュールなカオス状態。とにかく農場一家がどいつもこいつもヤバい異常者。

 いきなり出てくるのが、下半身をいじりながらプッシープッシーとわめいてる色き〇がいおばさん。性奴隷にしてる黒人の男にファックを狂おしくねだってます。色情狂ばばあ役は、フランスの秀作映画にも出演してたベルナデット・ラフォン。よーやるわ!と呆れてしまうほどの奇演でした。ジミーにも欲情して逆レイプしようとし、怒ったジミーに首絞められて死ぬ顔は、まさに妖怪な醜さ。家長であるおっさんは粗暴な変態で、コレクションしてる女もののパンティをクンクンかぐのが日課で、案山子に化けてヌードギャルをのぞき見したり(後に襲いかかるのですが、抵抗されたので惨殺しちゃう!)、若い妻を台所でバックからファック。妻は無表情で早く終われよ顔。家政婦は痴呆症?みたいなおばさんで、意味不明なことをブツブツ言ってます。いきなり発狂して首吊って死んだりします。

 家長夫婦の10歳ぐらいの息子が、当時の表現の自由に呆れるほど見た目もキャラもヤバすぎ。ギャングに憧れていて、タバコ吸うわ酒飲むわ危険運転するわ、娼館で豪遊するわ。こんな役、こんな演技、子役にやらせるなんてありえない!このトンデモガキンチョを演じてるのは、あの傑作「ブリキの太鼓」で主役のオスカル少年を怪演したダーヴィット・ベネント。まさに世界最恐の子役。オスカル少年もぶっ飛んでましたが、今回の息子も尋常じゃない異様さ。気持ち悪い!けどノリノリで楽しそうなところが笑えました。

 いちばん狂ってたのは、表面的にはクールで寡黙な若妻です。ジミーを匿う彼女ですが、それは恐ろしい魂胆があったから。夫を殺した後は、尾行する刑事を誘惑してファックした後に彼も殺したり、すごい暴走!すべて無表情でつまらなさそうにやってるのが怖い。演じてるのは、若き日のミュウミュウ。可愛い!けどニヒルでアンニュイ。場末のカフェのウェイトレスみたいな衣装も可愛かったです。農場で身を隠す男、匿う若い人妻、といえば「刑事ジョン・ブック 目撃者」を思い出しますが、あんな甘美で切ないロマンスには1ミリもなりません。
 
 ジミーも逃げようと思えばいくらでも逃げられたし、言いなりになる必要なんか全然なかったのに、何で?!と理解不可能な身の処し方。ただ繰り広げられる異常者一家の変態狂態におとなしくドン引きしてるだけなんですよ。レジェンドスター、リー・マーヴィンもすでに当時キャリア晩節、ヨタヨタしたお爺さんで、無様で無残な姿はまるで老人虐待な痛々しさ。は?!な彼の末路、映画の終わり方にも失笑。まともな筋なんかなく、潔いまでのコワレたイカレ映画。みんな狂い死に、屍累々な惨劇なのに、何かあっけらかんとした突き抜けた明るさが。シリアスな犯罪ドラマとしては大失敗、トンデモお笑い映画としては大成功。岡田あーみん先生の漫画が好きな人なら楽しめるかも。
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未来永劫の罪!

2020-11-23 | ドイツ、オーストリア映画
 「コリーニ事件」
 ドイツの高名な実業家マイヤー氏が殺害される事件が起きる。新米弁護士のカスパーが被告人のイタリア人コリーニの弁護を担当することになるが、コリーニは頑なに黙秘を続ける。事件の調査を開始したカスパーは、やがてナチスに関わるマイヤーとコリーニの過去を探り当てるが…
 第二次世界大戦が終わってから80年近くも経っているというのに、いまだに消えることも癒されることもない戦禍の傷跡や痛み。特にナチスドイツの罪は未来永劫の、人類史上最悪の汚点でしょうか。ナチスの非道さを描いた映画やドラマは枚挙にいとまなしですが、当時の悲劇に加えて長い年月を経ても晴れない遺恨、という現代の悲劇にも胸が塞がります。今回もですが、ナチスの悪魔の所業を見て思ったのは、戦争を知らない世代のドイツ人が、自分たちの国と国民がかつて犯したあやまちを突きつけてくる映画を、どんな気持ちで観ているのか…ということです。加害者側にせよ被害者側にせよ、ナチスに関わった祖父母や父母をもつドイツ人たちの心境はいかばかりか。

 この映画でも、裁判でマイヤーとコリーニの関係が暴かれた時の裁判官と傍聴者のショックや困惑など、何ともやりきれなさそうな様子が印象的でした。断罪したくても簡単にはできない複雑で重すぎる真実。ナチスに蹂躙されたフランス人やイタリア人のように、堂々と声高に憎悪や怒りを訴えられない、なるべく沈黙するしかないドイツ人もまた苦しいだろうな~。日本もドイツに負けず劣らず非道いことをしたようですが、それをガンガン突きつけてくるような映画は、これでもか!とばかりに量産されるナチスドイツのそれほどはお目にかかることはない。ハリウッドやヨーロッパ各地で絶えることなく作られる極悪ナチス映画。言い方は不適切かもしれませんが、格好のネタになってる感じです。

 事件を調査する主人公、やがて明るみになる社会の闇や悪…松本清張みたいな社会派ミステリー映画なのですが、わりとあっさりと新事実や衝撃的事実を見つけちゃうのが、ちょっと肩透かしでした。もっと真相が深く埋もれてたり、主人公に危機が、みたいな設定にしてほしかったです。怖かったのは、元ナチスが戦後も狡猾に生き残って、重要人物として戦後の政界や経済界でも権力を握っていたという事実。法律まで自分たちを守るために改悪してたんですね。魔物とは死滅せず形を変えて、弱い人間を不幸にし続けるものなのですね。

 主人公のカスパー役は、ドイツでは人気俳優らしいエリアス・ムバラク。いかにもトルコ人系な濃ゆい風貌。イケメンではないけど、真面目そう優しそうな好男子って感じ。ドイツには黒人よりも中東系、インド系のスターが多いみたいですね。コリーニ役は、かつてマカロニウェスタン映画で人気を博したフランコ・ネロ。イケジジ(イケてる爺)!今でも全然カッコいいです!シブい!哀愁!抱かれるなら嵐とかよりもネロ爺です。シワも年齢を重ねた男の魅力です。残酷な運命の辛酸をなめつくした重さ、悲しみにが静かに悲痛でした。おっさんなのにいつまでも若者ぶってて軽薄なキムタクとか、ネロ爺を見習ってほしいものです。
 私がこの映画を観たのは、もちろんヤニス・ニーヴナー目当てです(^^♪大きな銀幕で初めてヤニヴとランデヴー

 ヤニヴ、後半になってやっと出てきます。コリーニが少年の時に、イタリアのモンテカティーニで虐殺を指揮するナチス将校役のヤニヴ。白人のドイツ人俳優が避けて通れない仕事であるナチス役に、ヤニヴもついに挑みました。仕事とはいえ、演じてて気が滅入ることだろうな~。絵に描いたような冷酷非情な役。ほとんどサイコパスでしたが、軍服が似合っててとにかく見目麗しい!なかなか鬼気迫る演技、凄みがありました。悪魔のような役は、やはりブサイクよりも美男子のほうが怖くて魅力的。特にナチス軍人役は、ブサメン禁止なイケメンだけに許される役。悪魔なヤニスの登場時間が短かったのは、物足りなかったようなホっとしたような。それにしても。ヤニヴが年取ってあんなフィリップ・シーモア・ホフマンみたいな老人になるとか、ありえんわ~。例えて言うなら、山崎賢人が西田敏行になるに近い違和感でした。

 ヤニヴ同様に出番は少ないけど、おや♡誰?♡と目を惹くイケメンが。マイヤー氏の孫息子フィリップと、カスパーの友だちの一人が、薄くて涼しげで長身骨太という典型的なドイツイケメンで、チョイ役ながら目立ってました。
 裁判所がまるで貴族の館みたいな壮麗さで、さすがヨーロッパな歴史を感じさせる美しさ。日本とはかなり違う法廷内の様子も興味深かったです。

 ↑ ヤニヴ~バリバリの主演映画、早く日本でも公開されないかな~
 
 ↑ 左がフィリップ役のルドウィック・サイモン、右がカスパーの友人役のフレデリック・ゲッツ。ドイツも探せばザクザクと出てくるイケメン大国
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いつだって分断と混乱のU.S.A

2020-11-19 | 北米映画 15~21
 「シカゴ7裁判」
 1968年のシカゴ。ベトナム戦争反対のデモと警察が激突する。デモを扇動した罪でトム・ヘイドンら7人の運動家たちが起訴され、全米注目の裁判が始まるが…
 評価が高い。出演者もいい役者がそろってる。観ない理由はない作品です。オスカー候補も間違いなしと絶賛されているようですが、うう~ん?そこまでの傑作なのかな?面白かったし、名うての役者たちの個性と演技のぶつかり合いは見ごたえありなんだけど、何だろう、いい意味でも悪い意味でも軽妙というか…まるで見せ場ばかりを切り取ってつなぎ合わせた予告編みたいな構成は、ユニークで斬新だなと感心しました。ドキュメンタリータッチなシーンの挿入や、予想外・想定外の応酬の法廷劇も楽しいのですが、楽しくしすぎた感がなきにしもあらず。泥沼のベトナム戦争や暗殺やら暴動やら、背景には深刻な闇や傷、悲しみがあるはずなのに、それらが全然伝わってこなかったのが映画を軽薄にしていたように思われます。何か強いもの、深いものが胸に余韻を残すことなく、ドドーっと勢いよく進んで終わってしまった、というのが正直な感想です。

 登場人物の中に共感とか魅力を感じる人がいなかったのも、かなり残念な点です。ほぼ全員が実在の人物、アメリカでは有名な人たちなんですよね?左の人たちには、いまだに疑問や反感を覚えてしまう私。大昔に右な男から受けた強い洗脳が今も解けてないみたいです劇中の反戦運動家たちの言動が、私に違和感とか反発をどうしてももたらしてしまうのです。この人たち、本当に平和とか友愛を願ってるのかな?と。まあ、右すぎる人たちも同じですが、自分たちの価値観こそが正しく、違う価値観の者は敵、理想の実現のためには暴力も辞さない、そういう独善的で危険な考えや行動が怖くて迷惑。日本でもかつて、赤軍とか安保とか物騒な時代がありましたが、リアルタイムじゃない者からすると信じられないことばかり起きてた時代。内容や状況は変わっても、政治による不穏で過激な動乱や分断は不変なアメリカ。対立に血道をあげるエネルギーを、軽蔑すべきか羨望すべきか。大多数の日本人の政治不信や不満ってやはりたかが知れてるのかな、とアメリカや香港やタイなど世界中で起こってるデモをニュースで見るたびに、そんなことにはならない日本に生まれてよかったと安堵しています。

 出演者は豪華というよりシブい通好みのメンツでした。運動のリーダー格であるトム・ヘイデン役はエディ・レッドメイン。彼は間違いなく個性的かつ優秀な俳優なのですが、見た目があまりタイプじゃないというミもフタもない理由で、ちょっと苦手万年青年みたいな風貌ですが、明らかに若者ではないのでちょっと気持ち悪く見えることも。別にエディじゃなくてもいいような役で、彼にしては可もなく不可もなくでした。「リリーのすべて」の彼も気持ち悪かったけど、壮絶強烈な役者魂には心から敬服、感服したものです。

 弁護士役のマーク・ライランスは、金八先生みたいな髪型、服装で笑えた。いちばん目立ってたのはサシャ・バロン・コーエンでしょうか。服装も言動もやっぱふざけてて人を食ってるのですが、冗談も皮肉も知的でやはりどこかイギリス的。それはそうと。エディもライランス氏もサシャもイギリス人。アメリカの、アメリカ人の話なのに、なぜかイギリスの有名俳優たちがメインロールを演じてたのが謎。ハリウッドにもいい俳優いっぱいいるだろうに。
 アメリカからはジョセフ・ゴードン・レヴィッドが検事役。あまり敏腕には見えなかったけど、ライランス氏と堂々とわたりあう法廷シーンでの迫真の演技は素晴らしかったです。偏りすぎて不公平な裁判長役のフランク・ランジェラ、証人役のマイケル・キートンといったベテランの俳優たちも好演してました。
 この映画の中でもっとも私の目を惹いたのは、ブラックパンサー党のメンバー、フレッド・ハンプトン役のケルヴィン・ハリソン・ジュニアです。

 イケメン!明らかに他の黒人さんとは違う顔面偏差値の高い美男子で、傍聴席シーンではまさに掃き溜めにツルな輝き!調べてみると、いま注目の若手黒人俳優みたいなので、他の出演作も観たいと思います。チャドウィック・ボーズマンの穴を埋めてくれるニューブラックイケメンとして期待したいです。
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幸せの妖花!

2020-11-13 | イギリス、アイルランド映画
 「リトル・ジョー」
 バイオ企業の研究者アリスは、香りで人を幸せな気分にさせることができる新種の花の開発に成功し、その花を息子のジョーにちなんで“リトル・ジョー”と名付ける。会社の規則を破って一輪だけ自宅に持ち帰り、ジョーにプレゼントするアリスだったが、その日からジョーの言動に奇妙な変化が生じて…
 幸せを呼ぶ魔花!妖しい花粉に操られて…なんて土曜ワイド劇場ちっくなサブタイトルをつけたくなる、世にも奇妙な物語のネタにもなりそうなSF怪奇映画でした。遺伝子操作とか、本来ならこの世に生まれるはずがないものを創り出してしまう、自然の摂理に反した化学の進化、そして人間の思い上がりへの警鐘のような内容でした。

 ハリウッド映画だときっと、派手なサスペンス風、もしくはホラー風になってたところですが、この映画には流血シーンも残虐シーンも全然なく、物語は淡々と静かに進行します。そんな中、観ているうちにイヤな予感や不安を感じてしまう妖しい空気が、まさに花粉のように漂い充満していく、そんな雰囲気や展開はやはりヨーロッパ映画って感じでした。不穏なシーンではなぜか中国ちっくなBGMが流れてくるのもシュールでした。

 花粉を吸うと、リトル・ジョーに操られて人格が変わってしまうのですが、まったく別人格になってしまうわけではなく、異常で危険な言動をするわけでもなく、何となくなにげなくだけど強い違和感、という描写もなかなか巧妙でした。見た目からして妖しいリトル・ジョーですが、決して人間を支配しようとか滅ぼそうとか目論んでる邪悪な妖怪みたいな花ではなく、生き延びたい、そのために守られたいという生存欲求ゆえの妖力みたいだったので、むしろ勝手に生み出して勝手に終わらせようとする人間のほうが、悪者のように思われました。

 結局、アリスをはじめ誰にとっても都合のいい結末、でもそれは本来の意思や正しさが消されてしまったがためのハッピーエンド、が皮肉すぎて笑っていいのか戦慄すべきか、ラストは不思議な余韻を残します。確かに人々を幸せにしたリトル・ジョー、人間の欺瞞や偽善を栄養に毒々しく咲き誇る姿が、妖しくも美しかったです。
 アリス役のエミリー・ビーチャムは、この作品でカンヌ映画祭の女優賞を受賞。これといって特筆すべき演技ではないのですが、オーバーな大熱演ではなかったのは好感。見た目が科捜研の女のマリコ先生っぽかったです。白衣の下の上品で淡いパステルカラーの服が素敵でした。
 アリスの同僚研究者クリス役を、ベン・ウィショーが好演。

 クリスはアリスに片想いしている設定なのですが。ゲイ役じゃないベン子さんにちょっと違和感女に告白したりキスしようとしたりするベン子さん、久々に見た感じ。「ロンドン・スパイ」や「英国スキャンダル」「追憶と、踊りながら」など、もはやゲイ役をやらせれば天下一品、ゲイ役を極めたといっても過言ではないベン子さんなので、ノンケな彼は何かしっくりこない。ノンケ役とはいえ、やはりどことなくゲイゲイしさを消せてないところが、ファンには嬉しかったです。おどおどと内気そうだけど、ほんとにアリスのことが好きなのかな?何か企んでるのでは?と疑わせる胡散くささ、優しそうだけど掴みどころもない、そんなところも凡百な俳優には出せない味わいでした。ベン子さんの優しい声、美しいブリティッシュイングリッシュも好きです。

 アリスの息子ジョー役のキット・コナーが、いかにもイギリスの男の子らしい、可愛くて賢そうで品のよい少年。後で「ロケットマン」のエルトン・ジョンの少年時代を演じた子と知ってビツクリ。制服が似合ってて少年なのにカッコよかった。アリスに対する優しげだけど冷ややかな、そして愚弄するような言動が魔少年っぽくて素敵でした。ジョーのガールフレンドも可愛かったです。あと、話に全然関係ないのですが、アリスたちが会社のカフェで食べるランチやスウィーツが、すごい美味しそうだった。可愛いケーキを食べるベン子さん、ほとんど女子でした
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海辺のドブネズミ

2020-11-11 | 北米映画 15~21
 「ブルックリンの片隅で」
 ブルックリンに住む無職の青年フランキーは、セックス相手の男をSNSで探す一方、ゲイであることを隠すため女性ともセックスするが、それに満たされることはなく…
 見ていて嫌な気持ちにさせるもののひとつに、社会問題化にもなっているニートの人たちの存在が挙げられます。ニートといっても、老齢とか病気とか仕事がないとか、働きたくてもやむを得ぬ事情で働けない人たちのことではなく、若くて健康的で探せばいくらでも働き口はあるはずなのに、働かず怠惰にブラブラしてる人たちのことです。自分の力で誰にも迷惑かけずにニート生活を送ってるのなら全然OKですが。実家にパラサイト、衣食住は親の金、日がな一日同じニート仲間たちと遊び回り、金に困ったらスリしたり母親の宝石を勝手に質に入れたり、この映画の主人公フランキーみたいなニートには本当に腹が立ちます。昼も夜もフランキーの家に上がり込んで我が物顔でたむろするニート仲間たち、実際にもこんな連中いっぱいいるんだろうなと思うと気が重くなります。家族や社会に迷惑をかけてのニートや引きこもりは、もはや犯罪に近いです。

 実は…今年のはじめに二度目の離婚をし、我が家に出戻ってきた兄が、酔っ払って階段から転げ落ちて骨折、そのまま仕事に行かなくなりニートと化しちゃってるんですよおとなしく遠慮がちに暮らすどころか、大威張りな殿様ニート。朝から酒飲んで、1時間おきに冷蔵庫を漁っては食べまくり。アル中&過食の中年デブニートだなんて、まさに最低最悪な生物。それを嫌ってM子も全く里帰りしなくなりました。あまりの傍若無人さ、身勝手さで我が家は今どよよ~んと沈んでます。暴力は振るわないけど、意見したり逆らったりしたら何をするか分からない不穏さのせいで、私たちはもう黙って我慢するだけ。今夜も夕食のおかず、ほとんど食べられてしまいました。さっき老母に肩をもませ、ダミアンにビール買って帰れと電話してました。鬼のようなニート。炭治郎に退治してほしい。鬼兄がこの映画の主人公とカブるので、見ていて本当に不快、そして暗澹となってしまいました。

 閑話休題。我が家の恥はサテオキ。フランキーは隠れゲイで、夜な夜ないかがわしい出会い系SNSで男(おっさん好きのオヤジ専!夜の真っ暗な屋外で、見ず知らずのおっさんとヤるとか怖すぎ)を漁ってセックスしたり、好きでもない女と付き合って性癖をカムフラージュ(というより、俺は真性ホモじゃないと自分に言い聞かせるために)したりは、眉はひそめてもそんなには不快感も嫌悪感も覚えませんでした。鬼ニートに比べりゃ何でもないことに思える。ゲイが比較的生きやすそうな大都会ニューヨークでも、底辺社会ではまだ同性愛は恥ずべきことなんですね。ゲイとして堂々と生きることができたら、フランキーもあんなドブネズミみたいな毎日で青春を無駄にせずにすんだのかもしれません。それにしても。フランキーは若いだけではなく、路上に立ってるだけでスカウトされそうなイケメンだったので、仕事なんていくらでもありそうだったが。もったいなさすぎる。

 ラスト、クズなニート仲間たちにそそのかされて、出会い系SNSで知り合ったゲイの男性を騙して呼び出して、彼からハッパを強奪しようとして陥る予期せぬ悲惨な事態に、なすすべもなく呆然となるフランキー。どこまで愚かで浅はかなの。悪党にもなれない、みみっちい卑小なドブネズミなまま一生を終えそうなフランキー、ある意味死ぬより悲惨かも。
 主人公のフランキー役は、「キングスマン」の新作の主役に抜擢され、いま注目されてるイギリス人俳優のハリス・ディキンソン。「マティアス&マキシム」にも出てましたね。薄~い顔のイケメン。童顔で、たまにすごくあどけなく見えるのが可愛いです。ちょっとカープの森下くん似?薄い顔に似合わぬすごい肉体美!ニートであのカラダはありえんわ~。劇中、ほぼタンクトップもしくは上半身裸で、セクシーボディを惜しげもなく披露してます。おっさんとのセックスシーンでは、大胆すぎる全裸にも。ケツだけでなくアソコもドーンと出してますハリウッドや日本の若手俳優には絶対無理な演技に瞠目でした。

 ↑「キングスマン:ファースト・エージェント」は来年2月日本公開!楽しみ!
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炎の鬼退治!

2020-11-05 | 日本映画
 「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」
 指令を受け、炭治郎は善逸、伊之介と共に鬼が出没するとされる無限列車に乗り込む。先に乗車していた柱の煉獄を補佐する炭治郎たちの前に、魘夢が現れ…
 前代未聞的に社会現象となってる人気アニメの劇場版、ついに(&コソっと)観に行きました~(^^♪アニメ映画を映画館で観たのは本当に久しぶり。甥のダミアンが小さかった頃、コナンを一緒に観に行って以来。自主的に独りでアニメを観に行ったのは、人生初!小さい頃からアニメにはあまり興味がなくて、大ヒット作や話題作もTVで放送されたら観る程度の冷淡さ。ディズニーやジブリはどちらかと言えば苦手で、公開されるたびに気分は非国民、肩身の狭い思いをしています。今回ばかりは非国民にならずにすみましたTV版も周囲に勧められるまま何の気なしに観始めたのですが、これが噂以上の面白さですっかり年甲斐もなくハマってしまいました。アニメの最終回の続きは劇場版、というあざとい商魂逞しさにも素直に屈して、ウキウキと、でもいい歳したおっさんがという羞恥心も抱きつつ、映画館へとレッツラゴ~したのでした。

 このアニメ、お話も面白いけど絵がとにかくきれい!日本のアニメってやっぱスゴいわ~と、その美しさ、独創性、躍動感に感嘆、圧倒されっぱなしでした。惹き込まれてあっという間のエンディング。至福の時間でした。主人公の竈門炭治郎を筆頭に、敵も味方もキャラクターが個性的で魅力的なのも、このアニメの人気要因。私がいちばん好きなのは、やっぱ炭治郎です。優しくて純真でけなげで、そして強い!その満身創痍な不撓不屈さには惚れ惚れします。少年だけど抱かれたいです。劇中、魘夢の手先が炭治郎の夢の中に侵入して、彼の精神の核を破壊しようとするのですが、炭治郎のあまりの清澄な心の風景に畏怖、感動して邪心を捨ててしまう、というエピソードがあったのですが。私の心の中なんて掃除してない便所みたいなもんだろうな~と自嘲、苦笑してしまいました。

 炭治郎の仲間たち、善逸や伊之介、妹のネズ子(漢字がわからん)も大活躍してましたが、この劇場版の真の主役は煉獄杏寿郎になってましたね!鬼殺隊の最強戦士グループ、柱の一人である炎柱の煉獄さん、めっちゃカッコよかった~まさに漢(おとこ)!あの独特なしゃべり方、言葉遣い、何か伝染してしまいます。うむ!とか、よもやよもやだ!とか、不甲斐なし!とか、つい(いや、故意に)に日常会話で使って若い子のウケ狙いに余念がない私です。華やかにダイナミックに鮮やかな煉獄さんの炎の呼吸技にも瞠目。明るいキャラと壮絶悲壮な運命とのギャップにも萌え。炭治郎たちへの振る舞いなど、まさに理想の先輩、理想の上司!抱いて!

 今回炭治郎たちが戦う鬼、魘夢もなかなか強烈にユニークな敵でした。ユニセックスな見た目とキャラ、オネエな鬼というのが独特。ねんねんころりこんころり、息も忘れてこんころり、鬼が来てもこんころり♫魘夢が歌う子守唄がツボでした。夢の中、精神世界での戦いは、クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」を思い出させました。夢から脱出するために自分の首を斬って自決しまくる炭治郎にヒィ〜!ヤメテー!でした。魘夢もなかなかの強者でしたが、あれでも十二鬼月の中では下っ端なんですよね〜。十二鬼月の幹部の一人、終盤に登場する猗窩座が体育会系イケメン。煉獄の強さに男惚れして、彼を執拗に魔道へとスカウトする猗窩座でしたが。ほとんど煉獄に恋してましたよね~。鬼滅ってかなり腐女子人気も高いのでは?腐の妄想、萌えを刺激するBLのかほりがかなりするし。列車で寄り添って眠ってる煉獄と炭治郎。可愛い炭治郎が男らしい煉獄の肩にチョコンと頭を預けてる姿、狙ってるとしか思えんシーンだった。ネズ子以外、女はほとんど出てこないし。ドキ!男だらけのボーイズ映画でした
 無限列車編でもう終わり!ってことは、よもやないはず。TVで第2弾が始まるのか、再び映画化なのか、ブームが終わらないうちに続きをお願いしたいですね
 
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