鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

ロシアのウクライナ侵攻をやめさせるにはかつての「ベ平連」にならって「ウ平連(ウクライナに平和を!市民連合)」を作って、広く世界に訴え、プーチン大統領にウクライナからの撤退を決意させるしかない。

2022-05-22 | Weblog

  この2月末にロシアがウクライナに侵攻して以来ほぼ3カ月を迎えようとしているが、お互い一歩も譲らない攻防が続いており、いつになったら終わるのか見通せない状況となっているせいか、毎週見ているTBSの「報道特集」ではウクライナ情勢については一言も触れられずに終わってしまって、他の局でもウクライナ情勢は少ししか報道されないような感じであった。バイデン米大統領の韓国訪問や北朝鮮情勢、オーストラリアの大統領選など注目すべき他のニュースがあったせいとも考えられるが、いまの米国をはじめとする世界的な景気後退の動きはロシアのウクライナ侵攻がきっかけとなっているのは火を見るより明らかなことであり、ここはなんとしてもロシアのウクライナ侵攻は止めることで、世界が一致して行動を取っていくべきだ、と思われる。

 ロシアはウクライナでのネオナチの攻勢を止めるべくウクライナへの侵攻を開始したと言っており、この動きを「特別作戦」と称している。が、当のウクライナはじめ欧米をはじめとする世界各国はそれは侵攻に他ならぬ「戦争」と見ており、強大国ロシアの横暴と受け取っている。このため、欧米諸国や心ある国はこぞってウクライナへ兵器はじめ戦争に必要な物資や、資金の支援、それにウクライナ市民の亡命にもろ手を挙げて支援しようとしている。その結果、当初短時日で決着がつくのではないか、と見られていたロシア・ウクライナ間の攻防が互角の様相を呈するに至り、専門家のだれしも予測のつかない状況となっている。

 しかし、その一方で、ロシアのウクライナ侵攻はじわじわと世界経済をあらぬ方向へ導こうとしているのも間違いない事実である。ロシア、ウクライナともエネルギー、、鉱物資源、農産物では世界の大供給国として知られており、その源がぷっつりと途絶えてしまったわけで、石油はじめエネルギー、鉱物、それにとうもろこし、小麦などの食料品価格が一斉に高騰し始め、深刻な影響をもたらし始めている。特にアジア、アフリカの新興国には大きな経済的な打撃を与えつつある。こうした諸物価の高騰は世界的なインフレーション、および景気後退をもたらすことは避けられないことだろう。となると、いまは余裕を持ってウクライナ支援している我が国はじめ欧米各国はいずれウクライナ支援より自国の経済立て直しを図らざるをえなくなるようなこととなりかねない。

 さらにはいまの状態が長引けば、世界を2つに分断して新たな冷戦がはじまることも十分に予想される。フィンランド、スウェーデンのNATO(北大西洋条約機構)加盟に走ったのもそうした予想のもとに決断したことだ、と思われる。まさか第3次世界大戦が訪れることはない、とだれしも思っていることだろうが、政治家の思惑通りに事が運ばない時にはまさかの展開が起きない、とは誰も断言できないだろう。

 そんな事態を招かないためにいまこそロシアのプーチン大統領のいかにウクライナ侵攻が間違ったことであるかを思い知らせ、できればその座からひきづり下ろすことが求められる。そのためにはいま何をなすべきか、を考えた時にたまたま「何でも見てやろう」で世の出て政治活動家となった小田実の本を読んで、小田実の作ったベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)を思い出し、それにならって「ウ平連(ウクライナに平和を!市民連合)をいまこそ世界あげて組織し、プーチン・ロシア大統領に思い知らせるべきだ、と思い至った。いまは世界中に「ウ平連」運動を幅広く展開し、プーチン大統領にウクライナ撤退を迫ることしかないだろう。

 どう見てもロシアがウクライナに侵攻し、ウクライナをわがものとする行為は許せないし、大国ロシアが行うべきことではない。かつて米国がベトナムに進軍し、戦争していた姿といまのロシアは全く重なる。ロシア国民にロシアがいかに重大な国際的な犯罪を犯しているかを訴えるのは「ベ平連」ならぬ「ウ平連」運動を世界に広めていくしかない、と思われるのである。 いま鈍想愚感子はすでに後期高齢者入りで、とても「ウ平連」を立ち上げるだけの体力を持ち合わせていないが、これを読んだ心ある若い人が中心となって立ち上がれば、支援するに吝かではない。頑張れ!、「ウ平連」! 

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予想のつかなかった終幕の二人が肩を寄せ合い笑顔で終わる形。正義を果たした象徴の形がここにあった「ロビー・ヒーロー」

2022-05-07 | Weblog

 7日は東京・初台の新国立劇場で演劇「ロビー・ヒーロー」を観賞した。先月の演劇観賞が出演者がコロナウイルスに感染し、中止となったため、新国立劇場ではほぼ1年ぶりの演劇観賞である。米国の劇作家ケネス・ロナーガン作の米マンハッタンにある高層マンション1階のロビーに勤める警備担当のジェフを巡る上司のウイリアムと出入りする警官のビルと部下の女性警官ドーンとの間のやりとりで、正義を貫くことがいかに難しいことかを描いた人情劇である。登場はわずか4人だけでほぼ3時間を演じ切ったのには驚かされた。

 会場に入って1番前の席に座って、マンションの1階の出入り口が目の前にあり、ドア越しに警備員の受付が見られたが、これでは舞台に出てくる役者の顔がほとんど見えなくなるのではと一瞬驚かされたが、開演の直前に舞台が歌舞伎座のように90度回転し、警備員の受付台が正面に来て納得した。幕開け前から受付台に座っていた警備員のジェフが独り言でマンション警備のあれこれを語り出し、ひと息ついたところで、上司のウイリアムがやってきて、ジェフに来訪者をきちんと記録することなど警備員の執務をあれこれ指導する。これに対し、ジェフは大人しく従いながら、父親から厳しく指導されていたことなどを話しながら、努力することを誓う。

 そんな時に地域見回りの傍らと称して警官のビルが警官になってまだ間もない部下のドーンを連れてマンションにやってくる。ドーンは上司のビルを尊敬しているが、若干その指導ぶりに疑問を感じている。上層階の知人を訪ねてエレベーターに乗ったビルをマンションのロビーで待っていると、かねてドーンに好意を持っていたジェフが「ビルは実は恋人を訪れているのだ」と打ち明け、その話をきっかけにあれこれ話題を持ちかけてきて、ドーンも上司から誘いを受けていることなどを打ち明ける。

 そして、再びジェフの勤務ぶりをチェックしに来たウイリアムが今度は弟が警察から殺人の疑いをかけられており、どう対応しようか、迷っていると打ち明けられ、「それは大変ですね」と同情しながら、専ら自らの業務遂行にいかに努力を怠らないかをアピールするなどして、その場をやり過ごす。

 それからしばらくして、再び業務点検に来たウイリアムは結局、警察の事情聴取には以前には行ってなかったと言っていたのに「映画館へ弟と一緒に行った」と虚偽の証言をしたことを打ち明けた。言った後に、「このことは一切多言しないように」と念を押してきた。それに対して一応「もちろんです」と請け合ったものの、あとでそれでいいのか、と自問自答するようになってしまった。

 で、翌日に再び、マンションに恋人を訪ねてきたビルに付いてやってきたドーンがロビーで待っているのを見て、話しかけたジェフは興に乗って、つい、ウイリアムが警察に嘘の証言をしたことを例え話に交えて話してしまった。それを聞いたドーンは警察内部でひとしきり話題となっているビルの弟の件であることを察知して、逆にジェフを問い詰め、その件にはビルが大きく関わっていることをかねて疑問に思っていたことを打ち明けて、即座に警察に帰って報告してしまった。

 ということで、釈放されることにほぼ決まりかけていたウイリアムの弟は逆に起訴されることになり、有罪が確定視されることなり、警察署内でのビルの立場も極めてまずいこととなってしまった。ジェフも自らの発言が思わぬ結果を呼んでしまったことが果たしてよかったことかどうか、確信がもてないままに数日を過ごしていた。そこへやってきたドーンは同じように自ら行ったことに確信が持てなかったが、ジェフの顔を見た途端に笑顔となり、二人は肩を抱き合ったところで幕となった。

 終盤になって一体、この劇はどういう形で幕となるのか、想像がつかなかったが、二人が肩を寄せ合い、笑顔を見せる形で幕となって、「そうか」と合点がいった。そういう形でしか終われないのだ、と納得した。正義というのはそういうことで果たされるのだ、とも思った。主演の若手俳優、中村蒼がほぼ出ずっぱりで熱演したのもよかったことを付記すべきだろう。

 

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