鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

国会の予算委員会でのやりとりで安倍首相の底の浅さに国民はいい加減に気が付くべきだ

2020-01-28 | Weblog

 27日から国会で衆院予算委員会が始まったが、野党は「桜を見る会」や「辞任した2閣僚の説明責任」、それに「IRをめぐる収賄」などで安倍首相に集中砲火をあびせる形で攻め立てている。さながらレームダックの安倍首相を辞任に追い込む情勢ともなっている。自民党内には「桜は散った」(二階俊博幹事長)と幕引きを図りたい声も出ているが、どっこい野党議員の追及は日ごとに厳しくなっており、安倍首相も防戦一方で、時には言葉に詰まる場面も見られ、久しぶりに国会論戦がマスコミ各社はもちろん国民の注目を集め始めてもいる。

 「桜を見る会」について、安倍事務所が参加者に対して功績、功労の旨を記すことなく、周りに広範に参加を呼びかけてほしい旨の文書を配布していたことが明らかとなった。しかも内閣府が総理大臣、官房、諸官庁から推薦された人物を篩いにかけて審査したうえ、3月に正式な招待状を発送する前に安倍事務所が地元後援会の参加希望メンバーに案内状を送っていた新たな事実も判明した。予算委員会でのこうしたやりとりのなかで、安倍首相は「地元後援会の桜を見る会への参加ツアーの主催は後援会ではなく旅行代理店である」とのありえないことをぬけぬけと語った。ホテルニューオータニでの前夜祭パーティを主催したのはホテルである、と言い張っていることから、そんなありえないことを言い出したのだろう。政界の事情にうとい旅行代理店がどうして桜を見る会のツアーを主催できるのか、事情を知っている人なら即座に「そんなおかしなことはない」と思うに違いない。

 これら一連のやり取りのなかで安倍事務所が後援会メンバーに「桜を見る会」への参加を募ると記しているのを「募集」と言ったのを安倍首相は「募集ではない」と答え、議場の失笑を買った。小学校の国語の勉強をしていなかったことが暴露されたわけでお粗末な場面であった。安倍首相は以前からAを聞かれたらBと答え、Cを聞かれたらDと答える詭弁を呈しているが、この背景に小学校の国語程度の学力すらないことがはっきりとしたことになる。

 また、「辞任した2閣僚」問題では河井元法相の妻である河井案里参院議員の昨年7月の参院選での法外な1億5000万円もの金が自民党から選挙資金として拠出されたことが大きな問題となっているが、総務省によると、法定の選挙資金の上限が広島県の場合、約4300万円と規定されていることも明らかとなった。野党の議員はそれがいかなる問題であるかは追及しなかったが、上限の3倍以上の額を選挙に使用したのは大きな問題であり、その法的処置がいかなる取り計らいになるのか、注目される。河井案理陣営には選挙前から安倍事務所の幹部が応援にかけつけ、なにかとアドバイスをした、ともいう。安倍首相が一議員の立候補者にかくなる異例な応援をしたこと、さらには安倍首相自らも選挙応援にかけつけたのも周知の事実で、法定を超える金額を投じて議席を勝ち取ったことは政界にいかなる波紋を投げかけるのだろうか。

 さらに、「IR収賄」はいまだに真相の解明が進んでいないが、安倍首相が数年前に渡米し、トランプ大統領と会談し、マイアミで米国の財界人15人くらいと懇談した際にIR関係で全世界にカジノ施設を展開しているラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長ら3人のIR関係者がいた、という。アデルソン会長はトランプ大統領に22億ドルの献金をしている、とも言われており、安倍首相は度々のトランプ大統領との会談でIRについての要請を受けている、と見るのは客観情勢からいって不思議なことではない。

 米トランプ大統領はいま米上院での弾劾に遭っており、その証言にボルト前大統領補佐官が登場するかどうかが焦点となっているが、そのボルトン氏が出版した本のなかで、トランプ大統領は安倍首相のことを「与しやすい<軽い人」と語っている、という。トランプ大統領のポチとしてふるまっている安倍首相が少しも重んじられていないことが判明したわけで、今回の予算委員会でのやりとりから見て、日本国民もいい加減に安倍首相の底の浅さに気が付くべきだろう。国会での安倍首相への追及は今後とも激しく行われるだろうが、土俵際に立ちつつある安倍首相をさらに土俵の外に追い出してほしいものだ。

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菅官房長官の東日本大震災追悼式の終了宣言は片手落ち、復興特別所得税はどうしてくれるのか、言及がないのは問題ではないか

2020-01-22 | Weblog

 菅義偉官房長官は21日の記者会見で、政府主催の東日本大震災追悼式を発生から10年を迎える来年の2021年までとする方針を発表した。「10年というのがひとつの節目である」ともっともらしい理由をあげているが、その一方で東日本大震災からの復興のための施策を実施するために平成25年から所得税に課している「復興特別所得税」についてはなんら言及していないのは問題ではないか、と思う。所得税の申告時期に入り、毎年うっとしい思いをしている納税者にとっては腹立たしい思いがしなくもない。

 東日本大震災の追悼式は発生翌年の2012年3月11日に旧民主党政権下で初めて国立劇場で開催された。政府主催で自然災害の犠牲者を悼む式典が開催されたのは初めてのことで、1000年に一度の大災害でそれなりの弔い方だと思われてきたのも事実である。だから復興にあたっても所得の0.00315%の「復興特別所得税」を徴収されることも是とされてきた。

 しかし、この「復興特別所得税」はなんと平成49年(2037年)末まで、ということは今後18年間徴収されることとなっている。それだけ東日本大震災からの復興には時間がかるということなのだろう。個々人にかかる復興特別所得税はそれほど多くないかもしれないが、平成29年度の場合でみると、国内353万事業所に勤める5811万人から納められる所得税約216兆円から計算すると年間6804億円にも達する。このペースが今後18年間続くとするとなんと12兆2000億円にも達する。

 式典を止めるのなら、この鬱陶しい「復興特別所得税」も止めてほしい、と思うのがサラリーマンの心情である。もちろん、一旦、税を作ったら、なかなかやめにくいのが税務関係者の気持ちであることは十分に理解できる。ならば、菅官房長官は政府追悼式の廃止に言及するならば、同じ理屈で「復興特別所得税」についてもなんらかの言及があって然るべきだろう。政府主催の桜を見る会やIR汚職などでこのところ防戦に防戦を重ねている菅官房長官の頭の中はそれどころではないのかもしれないが、明らかに菅官房長官の大きな失態である。

 安倍首相が歴代総理大臣のなかで最長の期間を務めた総理大臣となり、それを支えたのが菅官房長官であるとの評が専らであるが、ここへきて長期政権の驕りの数々がいろいろ出始めている。唐突に飛び出した東日本大震災追悼式の終了宣言もそうした翳りのひとつで、菅長官はもちろん安倍政権の末路といえるだろう。

追記 20日に開会した通常国会の冒頭の安倍首相の施政方針演説の地方再生の件で、「島根県江津市で原田真宣さんがバクチー栽培を行うため東京から移住してきた」と個人名をあげて若者の企業を絶賛したが、その後この原田なる人はすでに江津市を引き払っていることが判明したと翌日のTBSのニュース23で報じていた。事実を確認せずに首相の演説稿を作成した官邸の事務方のお粗末だけでは片付けられないあきれた顛末である。定例の会見でこのことを聞かれた菅官房長官はあろうことに「個人情報ですので……」といまやお決まりの逃げの文句で答弁を避けた。国会で安倍首相がはっきりとフルネームで話しているのに個人情報云々とは菅官房長官の頭の中はどうなっているのか、疑わざるを得ない。このところ国会の論戦で「定義がない」とか、「個人情報ですので……」とか官邸がらみの質問に対してお決まりの逃げ口上が流行っているが、その発信源が菅官房長官であるのはもはや定説となっている。その張本人が聞いてあきれるこんな答弁をするのだから、これではますます国民の信頼を失うことにつながることを十分に認識してほしい。もう、いい加減にしてほしいと国民は思っていることだろう。

 

 

 

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2020年の巻頭を飾ったマーラーの交響曲第2番「復活」のN響演奏会に深く感じ入った

2020-01-12 | Weblog

 11日は東京・渋谷のNHKホールでのNHK交響楽団の第1930回定期演奏会に出かけた。数年前からホールの最上階の一番奥あたりのE席に陣取って、双眼鏡片手に聞き惚れるということにしており、この日も開演の30分前に入場し、一番後ろから2番目の席に就いた。ところが、いつになくしばらくして混み始め、開演の数分前にはほ満席となってしまった。すると、会場内に「本日は満席である」とのアナウンスが流れた。こんなことは初めてのことだった。定時の午後6時になると、会場内に合唱団のメンバーが登壇し、続いてN響の演奏者が順次入場した。

 この日の演目はグスタフ・マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」で、指揮者のクリストフ・エッシェンバッハが登壇し、演奏が始まった。この交響曲第2番は自らの精神世界を音楽で率直に表現し続けたマーラーが生涯にわたり対峙した生と死の問題に真正面から取り組んだ作品であるとされており、冒頭から耳目をそばだてさせる激しい楽曲が繰り広げられ、聞いている者を飽きさせない。テンポ早く弦楽器の響きが奏でられるか、と思うと次は金管楽器の音色が会場いっぱいに響き渡る。

 マーラーがとらえる生と死がこんなものなのか、と聞き惚れていると、第3楽章が終わったところで、ソプラノのマリソル・モンタルヴォとメゾソプラノの藤村実穂子が入場し、合唱団の前に作られた2人用の座席に着席した。そして第4楽章と第5楽章の「最後の審判」のところで、後ろの合唱団とともにこの交響曲のハイライトである復活を華麗に歌いあげた。第5楽章では舞台の右手に設営された当節舞台に新たに8人のトランペット演奏者が加わって他の金管楽器軍と神々しい生への讃歌を奏でたのが特に印象に残った。

 演奏時間の90分いっぱいを総勢200人で壮大に演じきったのはまさに壮観であった。マーラーの交響曲は演奏が難しいといわれているが、眼前でその演奏ぶりを見て拝見して全くその通りである、と思った。指揮者のクリストフ・エッシェンバッハ氏は1940年ドイツのプレスラウ生まれで、ことし80歳になる大指揮者である。2020年の巻頭を飾る名演奏会だった、と深く感じ入った次第である。

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コンビニなど商店もレジ袋有料化でプラスティックゴミの追放になるのか、よく考えてほしい

2020-01-08 | Weblog

 8日、東京・渋谷駅前のTSUTAYAでこの発売の中島みゆきの新曲「CONTRALTO」を購入しようとレジに赴いたところ、会計を終わったら「お客さん、レジ袋は有料になりますが……」と言われた。とっさに「要らない」と言って、「参考までにレジ袋はいくら?」と聞いたら、2円と答えてくれた。2円くらいなら購入する人がほとんどだろうが、このところレジ袋に関するニュースが相次ぎ、コンビニでもことし夏からレジ袋の有料化が始まる、という。これで地球温暖化に関わるプラスティックごみの追放になるのだろうか、という疑問は依然として消えない。

 コンビニのレジ袋の有料化は政府の方針なるものを受けてのことのようである。政府はこれで本当にレジ袋が減り、プラスティックごみが減少すると思っているのだろうか。スーパーマーケットではマイバッグの普及で、かなりの人が自前の買い物袋を持参し、レジでプラスティック製の袋を購入する人は減っているようである。しかし、コンビニなど中小商店の場合、お客が自前の買い物袋を持参して、レジで精算して袋に詰めて持ち帰るのではレジを通したかどうかの判定をお店側でするのはかなり難しいのではないだろうか。お店側で用意したレジ袋に入れて持ち帰るのなら、確かにお買い上げの商品だと判定するのは容易だが、レジを通らずに買い物袋に入れてしまったら、それをいちいち確かめるのはなにかとトラブルの素となりかねない。お買い上げ商品にシールを貼るのも作業的に難しいだろう。

 コンビニはじめ中小商店ではいままでのようにレジ袋に買い上げてもらった商品を入れて、外に出てもらうのが一番スムースな流れである。それを断ち切ってお客が持ってきた自前の買い物袋に詰め込まれたのではお客が立て込む夕方などは店側でひょっとしたら万引きか、などと目を光らせるのは至難の業である。書店などではレジを通ったかどうかを出口でデジタル的に確かめることをやっているようだが、中小商店でそのシステムを導入している店舗はまだ数少ないのではないだろうか。

 また、レジ袋の価格をTSUTAYAみたいに2円にすれば、多くのお客が購入することになるだろう。とするとプラスティック袋の流通量はそれほど減らないということになり、いままで無料だったレジ袋が有料になって店側にのコストが軽減されることになる。それでは一体、なんのための有料化ということになる。

 いずれにしろ、消費者にとってはレジ袋を利用しなくなれば、家庭から出るゴミをいままでのようにレジ袋を活用できなくなり、どこかで新たにゴミ用の袋を調達しなければならなくなる。まさか、プラスティックをやめて紙の袋に代用するというわけにはいかないから、いままでと同じようにプラスティックの袋をどこかで購入しまければならなくなる。ということはコンビニのレジ袋を購入しない代わりにどこかでプラスティック袋を購入する、ということになり、これでプラスティックゴミが追放できるか、ということになる。

 政府もコンビニにレジ袋を有料化させるのはいいだろうが、それで果たしてプラスティックゴミの追放になるのか、きちんとした先のビジョンを示したうえで進めてもらいたいものだ。

 

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