文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
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書評:西郷どん式 リーダーの流儀

2017-09-09 11:33:15 | 書評:ビジネス
西郷どん式 リーダーの流儀
クリエーター情報なし
扶桑社

・吉田幸弘

 NHKの大河ドラマはあまり視ないのだが、来年は西郷隆盛を扱った「西郷どん」だそうだ。著者は、この西郷どんこそ、リーダーシップを学べる絶好の人物だとして、30冊以上の文献を読んで纏め上げたのが本書だということである。

 確かに西郷隆盛は魅力的な人物だ。下級士族から身を起こし、維新の立役者となり、最後は西南戦争のリーダーに祭り上げられて命を落とした。彼の人生は決して順調なものではなく、二度も島流しに処せられている。「半沢直樹シリーズ」(池井戸潤)風に言えば、二度も弱小関連会社に出向させられたというところだろうか。

 それでも復活して、大きな仕事を成し遂げ、悲劇的な最後を迎える。その生涯は日本人の心に響くものがあるのだろう。今なお、その人気は健在である。

 本書は、その西郷どんの行動から、リーダーとしてどのようにしたらいいのかを示したものだ。もっとも彼が活躍できたのは、幕末という時代背景もあったのだろう。彼の生まれるのが仮に100年早かったら、このような活躍はできなかったと思う。また彼の行動をそのまま現在に当てはめても、必ずしもうまくいくかどうかは分からない。しかし、本書に収められた西郷どんの生き方は、現代に生きる我々にも多くのヒントをくれるのではないかと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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