鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

菅官房長官が新たな総理の座に就くのが果たして国民にとって幸せなことなのだろうか、よく考えてほしい

2020-08-30 | Weblog

 安部首相の辞任に伴い、次期首相に一体だれが就くのかが大きな焦点となってきた。いまのところ、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長、河野太郎防衛相が総裁選への立候補を表明しており、これに野田聖子元総務相ら数人の声が上がっており、あと数人の立候補者が出るものと見られている。これに自らは名乗りを挙げないものの、ほかから推されれば立候補することもありうるという菅官房長官が加わるものとされている。となるとどうやら菅氏と石破氏の一騎打ちの様相が濃くなってきたようである。

 安部首相はかつては後継者として岸田氏を指名し、事あるごとに周囲にそうした印象を与えてきたが、この春以来のコロナウイルス対策を進めてきた段階で、岸田氏を自らの後継者とすることに疑問を感じるようなことが再三生じたことから、最近は菅氏を指名しつつあるような動きを見せるようになってきた、とされている。さらに今回、安倍首相が後任の首相を指名する両院議員総会の仕切りを二階幹事長に一任したのは菅氏と石破氏の争いになるとみて、間違っても石破氏に総裁の座を讓るようなことにならないようにするためだ、ともされている。

 というのは通常、総裁選は3年の任期満了時に実施し、その場合には国会議員票と同数の自民党党員・党友による地方票の合計数で選ばれることとなっている。しかし、今回のような任期途中に辞任するなどの緊急時は党員票を省いた両院議員総会で新総裁を選出できることになっている。いまのところ、自民党の両院議員数は394人に対し、地方票は各都道府県に3票、つまり計141票しかなく、議員票に比べ3分の1弱の重みしかないことになりそうな見通しだ、という。つまり、地方で人気のある石破氏にとっては極めて不利な戦いとなっている。

 となると、菅氏が新たな総裁に就く可能性が極めて高い、ということになる。しかし、菅氏が過去7年8ケ月安倍首相のもとで無事に官房長官を務め上げてこられたのは菅氏個人の能力があったものの安倍首相を支える首相官邸を発信力のもとに霞ケ関の官僚団の強力な布陣があったからこそで、安倍首相が退くことを決めたいまその布陣が菅新総理のもとで同じような機能を発揮するとはとても考えられない。第一に菅総理のもと、だれを官房長官に据えるかが問題である。だれを据えようが、かつての菅氏と同じようなパフォーマンスを発揮するようなことはまず考えられない。菅氏は自らがやっていたことを想起し、その物差しで新たな官房長官を見るに違いない。となれば、いつも物足りなく思い、厳しく叱責することになり、いずれギクシャクし出すに違いない。

 よくプロ野球の名選手は監督になると平凡な資質を露呈する、といわれる。名官房長官も同じでまず総理大臣としては2流、3流の成果しか期待できない、ということである。最近では安倍晋三、福田康夫両氏が官房長官から首相となったが、両氏とも首相として成果を上げたとは必ずしもいえないだろう。確かに安部首相は歴代首相として連続、通算とも最長の記録を打ち立てたが、果たしてそれに伴う歴史に残る実績を上げたのか、となると必ずしもそうではないだろう。仮に菅氏が新たな総裁の座に就いても1年で化けの皮がはがれるのではないか、と思う。そんな人を総理大臣に迎えることが国民にとって幸せなことか、疑問に思うところである。 

 

 

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相変わらずのぬるま湯のなかでの安倍首相の辞任を告げる記者会見で、肝心のことを聞く聞く記者はいなかった

2020-08-29 | Weblog

 29日午後5時から安倍首相は記者会見を開き、改めて今後のコロナウイルス対策を発表するとともに自らの進退について、「持病の潰瘍性大腸炎が悪化し、これ以上首相としての業務の遂行が困難になり、国民の負託に耐えられない、として辞任する」と言明した。後任の首相については二階自民党幹事長のもとで速やかに然るべき方法で選任し、決まり次第バトンタッチすることとなった。辞任はこの24日に慶応病院で診察を受けた時点で一人で決断した、としているが、コロナウイルス対策で数々の失敗で国民の内閣支持率が過去最低の30%台前半に落ち込んでいることゃ、河井夫妻の公職選挙法違反裁判が有罪となり、どう語ろうが総理といしての責任は免れないことから、辞任するしかない、と決断したのだろう、と推察される。

 記者会見では冒頭、当面するコロナウイルス対策についてPCR検査を1日20万件まで増やすことや、来年前半までに全国民にワクチン提供の確保をめざすこと、それに感染拡大地域では医療機関や高齢者施設の職員。入所者らを定期的に検査して集団感染防止を図ることなどが発表された。次いで総理自身の病状の説明があり、退任する旨の表明がなされた。その後の質疑で今回の記者会見で従来のようなプロンプターが使われなかったことについて質問が及んだ。これに対し、安倍首相は「今回は時間がなくてプロンプターの準備ができなくてぶっつけ本番となった」と説明した。

 また、質疑で今後の身の振り方についての質問に対し、安倍首相は「一議員として支えていく」と言明したものの、途中で”影響力”といった表現を用い、いかにも新首相の選出、さらには新首相の采配のあり方に対し、なんらかの影響力を行使したい、といったニュアンスをにじませる場面があった。安部首相は辞任はしても後任の首相が決まるまでは首相の業務を執り行っていくことを明言しており、首相の選任にあたっては二階幹事長と綿密な打ち合わせをしたようで、自らの意向を二階幹事長に伝えたようなふしがうかがえる。首相を離れた後についてもそれなりの影響力を行使したい、とのニュアンスが感じられた。

 首相に限らず自民党役員の任期はこの9月末で切れることとなっており、新首相が就任早々に新しい布陣を決めなければならないことになっている。安部首相はそこでも自らの意向を反映させたものにしたい、とでも思っているのだろう、と推察される。

 そのほか、会見は珍しく1時間余行われ、記者からの質問はいろいろ出たが、肝心のいま裁判中の河井議員夫妻の公職選挙法違反裁判について安倍首相の見解について質問する記者はいなくて、相変わらずのぬるま湯のなかでの記者会見であった。

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どうみても明白に座礁している状態の安部首相は退陣し、然るべき人に座を譲るべきである。

2020-08-26 | Weblog

 安部首相がこの24日で、日本の総理大臣として連続在職日数が佐藤栄作氏を抜いて過去最高の2799日となった。それはそれで素晴らしい記録ではあるが、いま安倍首相が置かれた状況はそんなことを祝っていられるほど落ち着いた状況ではなく、持病の潰瘍性大腸炎に冒され、週に1回病院に入院しなければならない状態に直面し、コロナ下の日本の舵取りができる状態にはない。それでなくともアベノマスクはじめ数々の失政で国民の内閣支持率は過去最低に落ち込んでおり、唯一の頼みだったアベノミクスも機能不全に陥っており、船舶でいえば座礁しかかっている、といっても過言ではない。

 安部首相はすでに昨年中に第1次安倍内閣を含め首相在位日数では歴代総理のなかでは最長となっており、今回は第2次安倍内閣として連続在位日数も新記録を打ちたてた。その理由としては官邸で諸官庁の人事からもろもろの事業を一手に把握する内閣人事局をつくり、日本を率いる力を蓄えてきたことと菅官房長官や麻生副総理、それに今井尚哉首相補佐官ら少数の腹心で重要事項を決定する体制を作り、いわば安倍1強体制を築いてきたこと、それに加えて立憲民主党はじめ野党各党がバラバラで、安倍1強に対抗できる勢力をまとめきれなかったことが大きく預かってきた。

 ところが、この1月の新型コロナウイルスの襲来が大きくその流れを変えてしまった。厚生労働省が先頭に立ってコロナウイルス対策に取り組んでいる最中、安倍首相は突如、小中高校の一斉休業を宣言してしまった。そして4月にはこれも突然、国民すべてにマスクを配布する、と宣言し、自らもその小さなマスクをつけ出した。さらに一旦政府で決めた休業補償の1店30万円の支給を一部自民党員や公明党の反対で国民1人10万円の支給に改め、朝礼暮改と非難を集めるに至った。

 医療専門家の意見を聞いたうえでコロナウイルス感染拡大防止対策を決定するとは言いながら、官僚の思い付きの施策を実行したり、星野源のサイトに自宅を寛ぐ姿を投稿したりと、およそ一国の首相らしからぬ振る舞いが出るに及んで、人心は一気に離れていった。安部首相は一国のリーダーとしていま何をなすべきか、果たして本当に考えているのだろうか、との疑念が沸き起こったのも当然である。国民がいまどんな状況に置かれ、どんな気持ちに陥っているか、を考えればやるべきことは見えてくるはずである。それがすべて見当違いの施策が次から次へと出てくるのは周りにアドバイスする人がいないか、いても能なしの人ばかりなのではないか、と思われても仕方がない。

 そしてみんなが安倍首相は首相としてふさわしい人ではないのではないか、と思ったとしても不思議ではない。そんな結果が安部首相の内閣支持率の低下、不支持率の上昇となって表れている、のである。そんな総理大臣が過去最高の連続在位日数の記録を打ちたてたというのはなにかの間違いではないだろうか、と思わざるを得ない。国民に支持されていない首相はそんな記録を打ちたてたというのは歴史の皮肉としかいいようがない。

 昨25日には東京地裁で河井克行、安里議員が昨年7月の参院選での広島選挙区での買収事件での初公判が開かれた。安部首相はこの選挙で安里候補の選挙カーの檀上にのぼり、投票を呼び掛けた。しかも自民党から河井夫妻に1億5000万円もの巨額な選挙資金が振り込まれた。安部首相は自民党総裁としての責任も問われて然るべきである。この裁判が決着する段階まで安倍首相が居座ろうと思っているのなら、それはお角違いである。有罪となれば、河井夫妻の議員辞職はもちろん、自民党への追及の手が及ぶのは火を見るより明らかである。

 安部首相は28日にも当面するコロナウイルス対策を表明するためにも記者会見をする予定のようで、その際いまの健康状態についても言及することにしている、と伝えられている。しかし、どう見てもいまの安倍首相は病に侵され、とても一国のリーダーとして手腕を発揮できる状態にはない。ここは潔く自ら退陣を表明し、然るべき人に座を譲るべきである。

追記(28日)28日の記者会見を前に安倍首相は辞任の意向を固め、二階自民党幹事長や山口公明党代表にその意を伝えた。自身の体調が芳しくないのが最大の理由であろうが、25日に初公判を迎えた河井克行、安里夫妻の公職選挙法違反裁判が始まったこと、それに翌26日には秋元司衆院議員に対するIR汚職裁判が始まり、自民党総裁としての職を全うできない、と判断したのだろう。これで、次期総裁(総理)は9月にも開催される自民党総裁選に委ねられることとなった。総裁選は二階幹事長に任せられたようであるが、辞め方からして石破茂衆院議員に大きく傾くことになるのは避けられないことだろう。

 

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