29日は東京・渋谷の渋谷HUMAXで映画「人生の特等席」を観賞した。クリント・イーストウッドが米メジャーリーグのスカウトマンを演じる映画で、老齢で視力が衰えながら、娘の協力で、メジャーリーガーの卵を発掘する姿を描いているが、スカウトマンとしての眼力を発揮する場面が高校生強打者1人では野球をよく知っている人にとってはちょっと物足りない感じがした。クリント・イーストウッドの野性味が出るのは暴力シーンなのだろうが、年老いた老人にそれを期待するのも無理があり、キャラクターを生かす作品も限られてくることだろう、とも思った。
「人生の特等席」は1人の有望な選手を追っかけているメジャーリーグのスカウトマンが医者から黄斑変性と緑内障だ、と告げられ、それを心肺して弁護士を務める1人娘が見舞いがてらやってくる。昔、スカウトマンをしている時に娘がいなくなって探したところ、男に襲われそうになっていて、男を殴り倒したことがあり、以来娘を親戚に預けっっぱなしにしてきた。それを知らない娘は父親から放って置かれたと思い込み、父親を恨んでいる。そんなわだかまりを抱えて、スカウト業務に勤しむ父親の元に通い詰める。
やがて父親が1人の高校生スラッガーを追いかけていることを知り、その力量を見極めるのを手伝い、その高校生は変化球を打てないことを突きとめ、スカウト会議にその旨を報告する。が、球団は父親の意見を受け入れずにドラフト1位に指名してしまう。失意のうちに娘は街中で、キャッチボールをしている黒人に巡り合い、素晴らしい球を投げることを発見し、父親に進言し、球団の練習に参加させる。その場で、黒人はドラフト1位指名の高校生スラッガーを相手に剛速球を投げ込み、見事に3振に打ち取ってしまい、スカウトマンの眼が正しかったことを証明する。
父と娘は和解して仲を取り戻し、娘は弁護士を辞めて、父親の後を継いでスカウトウーマンになるのか、定かでないが、スカウトマンたる者のあり方は示してくれた。実際にドラフトの結果が出るには2、3年かかるのだが、そこは映画でドラマチックに見せたのは面白い。ただ、打者として変化球が打てるかどうかは大成する大きな要素だろうが、スカウトマンとしてプロの卵を見極めるポイントは他にもいくつかあるのだから、もっとそのあたりを出してほしかった不満は残る。
タイトルの「人生の特等席」は父親がスカウトマンの仕事を田舎のどさ回りと自嘲して語ったのを娘が「いや、グランドに座って野球観戦するのは特等席だ」と言い返すところから取ったようだが、原題は「トラブル ウイズ カーブ」でカーブの打てない打者と何の変哲もないタイトルで、そんな素っ気ないタイトルでは観客も飛びつかなかったことだろう。それと、クリント・イーストウッドの老いぶりがやや目立ったが、映画としては楽しめるいい作品だった。
「人生の特等席」は1人の有望な選手を追っかけているメジャーリーグのスカウトマンが医者から黄斑変性と緑内障だ、と告げられ、それを心肺して弁護士を務める1人娘が見舞いがてらやってくる。昔、スカウトマンをしている時に娘がいなくなって探したところ、男に襲われそうになっていて、男を殴り倒したことがあり、以来娘を親戚に預けっっぱなしにしてきた。それを知らない娘は父親から放って置かれたと思い込み、父親を恨んでいる。そんなわだかまりを抱えて、スカウト業務に勤しむ父親の元に通い詰める。
やがて父親が1人の高校生スラッガーを追いかけていることを知り、その力量を見極めるのを手伝い、その高校生は変化球を打てないことを突きとめ、スカウト会議にその旨を報告する。が、球団は父親の意見を受け入れずにドラフト1位に指名してしまう。失意のうちに娘は街中で、キャッチボールをしている黒人に巡り合い、素晴らしい球を投げることを発見し、父親に進言し、球団の練習に参加させる。その場で、黒人はドラフト1位指名の高校生スラッガーを相手に剛速球を投げ込み、見事に3振に打ち取ってしまい、スカウトマンの眼が正しかったことを証明する。
父と娘は和解して仲を取り戻し、娘は弁護士を辞めて、父親の後を継いでスカウトウーマンになるのか、定かでないが、スカウトマンたる者のあり方は示してくれた。実際にドラフトの結果が出るには2、3年かかるのだが、そこは映画でドラマチックに見せたのは面白い。ただ、打者として変化球が打てるかどうかは大成する大きな要素だろうが、スカウトマンとしてプロの卵を見極めるポイントは他にもいくつかあるのだから、もっとそのあたりを出してほしかった不満は残る。
タイトルの「人生の特等席」は父親がスカウトマンの仕事を田舎のどさ回りと自嘲して語ったのを娘が「いや、グランドに座って野球観戦するのは特等席だ」と言い返すところから取ったようだが、原題は「トラブル ウイズ カーブ」でカーブの打てない打者と何の変哲もないタイトルで、そんな素っ気ないタイトルでは観客も飛びつかなかったことだろう。それと、クリント・イーストウッドの老いぶりがやや目立ったが、映画としては楽しめるいい作品だった。