文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

半七捕物帳 05 お化け師匠

2021-01-31 10:33:13 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 なんだか、子供のころのすり込で、お化けと聞くと、あとにQ〇郎と続けそうになるのだが、これは、半七捕物帳の中の話の一つで「お化け師匠」。

 お化け師匠とは、踊りの師匠である歌女寿(かめじゅ)のことだ。姪の歌女代を娘分としたのはいいが、それはゆくゆくは、自分の食い物にしようという下心から。歌女代に中国辺りの大名の留守居役から、100両で旦那取りの話があったとき、歌女代は体の弱さを理由に首を縦に振らなかったため、その話もやがて立ち消えになった。

 それからが酷い。そのことを恨みに思った歌女寿は、もともと体が弱く、歌女代が床に伏せぎみになったにも関わらず、医者にも見せずにしいたげたのだ。とうとう歌女代18歳の命を散らしてしまった。

 歌女寿がお化け師匠と呼ばれるのは、歌女代の幽霊が出るという噂が広まったからだ。

 そのお化け師匠が殺された。それも、首に蛇がまきついて、いかにも絞殺されたようなのだ。果たして死んだ歌女代の怨念が歌女寿に復讐をしたのか。

 この事件を調べるのが我らが半七親分というわけだが、さすが、半七親分。現場を確認すると子分に池鯉鮒(ちりゅう様)のお札売りを探せと命じる。

 ここで少し説明しておこう。池鯉鮒様のお札とは、知立(ちりゅう)神社のお札で、それには蝮や蛇除けなどの効果があると言われている。知立神社は今でも愛知県にあり、江戸時代は池鯉鮒は、東海道53次の39番目の宿場だった。

 この話もこのシリーズの他の話と同様、最初はホラー風味で始まり、最後はミステリーとなって完結する。半七親分の名推理を楽しもう。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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大人も知らない夢の見つけ方 女子高生と魔法のノート

2021-01-29 10:20:14 | 書評:小説(その他)

 

 このタイトルを見て、最初はノートをいかに効果的につかうかについてのノウハウが綴られているものかと思ったが、どうも主人公が自分のやりたいことを見つけるというストーリーの方が中心のようだ。

 主人公は、紫藤結月というダンスに夢中な星桜高校の2年生。彼女はダンス部に所属しているが、その部は実力主義でダンスの上手い人が学年に関係なく、センターで踊れる。ところがある時、次の大会は3年生がセンターで踊るので、1,2年生はバックやサポートを宜しくと言われた。どうもセンターで目立つと大学の推薦や奨学金などで有利になるらしい。対立する3年生と1,2年生。

 それを解決するのが、振り付けを任された結月というわけだ。ストーリーは結月がフィンランドからやってきたというブルーベリーの妖精・ブルブル君に教えを受けるという形で進んでいく。果たして結月は3年生も1,2年生も満足できるような解決策を見つけることができるのか?

 しかし、学力でなくダンスで入学できる大学って本当に大学と言う名に値するのだろうか? 就職にしても体育会系が有利だという事も聞く。私などは、それが大学本来のあり方を歪めているのではないかと思う。素朴な疑問がある。どうして女子(全部とは言わないが)はダンス系が好きな子が多いんだろう。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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思い出のスケッチブック

2021-01-27 08:58:45 | 書評:小説(その他)

 

 本書は、「くまのプーさん」の挿絵画家として知られる著者が、78歳のときに発表した自伝エッセイ集である。描かれるのは、彼が7歳~8歳までの思い出。著者の何気ない日常風景を通じて描かれる、ビクトリア朝後期のロンドンの様子だ。

 しかし、著者の記憶力には驚く。振り返って自分のことを考えると、7歳や8歳のころの記憶は殆ど残っていない。それを自分よりはるか歳をとってから、子供のころの思い出を書いているのだ。それも一冊の本にできるほど。面白かったのは5月1日に行われる「緑のジャック」のエピソード。仮装した一行の中に、女装した男がまじっており、それがよほど怖かったらしく、著者のトラウマになったようだ。(pp60-61)

 ただ心理学の教えるところによると、記憶というものは、そのまま頭の中に残っている訳ではない。色々な情報から脳が再構成するものだ。だから本当は違うということがあるかもしれない。皆さんはないだろうか。例えば同じ出来事でも自分の覚えていることと人が覚えていることが違う。懐かしい場所に行ってみると、自分の記憶にあるものと違っていたということが。

 だから書かれていることが必ずしも正確だとは思わないが、それでも、本文を線画で描かれた挿絵と一緒に読むと、ヴィクトリア朝後期の風俗がどのようなものか伺え、なかなか興味深い。挿絵もレトロな感じでなかなかいいので、これらの挿絵だけでも本書を出す意味が合ったと思う。 

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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放送大学から卒業予定者に対する氏名等の確認が来た

2021-01-25 16:22:27 | 放送大学関係

 先ほど郵便受けを見ると、「2020年度第2学期卒業予定者に対する氏名等の確認について」という書類が来ていた。私の場合、特に変更はないので、手続きは不要だが、本当にこの確認が必用かどうかには疑問がある。私の場合今回卒業すれば6回目の卒業になる。専業学生時代も特に確認はなかったと記憶しているし、今更確認されてもという感じだ。

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亜人ちゃんは語りたい(1) ~(4)

2021-01-25 09:33:03 | 書評:その他

 

 

 

 

 柴崎高等学校の生物教師である高橋鉄男は、大学で生理学を専攻し、亜人に興味があり、亜人に会いたいと思っていた。ところが、彼の勤める高校に、サキュバスの佐藤早紀絵、ヴァンパイアの小鳥遊ひかり、デュラハンの町京子、雪女の日下部雪が集まった。(ただし早紀絵は先生)。テレビで深夜アニメにもなった本作は、この可愛い亜人ちゃんが繰り広げる物語。「亜人」は「あじん」と読むのではなく「デミ」と読む。理由はその方が可愛いからだそうだ。

 ただ亜人ちゃんたちの能力は大したものではない。ヴァンパイアのひかりはコウモリなんかに変身はしないし、ニンニクも大好きだ。雪女の雪は、吹雪なんかおこせないし、自分の涙や汗くらいしか凍らせられない。デュラハンの京子は、頭部が離れており、不思議な光景だが、それ以外は変わったことはない。

 ただサキュバスだけは危ない。故意、無意識に関わらず催淫すると、性犯罪に結びつくことがあるからだ。だからこの作品に出てくる佐藤先生は、いつもジャージ姿。少しでも自分を魅力的に見せないようにするためだ。同僚の高橋先生のことが気になっているが、彼が自分に興味を持ったとしても、それが催淫能力のせいだろうと悩んでいる。

 しかし、デュラハンの京子ちゃん。産まれた時、親はびっくりしただろうなあ。何しろ胴体とは別に首だけがポロリ。

 亜人は突然変異により生まれるという設定だ。現に、ヴァンパイアのひかりの場合は、双子の妹・ひまりは普通の人間なのだ。でも突然変異なら、同じ種族が何人も別々に生まれるとは考えにくい。これは遺伝子の中にそのような因子が潜んでおり、先祖がえりをしたという設定の方がいいだろう。でも出てくるデミちゃんはなんとも可愛らしい。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

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恋よりブタカン!: 池谷美咲の演劇部日誌

2021-01-23 10:08:56 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 

 「浜村渚の計算ノート」シリーズなどで知られる著者の「ブタカン」シリーズの第二弾。「ブタカン」といっても豚の缶詰ではない「舞台監督」のことだ。これは都立駒川台高校二年の池谷美咲の物語である。

 ヒロインの池谷美咲は、父が餃子屋の経営に失敗して、借金漬けで極貧の暮らし。自分もバイトに明け暮れ部活どころではない生活だったが、彼女が2年になったころ、ひょんなことから借金を完済でき、遅ればせながら部活で青春を謳歌する余裕ができるのである。親友のナナコが病に倒れたことから、その代わりに演劇部でブタカンをやることになった。この演劇部がちょっと変わっていて、キャスト(演じる人)は全部男子でスタッフ(裏方)は全部女子なのである。

 文化祭でやった「白柚子姫と六人の忍者」が好評で、演劇の地区大会に出ることになった。そのためには上演時間を1時間に収める必要があるが、このままやれば大幅に時間オーバー。そこで登場する忍者を一人減らして「白柚子姫と五人の忍者」にすることを考えたのだが、果たして誰を削るのか。

 脚本を早乙女先輩が書き直しているときちょっとした事件が起こる。なぜかマネキンの右手がUSBメモリになっており、これを使って新脚本を書いているのだが、この右手が盗まれては返却されるということが繰り返された。脚本の内容に対する見立てを付与されて。

 地区大会に入っても事件が起きる。美咲が他校の大道具をケチャップで汚した疑惑をかけられたり、早乙女先輩の脚本にパクリ疑惑がかけられたり。いったい地区大会はどうなってしまうのか。

 ところで、この話には高校演劇界で名が知られているという下條という教師が出てくる。これが、学校も違うのになんだか上から目線で偉そうなのだ。私だったら絶対にこんなのがいる世界はいやだと思うだろう。

 タイトルにある「恋よりブタカン」は、美咲が主役でイケメン西野先輩の言うこと夢うつつに聞いたことへの勘違いからきている。二人と早乙女先輩は、夜公園で話し合うことになったが急に雨が降り出し、2人は遊具に避難する。早乙女もある事情があって公園にはこられなかった。
 眠気の中で美咲が聞いたのは、
「━ ・・・・・・わいいな・・・・」
「━ ・・・・・・きかな、て思うよ、お前のこと」
「━つきあってみないか・・・・・・」(p58)
ここだけ読むと、西野が美咲のことを好きだと思うだろうが、実は全く違うことを言っていた。美咲ちゃん、ドキドキだったのだが、見事玉砕というお話。

 青柳作品らしく、そこかしこに笑える部分がちりばめられ、面白い話だと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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秋田大学通信教育「火山」の学習単位認定試験解答を投函他

2021-01-22 10:39:11 | 秋田大学通信教育

 近くのポストに、現在受けている秋田大学通信教育「地球科学コース」のうち「火山」の学習単位認定試験解答を投函してきた。

 併せて「令和2年度修了に関する調査票」を投函(場所は同上)。原簿のコピーの学歴欄が間違っていたので、調査票に書いて連絡した。どのような間違いかというと、学歴を願書に「大学院修了」として提出し、コピーもちゃんとそうなっていたのに、なぜか「短大卒業」になっていたのである。

 

 

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手品先輩3~5

2021-01-21 10:31:10 | 書評:その他

 

 

 


 3巻~5巻のレビューとなります。

 部員がいなくて実質廃部だった奇術部が、3巻では正式に部に昇格します。転校生の姉弟が奇術部に入ったからです。でも、この二人、手品よりは大道芸が得意。あわや奇術部は大道芸部になるところ、最後はたわわ度で先輩が僅差で勝利、無事に奇術部のまま存続することになりました。

 この転校生姉・弟、姉の咲ちゃんは、先輩以上の派手なギャル。(先輩が「ギッ・・・ギャルがなんぼのもんじゃい」と言うのに「先輩もギャルでしょ」と助手君の適切なツッコミ)そのうえ、極度のブラコン。弟大好きなのです。そんなに咲ちゃんが溺愛するから、よほどのイケメンかと思いきや、弟のまー君はただのデ〇。

 この咲ちゃん、すっぴんは別人28号。奇術部の合宿で朝顔を合わせたとき、助手君は彼女のことが分かりませんでした。(5巻p43)まー君によれば、「姉さん寝起きはいつも体調が悪い」とのこと。まあ朝が弱いのもあるかもありませんが、改造前だったのでしょう。

 先輩のお姉さんは、同じ学校で先生をしているのですが、既婚者であることが分かりました。その旦那さんも登場します(4巻pp27-38)。

 化学部長の斑先輩も加わり、みんなでスイカ割。ここで先輩らしさが発揮されます。そして他の人は全滅(5巻p72)。

 でもこんな可愛い女子の先輩がいれば、男子はみんな奇術部に殺到しそうだと思うのですが。やはり、人前で手品をすると、緊張して失敗してしまう体質がいけないのでしょうか。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

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半七捕物帳 07 奥女中

2021-01-19 08:52:17 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)

 

 これも半七捕物帳の中の話。半七親分は、知り合いのお亀から相談を娘のことで相談を受けた。お亀の娘はお蝶といい、今年17歳になる美しい娘だった。お亀はこのお蝶といっしょに永代橋の際で茶店をやっていた。

 このお蝶に起こった不思議な出来事。いきなり攫われて、どこかに連れていかれた。しかし10日経つと真っ青な顔をして帰ってきたという。聞けば、どこかのお屋敷で、風呂に入れられるわ、綺麗な着物を着せられるわで、ひどいことはされなかったそうだがなんとも不気味な思いをしたそうだ。そしてまたお蝶が行方不明になり、10日後にはもどってきた。しかし、3度目に行方が分からなくなったとき、お蝶は戻ってこなかった。

 このように最初は、ちょっと怖い感じで進んでいく話。これがスリラーなんかだったら、狐に化かされる話かもしれないが、種明かしされればなるほどという気もする。それにしてもお蝶さん優しいなあ。でも最後は、怖いことはなにもなかった。それどころかお蝶さん、結局は良かったのかな?

 母親の名前がお亀で、娘がお蝶。この名前を見ただけで鳶が鷹を生んだような感じを受ける。うまいネーミングだと思う。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

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秋田大学通信教育「地球化学」の提出課題が返ってきた

2021-01-18 17:26:17 | 秋田大学通信教育

 秋田大学通信教育「地球科学コース」のうち「地球化学」の提出課題が返ってきた。結果はA100。

 これとは別に、「一般科学技術コース」が、10単位以上(16単位)あるので、修了するかどうかを聞いてきた。しかし、今年度で修了しないと学籍が切れるし、全科目履修済なので、本当にこの調査が必要かどうか疑問だ。おまけに学籍原簿の間違いを発見。このご時世秋田まで行けないので修了式は欠席だが修了はすると返事をしよう。

 

 

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