まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

悪夢の玉の輿!

2020-10-28 | 北米映画 15~21
 「レベッカ」
 金持ちの老婦人の付添人としてモンテカルロに滞在中だった“私”は、イギリスの大富豪マキシムと恋に落ち、彼が所有する壮麗な館マンダレーで新婚生活をスタートさせる。マンダレーにはマキシムの亡妻レベッカの影が色濃く残っており、レベッカに忠実だった家政婦のダンヴァーズ夫人は“私”を冷ややかに扱う。しだいに“私”は精神的に追い詰められ…
 恥ずかしながら、名作の誉れ高いアルフレッド・ヒッチコック監督のオリジナル版は未見。先にリメイク版を観てしまいました。ざっくり言えば、オカルト風サイコサスペンスでしょうか。亡妻の死霊に憑りつかれてるかのような館、邪悪な家政婦、恐ろしい秘密に苦しむ夫、精神的に追い詰められてい新妻…レベッカの死の真相など、ミステリーの要素もあり、盛沢山だなと思いつつ、飽きずに最後まれ観られる内容、という重要な課題はクリアしてる作品です。でも、何ていうか…せっかくイギリスの上流社会の話なのに、イギリスといえばの優雅さとかスノッブさが希薄でした。演出も映像も出演者も、華やかというか派手で違和感。こういったダークでミステリアスな物語には、やはり神秘的で憂いのあるモノクロのほうが合ってるのかなと思いました。

 モンテカルロのリゾートやイギリスの海など、美しい風景を背景に物語が進行するのですが、たまにこれ合成?ロケしてない?と勘ぐってしまうシーンがあったり。美しく壮麗なマンダレーも、いかにもセットな感じが強かったり(どう見てもハリボテな壁があったり)予算をかなりケチってる印象が否めませんでした。脚本もどことなく2時間ドラマっぽくて、ラストの断崖でのヒロインVS犯人なんて、もろ火サスで失笑。キャストも悪くはないのだけど、高級感とか重厚感は全然ないメンツでした。

 “私”役のリリー・ジェームズは、「高慢と偏見とゾンビ」でも思ったけど、美人!なんだけどクラシカルな役、映画には適してない美しさ。顔も雰囲気も現代的で派手なんですよ。男をキュンとさせるウブでドヂっ娘な言動が似合わない。気が強そうなので、守ってやりたいという男の父性本能をくするぐる女に、何をやっても見えないんですよね~。ギラギラしてて、玉の輿を狙う女豹のようだった。不安や恐怖に怯えたり精神的に追い詰められる繊細さが全然なくて。あんた、それぐらいでビビる女じゃないでしょ!と思わずにはいられませんでした。見た目はか弱げ、はかなげだけど芯は強そうな女優がやるべきヒロインです。それにしても。今の女性はこの映画のヒロインのように、理不尽な状況や夫の嘘、精神的DVに黙って耐え忍んだりしないので、この映画は現代版ではリメイクできませんね。時代とは言え、強い女性ばかりというのも何だか味気ないですね。

 マキシム役のアーミー・ハマーは、いいとこの坊ちゃん風ではあるのですが、イギリスの貴族には見えません。アメリカの良家とイギリスの貴族って、全然違いますね。もともとデカい彼ですが、この映画ではさらに恰幅がよくなっていて、ヌオ~っとした威圧感が。怒ったらゴゴゴゴ…と音がして大魔神に変身しそうなところは、「コードネームUNCLE」の時と同じで笑えた。
 邪悪な家政婦ダンヴァーズ夫人役のクリスティン・スコット・トーマスは、陰険さ冷酷さもどこかエレガントかつ知的で、気持ち悪いとか怖いとかいった感じはあまりなかった。レベッカの間男役の男優が、どっかで見たことある、いや、聞いたことある声だなと思ったら、サム・ライリーだった!

 「高慢と偏見とゾンビ」でのダーシーとは全然違って見えて、すぐに彼だと気づかなかった!独特すぎるしゃがれ声は不変でしたが。今回はイケメンじゃなかったけど、何に出ても何演じても同じな俳優と違う面白い役者だなと、あらためて好きになりました。それはそうと、高慢と偏見とゾンビでは、リリー・ジェームズとサム・ライリーは恋人役でしたね。今回は敵対する役だったのが面白かったです。アメリカンなアーミー・ハマーより、ダーシー役の時みたいなイケメンバージョンのサム・ライリーのほうが、マキシム役にピッタリかも。ヒッチコック監督版も近いうちに観たいと存じます。
 
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イケメンと時間旅行

2020-10-25 | ドイツ、オーストリア映画
 「タイムトラベラーの系譜 ルビー・レッド」「タイムトラベラーの系譜 サファイア・ブルー」「タイムトラベラーの系譜 エメラルド・グリーン」
 ロンドンで家族と暮らす女子高生のグエンドリンは名家の一員ながら、冴えないはみ出し者扱いされていた。そんな中グエンドリンは、一族の秘密であるタイムトラベルの能力を持つ者が、いとこのシャーロットではなく自分であることに気づき戸惑う。ひそかに憧れていた美青年ギデオンも自分と同じタイムトラベラ-であり、彼と協力して秘密結社“監視団”からの任務を遂行することになるグエンドリンだったが…
 ファンタジー小説3部作の映画化。宇宙とか魔法とか妖精とか苦手なので、SWとかハリポタとかLOTRとかもいちばん最初の作品しか観てないんですよね~。この三部作も本来ならばスルー系なのですが、がっつり観てしまいました。愛しのドイツイケメン、ヤニス・ニーヴナー目当てであることは言うまでもありません(^^♪

 ヤニヴ~予想以上に、期待以上に、めちゃんこカッコカワイかったです!爽やかで優しそう、かつ男らしく精悍でもあって。名家の文武両道美青年お坊ちゃま、時空戦士でもあるギデオン役のヤニヴ、ルビー編では長い髪を後ろで束てていて、まるで少女漫画から飛び出してきたかのような風貌。万能で自信満々、冷たくて傲慢な俺様ヤニヴも素敵ケンカしながらもだんだんグエンと惹かれ合うようになり、ツンデレ化してゆくヤニヴも可愛かったギデオンみたいなスーパー男子、日本や韓流ドラマでもよく出てきますが、爽やかで清々しい野性味、引き締まった骨太な感じはドイツ人ならではな魅力。スウィートだけど甘っちょろいナヨっちい優男じゃないヤニヴが好きです。

 my老母も観たのですが、誰この子きれいじゃねえ~と老い萌えしてましたサファイヤ編、エメラルド編では短髪になってるヤニヴ、それがまた男らしくていっそうカッコいいんですよJohnathan」の彼を彷彿とさせました。エメラルド編とJohnathanは同年の作品みたい。道理で。髪型のみならず、品よくもチョイワルっぽい現代ロンドン男子ファッションや、タイムスリップ先の時代の衣装(中世のフランス貴族風、イギリス紳士風、アメリカンなモダンボーイ風など)でヤニヴ七変化なコスプレも目に楽しかったです。ラブシーンでは眼福な肉体美もサービス見せしてます。とにかくヤニヴファン必見、ヤニヴを知らない女子(もちろんイケメン好きな殿方も)も観たらヤニヴにfall in love間違いなしよ!ファンタジーな物語は苦手でも、ファンタジーなイケメンは大好物(^^♪ヤニヴこそこのシリーズ最大のファンタジーでした。これでもか!とばかりに女子が夢見る、いや、妄想する“イケメンにやってほしい、イケメンとこうなりたいシチュエーション”が。学校まで迎えに来てくれる、カッコいいオートバイに二人乗り、プロムパーティでパートナーに、夜中に窓から入ってくるetc.だいたいが人前でやってくれるので、羨望と嫉妬を一身に浴びて高揚感&優越感、なんて使い古されてる王道設定なんだけど、やっぱ憧れるわ~。

 とにかくヤニヴしか見てなかったので、ぶっちゃけ彼以外に特筆すべき感想が思い浮かばないタイムトラベルの他にも悪魔や幽霊が出てきたり、いろんなファンタジー要素をぶっこみ過ぎてて、わしみたいなおっさんにはかなりキツいオコチャマ映画でした。壮大ぶってたわりには、すごいショボい結末だったし。ハリポタと何となくカブる部分があるので、ハリポタファンは楽しめるかも。舞台はロンドンで、登場人物もイギリス人なのに、ドイツ人の俳優がドイツ語で演じているので、すごい違和感。ロンドンの名所がいっぱい出てきて、ますます行きたくなりました。

 ヒロインのグエンが、見た目もキャラも全然可愛くなかったのが、ちょっと…冴えない女子がイケメンに愛されてシンデレラガールに、なキラキラ感がゼロ。ふてぶてしくて性格が悪いので、何でギデオンが惚れるのか納得できなかった。とても処女とは思えないような男慣れした初エッチとか、とにかく少女っぽくない。まあ、清純ぶったぶりっこよりはマシだとは思ったが。グエンの意地悪ないとこのシャーロットはすごい美人でした。ギデオンの弟がブサイクで、兄同様イケメン設定だったのが???でした。成仏できずグエンの通う高校でさまよってる貴族の幽霊役で、コステア・ウルマンも出演してます。意味不明で不必要な役で、せっかくのコステアがもったいなかった。

 ↑ヤニヴ好きすぎてとうとう主演時代劇“Maximilian ”のDVD買っちまっただよ!秋の夜長はヤニヴと(^^♪「コリーニ事件」も早く観たい~
 
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社長夫人と…

2020-10-19 | フランス、ベルギー映画
 「暮れ逢い」
 第一次世界大戦直前のドイツ。鉄鋼会社に勤める青年フレデリックは、その才気を社長であるホフマン氏に認められ、彼の秘書に抜擢される。やがてフレデリックは、ホフマンの妻ロッテに恋心を抱くようになるが…
 パトリス・ルコント監督初の英語作品。社長夫人と社長秘書のプラトニックかつ情熱的なラブストーリー。セックスはしないけど心で愛し合ってたら、それもまた不倫になるのでしょうか。セックスなしだと、道ならぬ恋でもゲスくならないですね。私はインポな純愛よりも、ゲスい痴情のもつれのほうが好きなんだけどこの映画の二人、決して一線は超えない、キス、いや、手さえ握らず、想いだけが募ってくすぶって、もどかしくも切ない関係が続くのですが、韓流ドラマのインポな純愛とは何か違うんですよね~。優雅な上流階級を舞台にしてるけど、イギリスのそれともまた違う。ドイツのお話だからというより、パトリス・ルコント監督だからでしょう。

 表面的には上品で慎ましいけど、かなり変態的、エロおやじっぽくもあるのが、さすがというか、いかにもルコント監督って感じでした。まず主人公のフレデリックが、真面目な堅物に見えて実は変態。年上の人妻への、なめまわすような執拗な粘着質目線や、彼女が弾いたピアノの鍵盤をわななきながらキスしたり(まるで誰もいない放課後の教室で、好きな女子のリコーダーの吹き口をなめる男子みたいで笑えた。メイドに目撃されてるのも笑えた)。高嶺の花な社長夫人には礼儀正しく想いを秘めてるのに、同じ階級の娘は性欲のはけ口扱いし、出世したら冷たく切り捨てるフレデリックは、ゲスだけどありえないほど誠実で清廉潔白な男よりは魅力的。誰も傷つけない人畜無害な男なんて退屈ですもんね。

 社長もなかなかの変態じいさん。妻と秘書の恋に嫉妬しながらも、気づかないふりして二人を挑発したり煽ったり、ドMっぷりが笑えた。そう、シリアスなんだけど何か滑稽なところは、まさにルコント監督の真骨頂。おやじな変態テイストと皮肉な滑稽さが、毒にも薬にもならない純愛ものとは一線を画してます。でも、そんなルコント節がこの映作品ではかなり薄まっていたのが物足りなくはありました。フランス語でフランス映画、フランスのエッセンスであるエスプリたっぷり、それこそルコント監督に本領を発揮させるのでしょう。
 この映画を観たのは、言うまでもなくリチャード・マッデン目当てです(^^♪

 リチャマ!時代劇でもイケメン無精ひげなしでこざっぱりしていると、かなり若く見えて可愛い!さっぱり可愛い風貌でも、ほどよく濃ゆいところがリチャマの魅力。無味無臭イケメンが多いので、リチャマの濃ゆい♂フェロモンが美味です。貧相すぎてスーツが似合わないキムタクとかと違って、たくましい体躯のリチャマはフォーマルファッションも男らしくてカッコいい。恋心や性欲を抑えて悶々としてる表情が、エロくて可愛かったです。リチャマといえば、やはりあの不幸顔と不幸オーラ。不幸じゃないシーンでも不幸に見える。もっと不幸になればいいのに、とドSな気分にさせてくれるリチャマが素敵です。社長夫妻の息子と仲良くしてるシーンのリチャマがすごく優しそうで、息子がもうちょっと大きくて美少年だったら、さぞや…なんて腐にありがちな妄想を楽しんでしまいました

 ヒロインであるロッテ役のレベッカ・ホールは美人なんだけど、で、でかい!リチャマより背が高い!リチャマが小柄なのかな?キビキビとテキパキした感じなので、恋に揺れる人妻というより有能な女教師みたいで、彼女と一緒だどリチャマは恋人ではなく生徒に見えてしまい、ムードがロマンティックにも官能的にもならない。もっと嫋々としたたおやかな美女のほうが、ロッテ役に合ってたのでは。社長役は、今は亡きアラン・リックマン。いい人なんだけどちょっと怪しい、何か企んでる感がハンパないおじさん、という彼のオハコな役でした。都合が悪くなったり、ロッテとフレデリックが燃え上がりそうになるところで必ず発作を起こして邪魔をする、というお約束がコントみたいで笑えた。

 リチャマの新作、マーベルの「エターナルズ」も公開延期みたいでガッカリ😞
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彼と僕、はじめてのチュウ

2020-10-14 | 北米映画 15~21
 「マティアス&マキシム」
 幼なじみのマティアスとマキシムは、友人の妹に頼まれて出演した短編映画でキスシーンを演じる。以来二人は、これまでになかった感情の芽生えに戸惑うが…
 グザヴィエ・ドラン監督の新作。「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」と間を置かずに作品が日本公開で、コンスタントな仕事ぶりがファンには嬉しい。この新作、これまでのドラ美の作品の中では最も明るい、楽しい映画に仕上がっていました。過去作品も決して暗くも退屈でもないのですが、ドラ美らしい若々しくポップなケレン味が良い意味で薄れて落ち着いた感じになった印象。全体的にとっつきやすくなったというか。ドラ美も大人になったんですね。

 才気を全面に押し出した癖の強さはなくなったけど、ドラ美らしさは失われていませんでした。演出や音楽における独特のスタイリッシュさは不変。周囲は早送りされる中で、マティアスとマキシムは時間が止まったかのように揺れる想い~♪な様子とか、外は嵐な張り窓のキスシーンとか、切なくも斬新な演出で好きです。お話じたいは、ノンケが突然男への友情以上の気持ちに気づかされて悩む、といったライトで初歩的なBLです。厳しい現実に暗澹とさせられるシーンも生々しい性愛シーンもないし、BLが苦手な人でも大丈夫なBL映画です。

 それにしても。仲が良すぎる男同士って、セックスしない恋愛関係みたいですよね。ひょっとしたら俺、こいつとセックスできる、いや、したいのでは?という、ほとんどの仲良し男同士が踏むことのない境界線でモヤモヤ、という設定が腐には胸キュンです。YOU!悩んでないで一線超えちゃえ!ヤっちゃいな!と腐は無責任に思ってしまいますが
 キスをきっかけにマキシムと今まで通りに接することができなくなり、動揺・狼狽しまくるマティアスが何だか切ないというより滑稽で可愛かったです。旅立つ前のマキシムに冷たく当たってしまったり、狂おしくキスした後に理性が勝ってしまうリアクションとか、BLならではの甘い痛みで腐のツボをつきまくります。

 思わぬBLのめざめにすっかりトチ狂ってしまうマティアスと違い、マキシムはいたってクール。マキシムはゲイの設定だったのでしょうか。ノンケの男に対して期待とか夢とかは抱かない、むしろ傷つくことを恐れて距離を置こうとする、ゲイならではの諦観とか臆病さもまたスウィートペインな切なさ。まあマキシムは、ママのことで恋どころじゃなかったですし。マキシムのママのクソババアっぷり、ひどすぎて笑えた。あんまりな仕打ちに傷つくマキシムが哀れでした。ママと息子の確執、壮絶なケンカもドラ美の映画ではおなじみ、ドラ美にとっては重要なテーマのようです。

 ドラ美、自作での監督兼主演は「トム・アット・ファーム」以来でしょうか。やっぱ美男子ですね~。薄口イケメンが多いので、ドラ美のほどよい濃さが美味です。小柄なので少年っぽいところも可愛い。Tシャツに半ズボンがこれほど似合うアラサー男もいません。ふてくされた斜に構えた役が多いドラ美ですが、今回は笑顔も多い明るい役でした。笑うとクチャっと崩れる顔も可愛い。もともと子役として活躍していたドラ美は、演技へのこだわりや情熱もひとかたならなぬようで、最近のインタビューでは監督業よりも今後は俳優業に重点を置きたいと言ってましたが。どっちもバランスよく両立させてほしい、というのがファンの願いです。

 マティアス役のガブリエル・ダルメイダ・フレイタスが、優しそうで色気があるイケメン!ブラッドリー・クーパーをほっそりスマートにしてインド人っぽくした感じ?スタイルがよくて、スーツもカジュアルなファッションもオシャレに着こなしてました。マティアスが接待するチャラい弁護士役は、「キングスマン」シリーズの新作の主人公に抜擢されたハリス・ディキンソン。彼もスタイル抜群。タイトなスーツ姿でのピチっとしたお尻がセクシイでした。マティアス&マキシムの友人たち、そのママたちもみんな個性的でいい味だしてました。特にリヴェット兄妹が好き。バカ言い合ってワイワイ騒いだりケンカしたり、男子って楽しそうでいいな~と羨ましくなりました。

 ↑ 美貌と才能、どっちかだけでもどっちもないわしにくれや!勝ち組人生に恵まれているようで、凡人には無縁な苦労や悩みもいっぱいあるんだろうな~。それもまた映画に昇華できるドラ美はやっぱ神に選ばれし者ですね
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梨泰院クラス⑥~⑩ 社長さんは童貞

2020-10-11 | 韓国のドラマ
 「梨泰院クラス」第6話から10話まで観たニダ!
 
☆お客さまは神さまです
 梨泰院にある長家の支店に視察に来る会長。おともを引き連れて大威張りの大名行列。客よりエラソー。韓流ドラマではおなじみなシーンですが、日本では考えられない。
☆偶然も必然
 梨泰院でしょっちゅうバッタリ偶然会うセロイとスア。いくら何でも偶然が多すぎ、都合よすぎ。ありえないすれ違いも多いけど、ありえない偶然もそれ以上に多いのも韓流ドラマならではです。

☆もうちょっと隠密に
 長家の熟女専務を仲間に引き込み、復讐計画を進めるセロイですが。熟女専務との密談場所がソウルタワーの前とか、秘密裡とは思えない配慮のなさで、案の定スパイに盗撮されて会長にはバレバレ。

☆いい表情!
 店のビルを何者かに買い取られてしまうセロイ。新しいビルのオーナーが長家の会長だと知った瞬間の彼の表情が素晴らしかった!いつもの無表情なのに、ふつふつと内面で燃え上がる瞋恚の炎がよく判った。静かだけど激しい気炎。こういう表情できる日本の若手俳優、いないです。この表情だけでパク・ソジュンやっぱいい役者だと思いました。
☆ゲスの極み乙女は今
 柴咲コウ似の美人であるスアですが、だんだんベッキーにも見えてきて

☆怪しい秘書
 長家の会長の秘書が何か気になります。ただの秘書にしては妙に目立つ存在感。演歌歌手っぽい顔も怪しい。
☆快傑おかめ娘
 グンウォンのご機嫌をとり、調子に乗らせてひき逃げ事件の真相を語らせ、それを盗聴し罠を仕掛けるイソ。彼女の得意技ですが、『ウジ虫みたいな奴らめ』『社長の敵は全員私が潰す』小娘だけど賢くて度胸があって頼もしくてクール&ニヒルなイソは、これまでの韓流ヒロインにはない個性と魅力の持ち主。見た目もオカメ顔のブスカワで、みんな同じに見える韓流美人とは一線を画してます。

☆アラサーチェリー
 飲み会の余興で告白ゲーム。ファーストキスはいつ?と訊かれて、そんなことしたことないと答え一同を驚かせるセロイ。彼が童貞だった!と同席者のみならず、視聴者にも衝撃的な告白でした。
☆抱いてくれたらいいのに
 俺を好きになるなとセロイにフラれるイソ。まるで死別しかかのようなオーバーな愁嘆場に苦笑。
☆狂気的な愁嘆
 会長の陰謀で投資家たちが次々とセロイの会社から撤退。セロイの会社の株を買った人たちは、騙された!どうしてくれる!!と激怒し大騒ぎ。詐欺に遭って大損をした人々の狂乱、錯乱は映画やドラマだけではなく実際にも韓国ではおなじみの光景。何か悪いものに憑かれたような狂態が怖い。
★総括
 面白くてサクサク観られるのですが、何だろう…フツーに面白いだけというか、驚きとか衝撃とか強烈なインパクトがないのが物足りません。韓流ドラマといえばの、おいおい?!そんなんありえんやろ!なツッコミどころがあまりないのも、ちょっと寂しいような。
 セロイ同様、イソもカッコいいので好きです。キャラも見た目も、ニュータイプなヒロイン。敵に回したら怖いけど、味方にしたらこれほど頼もしい女はいません。
 カッコつけてないけどカッコいいパク・ソジュンですが、色気が薄いのが惜しいですね~。ぜんぜん無駄脱ぎもしないし。韓流ドラマはイケメン俳優の無駄脱ぎも魅力のひとつなので、この点でも残念なドラマです。

 ↑梨泰院では脱いでくれないので、過去ドラマでの眼福肉体美でマッシソヨ~(^^♪
 
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フランキー

2020-10-08 | フランス、ベルギー映画
 「ポルトガル、夏の終わり」
 余命宣告を受けた大女優フランキーは、最後のバカンスを家族や友人と過ごすため、彼らをポルトガルのシントラに集める。フランキーにはある企みがあったが…
 やっと観ることができたイザベル・ユペール主演作です。末期がんにおかされた大女優に扮したユペールですが、やはり彼女なのでお涙ちょうだいな湿っぽさとか感動の押し売りなど、見事なまでに微塵もありません。そもそもそんな映画にイザベル・ユペールは出ないでしょうし、彼女を想定して脚本を書いたというアイラ・サックス監督も、そんな安っぽいありきたりなキャラを彼女に当てはめる気など毛頭なかったようです。イザベル・ユペールの個性と魅力にインスパイアされて生まれたヒロインであることは、フランキーを見ていると一目瞭然。

 命が終わろうとしていても、骨の髄まで女優。気質も生き方も変わらない、変えようとしない女優の業の深さに畏怖、そして魅了されました。冒頭のプールでの初登場シーンから、まさにザ・大女優のオーラはハンパないです。気さくで気前がよく、軽やかに大胆で気まぐれ、そして自己中心的で冷徹でもあるフランキー。周囲の都合や思惑など全然お構いなく自分のしたいようにし、みんながそれに従うことを当然だと思ってる無邪気な支配者っぷりも、ぜんぜん不快ではなくとにかくカッコいいんですよ。フランキーが何をしようと何を言おうと、みんな不満はあっても結局は仕方ないと諦めたり許したりしてしまう、まるで神の宣託のごとき大女優の優雅で絶対的な命令。それは選ばれし大女優だけにある魔法のようでした。イザベル・ユペールは、そんな役を自然に演じることができる数少ない本物の大女優です。

 家族やファンから愛され賞賛されながらも、時折にじみ出る孤独や虚しさとか、それらをクールな微笑で隠す静かに美しい韜晦とか、イザベル・ユペールがまとう大女優の光と影は決して重苦しくも悲痛でもなく、あくまでサラっとフワっと乾いていて軽やかなところに感銘を受けました。基本的には台詞は英語なのですが、息子や元夫とはフランス語で話すフランキー=ユペールの自然な語学力にも憧れます。最も目を惹かれたのは、彼女のファッションです。1日だけの話なので、衣装をとっかけひっかえではなく、2回だけ着替えるのすが、どちらも本当にカッコいい!ファッショナブル!パープルのワンピースの上にデニムのジャッケット、オレンジのワンピースの上に革のジャケット、靴も素敵だった。絶対に一般人には真似のできない趣味の高さでした。
 
 とにかく余命いくばくもないという設定以外は、イザベル・ユペールそのまんまな役?私生活でもフランキーのように家族や友人に接してる彼女、想像に難くないです。美しいけど容色の老いは明らかで、それをあまり隠してないところもイザベル・ユペールらしかったです。夫とベッドで愛し合う裸の彼女、どう見てもおばあさんでした。
 フランキーを取り巻く人々を演じてる役者たちは、豪華というよりはシブい、かつ国際的な面々でした。夫役は「ヒットマンズ・レクイエム」でもいい味を出していたブレンダン・グリーソン(アイルランド)、元夫役は「ガブリエル」でもユペールの夫役だったパスカル・グレゴリー(フランス)、息子役はジェレミー・レニエ(ベルギー)、親友役のマリサ・トメイとその恋人役のグレッグ・キニアはアメリカ。

 「Nue propriété」以来のユペりんとの母子役共演?ジェレミーもすっかりおじさんになりましたが、今でも少年っぽさが残っていて可愛い。マリサ・トメイもすっかりおばさんになりましたが、大人女子って感じの親しみやすさと可愛さに好感。彼女の髪飾りもおしゃれだった。ゲイの元夫と行動を共にしてる現地人ガイトがイケメン!グレッグ・キニアの役が可哀想だった。彼へのフランキーの優雅な冷酷さも、まさにザ・大女優でフランキーの複雑な人柄を上手に表してました。

 愛する人たちを幸せにしようと彼らの人生の筋書きを勝手に書き、彼らを操ろうとしたフランキーでしたが、結局彼女の企て通りにはなりそうにない、でもそれでいいわ…みたいなラストのフランキーのホロ苦い微笑みも印象的でした。ままならない人生や愛を寡黙に優しく描くアイラ・サックス監督の作風、すごく好きです。他の作品も観たい。

 物語の舞台となったポルトガルのシントラは、イザベル・ユペールと並ぶこの映画の主役です。世界遺産のひとつであるシントラ、初めて知りましたが美しい街ですね。ひんやりと神秘的な雰囲気。童話の中に出てくるような森でフランキーが彷徨う姿が、まるで絵画のような美しさでした。静かな場所なのかな?と思いきや、名所では韓国人や中国人と思しき騒々しいアジア人の団体観光客がうじゃうじゃいるのが映っていて苦笑
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相棒は変態熟女

2020-10-04 | フランス、ベルギー映画
 「ティップ・トップ ふたりは最高」
 とあるフランスの地方都市。警察の情報屋だったアルジェリア人の男が他殺死体で発見される。女性監察官のエステールとサリーが事件を捜査することになるが…
 世界一働き者な大女優といえばイザベル・ユペール、御年や女優としてのステイタスを考えれば、驚異的なバイタリティとフットワークの軽さです。出演作がまったく途切れないのはファンにとっては喜ばしいけれど、コロナ禍の真っただ中でもあるので心配でもあります。今年も日本では「ポルトガル、夏の終わり」が公開されましたが、この作品は特別上映の形で日本でもお目見え。「マダム・ハイド」と同じセルジュ・ボゾン監督の作品です。

 マダム・ハイドもでしたが、うう~ん…あまり面白くなかった、いや、ぶっちゃけ全然面白くなかったです淡々としずぎてかったるいし、意味不明な描写が多い。フランス映画の悪い点が凝縮されてるような作品でした。いちおうコメディみたいでしたが、まったく笑えなかった。同じ淡々系、同じイザベル・ユペール主演でも「アスファルト」はクスっと笑えるユニークな喜劇だったし、同じ意味不明系なら「TENET テネット」は退屈を許さない圧倒的な映像と演出だったけど、この作品みたいな解かる人だけ好きな人だけ楽しんだらいい、みたいな狭さや突き放した感じがする映画は苦手です。まあ、結局は好みなのでしょう。わし、この監督とは合わないみたいです。

 コメディなのに笑えないのも残念すぎますが、せっかくの刑事もの、女性のバディものなのに、事件の真相とか人間関係とかはどうでもよさそうで、ヒロイン二人の奇矯な性癖を執拗に描いて笑わせようとしてたみたいだけど、ただ薄気味悪くて不愉快なだけでした。フランス女ならではな魅力とか駆け引きとか、せっかく移民問題がらみの事件を扱っていたんだから、その闇に女二人が踏み込む社会派ミステリー、サスペンスにしてほしかったです。

 エステール役のイザベル・ユペールは、相変わらず冷ややかで珍妙で変態でした。攻撃的で暴力的、殴り合いでエクスタシーを感じるというドS女で、冷然と無機質な見た目とか「ピアニスト」のエリカ先生が警察にトラバーユ?みたいなキャラでした。マダム・ハイドもそうでしたが、エリカ先生のイメージが強烈すぎて、監督たちは同じような役をイザベル・ユペールに演じさせたい、演じさせてしまうんでしょうか。血だらけになった顔面,鼻をつたって滴り落ちる血をペロっと舐めたり、他の女優だったら気持ち悪いだけ、でもカラっと乾いててシレっとスットボケてるユペりんなので笑える。彼女のファン限定ですが。冷ややかな美しさ、エレガントさも彼女の魅力ですが、さすがに下着姿とかだと老いが目立って痛々しい。首や生足とかシワシワ。そんなグロテスクさで観客を狼狽させるのも、ひょっとしたら彼女らしい確信犯的な露悪かもしれません。

 相棒のサリー役は、地味に名女優なサンドリーヌ・キベルラン。小柄なユペールとはまさに凸凹な身長差。デカいけど何か頼りない、いろんな意味で大丈夫なのかな?と不安にさせるメンヘラな雰囲気が独特でした。のぞき癖がある役で、男の裸をのぞきながら全裸で自慰してるシーンとかイタすぎる。テシネ監督の「Quand on a 17 ans」の彼女のほうが好きです。
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