鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ゴッホ展といいながらゴッホの代表作はないし、ゴッホ以外の画家の作品も多くてがっかりした。”羊頭狗肉”の商法ではないか

2019-11-05 | Weblog

 5日は東京・上野で会合があり、予定より早めに終わったため、以前から行こうか行くまいか迷っていた上野の森美術館で開催している「ゴッホ展」(来年1月13日まで開催)を覗いてみた。平日なのにチケット売り場前には50人程度並んでおり、上々の人気ぶりだった。小さな会場でも入場料は他展並みの大人1800円となっているのが気になったが、折角なので、入場することにして入ってみた。会場内は若い女性を中心にぎっしりといった感じで、列を作っていて、とてもゆっくりと観賞していく状況ではなかった。入ってすぐのところにはゴッホの作品ではなくヤン・ヘンドリック・ウェイセンブルフ、ヨゼフ・イスラエルスなどいわゆるハーグ派と称せられる画家の作品が並んでおり、これでゴッホ展なのか、と思わせた。

 しばらく進んでようやくゴッホの作品にお目にかかれたが、「籠を持つ種まく農婦」や「待合室」、「雨」といったゴッホらしくない作品が展示されていた。なかほどへ進むとようやくゴッホらしいタッチがうかがえる「麦畑で屈む女」や「秋の夕暮れ」といった作品が」登場するもののゴッホといえばすぐに想像できる”ひまわり”はお目にかかれない。そのうちにゴッホと同世代の印象派のルノアールや、モネ、ピサロのお馴染みの画家の作品が掲示されている。そして最後に再びゴッホの作品でやや有名な「糸杉」が展示されていて、ああゴッホ展だという感じがしてくる。

 上野の森美術館は小さめの会場なので、今回の「ゴッホ展」で展示されている作品は全部で83作品であるが、このうちゴッホ以外の画家による作品はなんと31作品と全体の40%弱にも及ぶ。「ゴッホ展」となっている以上、展示されている作品はだれしもすべてゴッホの絵画だと思うことだろう。こんなにゴッホ以外の画家による作品が展示されているのなら、なぜ「ゴッホ、及び同時代展」と称さなかったのだろう。主催の産経新聞社、BS日テレWOWOWに聞いてみたいものだ。誤解を与える詐称ではなかろうか。しかもゴッホ展といいながら、ゴッホの代表作であるひまわりは全く展示されていないのは”詐欺”と言えないだろうか。展示会の開催に協力したオランダのハーグ美術館や、多数の作品を貸し出しているグレラ-・ミュラー美術館がどの程度関与しているかわからないが、日本で開催している以上、全体の名称を決定したのはやはり主催者の判断でsるのは間違いないところだろう。「ゴッホ展」と打つのと「ゴッホ、および同時代展」とするのでは入りが全く異なってくるのは明らかである。ゴッホは日本では絶大な人気を誇っているのは間違いないところだ。正直言って、鈍想愚感子も「ゴッホ、及び同時代展」だったら、入場していなかったことだろう。

 それにしても日本の美術展の入場料はいまや一律大人1800円となっているのは高過ぎるのではないだろうか。鈍想愚感子はこの夏、パリのオルセー美術館に行ってゴッホはじめモネ、マネ、ルノアールなど印象派の作品をたっぷりと見てきたが、入場料は14ユーロ、日本円にして」1680円だった。この「ゴッホ展」はいかにも高い。しかもどこかが大人1800円にすると軒並み右へならえ、といった感じでどんな内容、どんな規模を問わず同様の料金となってしまうのはおかしなことである。公正取引委員会の出番ではなかろうが、少なくともこうした”羊頭狗肉”の横行を文部科学省なり、消費者庁のいずれかでなんらかのチェックをするようなことしてもらいたいものだ。

 

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1 コメント

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Unknown (なな)
2020-03-22 19:05:50
私は美学芸術を専攻している大学生です。
「日本の観覧料が高い」とのことですが、日本は大半の欧米より物価が高くなっている上、日本という国で海外の画家の作品を集め、展示するのはコストがかかって当然のことです。絵の展示をちゃんと見ましたか?所蔵の美術館名を読みましたか?ほとんどが海外だったはずです。輸送費、輸送する際に作品に傷をつけないようにするための費用、海外との美術館との折合いなど考えればコストがかかってしまうのは仕方のないことです。
それからゴッホ展といいつつゴッホ以外の作品が多かったとのことですが、ゴッホ以外の画家からゴッホが影響を受けたことは明らかであり、説明がなされていたはずです。ゴッホがどこに影響を受けたか、共通点、異なっている点、様々なところを鑑みればまた違った見え方がするのではないでしょうか?
そしてあなたは詐欺とも言っていますが、作品リストはサイトで表示されています。詐欺などではありません、あなたが知らないだけです。

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