文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

幼な妻マープルの事件簿(1)

2022-05-30 08:09:01 | 書評:その他

 

 主人公の美空月見ちゃんはピチピチの19歳。どうもミスキャンバスだったらしい(現在も女子大生かどうかは不明。ただ友人がたまにはゼミに顔を出せと言っている場面はある。)。幼な妻とタイトルにあるが、それだけ幼いわけではない。今年から18歳が成人になったので、今の基準なら立派に成人済だ。

 一方最愛の太陽旦那は39歳とその差20歳。どうしてそんな二人が夫婦になったのかは謎だ。月見ちゃんはチョメチョメいっぱいの夫婦生活を期待しているのに、旦那は刑事でいつも殺人事件の捜査に追われており、二人はすれ違い。月見ちゃんの期待していたような夫婦生活は遅れていない。

 そこで、月見ちゃんが考えたのが、事件を推理して解決に導き、二人のチョメチョメ時間を確保するということ。なにしろ月見ちゃんの父親が探偵なのだ。この試みはうまくいき、事件は早期解決。そして、二人は遊人さんの作品らしく、チョメチョメを満喫。でもそのために、旦那のパスワードを利用して、警視庁の捜査資料にアクセス。おい、そんなセキュリティでいいのかと小一時間説教をしたくなるのはご愛敬。

 ところで、タイトルのマープルというのは、アガサ・クリスティの作品に出てくる名探偵から来ているという。でもこんなに可愛い嫁さんがいたら、仕事なんかほっぽらかして、相手をすると思うな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌 4

2022-05-28 10:29:33 | 書評:その他

 

 本書は異世界になぜか転移してしまった栗結大輔と織津江大志の二人を描いたものだ。

 栗結大輔の夢は、クリ娘とハーレムを築くこと。結局彼の嫁は、下半身が蜘蛛(アラクネ)だったり、馬(ケンタウロス)だったり、魚(マーフォーク)だったり。首の取れるデュラハンもいるし、手が翼になっているハルピュイアもいる。共通しているのは、美少女ばかりだということ。しかし、いくら美少女でも、君は下半身が蜘蛛だったり馬だったりしたら、ちゃんと夫婦生活ができるかな?栗結大輔は、ちゃんと嫁とちょめちょめできているからすごい(笑い)

 一方、織津江大志の方は大輔のようにハーレム王になるという壮大な望み?はない。そもそも見かけはジャガイモ兄ちゃん。でも実は武道の達人。こちらもいつの間にかハーレムを築いていく。相手は人間もいるのだが、ゴブリンが主体だ。

 この作品は、色々なクリーチャーが出てくるが、タイトルにあるように一応科学的?な説明がついている。この世界には魔法はないようだが、ドラゴンは生息している。果たしてこれからどのようなクリ娘が出てきて、どういった説明をつけるのか。

☆☆☆☆

 

 

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行乞記 02 三八九日記

2022-05-26 09:42:14 | 書評:その他

 

 

 この作品は、自由律俳句で有名な種田山頭火の昭和5年12月から翌昭和6年2月までの日記である。まだ山口県小郡町(現山口市小郡)にある其中庵に落ち着く前で、西日本各地を旅する他、熊本市に一室を借りて「三八九居」と称していた時代である。熊本に住んでいるのは、この日記中にそういった記述があることでも確認できる。

 三八九というのは、彼が編集・発行していた個人誌の名前であるそして、彼は熊本市で借りていた一室を「三八九居」と名付けていた。

 この日記には、彼が少し金が入れば酒を飲んでいることがうかがえる。禅宗(曹洞宗)の坊主のくせに酒を飲んではいかんだろうと思うのだが。

 彼は、お金のことをゲルトと言っている。これはドイツ語のGeldのことで、昔の旧制高校生はよく背伸びしてドイツ語を使っていた。山頭火も明治35年に早稲田大学に入学(明治37年に神経衰弱で退学)しているので、自分は知識人だというプライドがあったのだろう。

 彼は1月16日の日記にこう書いている。

<……へんてこな一夜だつた、……酔うて彼女を訪ねた、……そして、とう/\花園、ぢやない、野菜畑の墻を踰えてしまつた、今まで踰えないですんだのに、しかし早晩、踰える墻、踰えずにはすまされない墻だつたが、……もう仕方がない、踰えた責任を持つより外はない……それにしても女はやつぱり弱かつた。……>


 山頭火君、君は一体何をしているんだ。しかし、花園ではなく野菜畑か・・・。

☆☆☆

 

 

 

 

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僕のカノジョ先生 1

2022-05-24 13:49:59 | 書評:その他

 

 

 もし美人で巨乳の女性教師から告られたら、あなたならどうしますか。多くの男子生徒は、美人教師なら少々年上でも大歓迎。思わず鼻の下が伸びるのではないだろうか。今年から成人年齢が18歳になったので、男子生徒と女性教師のカップルは増えるのではないかと、私は予想しているのだが。男子が18歳で女性教師が新任なら23歳、5歳差(この作品では生徒は高2、先生は社会人2年目なので24歳の7歳差)。この位の年齢差だったらぎりぎりありかも。

 えっ?私? 私の場合は、田舎育ちなので、そもそも美人教師なんかには縁がなかったんですが、なにかw

 この作品はラノベが原作になっているようだ。主人公は彩木慎(さいぎまこと)という私立聖華台学院高等部の2年生。ヒロインは、藤城真香(ふじきまか)という英語の先生で彩木くんの担任。

 この彩木くん、冴えない男子生徒キャラなのに、なぜかモテる。この彩木くんと真香先生のカップルに、SIDの面々が絡んでくる。ちなみにSIDとは「死んでもいいわ同盟」という意味らしい。メンバーは彩木くんに行為を持っている女子たち。独自の規則で互いにけん制しあうために結成されたらしい。SIDの構成員は今のところ4人。3年生の生徒会長でシスター見習いの陣所カレン。クラスメイトでグラビアアイドルをしている天無縫、一つ下の妹の彩木美春、小等部5年の神樹無垢という面々。

 果たして彩木くんがこんなにモテモテとなった理由は? 要するにラブコメなのだが、絵柄が奇麗なので、なかなか楽しんで読めるだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

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佐伯さんは眠ってる(4)

2022-05-22 09:09:11 | 書評:その他

 

 才色兼備の美少女ながら、惰眠を貪るのが大好きな佐伯さん。これはそんな彼女とクラスメートの時宮スグルくんが織りなすラブコメ?である。

 佐伯さんと時宮くんはますますいい感じに。そして、時宮くんと友人のクラスメートの三島くんと、釣り道具屋の看板娘の赤城さんもいい感じに。ちなみに、この三島くん、雰囲気は結構な悪人なのだが、実はいいやつ。時宮くんが三島くんに、「好き」ってどんなものかわかるのか、自分はよくわからないと言ったとき、

なに、そのウブ・・・ 中学生かよ

と応える三島くん。これに対して時宮くんは

中学生です

と返している。そう彼らはみんな中学生なのだ。

 時宮くんは佐伯さんと花火大会に行くことになる。花火大会で佐伯さんは浴衣を着てくるのだが、帯の結び方がカルタ結び。その理由が、カルタ結びだと、そのまま寝っ転がれるかららしい。

 実は、佐伯さんが教室で惰眠を貪るとき、隣に座っている時宮くんが、かなり協力しているのだが、席替えがあり、佐伯さんが一番前の席に。さすがにここでは居眠りできない。佐伯さん大ピンチ。しかし、幸いにも見えにくいので前と変わってくれという生徒がいたために、結局は元の位置になりセーフ。このとき佐伯さんは、

学校辞めるしかないのかと思った

らしい。

 とこのように、佐伯さんがいかに惰眠を貪れるかという漫画なのだが、これが結構面白い。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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日本国召喚 1

2022-05-20 12:31:34 | 書評:その他

 

 個人が異世界に召喚されるという話は結構あるが、これは日本全体が剣と魔法の世界に転移するというもの。ただし、現在のところ転移の理由は分からない。

 転移とか転生ものは、神様とかチート能力がつきものなのだが、この話にはどちらもない。しかしその代わりに日本には近代兵器を持った自衛隊がある。要するにこの作品を一言で表せば、異世界架空戦記とでも言おうか。

 国ごと移転したのだから、資源のない国日本で困るのは食料とエネルギー資源だ。しかし最初に日本に接触したのが、友好的なクワ・トイネ公国。結局は日本とクワ・トイネ公国は国交を樹立。だが、この世界には、世界を支配しようとする覇権国家が沢山ある。

 異世界では、国によって文化度は様々だが、どれも現代日本より遅れているという設定である。魔法があり、獣人やエルフもいる世界で、飛竜(ワイバーン)なんかも出てくるのだが、自衛隊は無敵状態。しかし、憲法にしばられ専守防衛。果たして日本はこの異世界でどうなっていくのか、これからの展開が予想できない。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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銭形平次捕物控 249 富士見の塔

2022-05-18 20:12:54 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

この話も、いつものように平次と八五郎の掛け合いから始まる。開口一番八五郎はこう言うのだ。

「親分、金持になつて見たくはありませんか」



 平次は貧乏暮らしだが、貧乏なことにプライドをもっているようなところがあるのでこう応えた。

「又變な話を持つて來やがる、俺は今うんと忙しいところだ。金儲けなんかに取合つちや居られねえよ」


こんな調子である。

 さて今回の事件の方だが、十二社の榎長者と呼ばれている太左衞門が亡くなり、何百年も貯めた宝がどこにも見つからず、その在りかを探してくれというのだ。その例がなんと百両。しかし平次は気が乗らないようである。

 この榎長者の義理の弟と名乗る與八郎という男が、平次のもとを訪れ、宝を探してくれと頼むが、平次はけんもほろろな対応で断る。

 ところが、この與八郎が殺され、殺人事件ということでようやく平次は重い腰を上げる。ついでに宝のありかも明らかにするというわけだ。タイトルの富士見の塔というのは、塔に登れば大きな富士山を見ることができるという3階建ての高い塔で屋敷の後ろに建てられていた。この富士見の塔が焼け落ち、その塔を占拠していた與八郎が死んだのである。

 実は與八郎は、太左衞門の義理の弟でもなんでもなく、太左衞門の死後に弟分だと言って乗り込んできたというチンピラである。もちろん今だったら相続権も何も無いので、即たたき出されたと思うが、江戸時代だからか、田舎だからかはわからないが、結局富士見の塔を占拠してしまった。というのは宝の在りかはこの富士見の塔に関係しているらしいのだ。

 キーワードは、太左衞門が生前妻に語っていた「春分、日午、探頂、獲寳』という言葉。ミステリーファンならこの言葉で、宝の在りかが分かったかもしれないが、平次も見事に宝の在りかを言い当てる。

 與八郎は碌でもない男だったので、平次は犯人を縛ったりせずに帰っている。それどころかアドバイスまでしているのだ。この類のものは、杓子定規に犯人を捕まえるというものが多いが、平次は結構こういうところがある。これも平次の魅力の一つだろう。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうやら私の身体は完全無敵のようですね(1)

2022-05-16 10:33:34 | 書評:その他

 

 ヒロインのメアリィ・レガリアは剣と魔法の異世界の公爵家の長子。銀髪ではかなげな女の子だ。彼女には、この世界での前世の記憶がある。前世では病弱だったため、寿命がつきるとき「もし生まれ変わることができるのなら・・・その時は━どんなモノにも絶対負けない丈夫な体に生まれますように━」と願う。その願いが叶えられるのはいいのだが、神様の辞書に「自重」という言葉はないようで、剣と魔法の世界でどんなモンスターにも負けない体になってしまった。おかげで、身体能力と魔力は並ぶものなし。物理攻撃も魔法攻撃も無効という伝説の勇者のようになってしまった。でも、本人は平凡な人生を希望。だからなんとか自分の力を隠そうとする。

 これはそんなヒロインの物語。しかし、彼女の仲間として、第一王子や武術のエレクシルの息子で脳筋のザッハ、宮廷魔術師のフトゥルリカ公爵家の娘マギルカと仲間になる。果たしてメアリィは平凡な人生を送ることができるのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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デスマーチからはじまる異世界狂想曲 (1)

2022-05-14 08:34:04 | 書評:その他

 

 デスマーチとは、そのまま訳せば「死の行進」という意味だが、特にIT業界における労働環境の過酷さを表す言葉として使われる。私はIT業界で働いたことはないが、いろいろと書かれたものから判断すれば、特に製品の納期前にはそうらしい。

 さてこの物語の主人公は鈴木一郎(どこかで聞いたような名前だが)という29歳のプログラマ。開発していたゲームを納品して一安心。これで眠れると思ったのはいいが、目を覚ますとゲームの世界の竜の谷というところに転移していた。それも15歳に若返って。
なお、このゲーム世界は魔法もあれば、獣人などもいるというファンタジー世界だ。

 そこで、蜥蜴人族の精鋭300人に襲われ、救済技の流星雨を使って迎撃。おかげでレベルは1から310に爆上がり。ステイタスもカンスト。そして戦利品で大儲け。

 一郎はこの世界では行商人のサトゥーと名乗っている(鈴木も佐藤もその名字の人が沢山いるよね。)。

 この巻では、ワイバーンと闘っていた美少女魔法兵のゼナを助けたり、獣人奴隷を助けたりとまだ序盤ながら、活躍の片鱗を見せる。しかし、いったい誰が何の目的でサトゥーを召喚したのか。よくある異世界もののように、転移する際に神様が出てくるわけでもなく、トラックにひかれるわけでもないがチートな能力はしっかり持っているようである。彼の異世界での冒険はまだまだ始まったばかり。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

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ふたりの距離の概算

2022-05-12 08:25:52 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 高校までは、学校でマラソン大会があった人も多いだろう。私の場合もあった。さすがに大学ではそんなものはなかったが。走るのが好きで、歳をとっても走っている人もいるが、私のように走るのが好きでははない人間にとっては、ほんと迷惑この上ない催しものだった。

 さて本書であるが、古典部シリーズの5作目にあたる。もちろん主人公は、折木奉太郎をはじめとする古典部の面々。彼らが通う神山高校は文科系部活が盛んなことで知られるが、この迷惑なマラソン大会があった。正式には「星ヶ谷杯」というらしいが、その名で呼ぶ人はほとんどおらず、単に「マラソン大会」と呼ばれることが多い。ちなみに、20キロを走るので、正規のマラソンの約半分を走ることになる。

 今回のテーマは、古典部に仮入部していた大日向友子という侵入生が、本入部しないといった理由を推理するということ。それも奉太郎がマラソン大会で走っている最中に考えるのである。

 大日向はその際、部長の千反田えるのことを、「千反田先輩は菩薩みたいに見えますよね」と言った。「外面似菩薩内心如夜叉」という言葉がある。要するに菩薩のように見えるということは、心は夜叉のように恐ろしいということだ。なぜ大日向はそんなことを言って本入部しなかったのか。

 一応は謎解きを主体にしたミステリーに分類されるのだろうが、別に殺人事件のような大きな事件が起きる訳ではない。どちらかというと古典部員たちの高校生活を描いた青春小説としての色彩が強いだろう。しかし20キロも走るとなると、ため息が出るなあ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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