つい2,3日前のことである。いつも朝に掃除している北側ベランダの中央の明らかな動物の置いていった糞が発見されたのである。我が家であるマンション最上階にはほぼ住居面積と同じくらいの広いベランダが付いていて、築26年目の昨年、初めて防水塗装工事が施され、それまでのコンクリート剥き出しの床からきれいなブルー一色となった。置いてあった金属製の応接セットも足の部分に床の塗装を傷めないようにゴムの装着をしたし、毎日掃除をするようになった。で、問題の動物の糞が置かれたのは初めてのことで、一体どこの犬、もしくは猫の仕業なのか、としばし思案にくれた。
というのは当マンションは入居した1995年以来、ずっと「人に危害を加える犬猫の飼育禁止」となっており、新規には犬猫は飼えないこととなっている。従って、仮に今回の動物の糞が犬猫のものであれば、その飼い主は規則違反ということになる。我が家は9階になるため、外部の犬猫が昇ってくることは考えられないので、ベランダを伝って侵入してくるのは同じマンションの飼い主のもの、ということになる。ここは飼い主を突き止めて、即刻に対応を決めてもらわなくてはならないことになる。
そう思って、管理人に申し出たところ、なんと「犬猫ではなくて、ハクビシンでないか」ということだった。ハクビシンは電線をも伝って移動することから、マンションを上から下へ移動するのは難なくできるとのことで、実際にハクビシンを目撃した住人がいる、とのことだった。ハクビシンならそれなりの対策を求めなければならないし、専門家の力を得なければ駆除できない可能性が強い。このあたりにハクビシンが生息しているのなら、それこそ街を挙げて駆除に取り組まない、と効果は出ないことになる。
そう思っていたら、昨晩になって再び、ベランダにハクビシンらしき動物が出てきて、窓ガラスを開けて対面したところ、とっさにベランダの手摺をよじ登り、手摺りを走って隣の方へ逃げ去って行ってしまった。直接対面して相手と向き合った際の印象からして、どう見てもハクビシンでなく、やはり猫のような印象が強かった。となると、同じ階の住人が飼っている可能性が強い、と思われる。
で、今朝になって再度、マンションの管理人に申し出て、問題の生物はハクビシンでなく猫のようだった、と強調しておいた。いずれにしろ、マンションの理事会でハクビシン、猫のいずれかを退治することで、対策を講じることとあいなった。で、今夕になって、再びベランダを見たところ、再度、糞が残されていた。すっかり、ハクビシンなり、猫のトイレと化してしまったようで、そんな毎日、糞のお見舞いが来るようなことはなんとしても御免蒙りたい思いで一杯である。我が家のベランダからは毎年、二子玉川の川崎市花火大会が見られる絶好の場所であり、百万ドルの夜景が毎晩楽しめるのであり、そんな楽しみをも台無しにしてしまうハクビシン、猫の騒動は一刻も早く解消してほしいものだ。
追記(9月12日)その後、ハクビシン、あるいは猫のベランダへの侵入を食い止めるため、隣との境のベランダの手摺りの上に木片を積み上げて、針金で縛って通れないようにし、さらに隣戸との境の溝脇の隙間にも木をあてがい、小動物が我が家のベランダに侵入できないよう施した。そのおかげで先週2日続けてベランダに糞が放置された事件の再発はいまのところ、起きていない。ところが、一昨日外出から帰宅し、エントランスに入ったところ、なんと先日の小動物が目の前を闊歩しているのを目撃した。向こうもこちらに気がついて、即座に逃げ去ったが、間違いなく先日のハクビシンか、猫であった。素早い身のこなしからみて、どうやらハクビシンのようであった。でも一体、我がマンションのどこを通って1階から9階まで登って来るのか見当もつかない。これは退治には相当に時間がかかるとおもわなければならない、と思った。