文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

ダムマンガ 2

2021-02-26 11:23:41 | 書評:その他

 

 黒部弓見は、男の子たちからダム子とからかわれるのがいやで、女子高である私立荒玉女子高に進む。そこで八田かなんというクールビューティな先輩と出会う。そのかなん、大のダムマニアで、なんとダム部の部長。この巻では、顧問教諭もみつかり、晴れて正式な部となる。実はこの顧問の空海まお、オカルトマニアで、ダムには怪談がつきものと引き受けることになる。(なお、空海が顧問として白羽の矢を立てられたのは彼女が車を持っているからダムへの移動に便利だということかららしい。ただし、事故があるとまずいので、生徒をむやみに車に乗せないように校長から釘を刺されている)ただ、薗原ダムへ行ったときの空海の台詞には思わず突っ込んでしまった。

ヤバい! 吸い込まれそうな闇の力を感じる!! このダムに飛び込んだ平家の落人が怨霊と化しているんだわ!(p17)


いや、あの時代にダムはありませんから!!!

 作者のダム愛もそこかしこで感じられるとともに、ダムに関する知識も知らず知らずのうちに身につくので、将来この道に進みたいような人にはいいだろう。ダムカレーも紹介され、かなんのライバルともいえる群馬県立水上温泉高校ダム同好会会長の伊奈ひかるも出て来て、益々今後の展開が気になる。

 絵は、成年誌で緊縛漫画を描いている井上よしひささん。絵柄が綺麗で、ダム部員は結構可愛らしいが、緊縛されたシーンはないので念のため(ただしいわゆるサービスシーンはいくつかある)。しかし、私だったらこんな美少女ばかりがダムに興味を持ってくれれば、嬉しくって、つい案内にも力が入るだろう。(笑)

☆☆☆☆☆

初出は、「風竜胆の書評」です。

 

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FACES いじめをこえて

2021-02-24 09:14:00 | 書評:その他

 

 本書はNHKの動画配信サイト「FACES How I survived being bullied (
FACES Project/NHK)から生まれたものだ。掲載されているのは20人の実例。いかにいじめをうけて、それを乗り越えたかという物語だ。本書を読むと、いじめは日本だけの問題ではなく、世界中にあると言うことが分かる。NHKのプロジェクトということもあるのだろう、本書に登場するのは日本人が多いが、外国の人も結構いる。また、日本にカウントされている人の中にも外国出身で、そちらで被害にあっていた人が入っている。

 一つ疑問がある。どうして「いじめ」なんて曖昧な言葉を使っているのだろう。もしその国の法律に触れるようなものがあれば、はっきり「犯罪」と言えばいい。「いじめ」なんて言葉を使うのは、問題をあやふやにする恐れがあるだけだろう。そして、犯罪に対処するのは学校ではなく警察なのだ。そして、そんないじめに加担するものは、犯罪の共犯者なのである。これを曖昧にしてはいけない。

 それにしても、どうして人間は少しの差異を見つけて、人を排斥したがるのだろう。「これからは個性の時代」といいながら同調しない者をはじき出す。正しいことに(何が正しいかというのは議論対象になるが、誰が見ても間違っているだろうと思えるものはある)同調するのならまだわかるが、おそらく声の大きい者、そのグループのボス的な者の言うことを聞かなければいじめられるのだろう。

 本書に出てくる人たちはいじめをのりこえているが、おそらくその後ろには乗り越えることが出来たかった人たちが沢山いると思うと痛ましい。金子みすゞの「みんな違ってみんないい」という言葉をもっとかみしめて欲しいものである。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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孔雀王戦国転生 1~3

2021-02-22 20:30:20 | 書評:その他

 

 

 

 孔雀王シリーズ、言わずと知れた故荻野真さんの代表作である。この作品では、孔雀が戦国時代で大暴れ。タイトルは転生となっているが、厳密に言えば転移だろう。孔雀王ライジング(小学館)と共に荻野さんの最後の作品となったものの一つだ。

 この作品の特徴を言えば、出てくる戦国武将が人外の者ばかりということだ。なにしろ徳川家康はヴァンパイアだし、今川義元も斎藤道三も怪しげな術を使う。織田信長の正妻である濃姫は実は式神。その信長も、異人の血をひく超絶美少年。その母親がどうも阿修羅らしい。妹の市も美少女だが、別の異人の血をひいているようだ。

 実はこの作品の誕生には裏話があるらしい。このころ荻野さんは孔雀王以外に漫画を描きたかったらしいのだが、リイド社の担当者の熱心な誘いに、切れた荻野さんは、冗談半分で「出てくる戦国武将がみんな妖怪でタイムスリップ SF・・・・・・「何でもアリ」孔雀王なら!!」(3巻)とOKしたらしいが、これが意外に受けたらしい。

 孔雀は、阿修羅を救うために戦国時代にやってきたという。この3巻までは、黒幕の悪徳太子の影、西洋悪魔の出現、そして阿修羅は丑寅の金神として登場する。荻野さんは病床でこの作品と孔雀王ライジングの両作品を完結させたというが、果たしてどんな結末が待っているのだろうか。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

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放送大学から卒業認定通知が来た

2021-02-22 20:07:18 | 放送大学関係

 放送大学から、何か来ていたので、2学期の成績通知かなと思って開けてみると、卒業を認定するという通知だった。これで6回目の卒業になるが、ご時世がら学習センターの卒業式も行くつもりはないので、郵便で卒業証書を受け取ることになる。それにしても早くコロナが終息して欲しいものだ。こちらでは大分落ち着いているが、やはりワクチンが行きわたらないと安心できないというところがある。

 

 

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老子

2021-02-20 08:23:54 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 道教の始祖と呼ばれる老子。本書は、その老子が書き、一般に「老子」と呼ばれているが、正式名「老子道徳経」の全文を紹介したものである。全部で81章からなり、各章の翻訳文、漢文の読み下し文、原文、注釈という形になっている。だから書かれていることに対する講義のようなものはない。そこは自分で考えろということだろう。

 気の向いたときに、どの章でも読んでみるといい。おそらく共感できるところとそうでないところがあるのではないだろうか。共感できないところは、なぜ共感できないのか考えてみるといいと思う。それこそが読書の醍醐味なのだ。

  孔子のように、どこか上から目線で押し付けがましくないところがいい。孔子は嫌いだが、老子は好きだという人は結構昔の科学者には多かった。(最近は孔子、老子、それ食べれるのといった人も多くなってるだろうが) 我が国最初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士も、老子に親しんでいたのは有名だ。

 老子の正体は謎につつまれている。候補は何人かおり、最も有力なのは老聃だという。ただ、正体が誰にせよ、この老子道徳経を書いた人物がいたのは間違いないだろう。儒教嫌いにもぜひとも勧めたいと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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秋田大学通信教育「エネルギー地質学」報告課題投函

2021-02-19 11:20:33 | 秋田大学通信教育

今日、確定申告(といっても還付申告だが)へ行く途中にあるポストに秋田大学通信教育「地球科学コース」の報告課題を投函してきた。併せて電気学会の会費を払ったので、財布が一遍に軽くなった。

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プロレス悪役シリーズ1

2021-02-18 23:14:48 | 書評:その他

 

 娯楽のあまりない時代。プロレスは相撲以上に大人気だった。当時プロレスに対して皆夢を持っていた。今考えるとそれはないでしょうというような技に誰もツッコまなかったのだ。そしてプロレスは勧善懲悪の物語。悪役(今風に言えばヒールか?)は欠かせない。本書は、そのプロレスにおける悪役に焦点を当てたものだ。

 作画の担当はウルトラマンシリーズも描いている一峰大二さん。そして、原作者は梶原一騎さんの実弟で、自らも漫画原作を書き、空手家としても知られている真樹日佐夫さん。

 私はこの作品を知らなかったのだが、一峰さんも真樹さんも、今は故人なので、かなり昔に描かれたのだろう。出てくるプロレスラーも名前を知らない人がほとんどだった。おまけに幾ら鍛えているレスラーと言えど、あり得ないほどのジャンプ力などを見せる。殆ど超人なのだ。今見ればツッコミどころも多いが、もしかして、現在の「俺TUEEEE」作品は、このころの流れを受け継いでいるのだろうか。

 絵柄やストーリーなどは時代を感じるものの、懐かしさの方が勝る作品である。
 
☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

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放送大学履修科目の成績判明

2021-02-18 10:10:12 | 放送大学関係

 ツイッター情報で、今日の10時から放送大学の成績がシステムWAKABAで発表されることが分かった。早速ログインしてみてみる。もう学位記番号が出ていたので合格しているのは分かっているがどんな評価だったのかを確認。結果は「データベース」Aだった。あれっ?どこで間違えたかな? ともあれ、これで6回目の卒業である。今は「生活と福祉コース」に再入学してコンプリートする予定だけど、もう少し悩んでみるか。

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6回目の卒業確定

2021-02-17 12:02:12 | 放送大学関係

 ツイッター情報で、システムWAKABAの学生カルテに、現在在籍している「情報コース」の学位記番号が追加されていた。これで6回目の卒業だ。あとは「生活と福祉コース」を残すのみ。

 しかし、単位認定試験の結果はまだ発表されていない。普通は逆だと思うのだが。まあ当分は秋田大学の通信教育に力を入れるか。

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評伝 九津見房子 ~凛として生きて~

2021-02-16 09:40:43 | 書評:小説(その他)

 

 

 評伝を読むのは好きだが、寡聞にして久津見房子という人を知らなかったので、本書を読む前に少し調べてみた。女性の社会主義団体「赤瀾会(せきらんかい)」の創設者の一人らしい。そして悪名高い治安維持法の女性初の逮捕者となった。そして捕まるときは当時14歳だった娘の一燈子もいっしょだったのだ。

 久津見は1890年(明治23)、岡山市で生まれた。実家は、勝山藩の家老の家柄に繋がる旧家だったらしい。女学校のころ親戚の大前信三が同居することになったことから社会主義に踏み出していく。

 私は本来、社会主義の様な思想の多様性を奪うようなものは大のつくくらい嫌いである。今の赤い国やかっての赤い国を思い受けべればいいと思う。社会主義を標榜する国家で、夢の国はどこかにあったのか。理想や理念はともかく、間違いなく権力ゲームに陥って、権力者の独裁体制になっている。それが人間というものだろう。

 例えば、岡田嘉子と杉本良吉が、1938年に当時のソ連に亡命を図った事件を思い浮かべれば、社会主義と言うものがいかにひどかったか分かるだろう。この事件で二人はスパイ容疑を着せられ、杉本は銃殺、岡田も長い間収容所に入れられた。だから、文化人と呼ばれる連中の評価ははともかく、マルクスなんかは、この世に存在してはいけなかったと思っているのだが、当時の時代背景も考慮しないといけないと思う。

 当時の資本家たちもひどい連中が多かった。人権なんて顧みられなかった時代。抑圧された、とても民主的とは言えない体制。なにしろ特高警察なんてものがあり、捕まれば拷問が待っている。久津見も治安維持法違反で逮捕され、下着まで血まみれになるようなひどい拷問を受けている。驚くのは、そのとき14歳だった久津見の娘も収監され、ひどい目にあわされていることだ。小林多喜二が拷問により特高に殺されたのは有名だ。以下は本作中にある、作家の江口渙が書き残した多喜二の死体が返ってきた時の医師の検死結果である。読んでみるとなんとも痛ましい。

 なんというすごい有様であろうか。毛糸の腹巻のなかば隠されている下腹部から両足の膝がしらにかけて、下っ腹といわず、ももといわず、尻といわずどこもかしこも、まるで墨とベニガラとをいっしょにまぜてぬりつぶしたような、なんともいえないほどのすごい色で一面染まっている。そのうえ、よほど大量の内出血があるとみえて、ももの皮がぱっちりと、いまにも破れそうにふくれあがっている。そのふとさは普通の人間の二倍ぐらいもある。(中略)
 電灯の光でよく見ると、これまた何ということだろう。赤黒くはれあがったももの上には、左右両方とも釘か錐かを打ちこんだらしい穴の跡が一五、六カ所もあって、そこだけは皮がやぶれて下から肉がじかにむきだしになっている。(中略)
 それよりはるかに強烈な痛みをわれわれの胸に刻みつけたのは、右の人さし指の骨折である。人さし指を反対の方向にまげると、指の背中が自由に手の甲にくっつくのだ。人さし指を逆ににぎって力いっぱいへし折ったのだ。
(p107)



 全部がそうではないだろうが、人間とはそういう残酷なことができる生き物なのだ。当時の鬱屈した体制から逃れるために、人々は社会主義に夢をみるしかなかったのだろう。その気持ちは分かるし、多くの人が社会主義に傾倒したことも理解できる。ただ、社会主義と当時の体制のどちらがいいかと聞かれれば、私にとっては究極の選択なのだが。

 いずれにしても、今は民主主義の世の中。私たちは権力が暴走しないように見張っておく必要があるだろうし、ヘンな思想やイデオロギーがはびこらないように気を付けておく必要があるのだ。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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