18世紀のフランスの思想家ルソー(1712~1778年)は「戦争及び戦争状態論」という論文で<戦争は国家と国家の関係において主権や社会契約に対する攻撃、つまり敵対する国家の憲法に対する攻撃という形を取る>と発表しています。・・・天王寺動物園のウチワキジ
第二次世界大戦において敗北したドイツ、日本などの憲法がアメリカなどの戦勝国流に書き変えられていますが、敗戦の年(1945年)の167年前に亡くなったルソーが予想した通りの展開でした。・・・ベニジュケイ
ところで1863年、アメリカ16代大統領リンカーン(1809~1865年)が「人民の、人民による、人民のための政治を地上から絶滅させない」とゲティスバーグで演説したことは世界的に有名です。・・・ヒオドシジュケイ
アメリカの歴史家ゲリー・ウィルズは、この演説を評して、「言葉の威力がこれほど発揮された例はほかにない」、「現代の政治演説はゲティスバーグから始まると言っても過言ではない」と絶賛、アメリカ人が世界に誇る演説の文句でしょう。・・・キンクロハジロの♀
日本を占領統治したGHQ(連合軍総司令部)のスタッフも、敗戦国日本の新しい憲法にリンカーンの言葉をどうしても入れたいと考えたようで、今の日本国憲法の中にちゃんと入っているのです。・・・アカツクシガモ
日本国憲法前文にある<そもそも国政は、国民の厳粛なる信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを代行し、その福利は国民が享受する>がそれです。・・・足の指が黄色いコサギ
最初の<そもそも国政は>は、リンカーンの言葉の最後に出てくる<政治>を最初に持ってきただけ。・・・ゴイサギかササゴイの幼鳥でしょうか
次の<国民の厳粛なる信託によるものであって、その権威は国民に由来し>とは、修飾語で誤魔化されそうですがリンカーンの<人民の>と同じ意味でしょう。・・・アオサギ
さらに<その権力は国民の代表者がこれを代行し>は、リンカーンの<人民による>を間接的な表現としたもの。・・・シュバシコウ
最後の<その福利は国民が享受する>は、リンカーンの<人民のため>を具体的に表現しただけと考えられるのです。
参考文献:それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子著