まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

愛で塗り潰す

2006-06-30 | 北米映画 80s~90s
 トルコに旅行中のmy sister M子が、いよいよ明日、帰国します。
 いいなあ。私も海外旅行したいなあ。
 「存在の耐えられない軽さ」を観て以来、憧れの街であるプラハに行きたい!でも、遠すぎ&旅費かかりすぎ。でも無性に、仕事やめてでも飛んで行きたい気分です。
 ニューヨークにも、目が黒いうちに行ってみたいなあ。
 あまり欲張らず、北京か台北あたりで妥協しようかなあ。
 遠くへ行きたい...いや、そう遠くなくてもいいので、旅したいwanderlustな最近です。
 

 「モディリアーニ 真実の愛」
 画家モディリアーニと、その妻ジャンヌの激しくも破滅的な愛の物語。
 モディリアーニとピカソの間に、あんな確執があったと初めて知り、へぇトリビア!ヤな奴に見えて、結構いい奴じゃん!な、ピカソのキャラが良かったです。他にも、当時芸術の都パリを彩った有名画家や作家も出てきて、興味深かったです。
 モディリアーニもそうですが、ゲージュツ家って、常識や良識があってはダメな生き物なんですね。紙一重&不幸。天才には、才能と同じくらい不可欠な条件。
 モディリアーニも、ほんとロクでもない男。でも才能があるので、迷惑&ヒンシュクを撒き散らしながらも、人は彼に魅せられる。
 免罪符になると同時に、才能は命を消耗してしまうものなのでしょうか。「アマデウス」のモーツァルトもそうでしたが、パッと咲いてパっと散る花火みたいな人生。次の人生で、フツーに幸せに長生きする凡人と、メチャクチャに不幸で早死にする天才、どっちか選べ!と言われたら...
 モディリアーニ役は、アンディ・ガルシア。相変わらず男前なんだけど、ああ年とったなあ。「アンタッチャブル」では、あんなに可愛かったのに。顔や体の弛み具合は、自堕落な芸術家っぽさを良く出してたけど。黒目がちな瞳が美しい。
 フランス女優エルザ・ジルベルスタインが、ジャンヌを熱演。モディリアーニへの強すぎる愛が悲痛です。エルザ・ジルベルスタイン、ちゃっかり&おとぼけ娘役が笑えた「ミナ」とは打って変わった、大人の女の情念。やっぱ女優だなあ、と感嘆しました。
 今ちょうど、ひろしま美術館でモディリアーニ展を開催中なので、行ってみようかな。
 ちなみに、↑画像は、モディリアーニが遺したナイナイの肖像画です。
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真性ロウマ帝国

2006-06-28 | 無事是貴人
 高校生の甥(ダミアン、仮名)がいるためか、最近はやりの音楽にも、比較的精通している(と自負している)私。
 よくダミアンやmy sister M子と一緒に、音楽番組など観ながら、何こいつ!とか、こんなんどこがええの!とか、へーまだ生きてたんだね、とか、言いたい放題が楽しい。
 で、最近要チェキなnew comerといえば...
 田中ロウマ。
 名前もインパクトがありますが、ミュージックビデオやCDジャケットの彼も、強烈です。
 特に美男ではないけど、素朴な童顔。でも、タンクトップ姿で肉体美アピール。韓流スター!?でも、苗字は田中だし。
 気になって仕方がなくなった。惚れた!とは違う。何だろう?アンジェラアキとかと同じ、いったい何者!?という気になり方。
 私の狭い心の中に棲みついてしまったロウマくんが、偶然にも、デビュー曲“ONE”のキャンペーンで、広島に来ることに。
 ロウマくん、ついに謎のベールを脱ぐ!ラジオの公開生番組に出演する生ロウマくんを見ようと、仕事も適当に終わらせて、いそいそと彼のもとへ。
 待つこと数十分。DJに紹介され、ついにロウマくん登場!
 期待通り?逞しい腕&胸板アピールのTシャツ姿のロウマくん。筒井道隆が、ヘルシーに明るくアホっぽくなった感じの顔?イモ可愛い。
 ビツクリだったのが、彼のキャラ。DJも、たぶん呆れたことでしょう。
 軽っ!超軽い!軽すぎ!極軽!そして、超お喋り。次から次へと、よくもまあ、喋る喋る!
 カリフォルニアで生まれ育った日系3世だというロウマくん。アメリカでオーディションを受けたアイドルコンテストは、落選になった腹いせ?か、ヤラセ!と暴露したり。そうそう、よく韓流スターと間違えられる!とも。やっぱり。
 英語日本語ペララペラ、作詞作曲OK、ダンスもイケてる僕って、天才♪みたいなことを、ノーテンキな口調で、元気にまくし立てるロウマくんの機関銃トーク、ほんと笑えるほど壮絶でした。
 アーチストぶってエラそうにフンゾリ返ってるよりも、イヤミがなくて感じは悪くないんだけど...ロウマくんは、喋らないほうがいいかも...
 ロウマくんも、ご多分に漏れずでしたが、芸能人がよく言う台詞『僕は興味なかったんだけど~友達(もしくは家族)がオーディションに僕の写真を送って~』。あくまで他薦を強調するのが、可笑しい。そんな、謙虚でハングリー精神のない奴らが、芸能界に入るものなのかなあ。
 そのルックスから、婦女子以上に、その筋の方々にも人気がありそうなロウマくん。ううむ。キャラ&喋り方から、ちょっと、いや、かなり、彼自身からも、その筋の香りが...
 エロかっこかわいい男版・倖田クミとして売り出すのかな?
 Mステに出れば(もちろんタンクトップ姿で)、タモリが悦びそう。でも、某事務所の妨害に遭いそうで、TV出演は難しいかも...
 カリフォルニアで出演したゲイビデオが流出!なんて過去恥部、出てこないでしょうね?大丈夫ですか?
 ナニハトモアレ、2代目加勢タイシュウみたいなことにならぬよう、祈ってます。頑張れロウマ!ロウマを紅白に~!
 引き続き、ロウマの動向を見守っていきたいと思います。どーでもいいですか~?♪(だいたひかる調)
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放蕩者ジョニー 背徳の詩集

2006-06-25 | イギリス、アイルランド映画
 六月は水無月。
 雨水の季節なのに、水が無い月だなんて、と思っていました。
 でも今日、電車の中で、前の席に座っていた小学生たちが、『昔の六月は、今の七月なんだよ。七月は雨が少ないから、水無月っていうの』と、エラそうに話していました。へぇトリビア!些細なことでも、昨日まで知らなかったことを発見した瞬間は、幸福です。
 尊敬の念を抱きながら、小学生たちの会話に耳を傾けていると、今度は恋愛相談話らしき内容に。『...この世にブスなんかいないんだよ。ただあんたは、どーやったら可愛く見えるか分かってないだけ』とか『...Sくんに忘れられてる?忘れられた女って、死んだ女より哀れ』とか、あわわ。おまえら!?怖くなったと同時に、私も相談したくなりました。
  

 「リバティーン」
 嗚呼、ジョニー・デップはやっぱ、極上のE男です。
 裸にならなくても、セックスシーンなんかなくても、そこにいるだけで、男の色気を香り立たせることができる、稀有なスター。彼のフェロモンに、甘いマインドコントロールをかけられたジョニーのファン=ジョニー教信者にとって、彼は常に絶対的に最高なのです。異論反論などに、聞く耳はもちませ~ん!
 というわけで、17世紀に実在した英国の詩人貴族を、退廃的に破滅的に演じたジョニーに、ファンは当然のごとくメロリンキュー私もロチェ様に甘く卑猥な言葉を囁かれたい~!私もロチェ様にお口で奉仕したい~!ファンの婦女子に、はしたない妄想を抱かせる、罪な男ジョニー。
 いろんな役を演じながら、でも常に独特の“俺、ジョニー・デップ”色を出しているところが、ジョニーの素敵なところ。でもそれが、特にジョニーのファンではない人たちにとっては、奇をてらいすぎ、ワンパターン、フツーじゃない役しかできない、ということになるらしい。ううむ。一理はあるかも。そろそろ、奇抜路線もキツいかもしれない。この先ずっと、スパロウ船長やワンカ工場長みたいな役ばっかやってられないだろうし。
 ハリウッド大作で成功しても、自分の気に入った作品なら、「ショコラ」や「夜になるまえに」「フレンチなしあわせの見つけかた」などのように、小品でも脇役チョイ役でも、気軽に出演するジョニーのスタンスが好きです。でも、あまりにも大物になりすぎて、今後はフットワークが重くなりそうなのが、心配...
 おっと。映画のことは、ほとんど触れてないじゃん!
 ぶっちゃけ、話は???だった。ロチェって、天才なの?あれが芸術?あれが詩?ただの悪ふざけ、酔っ払いの戯言としか思えないんだけど...彼の詩や舞台が理解できないのは、私が凡人だから?それに、そんなに破滅的でもなかったような。若い頃のジョニーのほうが、もっと破天荒な放蕩者だったのでは?
 ジョニーは間違いなくE男だけど、貴族役には合わないなあ。どんなに卑猥で淫蕩でも、貴族的な雅さがロチェには必要だったのでは。ジョニーには、そんなお上品さはカケラもないもんね。ホントなら、ダニエル・デイ・ルイスあたりがやる役かも。
 でもまあ、ジョニーだから陶酔して観られました。いくら大好きでも、マット・デーモンやコリン・ファレルだったら、5分と観られないor爆笑でしょう。
 
 
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愛さえあれば!

2006-06-24 | 北米映画 00~07
 改正道交法が施行されて、民間委託の駐車監視員が、警察とともに迷惑駐車を取り締まることに。
 いろいろ問題点や懸念されることも多いみたいですが、私が一番不審に思うのは...
 私の実家近くには、とある市会議員の事務所があります。事務所前の公道には、一日中たくさんの車が駐められています。車の出入りも頻繁です。超迷惑です。それに、登下校する子供や、お年寄りにとっては、とても危険。それを知ってか知らずか、迷惑駐車は堂々としたもの。もう何年も改善されてません。近くには交番もあるのに、まるで黙認状態。
 おまわりさん、私たちのような善良な市民には、厳しく迅速に処罰を与えるのに、お偉いさんはお咎めなしですか?世の中、理不尽で不平等なもんさ...そんな諦観に、小市民は埋没せざるを得ないようです。せめてもの抵抗は、選挙で票を入れないことぐらい。

「ゲス・フー 招かれざる恋人」
 往年の名作「招かれざる客」を、白人と黒人の立場を入れ替えてリメイク?
 白人の中に黒人、ではなく、黒人の中に白人、というシチュエーションなので、浮き彫りになるのは差別・偏見というより、困惑・不信。ていうか、人種問題を深刻に描く意図はサラサラないような、軽~い家族愛コメディでした。別に白人と黒人でなくてもいいような。
 万国共通な、可愛い娘の恋人が気に食わない親父の話。はじめは娘の恋人に、問答無用に反感を抱いて意地悪していた親父が、スッタモンダあって心を開くという、よくある話。意地悪の仕方も、きわめて陽性。おバカでノーテンキなドタバタが、笑えます。
 娘の彼氏役、アシュトン・カッチャーが可愛い!いつもの、ヘラヘラおバカ系じゃなくて、今回はオドオドおバカ系で笑える。彼女の親父&家族に何とか好かれようと、テンパってドツボにハマる姿や、うまくいくと調子こいて地雷を踏んでしまう姿を、オドオド&コミカルに演じていて、チャーミング!彼のお家芸?ぷっつんブチギレ顔も、相変わらず可笑しい!もちろん、ルックスもイケてる。でっかい犬みたいで、愛しくなるんだよなあ。
 イケメンなのに、おバカが捨て身。アシュトンの素晴らしいところは、まさにそれ。日本のジャニーズタレントが、ちょっとヘンなことをしたり言ったりして、俺ってオモロイだろ~?とウケたつもり、なレベルとは、雲泥の差です。
 私生活では、デミ・ムーア。映画では、黒人女性。愛さえあれば、年や人種なんて!な男アシュトン。いま、世界で一番の人道主義者かもしれません。
 もし、甥が将来、結婚する!と家に女性を連れて来たら...肌の色が違う女性よりも、20歳近く年上の女性のほうが、びっくり仰天!かも。
 ちなみに、1978年生まれのアシュトン。同年には、ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェームズ・フランコ、リィウ・イエ、ダニエル・ブリュール、ウォンビン、小泉孝太郎など、私が大好きな男優ばかり。まさに、花の78年組
 でも、アメリカの人種差別って、攻撃的で露骨で怖いけど、ある意味明快というか。日本は陰に篭ってて、もっと複雑ですよね。それと、特に戦前生まれの人たちに多いけど、差別とか偏見とは全然思ってないところが、返って性質が悪い。私の祖母など、ここでは到底書けないような差別的表現を、平然と使ってたし...
 
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いつか心に夕虹

2006-06-23 | フランス、ベルギー映画
 日本中を(私のような一部非国民を除き)狂騒の渦に巻き込んだ、サッカーワールドカップ。
 残念無念な結果よりも、敗退したことで、これから始まるだろうマスコミの、陰湿で執拗な戦犯探し・責任のなすり合いなど、およそスポーツらしくない、聞き苦しい醜い狂騒のほうが、嘆かわしいです。
 まだ詳細は知らないのだけど、試合の後の選手たちは、どんな様子だったんだろう。思い出すのは、何年か前の、冬季オリンピックの選手たち。彼らの、大惨敗しながらも、ヘラヘラ笑いながらの開き直り言動は、一生懸命応援した国民を、まさに愚弄するものだった。おまえら国外追放じゃ!日本に帰るな!みたいな。
 負けたことをドウコウ言うつもりは、毛頭ない。ただ、今回のサッカーの“つはものどもが夢のあと”が、どんなものとなるかは、気になります。
 
 「息子のまなざし」
 ベルギーのダルデンヌ兄弟監督の作品は、どれも社会の底辺で生きる人々を、リアルだけど生々しくなく、ドキュメンタリータッチだけど緊迫したサスペンスタッチで描いていて、不思議な面白さが。
 今回は、息子を殺した少年と対峙する父親の話。
 感情的な台詞や演技、場面など全くない。罪を憎んで人を憎まず!愛と赦し!みたいなことを訴えるような、ベタな内容でもない。
 加害者の少年が、いかにも人殺しといった極悪なガキではなく、ほんとフツーのおとなしそうな、従順な感じの男の子なので、被害者の父親が憎悪を爆発させることもできず、逆に素直な少年に優しさ、慈しみのようなものを抱いてしまう様子が、淡々と静かに描かれています。
 でも、ヤバ!お父さん、ついに復讐!?とヒヤリとなる瞬間もあって、ハラハラもさせられます。
 この作品で、カンヌ映画祭男優賞を受賞した、ダルデンヌ監督作品の常連オリヴィエ・グルメ。ほとんど台詞もなく、オーバーな演技もせず、リアルな当惑の表情や仕草で、哀しいジレンマを表現していました。ほんと、どこにでもいそうなオッサン風で、役者が演技してるって感じゼロなのが、スゴいです。
 少年役、何でジェレミー・レニエを起用しなかったのだろう?
 ダルデンヌ監督作品のお約束?「イゴールの約束」や「ロゼッタ」同様、いきなりフィルムがプツンと切れるようなラストも、また印象的。唐突なんだけど、今回もどこか、小さな救いのような余韻があって、ホッとします。
 私が被害者の遺族だったら、加害者を赦せるだろうか。光市母子殺人事件の犯人みたいなガキだったら、間違いなく殺す!
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花言葉を忘れても...

2006-06-20 | イギリス、アイルランド映画
 今日、最高裁判所で、光市母子殺人事件の二審判決・無期懲役が棄却されました。それによって、当時18歳だった被告に、死刑の断罪が下される可能性が。
 事件発生当時から、私も成り行きを深刻に見守っていました。
 何の罪もない善良で幸せだった若い母親と、いたいけな無垢な赤ちゃんが、自分勝手な汚らしい劣情にかられた見も知らぬ少年に惨殺された、筆舌に尽くしがたい悲劇。彼女たちが受けた恐怖と屈辱は、本当に想像を絶します。忌まわしい犯人への憎悪は、濃くなることはあっても薄まることはありません。
 赦されざる鬼畜の所業に及んだ被告人に、もう人権も償うすべもありません。
 こんな卑劣なケダモノが赦される(生かされる)世の中、赦したいと思うことができる人たちが、空恐ろしいです。
 女性と赤ん坊を強姦して殺しても、18歳だから刑務所に何年か入れられるだけで、罪が帳消しになるという不条理な判例が作られませんように。そして無駄に裁判が長引かぬよう、被害者のご冥福とともに、心から祈ります。
 
 「アイリス」
 アルツハイマー病患者となった英国の作家アイリスと、彼女を献身的に支える夫の、哀しくも美しい夫婦愛物語。 
 私の祖母も、頭の中の消しゴム状態なので、見ていて身につまされました。本人も哀れだけど、周囲の人たちの苦労、困惑も悲痛です。
 記憶は失っても、性格や本質は消えない。むしろ、理性があるうちは抑制できていた本性や本音を露わにしてしまうところが、恐ろしく、哀しい病気です。うちの祖母も、家族を困らせ傷つける言動の毎日。病気のせいとはいえ、私たちも聖人ではないので、優しさや憐れみを感じることも、いたわる気持ちを抱くことも難しい時があります。ボケても、虚栄心や自尊心は、消えないのが因業...
 なので、アイリスよりも、彼女の夫の苦しみと悲しみに、より深い同情を感じました。彼の深い無償の愛と献身は、本当に切なく、そして崇高です。でも、アイリスは壊れても、元々美しい自由な心の持ち主だったおかげで、夫や周囲の人を傷つけたり、俗な欲に執着して醜く朽ちなかったのが、まだしも救い。
 アイリス役のジュディ・デンチは、さすがの名演。ほんと、うちの祖母も、あんな表情してるし、リアルでした。賢く自尊心が高い人ほど、ボケも無残...
 夫役のジム・ブロードベント、アカデミー助演男優賞受賞も納得。常に愛情あふれた、でも悲しみを滲ませた笑顔が、哀切です。若い時代を演じた俳優が、ブロードベントそっくり!本人?!それとも実の息子!?
 いちばん強烈なのは、やはりアイリスの若い時代を演じた、ケイト・ウィンスレット!ヌードも、ぜんぜんイヤらしくなく、アイリスの若い生命力と情熱を、力強く表現しています。それに引きかえ、日本には...同業者といってはケイトに失礼な、単にキレイで可愛いだけの“自称女優の女性タレント”ばかり...
 盛りの輝きと、終わりの寂寞。人生の光と影を交互に見ているような、デンチとケイトが交錯する構成が印象的です。
 記憶や健康を失っても、愛情や尊厳は失いたくない...心から、そう願わずにいられません。

 
 
 
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信じてみんさいや~Finding HINAGON

2006-06-19 | 日本映画
 先日、電話で話をした大学時代の後輩Wくんが、深刻な声音で...
Wくん『松さん、ちょっといいですか。相談ごとが...』
私『相談ごととな?それは何ぞ、申してみやれ』
Wくん『こないだ久々に行ったヘルスに、知り合いの奥さんらしきヘルス嬢がいるんですけど...指名しないほうがいいでしょうか?』
 知るか!指名して確かめてみれば!と言いたいところでしたが...
 もし本人だったら、旦那さんは知ってるの?なぜヘルスで?と、尋ねてみたい。私の知らない世界が、そこにありそうで、Wくん以上に気がかりです。

 「ヒナゴン」
 ネッシーやツチノコと並び、世界的に有名?な、広島県比婆郡のヒバゴン。その幻の未確認生物を題材に、直木賞作家の重松清が書いた人情喜劇を、ローカル色豊かに映画化。
 この映画では、比奈町&ヒナゴンになっていますが、役所には“類人猿課”なるものがホントに設置されてるなど、嘘のようなホントの実話も、ちゃんと描かれています。
 想像すること、夢を失わないこと、信じることの大事さ。テーマは「ネバーランド」と同じ。それと、地方行政の問題点も、面白おかしく描きながら、訴えています。
 登場人物&それを演じた俳優たちも、みんな活き活きと個性的。
 いちばん強烈なのが、元暴走族!の町長。ヒナゴン捜索に異常なまでに執念を燃やす姿が、笑えるけど怖くもある。人間的には、面白いし楽しいし、少年の心を失わない魅力的な男だけど、町長としてはどうよ?ヒナゴンも気になるけど、それ以上に大事なことがあるのでは...彼の暴走ぶりに首を傾げてしまう私も、夢見る心を失った悲しい大人?
 そんなトンでも町長を、伊原剛がエネルギッシュに快演!矢沢英ちゃんに心酔しきった言動や、ゴーイングマイウェイすぎる破天荒で天衣無縫なキャラが笑えます。喋り方も、仁義なき闘い調で珍妙。でもワイルド&長身で、男前!
 ヒロインには、井川遥。透明感と健康的な色気があって良かった。でも、田舎であんなキャバクラ嬢みたいなファッションは、いかがなものか...
 ダチョウ倶楽部の上島や、鶴見辰吾も好演。みんな、広島弁で苦労しただろうなあ。上手だったけど、ネイティヴからすると、ちょっとイントネーションが変だった。伊原じゃなくて吉川晃司、上島じゃなくてアンガールズ、鶴見じゃなくて風見しんごだったら、完璧な広島弁だっただろう。
 主題歌は広島出身の奥田民夫。もしポルノグラフィティの岡野昭仁が役者デビューするなら、ぜひ広島ローカルものでお願い!リィウ・イエ似の岡野くん主演「島の郵便配達」(もちろん舞台は、広島屈指のド田舎・因島!)、観たい!
 山や川に囲まれた広島の田舎や自然も、ノスタルジックに美しく撮られています。
 私が京都や横浜に住んでいた時、“たう(たわん)”と“はぶてる”が、まったく通じなかった広島弁として、印象に残っています。
 
 
 
 
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水葬された記憶

2006-06-18 | 韓国映画
 ジョギングしてると大抵、向こうからズンズンやって来る、おば様ウォーキング軍団と出くわします。まるでGメン75みたいに、ズラリと並んだまま、私や他の対向者のことなど眼中にナシ!どけ!とばかりに、にぎやかに闊歩してくのだった。
 英会話教室でも、おば様たちは、他人の話を聞くより、まず自分が話すことが最優先。
 そんなオバタリアン(死語?)たちを、図々しい!だの、厚顔無恥!だの非難したり、これだからオバさんって!と軽蔑するのは簡単だけど、それは単なる負け犬の愚痴だよなあ。堂々と自己主張する自信や、欲望に突進する気概がない人間が、損をするのは当然かも。最近、オバタリアンたちが、とても眩しく輝いて見える私です。
 
 「霊 リョン」
 韓国製ホラー。記憶喪失のヒロインに襲いかかる、怪現象...
 ぜんぜん怖くないです。やっぱ貞子みたいなオバケが出てきますが、むしろ笑えます。
 オバケや怪現象よりも、記憶を喪失する前のヒロインのほうが怖い!しだいに明るみになってくる真実の自分!オバケを目の当たりにするより、おぞましく戦慄。
 ヒロイン役は、キム・ハヌル。清楚な役が多いTVドラマも、新境地を開いた「同い年の家庭教師」や「彼女を信じないでください」など、映画でのハジけたコメディエンヌぶりも、何となく、微かにだけど、違和感がつきまとっていた。でも、このホラーでは、怖いほど役にハマった!
 記憶喪失と怪現象に苦しむ、おとなしやかなお嬢さんが、実は...この正体を演じている時のハヌル、ほんと怖い!彼女が演じて一番リアルなのは、こんな役なのでは!?あまりにもハマってるので、もしかして地?と思えてしまう。あんな感じで、新人女優をイジメてたりして...とにかく、二重人格的なキャラを、巧く演じ分けていました。
 ちょっと「シックス・センス」を思い出させるオチも、驚かされます。
 脇役が素敵です。「バリでの出来事」のミヒことシニが、またまた珍&妙演!オバケの恐怖から精神異常になり、目を剥いて錯乱する姿が、怖笑!
 「冬のソナタ」や「秋の童話」などの、母ちゃん役女優キム・ヘスクも怪演!TVドラマでは、庶民的なオバちゃんだけど、この映画では金持ちのマダム風なのが新鮮かつ怖いです。ちょっと白石加代子みたい...
 それにしても。オバケよりも怖いのは、女...
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罪を召し上がれ

2006-06-17 | 北米映画 00~07
 私、元来は犬も猫も大好きだったのに、最近は・・・
 アパートの自室では、まだ眠りの中にいる朝早くから、近所の犬たちがいっせいにワンワンキャンキャン大合唱!まさに地獄の狂想曲です。
 実家でも、飼ってるミニチュアダックスが、ワンワンキャンキャン!いつまで鳴いてるんだ!?と頭が変になりそうなくらい、ずっと吼え続けてる。
 バイクのシートやステップには、毎日のように猫が糞尿!その汚&臭ときたら!
 ちょっとした犬猫ノイローゼ状態です。私いまに、犬汁の店か三味線屋を開くかもしれません・・・

 「悪霊喰」
 オーメンとかエクソシストみたいな内容かと思っていたら、違ってました。悪霊も怨霊も、出てきません。
 数世紀に渡って、死を間際にした人間の罪を吸い取り続ける“罪喰い”に、後継者として見込まれた、若い神父...
 「ダ・ヴィンチ・コード」もそうでしたが、キリスト教徒ではない私には、コトの深刻さ、重大さが理解できないので、ピンとこない。私からすると、罪喰いって、ありがたい救済に思えるんだけど...
 オカルトちっくなシーンは、ちょっとB級っぽい感じ。でも映像は、きれい。罪喰い儀式の道具(木製の十字架&チョーク)が、ちょっとアンティークぽくて、オシャレに見えた。
 ヒース・レジャー、スラっと長身なので、黒い神父服が似合ってカッコいい。モゴモゴした特長ある喋り方も、可愛いです。ヒースが、バットマンやパニッシャーみたいなダークヒーローになるラスト、大真面目なんだけど、何か笑!
 罪喰い役のドイツ人俳優ベノ・ファーマンが、クールで知的な男前!

 
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テコンドー小公子ヒョンビン

2006-06-15 | 韓国映画
 雨 雨 ふれふれ 母さんが
 男と駆け落ち 悲しいな
 今ごろ どこかで 無理心中 ♪

 いよいよ梅雨も本格化。ふと、幼き日に歌った替え歌を口ずさんでしまった、ノスタルジーな雨の午後でした。

 「まわし蹴り」
 悲恋や病気などの不幸な御涙ちょうだいものには、とんと冷感症ですが、熱く爽やかなスポ根ものには、感動しやすい私です。
 不良や落ちこぼれが、スポーツに打ち込むことによって成長する話の映画やドラマは、枚挙にいとまがありません。この韓国映画も、テーマそのものには目新しさはないけど、若者が何か一つの目的に向けて命がけで苦闘する姿は、本当に清々しくて美しい。たとえそれが、どんなに汗まみれ、血まみれでも。一途っていいなあ、若さっていいなあ。観ていて、無為に過ごした我が青春が悔やまれました。
 はじめの、いい加減で軽い気持ちでテコンドーを始める不良たちの姿は、ちょっと「ウォーターボーイズ」っぽくてコミカル。でも情熱に火がついた後は、「スクールウォーズ」みたいな熱さ。テコンドーの試合や特訓シーンは、とても迫力があって、思わずこっちまで熱くなります。血と痛みを伴う命がけの格闘技なので、ヌルい軽い空気が消えてしまうのも当然でしょう。遊びでやれるスポーツじゃない!そんな厳しさが、かっこいい。
 テコンドー部員たちも、それぞれキャラ&ルックスが個性的&魅力的。
 この映画を観に行った目的である、主将役のヒョンビン。マジメでストイックな少年を、凛々しく好演。テコンドーやケンカシーンも、シャープ&鮮やかで、カッコ良かった!前半は、ずっと険しい暗い顔してる彼ですが、だんだん打ち解けてきて、みんなと浜辺で踊るシーンは、超可愛い!
 主人公の不良役、人気グループ・神話のボーカルのキム・ドンワンも、特にイケメンではないけど、す、すごい肉体美だ!あんな高校生、ありえな~い!ラスト、怪我の痛みに耐えながら、決死の意志を貫く彼の勇姿は、まさに男道を行く!って感じで、神々しい!
 ヒョンビンもドンワンも、アイドルスターとは思えない格闘演技&鍛えられた肉体。そこが、日本のチャラチャラした、ヤワで不潔で軽薄なアイドルとは違うんだよなあ。素純な清潔感と健康的な肉体美。韓流男優の魅力は、これに尽きると思います。
 
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