最近過労死関係の事件をよく見聞きするが、これについて思い出したことがある。もう四半世紀前のことになるが、当時私が勤務していた会社のある部署での話となる。
その部署のトップは、取締役だったが、常務会でプレゼンする資料について、いつも終業時間が終わってから部長、課長を集めて指示をしていた。その指示というのが本質的なものではなく、このグラフをこっちに持ってこいといった、はっきり言ってどうでもよい事ばかり。もっとこの辺りを掘り下げてくれといったような高尚な指示は、私が覚えている限りは一回もなかった。
当事は、今のようにPCが使えるのが当たり前という時代ではなかったし、ワープロや表計算ソフトも(能力的に)誰でも使えるという訳でもなかった。そんなくだらない修正でも、そのころの部長、課長にそれができる能力があるはずもなく(やろうとする気もなかったようだが)、当事はまだヒラ社員だった我々にその仕事が回ってくることになる。
だから資料の修正要員として、遅くまで残っていなければならないことになる。「明日の朝までで良いから」というのが決まり文句のようなもので、本人は十分に余裕を与えていると思っていたに違いない。でも「今何時と思っている!!」と我々悲しきヒラ社員は互いにぶつくさ言っていたものだ。
もちろん今はそういうことは無いと思うのだが、会社というものはアホな上司がいると、部下はひどい目にあう。当然休暇の取得率も悪くなる。
管理職となってからは、私は部下をなるべ早く帰すように努力したし、つまらない仕事は割り当てないようにした。もちろん、居残りの長さで部下評価などもしなかった。休暇についても、部下にきちんと消化させたのが私の自慢のひとつである。