9月9日のNHKプロフェッショナル 仕事の流儀「高倉健スペシャル」の翌日、難波にその作品「あなたへ」を見に行くと、9時スタートの映画でしたが8時10分にはもう行列ができていました。
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主役の高倉健(健さん)は、日本が高度成長期に入った1965年頃から任侠映画のスターとなり、残業や休日出勤に疲れた当時の若いサラリーマン達を元気づけた俳優です。
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この作品の出演者の年齢をチョット調べてみると、大滝秀治(87歳、文化功労者)高倉健(81歳、文化功労者)長塚京三(67歳)ビートたけし(65歳)田中裕子(57歳)と、定年を過ぎたサラリーマン達が良く知っているベテランの俳優さんです。
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降旗康男監督も78歳、俳優の中に文化功労者が2名いて、55歳以上のベテラン陣がこれだけ勢ぞろいした作品は珍しいかもしれません。
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81歳で嘱託刑務官を演じるには少し無理があるようにも思いましたが、まあ健さんということで許容範囲だったと思います。そういう意味で長塚京三、ビートたけしも許容範囲でしょう。
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妻を演じた田中裕子を久しぶりに見ました。彼女が宮沢賢二の童謡「星めぐりの歌」を歌う場面では、そのハートのある歌唱力に驚かされましたが、さすがに女優ですね。
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その妻(田中裕子)の思い出を追った雲海に浮かぶ竹田城跡のシーン、また雲一つない水平線に浮かぶダルマ夕日の前を影絵のように漁船が横切るシーン、監督とカメラマンのこだわりがよく判る素晴らしいものでした。
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作品は、せりふが少なく、観客に考えさせる展開が続きますが、NHKプロフェッショナル仕事の流儀を見た後だったので、健さんの演技をより深く観察しながら楽しめました。
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映画が終わった直後の客席を見ると、高度成長期に健さんファンだったと思われる皆さんが、健さんを見習って背筋をピンと伸ばして一斉に席を立たれたのには驚かされました。
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健さんよりも若い80歳以下の高齢者を元気付けるため、81歳の健さんにはこれからも映画の世界でもっと活躍を続けて欲しいものです。