鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

菅首相よ、会見中に手元のメモを見たり、公安顔で見回すのはやめてもらいたい。一国のトップらしくない

2020-11-29 | Weblog

 28日の全国のコロナウイルス感染者は2685人と過去最高を記録した。うち東京都は土曜日にも拘わらず561人と前日の過去最高の570人に並ぶ感染者数で、もはや感染爆発寸前といっていい状態になっている。米ワシントン大の予想では日本の感染者数はすぐに15倍に増加する、との見通しも出ている。29日の東京都の新規感染者数は日曜日としては過去最高の418人にのぼった。なのに菅首相は相変わらず感染防止対策に本格的に取り組もうとせず、記者からの質問に答えようともせずに「ゴーツートラベルで感染が広がっているエビデンスはない」と言い切っている。こんな見解を事実と受け止める人がいるはずがないのに、菅首相は一体どこを向いて政務に取り組んでいるのか、わからない。

 テレビに映る菅首相の表情は首相官邸のぶら下がり会見ですら、手元にあるメモに視線を移していかにも秘書が予め用意した原稿を読んでいるのがはっきりとわかる。ぶら下がり会見なので、記者から当面する話題について聞かれているのにそうした姿勢は崩さない。自らの頭の中で答えを考えながら話しているのではなく、手元の紙、もしくはiPadにある回答メモをなぞっているのである。それと、経済諮問会議など主要閣僚を交えた広い会議室での会議で首相見解を述べる際に時々、目線をテレビカメラ、もしくはあらぬ方向に向いたような眼つきで見回すことが見受けられる。しかもその目線はだれか不審者がいるのではないか、と探るか、自ら後ろ暗いことがあるのを隠すような異様な眼つきでもある。ネットで菅首相のこうした眼つきを公安顔とか、特高顔と表現していたが、およそ一国のトップがするような眼つきではない。

 菅首相は安倍首相のもとで永く官房長官を務めてきたので、こうした目付きが身についてしまったのであろうが、首相の座にある人がこんな眼つきをするのは決して許されることではない。菅首相は横浜市議会議員の時にはこんな眼つきをして、横浜市役所の役人を牛耳ってきて、いまでも神奈川県下では影響力を発揮しているようだが、首相になったいまもそのやり方を続けているのでは付いてくる人も離れていってそいまうことだろう。トップに立つ人が人を見下すような眼つきをしているのは見たことがない。もっと鷹揚に構えて、閣僚が行うことや官僚の業務を温かい目で見ていってほしいものだ。

 菅首相は就任以来、記者会見を一切開いていない。日本学術会議の会員任命拒否問題で記者会見らしいものを開いたが、あれは一部のマスコミだけで新聞テレビ全社の記者を呼んだものではなかった。記者からコロナウイルス感染防止やら、日本学術会議の会員任命拒否、それに再燃した桜を見る会などについて際どい質問をされるのを避けているのが本音のようだが、記者会見に公安顔で臨んだりしたら、一挙に支持率が落ちるのは目に見えている。

 加えて菅首相がゴーツートラベル推進の構えを降ろさないのは自らもそうだが僚友の二階俊博幹事長がトラベル業界にしっかりと根を下ろしていることがあるのだろう。二階幹事長がいち早く菅首相を推してくれたことが今日の首相の座を築いてくれた、と恩義を感じているから、ゴーツートラベルをやめるわけにはいかない、と固く思っているのだろう。こんなことを続けていたら、日本は破滅への道をたどるのは目に見えているのに一体どこまで突き進むのだろうか。

 

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いまのコロナウイルス感染ぶりは実態を反映していない。最大の原因は旧態依然たるPCR検査体制にある

2020-11-20 | Weblog

 19日の全国のコロナウイルス感染者数は2387人と前日を上回る過去最高を記録した。東京(534人)、大阪(338人)、北海道(267人)、愛知(219人)、兵庫(132人)、千葉(106人)、和歌山(15人)、山口(18人)と8都道府県が過去最多を更新するという拡大ぶりで、明らかに感染爆発段階に入ったことを示している。前日に引き続き過去最多となった東京都の小池知事は「PCR検査を8600人に増やしたのが最大の理由だ」と涼しい顔で語っていたが、いまさらそんなことを言われても「そうですか」とは言えない。いままでPCR検査数について公式には明らかにしてこなかったのに感染の爆発的増大となったいまになって「実はPCR検査を増やした」と言われても納得できないのである。

 東京都のPCR検査数が1日に8600件だとすると、全国のPCR検査数は人口比では7万3000件ということになり、安倍前首相が「1日のPCR検査能力を20万件にする」といっていたのにははるかに及ばないことになる。その表明があったのは確か今年3月頃であると思うが、それから半年以上経っても公約が果たされていないこととなる。夏のコロナウイルス第2波、そしていまの第3波を迎えているのに依然として、我が国のPCR検査能力は公約の1日20万件に達していないことになる。厚生労働省はじめ国を挙げてコロナウイルス防止策に取り組んでいるはずなのにこんな基本的なことが成し遂げられていないこととなる。

 我が国のコロナウイルス感染状況は欧米はじめ諸外国に比して1ケタ、もしくは2ケタも下回っており、世界に誇れる状況となっているが、その実態はPCR検査が極端に抑えられているということであることが以前から指摘されている。例えば、中国では今回のコロナウイルスの発生源である武漢で再びコロナウイルスの感染者が出た時には武漢地域に1日100万件のPCR検査を実施し、感染を食い止めた、とされている。これに比べ我が国のPCR検査数は相変わらず低水準を保っている。

 仮に東京都のいまのPCR検査数に対する感染者の比率の5%を全国に引き伸ばしてみると、7万3000件のうち3150人が感染者ということになり、実際の感染者2387人は1000人近く少ないこととなってしまっている。つまり、PCR検査数を絞っているから、コロナウイルス感染者数は過少になっている、ということになる。ということはいままでの我が国のコロナウイルス感染者数は実際より少なく表示されていることを示しているのではないだろうか。とすると、実際の感染者数はずっと前からずっと多く、このままいけば感染者数は幾何級数的に増大してもおかしくないこととなる。

 だからPCR検査を1日に20万件に増やせば1日のコロナウイルス感染者は一挙に1万人に増える、ということになる。ということは潜在的な感染者が日本にはいて、たまたまPCR検査の対象となっていないため表面に出てきていないだけのことではないだろうか。いまでも無症状の感染者がいる、ということで、医者なり、周りから「PCR検査を受けなさい」と言われない限り、感染者として発見もされないし、カウントもされないということになる。

 国も都もこうした観点からPCR検査の推進を図ろうとしないし、医学関係者からもPCR検査を推進して感染者の発見、感染拡大防止につなげよう、との声も聞かない。かつてPCR検査の拡大強化を図ろうとした際に全国都道府県、市傘下の保健所の機能に目詰まりがあるため、掛け声ほどには進まなかった。その目詰まりの解明、取り除きがいかに取り払われたかについてはその後の報道がないので、定かではないが、相変わらずPCR検査が進んでいないところを見ると旧態依然の状態は変わっていないのだろう。現に毎日のPCR検査数はどのくらい行われているのかをまずは明らかにすべきだろう。そして今後PCR検査体制をどう構築して、現実の感染者数を掴むことが急務である。

 要はいまのコロナウイルスの感染状態は実態を反映していないし、その最大の理由は旧態依然状態のPCR検査体制にある、ということである。なのに国、都の対応が鈍いのは来年の東京オリンピック、」パラリンピックをなんとかして開催したい、と考えているうえに今日20日からスタートする東京都のゴーツーイートなど経済喚起策を成功させたい、と思っているからとしか思えない。ここに至ってそんなことを考えているとしたら、そんな政治家はとっとと消え去ってもらいたいものだ。

 

 

 

 


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コロナ禍のもと、マスク姿(顔)を通じての人との交流は全く新しいものである、と認識してかかるしかない

2020-11-13 | Weblog

 12日のコロナウイルス国内感染者数は1662人と過去最高に達し、いよいよコロナウイルス感染第3波がやってきた。東京都は393人とピークには達していないものの、北海道(236人)、神奈川(147人)、兵庫(81人)、茨城(26人)、岩手(10人)の5道県が過去最多となり、感染拡大が全国的に広がっていることを物語っている。完全に7月から始まったゴーツートラベル、それにゴーツーイートなどのキャンペーンのもたらしたことであるのは明白であるが、それでも政府は「現状では緊急事態宣言を出すような状況ではない」(西村泰稔コロナ対策大臣)としている。これから爆発的な感染拡大が始まるというのに誠にお粗末な対応である。

 となると、いまのマスク着用と手洗いの励行、それに3蜜(密閉、密集、密接)回避の生活は当分続けざるを得ないだろう。マスクの着用は不可避であるのは間違いないが、すでに半年以上こうした生活を続けてきていて、思うのはマスク姿の横行を長く続けていると、マスク姿(顔)と接していると人との交流でなにか大事なものを失くしているのではないか、という懸念である。というのはマスク姿(顔)からはその人の考えていること、つまり心が全く読めない、ということである。ということはマスク姿からは相手の感情や、思いが読み取れず、会話も弾まないし、深い対話になっていかないのである。

 たとえば、鈍想愚感子は毎週、東京地方裁判所へ裁判の傍聴に行っているが、裁判のやり取りを傍聴していて、裁判長の采配ぶりを見ていて、裁判長の特徴を掴んで、この裁判長が取り仕切る裁判を傍聴しよう、などと思うのだが、マスク越しの表情からはとても裁判長のキャラクターが記憶として残っていかないのである。裁判長の名前だけではそうした記憶に結び付いていかないのである。かつて、東京高裁の刑事裁判で、交通事故を起こした某社の役員を務める被告が検事の質問に言いよどんでいた際に裁判長が「あなた、そんなことでよく会社の役員が勤まりますね」と窘めたことがあり、一遍でその裁判長のファンになったことがあった。マスク越しのやり取りではそんなことはとても起きないことだろう。

 それと人間はだれしも過去に会ってきた人のデータベースを持っており、その人なりのいい人のタイプ、悪い人のタイプを形づくっているものである。そのタイプに当て嵌めて初めて会った人がどういう人であるかを判断している。それが、マスク越しのイメージでは判断がつかなくなってしまう。それがマスク越しのやり取りでは深まるものも深まらないし、新たなものを生むことすらなくなってしまう。マスクを通した交流を長く続ければそうした懸念はなくなるのかもしれないが、いままで培ってきたものを違う形で新たなデータベースを構築しなければならないこととなり、そうなるには長い年月を要することとなる。

 コロナウイルスで我が国の自殺者数が増えている、特に女性が多いと言われているが、マスク越しの交流がひとつの原因と思えなくもない。 街に出てみると、行き交う女性にチラリとみると、美人が多いな、と感じることがある。世に”マスク美人”と評する向きもあるようであるが、隠れている部分が多くて、見る人に想像力を働かせることがこうした現象を起こしているようである。要するにマスク姿(顔)の横行は人々に新しい生活を促そうとしているのかもしれない。ただ、こんな生活がいつまで続くのかはだれもわからないし、いまはマスク姿とマスクを外した生活が入れ替わり登場しているので、ここしばらくは頭を切り替えて臨むしかないのかもしれない。

 13日の東京の新規感染者数は374人、大阪(264人)、茨城(26人)、長野(23人)、岩手(13人)の4府県が過去最高となり全国でも1704人と前日に引き続き過去最高で、このままコロナウイルスの感染爆発に突入していくのは避けられない見通しである。ここはPCR検査を徹底して行い、あとはクラスターを見つけたら集中的に感染防止に全力を挙げて取り組んでいくしかないと思われる。小池東京都知事はこの段階に至っても相変わらず「他県で感染した感染者が東京都民であることから加算されている」とまるで被害者のようなコメントしかせず、まるで反省の色がない。10月に設立したはずの東京版CDCセンターは一体どう機能しているのか、これまで一切言及がないのは不思議なことである。

 

 

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毎日秘書官とチマチマ食事する菅首相からは国の将来像を示すヴィジョンは出てこないのも道理だろう

2020-11-06 | Weblog

 先月26日に開会した臨時国会で注目の衆参の予算委員会は6日に終了したが、ハイライトは予想通り日本学術会議の会員任命問題であった。特に野党の委員の質問の大半はこの問題に集中し、菅首相は壊れたテープレコーダーのように「日本学術会議から提出された会員名簿の通りに任命しなければならないことはない。これは内閣法制局長の了解のもとに行ったことだ」と再三にわたって答弁を繰り返した。菅首相は最初で構成は「日本学術会議から提出された106人の会員名簿は見ていない」と言っていたが、かねて抱いていた日本学術会議への会員構成などについての疑問は杉田和愽官房副長官などへ伝えていたことを明らかにし、106人から99人へ6人の会員を任命拒否したのは実は杉田官房副長官であることなどが明らかとなった。

 菅首相は当初、6人の任命拒否について「国家公務員の人事についてはその理由は一切申し上げられない」としていたが、そのうちに「総合的、俯瞰的に判断した」とまるでわからない説明をし、その後は「日本学術会議の会員は出身大学、男女比、出身地域などに偏りがある」と説明を変えてきた。しかし、今回任命拒否した6人のほとんどがそれらを是正する属性の持ち主であることから、その説明は当たらないことが判明し、まさに支離滅裂な理論展開に唖然とせざるを得なかった。菅首相は質問がある度秘書官が持ってくる紙を受け取り、ほぼその通りに棒読みする態で、これが日本の首相かとあきれることもしばしばだった。野党議員とのやり取りを見守る麻生財務相はじめ大臣はもういい加減にしてほしい、といった風情で、なかには勝手に隣同士で雑談する大臣も出てくる始末だった。

 まさにこの臨時国会は「日本学術会議国会」とでもいえるような任命拒否問題に明け暮れている。見かねた野党議員のなかには「もう一度、同じ名簿を日本学術会議が提出して、それを承認するのが一番いいのではないか」と窮余の一策を上申する人まであった。しかし、菅首相はメンツを考えてか、「そんなことはしない」と切り捨てた。しかし、この問題はそうでもしなければ、収まりがつきそうもない。いずれにしろ、この問題は容易なことでは収まりそうまないし、どこかのホワイトナイトが出てきて解決してくれるようなことでもない。このままいけば、間違いなく菅首相の命取りとなることだろう。

 昨日発売された週刊新潮11月12日号の巻頭の片山杜秀氏のコラム「夏裘冬扇」によると、日本はいまの参議院ができる前までずっと貴族院なるものがあって、華族や学者から成る議員が存在していた、という。日本学術会議は戦争に明け暮れていた戦前を反省のうえに設立されたことだけがいわれているが、日本のアカデミズムがかつては日本の議会の枢要たる地位を占めていたことが忘れられてはいけない、とも諭している。日本学術会議のそうした位置を菅首相は気付いていないようである。叩き上げの菅首相は首相に地位に上り詰めて、そうした思いに波する余裕はないのだろうし、周りに諫めるような人も持ち合わせていないのだろう。人に伍していくうえでこれといった武器ももたず、ひたすら自らの力だけでのし上ってきた菅首相には虚心に話し合える人もいないのかもしれない。

 そう考えて、毎日の菅首相の「首相動静」を見てみると夜は決まって秘書官と夕食を摂っている。5日も「東京・紀尾井町のホテルニューオータニの日本料理店『カトーズダイニング&バー』で秘書官と食事」と掲載されている。首相就任前後は各界の著名人と会食したようだが、最近はほとんど秘書官と会食を重ねている。菅首相はもともと酒を飲まないようで、外部のVIPと親しく酒を飲みかわすようなことはこれまでやってこなかったのかもしれない。先月末の菅首相の冒頭の就任演説で国の将来像を示すヴィジョンめいたものが感じられなかったという声があるのもこぷした狭い交際が背後にあるのかもしれない。

 それに国のトップが毎日、秘書官と食事をしているなんてあまり聞いたことがない。会社で社内の打ち合わせ経費で落とすようなことは余り褒められたことではない。菅首相が部下の秘書官との食事代を税金で賄っているなんてことはよもやない、と思いたいが‥‥?

追記 先月末の国会の代表質問で、維新の会の議員の「当面の課題」についての質問にの答えて、菅首相は「コロナ対策に全力を傾ける」と回答した後に「国民の期待もそこそこある」と苦笑しながら語った。で、2週間経った10日になって「『そこそこ』あると言ったのは『そこ』の誤りでした。維新の会の了解も得たので、議事録も訂正します」と発表した。菅首相は大きな字で書いた原稿を読んでいるが、それでも間違えるのは頭が悪いのか、目がわるいのか、それとも両方とも悪いのか、のでれか訝れる。裁判の判決では事前に用意した文書を裁判長が読んだ際に例えば「懲役5年の実刑」を「懲役7年の実刑」と読み間違えたら、口頭で言った7年が実行される、という。菅首相よ、言い間違いは許されないのでよ、ときつく言いたい。

 

 

 

 

 

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