27日に東急ハーヴェストクラブ伊豆山に宿泊し、ゆったりとした日を過ごして一夜明けた今朝、5時過ぎに朝風呂に行こう、としたところ、いつもしているマスクがないことに気がついた。このところコロナ禍が一段と感染拡大しているいま、ホテルの風呂へ行く際にもマスクをするのが規則となっている。記憶を辿ってみて、昨夜は確かにマスクをつけて行ったことは覚えているが、そのマスクを持ち帰ったかどうかは記憶がない。マッサージルームに行ってマッサージ機を使ったが、その際マスクをつけていたかが不確かで、どうやら脱いだ籠の中に置き忘れた可能性が高い、と思って、まずは朝早くの朝風呂はマスクなしで行くことにした。
で、朝食の前にフロントに行き、「昨夜、お風呂にマスクを忘れたようですが、忘れ物で届いてないでしょうか」と出てきた男性マネージャーに聞いたところ、引き下がって確かめに行って、「なさそうです」との回答だった。で、少し困ったような表情をしたら、そのマネージャーは「マスクでしたら、こちらのをお使い下さい」と新しいマスクを差し出してくれた。朝早くてまだ売店もオープンしていないし、朝食をマスクなしで食べるのもいかがなものか、ということで、手持ちのマスクを無償提供してくれたようだった。そうした行為を有難く受け止め、「もし出てきたら、廃棄して下さい」と言ったものの、どうせゴミ扱いされても仕方がないものだった。
それで思い出したのが、つい2日前の東京地裁での出来事だった。午前10時50分から603号法廷で仮想通貨をめぐる損害賠償裁判で、冒頭に被害者らしき原告側の証人の若者が名指しされ前に出ようとしたら、裁判長が「マスクは?」と尋ね、いまどきマスクなしで街を出歩く人がいるのか、と思ってみると、確かにマスクをしていない。で、裁判長は書記官にマスクを手配するように指示し、書記官は事務方にマスクを持ってくるように依頼した。その間、裁判長以下原告、被告側とも無言でマスクが届くまでなすこともなく、待機した。
この日、東京都では1万4080人、全国でも7万1644人と過去最高のコロナウイルス感染者が記録され、コロナ禍のさらなる拡大が大いに懸念されている最中に、東京・霞が関の東京地裁で裁判の証人尋問で証人がマスクなしで尋問に臨んだ、ということになったりするようなことがあれば、裁判長以下いかなることもとなりかねない、と懸念してのことだった、と推測された。待つこと数分で、マスクが届き、証人はマスクをつけて証人席に足を運び、滞りなく裁判は進行し、事なきを得た。
コロナウイルスの感染拡大がどこまでいくのか、だれもはっきりとした見通しは立てられないし、いものところはじっと収めるのを注視するしかない、いま、こうした出来事はどこでも見られるものだろうし、どこもまずは感染拡大防止に努めるため、マスクへの対応は怠りなく行うしかないだろう。どこでもコロナウイルスの存在はありうるし、せめてマスクをつけて感染防止に努めるのが市民の心得ということだろう。