コロナウイルス騒動は日ごとに切迫感を増して突き進んでいる。昨28日は東京都で小池知事の外出自粛の要請をあざ笑うような過去最高の63人の感染者を出したほか、千葉県で一挙に62人とこれまでの累積68人に迫る感染者が出現した。これらは2週間前から海外から大量に帰国者が出たことによるところが大きいようであるが、翌週の3連休に緊張感の緩んだ市民が東京・上野などに桜見などに大挙行楽地に繰り出したことから考えて、さらに猛威をふるうことが十分に考えられる。
こおな事態を生んだのは先月末に安倍首相が突如、全国の小中学校に休校要請を宣言して国民あげてコロナウイルス撲滅に立ち上がったのに3月19日になって、専門家会議の報告を受けて4月から部分的に小中学校の開校を認めるような曖昧なことを文科省が通達したことから、国民の緊張感が緩んでしまった。その間に4カ月後に迫っていた東京オリンピックの開催がどうなるのか、と世間の関心を集めており、そのことを聞かれると特に小池知事は「断じて開催する」と言い切っていて、その手前、コロナウイルス対策に強い措置を取れない事情があった。
で、IOC(国際オリンピック委員会)との間でオリンピックの延期が正式に決まった途端、にわかに小池知事は「ロックダウン(都市封鎖)」を口にし、この土日の外出を控えるように要請に乗り出した。オリンピックを断固開催するというのは裏返せばコロナウイルスの蔓延はしないと言っているに等しく、延期が決まるや否やオーバーシュート(感染者の爆発的増加)や、ロックダウンに言及し、不要不急の外出を控えよ、と言い始めてもその心のうちを見透かされて市民に響かない。安倍首相もコロナウイルス撲滅に声を張り上げても妻の安倍昭恵さんが芸能人を引き連れて花見宴会に興じていては説得力がまるでない。自分の家庭すら治められない人が天下国家を統べることなどできるわけがない、というのはだれしも思うことである。
コロナウイルスの感染者を判断する決め手であるPCR検査がいまだにスムーズに行われていない現状はどう考えてもおかしいことである。意図的に検査が進められないようにコントロールしているとしか思えないのである。いまだに医師が患者のPCR検査を求めてもしてもらえない現実があるようだ。一体、厚労省に医学の最先端を熟知しているお役人がいるのだろうか、と心配になってくる。それと東京都の感染者の半数近くが感染ルートの解明がつかない、不明である、とされているが、感染者に行動ルートなり、面会者を問い合わせ、接触者を解明する作業がなぜできないのか、わからない。刑事ドラマでサイバー面で事件を追っていく科学捜査をよく目にするが、医学の面でどうしてそういったことができないのか、不思議でならない。
それにしても、この先、今回のコロナウイルス騒動はどういった結末を迎えるのであろうか。安倍首相、小池知事への信頼が薄れている現状ではこの2人が前面に出て指示するようでは行きつく先は混迷の一途を辿ることは火を見るより明らかだろう。世界も米トランプ大統領が相変わらずのツイッター政治で相手をまごつかせる政治を展開している限りは出口は」見えないことだろう。この3人が政治の表舞台から消え去ることからまず始めなければならないだろう。ということはここしばらくはコロナウイルスの猛威にさらされることとなる。
そして静かにことが落ち着くのを待つしかないのかもしれない。庶民は黙って火の消えたような生活を続けるしか手はなさそうである。そのなかでいま宅急便が大忙しのようである。自宅に引きこもってネットで食料品や生活用品を購入する人が増えている、という。買い物に出かけることも憚られるというから、ネットを活用して、必要なものを手に入れるしかない、というようだ。おかげで宅急便業者は大忙しである、というわけだ。それと自宅でテレワークが増えるに従い、ソフトウエア業者にテレワーク用ソフトに対する問い合わせが殺到している、という。スタグフレーション(経済活動の停滞と物価の持続する上昇が併存ずる状態)が懸念するなか、着実にネット世界が加速しつつある、ということだ。コロナウイルスは一方ではネット時代加速の変革を引き起こしているのかもしれない。
追記(3月31日) コロナウイルス対策として、日本医師会から緊急事態宣言を発動すべきだ、との声が出始めている。ネット上では「政府は4月1日にも緊急事態宣言を発動するのではないか」との噂が流れており、30日の菅官房長官の記者会見でも記者からそのことを聞かれた菅官房長官は「そうしたことは断じてない」とキッパリと否定したが、テレビの画面ではその後、左手の一指し指で左側の鼻のところを擦る仕草をした。無意識にそうした行動に出たのだが、どうも政府・官邸内部では緊急事態宣言を行うことについてなんらかの取り決めが進んでいて、それを悟らせないためにきつく否定したようだった。人間、心のうちで良からぬことをしたり、恥ずかしいことを思ったりすると思わぬ行為を行うようで、ちょっととした仕草に心の動揺が表れるものである。心理学者によると、話していて鼻を擦る仕草をするのは目の前にいる相手に自分を傷つけられないように防御しようとしてつい鼻を擦るのであって、嘘をついている時も同様である、という。大概は気の弱い人がよくするくせだ、ともいう。
で、先週の国会の予算委員会で安倍首相が野党から厳しい追及を受け、明らかに嘘と思える答弁をした後に菅官房長官が行ったのと同じような鼻の脇を小指で擦る仕草を見せた。心にもないことや明らかな虚偽の言辞をしたことを意識したことが鼻を擦る行為に及んだのだろう、と推察された。安倍首相と菅官房長官が期せずして同じような行為に走る、ということは2人とも似たもの同士、もしくは仲間であることを見せつけてくれた。安倍首相のお仲間である菅官房長官も”更迭”のお仲間入りをしてもらいたいものだ。緊急事態宣言については噂通り明日の4月1日、もしくは今週中にも打ち出され、噂の事実のほどは明らかになることだろう。