文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

日本最高の英語コーチングスクール プレゼンス式TOEIC(R)L&Rテスト勉強法

2020-03-30 09:20:34 | 書評:学術・教養(人文・社会他)

 

 TOEICといえば、説明の必要もないくらい英語の検定試験として有名である。TOEICのない時代は、英検が圧倒的な知名度を誇っていたが、今や英語検定界の両横綱といっても過言ではないだろう。私も昔この試験を受けたことがあり、最高点は790だった。

 TOEICでは、問題ごとに配点があるような試験ではなく、全体の中での偏差値のようなもので点数が示されることは有名だ。そのため、点数の幅が10~990と少し半端な感じになっている。そして合格とか不合格といったことはなく、点数だけが示される。その点数は二つのセクションにわかれており、リスニングセクションとリーディングセクションでそれぞれどれだけ点をとったかということが示されるのだ。だから、TOEIC独自の点の出し方とも合わせて、自分の弱点が分かるだろう。

 さて、本書の特徴だが、普通のテキストや問題集のように、具体的な問題に重点が置かれている訳ではない。多少は過去問のようなものもあるが、本書で重点を置いているのは、タイトルにあるように「勉強法」である。TOEICで高得点を取るためにはどのような勉強をすればいいのか。

 TOEICに興味があるが、どんな勉強をすればいいのか分からない人は、本書に従って勉強するのも一つの方法だろうと思う。

 最後にこの試験を受けて大分経っているが、このコロナ騒ぎが落ち着いたら、本書を参考に英語の勉強を再開して、どこまで点数がいくのか試してみるのもいいかなと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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だしの取り方

2020-03-28 09:45:54 | 書評:その他

 

 

 本書は、タイトルの通り、食道楽で有名な北大路魯山人が、食べ物にとって重要な「出汁」の取り方についての蘊蓄を述べたものだ。書かれているのは、「かつおぶしだし」と「昆布だし」の二つ。

 さすがは魯山人先生。かつおぶしの削り方にも蘊蓄がある。かつおぶしをけずるには切れ味のよい鉋(かんな)が必用らしい。

「なお、わたしの案ずるところでは、百の家庭のうち九十九までがいい鉋を持っていまい。料理を講義する人でも、持っていないのだから、一般家庭によい鉋を持っている家は一応ないと考えて差し支つかえない。」



とさすがは魯山人先生。持っている道具自慢を忘れない。

 昆布だしというのは、どこにでもありそうなものだが、昔はあまり東京では一般的ではなかったらしい。ここで、魯山人先生、蘊蓄を披露する。

「さて昆布だしのことは、東京では一流の料理屋以外はあまり知らないようだ。これは、東京には昆布を使うという習慣が昔からなかったからだろう。(中略)昆布をだしに使う方法は、古来京都で考えられた。周知のごとく、京都は千年も続いた都であったから、実際上の必要に迫られて、北海道で産出される昆布を、はるかな京都という山の中で、昆布だしを取るまでに発達させたのである。」



 だし一つにも色々な蘊蓄があるものだと少し感心。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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金田一少年の1泊2日小旅行(1)

2020-03-26 09:54:16 | 書評:その他

 

 本作は、「金田一少年の事件簿」(さとうふみや、(原作)天樹征丸、 金成陽三郎)のパロディである。内容は、主人公の金田一一(はじめ)が、幼馴染のヒロイン七瀬美雪を誘って、本編で舞台となったところに、ムフフを期待して、1泊旅行をするというもの。ただし、ムフフは一の期待だけで、この1巻について残念ながらそんなシーンはまったくない。

 収録されているのはFile01からFile10の10話。1話毎に独立した話になっているので、どの話から読んでもいい。そして、どの話も噴き出してしまうのではないか。実は、本編の方は読んだことはないのだが、いきなりこの作品を読むと、大分本編のイメージが変わるのではないだろうか。

 File01とFile02には、表紙にあの名セリフをもじったものが入っている。そのうち気に入ったのはFile02の「異人館村脱獄事件」である。そこに書かれているのは、

(アダルトDVDは)ジッチャンの名で借りて!!(p22)



思わず爆笑しそうだが、ここでジッチャンというのはもちろん名探偵の金田一耕助だ。くれぐれも人のいるところでは読まないように。急に吹き出す変な奴だと思われたければ構わないが。 

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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 一草庵日記

2020-03-24 15:51:23 | 書評:その他

 本書は、放浪の俳人・種田山頭火が最晩年、四国松山に一草庵という庵を結んだ。庵を結んだのが1939年の12月、日記の書き出しが8月3日となっており、脳溢血で急死したのが1940年の10月11日というから、約2か月の間の日記である。最後が10月8日なので、亡くなる直前まで書き続けていたことになる。

 本書には、健という名前が出てくるが、ご子息のことだろうか。

<うれしや、健からの着信、(期待した金高ではなかったのを物足らなく思ふとは何といふ罰あたりだろう!)>



 ほんと、罰あたりなオヤジである。おそらく息子に金の無心をしていたのだろう。

 山頭火の文には、よく「放下着」という言葉が出てくる。この日記にも何か所かあるが、何もこれは、山頭火がふんどしを放って丸出しで歩くということではない。仏教用語で何もかも捨ててしまえという意味だ。読みも「ほうげじゃく」である。すべてを捨ててしまえば執着が無くなり、悟りの境地に近づく。

 しかし、現実にはなかなか難しい。山頭火にしても、なかなかこの境地にはなれず、心の中は寂しさが占めていたのだろう。だから俳句仲間を訪ね、アルコールに逃げたりするのだ。本書の中に次のような一節がある。

<さびしさにたへきれないので一洵居を訪ふ、それから布佐女を訪ふ。>



<私には禁酒の自信が持てない、酒を飲むことが、私にあっては、生きることのうるほひだから!
アル中の兆候がだんだん表れてきよる。ああ。>



実際、彼の文章を読むと、アルコール依存症の人が書いているような感じを受けるし、心の中の孤独感というものが透けて見えるようだ。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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いきのこれ! 社畜ちゃん ~後輩ちゃんオタ活動記~(1)、(2)

2020-03-22 09:58:04 | 書評:その他

 

 

 本書は、「いきのこれ! 社畜ちゃん」の後輩ちゃんとバイトちゃんのオタ活動に焦点をあてたスピンオフ作品である。

 描かれているのは、後輩ちゃんのタイトル副題の通り、後輩ちゃんのオタ活動。実は、後輩ちゃんは、同人活動をしており、ヒヨリミの名前で活動してる兼業作家なのである。職場には同人活動を内緒にしていたが、結局バレている。でも仲間にはなかなか好評なようで、結果OKというところか。

 そして、もうひとつは、バイトちゃんの友達づくり。バイト代の5万円くらいを全部ソシャゲのガチャにつぎ込んでいるという重度のガチャ廃人である。その割にはほとんど爆死らしい。そんな彼女が友達になりたいと思ったのが、同じクラスのトモカちゃん。彼女もバイトちゃんと同じ立ち位置で、ツイッターの人。

 なんと彼女は、ヒヨリミ(後輩ちゃん)の大ファンで、同期ちゃんの妹。ヒヨリミがバイトちゃんが働いている会社の社員であると聞いて、PCに関する知識がまったくないのに、その会社のバイト面接を受けるという豪の者。

 面白いのは、バイトちゃんとトモカちゃんが、「ガチャ運」を上げるための活動。「なんだよガチャ運って?」と思わないでもないが、やることは神頼み、良いことをして運を上げるそしてイメージトレーニングらしい。次は、これらを全部やったとき、バイトちゃんがトモカちゃんに言った言葉だ。

「私には見えるよ 私たちの身体から溢れるガチャオーラが・・・」

(2巻p81)

結果は二人とも爆死だったのはご愛敬(笑)

 この他、同期ちゃんが実はロボットオタクだと判明し、もう全編笑いの連続。このスピンオフ、2巻で終わりだということだが、もっとやってみよかったと思う。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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放送大学2020年度1学期の教材が届いた

2020-03-21 16:42:08 | 放送大学関係

放送大学の教材が届いた。届いたのは次の3科目分。

・数値の処理と数値解析

・解析入門

・経営情報学入門

これを全部とれば残り2単位。暇なときにぼつぼつ目を通そう。

 

 

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トリカブトの花言葉を教えて

2020-03-20 08:46:51 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

トリカブトといって連想するのは毒草ということだろう。ミステリーによく出てくる毒と言えば、東西の正横綱は、青酸カリとヒ素だろうと思う。前者は、現代ものによく出てくるが、後者は石見銀山ネズミ捕り(本当は石見銀山では算出されなかったそうだが)と言う名前で時代ものによく登場する。

 そして、その次の張り出し横綱もしくは東の正大関とでもいうような位置づけがこのトリカブトである。トリカブトという言葉を聞いただけで、毒に関係がありそうだということが推測できるので、これは殺人事件が起こるのかと思っていたが、結局殺人事件とは関係がなかった。

 主人公は、上倉星哉という高校生。アルバイトで、祖母の経営するトランクルームの管理をしている。そのトランクルームの客である西条聖子という年上のお姉さんにほのかな恋心を抱いている。

 この作品には、亡霊というものが大きな役割を果たしている。亡霊というと、普通は幽霊のようなものを思い浮かべるのだが、ここでの亡霊とは、何かに対する強い感情のようなもの。だから本人の生死には関係がないし、複数表れることもある。なぜかこのトランクルームにしか現れないようだ。そして、亡霊が見えるには、「強い殺意」を持つことが条件のようだ。

 聖子はアートフラワー教室でアシスタントをやっているが、最近亡霊が見えるようになった。いったい誰に対して殺意を抱いているのか。
 
 タイトルにあるトリカブトの花言葉は最初「復讐」かと思われたが、実はもう一つの花言葉「騎士道」である。そして描かれるのは、不器用で肉親の縁の薄い二人の結びつきの物語。

 ただ次の記述は疑問だ。アートフラワー教室の千園美先生は、聖子を養女にしたいというのだが、それに対して聖子が星哉に言ったセリフだ。

「話を進めるとなると、私の親の了解がいるみたいなの」(p275)



 聖子は、28歳という設定だ。立派な成年である。成年というのは、自分の責任で色々できるということだ。結婚でも成年になると、両性の合意だけで、親の了解は不要だ。養子になるのに、実親の了解がいるのか、少し引っかかったので、色々調べてみた。しかし、実親の了解という要件は見当たらなかった。もし根拠があるのなら示して欲しいと思う。

 ともあれ、亡霊というものを使って推理を進めていくというのは面白いと思う。

☆☆☆☆

 

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ルビンの壺が割れた

2020-03-18 14:04:07 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 主人公の水谷一馬が、たまたまフェイスブックで見つけた昔の恋人・結城未帆子。30年近く前、2人は結婚する筈だったが、彼女は結婚式に現れないまま失踪してしまったのだ。

 ストーリーは、二人のメッセージのやり取りという形で進んでいく。最初は、元恋人だった二人が、昔を懐かしんでメッセージのやり取りをしているのかと思ってしまう。なぜ彼女は式を控えて失踪したのか。この事情が、このやり取りで次第に明らかになるのだと思っていた。

 確かに、未帆子が失踪した事情は明らかになるのだが、ストーリーは思ってもいないような意外な展開を見せる。最後に書かれていることを引用してみよう。

「とっとと死にやがれ、変態野郎!」(p170)



 どちらの科白かは想像に任せたい。

 ここで30年近くという期間が活きてくるとは思わなかった。しかし、出てくる人物がこれだけ裏の顔を持っているという作品もあまりないだろう。要するに、人を簡単に信じてはいけないということか。

 僅か170ページの中に、これだけの意外性を含んでいるような作品は初めてかもしれない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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秋田大学通信教育「資源開発工学概論」の報告課題が返ってきた

2020-03-16 16:02:39 | 秋田大学通信教育

秋田大学通信教育「資源開発工学概論」の報告課題が返ってきた。結果は86A。

学習単位認定試験問題が同封されていたので、1単位科目だが、これまで5学習単位ほどあるはずなので、これを出すときりがよくなる。今年の12月が期限なので、じっくり取り組みたいと思う。

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理系の人々1~3

2020-03-16 08:40:29 | 書評:その他

 

 

 

 いやこのシリーズ面白いんだけど、色々ツッコミどころがある。まず「理系」というタイトルがつけられており、著者の行動を中心として、世間一般のステレオタイプな「理系」人の行動がこれでもかというほど描かれている。

 しかし、著者は、自身を理工学部情報科出身のWebエンジニアとして理系という分類にくくっている。確かに情報工学科は工学部や理工学部の中にあることが多いが、企業によっては情報関係を文系で募集しているところもあり(私はそういう企業を知っている)、「文系」SEなる言葉もあるように、情報系を理系に分類するかどうかは少し疑問がある。なにより「高圧電流」(p48)という言葉を使っている著者を、電気工学を学んだ者としては理系と認める訳にはいかない。(高圧なのは電圧のことで、正しくは「高電圧」であり、高電圧でも電流値は色々変化する)

 出てくるのは、変な人ばかりだ。私自身工学部電気工学科の出身で、バリバリの理系なのだが、こんな変な人は身の回りにはいなかったと思う。要するにこれは「理系」の人々ではなく、「IT」系の企業に勤める人々のことを言っているのだと思う。そう思えば色々納得できるところも多い。

 しかし、「理系」ネタはあっても「文系」ネタは見たことないんだが、そちらの方もあってもいいんじゃないかと思うのは私だけだろうか。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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