まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

食べたい男、食べられたい男

2023-07-23 | ドイツ、オーストリア映画
 夏のホラー映画祭④
 「Grimm Love」
 ドイツに留学中のアメリカ人大学院生ケイティは、数年前に起こった人食殺人事件をテーマにした論文を書くため、犯人のオリヴァーと被害者のサイモンについてリサーチを開始する。事件を知るにつれ、ケイティはカニバリズムの闇にのめりこみ…
 ゲロゲロ(死語)うげげな映画でした。ぜんぜん怖くないけど、内容といい残虐シーンといい、ひたすら気持ち悪くて不愉快でした。人食、カニバリズムに興味がある人にだけおすすめしたいです。オリヴァーとサイモンの言ってることやってることが、全然理解できません。まあ、できなくて当然。できたらヤバいですし。

 それにしても二人とも、何であんな異常者になっちゃったのよ。不幸な少年時代と母親との関係、孤独な身の上、という共通点があったけど、カニバリズムに走る理由にはならないような。だからこうなってしまった、みたいな説明はしてないし、できないと思う。先天的な異常性格、異常嗜好、病気なのでしょう。サイコパスな殺人犯や、小児愛者、痴漢など、生まれついての性癖のせいで衝動を抑えられず加害者に…というニュースは数えきれないほど耳にしますが、欲望に従う前に本人も周囲も何とかできなかったのかなと、いつも思わずにはいられません。被害者を出さないためにも、厳罰と同時に早期発見とか早期ケアも社会的に必要ですよね~。

 人間を生きたま食べたいというのも狂ってますが、生きたまま食べられたいというのはさらにブッとんでます。マゾの最終形態?そんな二人が出会うとか、韓流ドラマでもありえない運命の奇跡。二人が知り合うカニバリズムネットがヤバすぎる。あんなのほんとにあるんですね。この映画、実話が元になってると知ってビツクリ。終盤、サイモンのアソコを切って、それをフライパンで焼いて食べるオリヴァー、瀕死のサイモンもそれを味見とか、げげげ~!すぎ。観るに堪えないグロシーンでした。なかなか死なないサイモンもホラーでした。

 オリヴァー役は、大好きなトーマス・クレッチマン。彼が出てたので観たのですが…よくこんな映画、こんな役を引き受けたな~と呆れてしまいました。もともと仕事を選ばない俳優であるトーマスですが、いくら何でもこれは。異常者役ですが、すごく優しそうで朴訥な風貌と雰囲気は素敵なトーマス。よくある冷酷無情な殺人鬼ではなく、食べられに来た人が怖気づいてやっぱりイヤ!って言いだしたら、素直に帰してあげたりするトーマスが可愛かったです。ネットしながら自慰行為するトーマスも何か滑稽でした。オリヴァーとサイモンのやりとりや、サイモンと恋人♂の性生活など、かなりゲイ色の濃ゆい作品でもありました。
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剥ぎとられた美貌!

2023-07-20 | フランス、ベルギー映画
 夏のホラー映画祭③
 「顔のない眼」
 高名な外科医ジェネシェ博士は、交通事故で顔に重傷を負った娘クリスティアーヌのために、助手のルイーズと共に誘拐した娘たちの顔の皮膚を剥ぎ、クリスティアーヌに植皮手術を施していた…
 1960年のフランス映画。美女の顔の皮を剥ぎ取って移植するという、ゲロゲロ(死語)な設定のホラーなのですが、美しいモノクロ撮影や、神秘的な森の奥深くにある洋館、不気味なマスクを被った可憐なヒロインなど、クラシカルでゴシックな雰囲気の怪奇映画になってました。わたなべまさこ先生とか高階良子先生が描きそうな少女漫画みたいでした。

 顔皮剥ぎの手術シーンは、思ってた以上にエグくてウゲゲ。あんな植皮手術が成功するわけがなく、惨劇のラストへと向かってしまうのですが。博士も愛娘のためというより、自分の医学的野心にとり憑かれて悪魔に魂を売ってしまった感じ。モルモットにされるクリスティアーヌと、動物実験のために集められた犬たちが哀れでした。そのモルモットたちによって無惨な最期を遂げる博士、まさに皮肉すぎる因果応報な末路でした。

 残虐な悪魔の植皮手術より怖かったのは、博士とルイーズが美女たちを誘拐する手口。ルイーズがターゲットの娘たちに近づき、言葉巧みに誘って博士の待つ館へと連れて行くのですが。誘ってくるのが男ではなく、裕福そうな年上の女性なので、つい気を許して油断しますよね~。同性だからって、迂闊に誘いに乗ってはダメだと痛感。車に乗った熟女が若い女性たちを物色し、誘拐して殺す…ルイーズが、富山・長野連続女性誘拐殺人事件の宮崎知子とカブって戦慄。

 博士とルイーズが、サイコホラー映画でよくある狂った快楽殺人鬼などではなく、大真面目に狂気の凶行に及んでいるのが返って怖いです。ルイーズ役のアリダ・ヴァリが恐い!その冷酷な鬼顔は、怪奇映画にぴったり。博士のために何の躊躇も恐れもなく美女を狩り、顔皮剥ぎを手伝い死体を遺棄するルイーズ。その冷ややかな無表情、凍り付いたような目が鬼畜の行為の最中、歓びで微かに震えるように見えることがあって、女って愛に狂うと何でもできちゃうんだなとゾっとしました。
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悪夢の帰宅

2023-07-12 | オセアニア、アフリカ、中東、その他のアジア映画
 夏のホラー映画祭②
 「Take Me Home」
 記憶喪失の青年タンは、病院で働きながら自分の出自を探っていた。そんな中、奇怪な現象で家族の存在を知り生家に戻ったタンは、そこで双子の姉タブティムとその夫、夫の幼い連れ子二人に出迎えられる。再会を喜びつつも、姉一家の異様さにタンは戸惑うが…
 タイのオカルト映画です。呪われた家、というのはホラーやオカルトの定番中の定番ですね。似たような映画や漫画たくさんあるので、設定や恐怖シーンに目新しさはなかったです。オカルトよりも、双子の姉タブティムの秘密と正体が怖くて気持ち悪かったです。

 あの豪邸の前の持ち主の呪いで、タンはこの世に存在していない者たち生前に繰り広げた惨劇を目の当たりにし、恐怖のどん底に…というのが大まかなストーリーだと思うのですが、後半になるとちょっと???な展開になり戸惑いました。生まれつき醜悪な奇顔だった姉は、記憶喪失になる前のタンの目の前で首つり自殺したはずだけど、タンが家に戻った時は美貌になってた。それは前の持ち主の呪いでしょうけど、姉の夫とその連れ子の双子はいったい何者?ラストは、幼い頃のタンの願い事が叶えられたということでしょうか。呪われたハッピーエンド?
 タン役のマリオ・マウラーが、なかなかカッコカワいいイケメンでした。

 小顔な童顔と長身で大柄な体格が、ちょっと大谷翔平に似て見えました。大谷くんをちょっと濃ゆくした感じ?タイ人にしては薄い顔で色も白く、腕の太さとかお尻のデカさとか非東南アジア的で、何となく西洋人っぽい?と思ったのですが、ドイツ人とタイ国籍の中国人のハーフだって。道理で。

 次々と襲い掛かるショッキングな怪現象に怯える顔、恥ずかしそうな笑顔も可愛かったです。脱いだらバキバキムキムキではないけど、ガッチリムッチリ分厚い感じで、私好みのカラダでした。オカルトの舞台となる豪邸の、見慣れた西洋や韓国のそれとは違う、東南アジアな造りやインテリアが珍しくて面白かったです。夜に起こる面妖なシーン、オカルト現象は怖くないけど、侵入者や気持ち悪い虫の気配とか蠢きとかは怖い!暑い真夏の夜は、いつもそれらに怯えて眠れない私です(^^♪
 
 
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蜂蜜と鮮血!

2023-07-09 | イギリス、アイルランド映画
 夏のホラー映画祭①
 「プー あくまのくまさん」
 大人になったクリストファー・ロビンは、都会から恋人を連れ少年時代にプーやピグレットたちと幸せな時間を過ごした森へ戻ってくる。しかしプーとピグレットは、血に飢え人間を憎悪する凶獣と化していた…

 ちょっと気になってたトンデモ映画、やっと観ることができました(^^♪こんなん作って大丈夫なの?著作権に関してはディ〇ニーって怖い会社なんでしょ?訴えられないの?と思ったけど、著作権って年月が経つとなくなるみたいですね。なので堂々と製作できたようです。世界中で愛されてる可愛い〇ィズニーキャラが、恐ろしい殺人鬼となってアノ手コノ手で残虐な殺戮を繰り広げる、なんてファンには受け入れがたい冒涜、暴挙かもしれませんが、特に思い入れのない者にとっては、そのユニークな発想に苦笑いです。最近は世界的有名キャラの魔改造が流行ってるみたいで、ハイジやピーターパンもマッド化。ディズ〇ーの看板キャラであるあのネズミも、いつか?

 トンデモなパロディとしては面白いのですが、何もかもが明らかに低予算なチープさです。どう見てもゴムマスクした人間の大男なプーとピグレット。車の運転してたのが笑えた。人里離れた場所に集まった若者たちが一人一人惨殺される、という設定はほとんど13日の金曜日。殺し方もジェイソンみたいでした。ギャルたちをミンチにしたり車で頭部を轢いて潰したり、口から頭部に刃物を貫通させたりetc.ゲロゲロ(死語)すぎる残虐シーンはなかなか手が込んでましたが、私はホラー不感症なので全然怖くなかったです。笑いを狙ってるとしか思えなくて、むしろプっと吹いてしまったわ。

 ギャルたちは躊躇なく容赦なく惨殺しまくるけど、クリストファーは殺さず生け捕りにして拷問してたプー。自分を見捨てたクリストファーを憎みつつも、幸せだった頃の愛情もまだ残ってる、という設定をもうちょっと丁寧に描いてたら、切なく悲しいホラー映画になってたでしょう。B級ホラー映画にそんなん要らん!ホラーのお約束が守れていれば十分!な人なら楽しめる映画です。
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流れ星⑨~⑯ You're my only shinin' star

2023-07-06 | 韓国のドラマ
 「流れ星」第9話から最終話まで観たニダ(^^♪

☆スターの受難
 家政婦の正体に、テソンだけでなく視聴者も困惑。百恵ちゃんや福山雅治みたいな例ならいざしらず、堂々と合法にスターの自宅に潜入。それにしてもあのおばさん、いったい何がしたかったの?やってたことは塩辛い食事を作るだけとか。テソンの私生活、暴き放題できたのに。テソンのアンチサイトを運営してた元マネージャーとかもだけど、イヤガラセがセコすぎ。大したダメージじゃないので、騒動がバカバカしく思えた。
☆日本でもやってる人いるの?
 お酒に飴玉を入れるテソンやハンビョル。あれ、美味しいの?見た目は可愛いけど。

☆病女
 若年アルツハイマー?に罹っていたウン・シウ。記憶喪失や白血病など、チェ・ジウってヒロイン時代もいろんな病気になってましたよね。
☆リターンボーイズ
 ユソンが前に働いてたエージェンシーの上司。あ!「リターン」の凶悪メガネ男じゃん!リターンの御曹司二人のツーショットに驚喜。


☆韓流ファッション
 ハンビョルもテソンも、芸人のステージ衣装みたいなスゴい形、色の服を着てるのが笑える。その悪趣味なセンスは、今や韓流ドラマの楽しみのひとつに。最近では着てみたいとさえ思えるように。
☆何かおかしい前歴
 事務所の理事はウン・シウの元マネージャーで、二人は旧知の仲。なのに高校生だったテソンをスカウトした時、彼がウン・シウの息子だと知らなかったって、そんなバカな。それと、ホヨンは前に別の事務所にいたはずなのに、いつの間にか元女性ボディーガードってことになってる。辻褄が…

☆キム・スヒョンとか東方神起のユンホとか
 テソンとハンビョルの親友だった亡きユヌ、はっきり死因を言わないけど自殺?ネットでの誹謗中傷を苦にして?ユヌみたいなメイクがキツい朝鮮顔男子、苦手。キム・ヨンデくんってやっぱ日本人っぽいし、ばっちりメイク感があまりしない(してるとは思うけど)ところがチョア。
☆オフィスラブ
 ハンビョルに会いたいため、用もないのに事務所に通い始めるテソンに、ハンビョルはツンデレ。ヨンデくんみたいなイケメンにワンコされてみたいものですが、テソンとハンビョルだけでなく、サブキャラもひたすらイチャイチャするだけのグダグダな内容に辟易。

☆済州島にカップル大集合
 韓流ドラマでおなじみのリゾート地で、ラブラブなテソンとハンビョル。ユソンとホヨン、ト先生とギブムもやって来てラブラブ。内容はスカスカ。でも済州島、行ってみたい!
★総括 
 韓国の芸能界が、あんなユルいヌルいわけない!日本の某事務所の性加害問題とか、実際のスキャンダルがあまりにもおぞましく深刻なので、そのリアリティのなさに失笑。キム・ヨンデくんのカッコカワいいイケメンっぷりだけが見どころなドラマでした。
 韓流ドラマ完観恒例、イルボン理想妄想リメイク(^^♪
 
 テソン ・・・ 吉沢亮
 ハンビョル ・・・ 上野樹里
 ユソン ・・・ 町田啓太
 ト弁護士 ・・・ 竜星涼
 テソンのマネージャー ・・・ 杉野遥亮 
 ホヨン ・・・ やす子
 ギブム ・・・ 椿鬼奴
 新人俳優a ・・・ 鈴木福
 新人俳優b ・・・ 加藤清史郎
 事務所の理事 ・・・ 青柳翔 
 家政婦 ・・・ 麻生祐未
 ウン・シウ ・・・ 松嶋菜々子
 
 こんなん出ましたけどぉ~?
 美男の吉沢くんがアホなこと言ったりしたりワンコになったり、見てみたい!ト先生は竜星くんそっくりなので他に思いつかない。

 ↑ 口角がキュっと上がるアヒル口が超可愛いラブコメ時代劇「禁婚令」では若き王さま役。観たい!チャラいラブコメも悪くないんだけど、若くてきれいなうちに全裸濡れ場に挑戦プタケヨ~
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海に葬る愛

2023-07-02 | イギリス、アイルランド映画
 「God's Creatures」
 アイルランドの港町で家族と暮らすアイリーンは、数年ぶりに戻ってきた息子ブライアンとの再会を喜ぶ。しかし、アイリーンの職場の同僚サラを暴行した容疑でブライアンは逮捕されてしまう。息子を救うため、アイリーンは警察に彼のアリバイを偽証。それはやがて、アイリーンの家族や狭いコミュニティの人間関係に亀裂を生じさせて…

 秀作「aftersun アフターサン」でオスカーにノミネートされ、若手最旬の俳優として注目と期待の的となってるポール・メスカルの出演作を観ることができました(^^♪主役ではないけど、物語の核となる重要なブライアン役。素朴で優しい、けどどこか不安定で危険なものを感じさせる役と演技は、「アフターサン」と似ています。アイリーンじゃなくても、この子が婦女暴行なんかするわけない!と信じますよ。どこからどう見ても善人なのに、別に怪しい言動をするわけではないのに、だんだん信じる自信がなくなってしまうような闇と歪みを感じさせる怖さ、その曖昧さやさりげなさが凡百な狂ってます、サイコです演技とは違うな~と、今回も感嘆させてくれたポールでした。

 いかにもアイルランド人的な、ポールの朴訥でマイルドだけど強靭そうな風貌も好きです。農夫とか漁師とかいった、田舎の肉体労働者の役が似合うルックス。農夫や漁師のファッションって、着る男を選びますよね~。顔だけキレイなモデルみたいなイケメンとかだと、すごい違和感だし全然カッコよく見えない。逆に、顔は少々ブサイクでも屈強な体躯の男だと超イケちゃう。ポールもイケメンとか美男ではないけど、すごくガッチリして逞しいので働く姿がセクシー某有名ブランドのモデルもしてるポール、洗練されたファッションでキメてる彼も素敵ですが、この映画でのカキの養殖作業中の防水合羽や長靴のほうが、スーツより似合っててカッコいいんです

 お話そのものは、狭い世界の人間関係や男尊女卑が陰鬱に息苦しく描かれていて、決して見ていて気持ちのいいものではありません。こんな暗くて娯楽性のない映画、今の日本じゃまず作られないと思うし、誰も観たがらないでしょう。私も好きな俳優が出てなきゃ途中リタイアでした。たいして能もないのに男というだけで女より上だと当然のように振る舞ってる男たち、屈託を鬱積させながらもじっと耐えてる女たち。どっちも時代錯誤だけど、実際にはどこの国の社会もいまだに男女平等なんて絵空事ですよね。ラスト、衝撃的な悲劇をアイリーンは選ぶのですが。母性をも打ち砕くほどの、積もり積もった女の怒りと憎悪、怨嗟に戦慄

 アイリーン役のエミリー・ワトソン、久々に見ましたがすっかりおばさんになって!もう孫もいる役!彼女の鬱々しく険しい表情も怖いです。荒涼とした寒々しい海、暗鬱な雨空もかなり鬱。あんな所で私は暮らせない!ちなみにオイスター、広島県民のくせに苦手な私
 
↑ 高く評価されたTVシリーズ「ノーマル・ピープル」も鑑賞中(^^♪いい役者だわ彼ほんま!日本の20代の俳優も、もうちょっと頑張ってほしいわ~。何とかリベンジャーズとかなんとかダムとかいったオコチャマ漫画映画もいいけどさ~
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