大野里奈(Satona Ohno、筆頭著者、経歴、1981年頃生まれ、現在約35歳)カルフォルニア大学デービス校ポスドク、吉田進昭(Noriyuki Yoshida、責任著者、経歴)東大医科学研究所教授らの論文の捏造、改ざんがPubPeerで指摘された。
指摘された論文は
Satona Ohno(Photo), Masaki Shibayama, Mitsuharu Sato, Akinori Tokunaga & Noriyuki Yoshida(責任著者)
"Polypyrimidine tract-binding protein regulates the cell cycle through IRES-dependent translation of CDK11p58 in mouse embryonic stem cells"
Cell Cycle. 2011 Nov 1;10(21):3706-13.
一部を紹介する。
PubPeerの2016年9月27日の指摘。
BSA-EMCVの一部を白い四角で隠した跡が見える。私見だが、これは故意の改ざんではないか。
この論文は先月末頃に疑義が指摘され、著者がすぐに回答したので評価した。しかし、27日の指摘を見てしまうと、故意の改ざんではないかと思ってしまった。
吉田進昭には説明を求めるメールを出す事にする。何かあったら更新する。
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(2016年10月1日追記)
大野里奈(Satona Ohno)の連絡先が不明だったので、彼女がポスドクを務めている研究室のボス、Distinguished Professor Stephen Charles KowalczykowskiにPubPeerや本ブログの証拠を提示して、不正行為について説明するように大野里奈に伝えるかメールアドレスを教えてくれるように要求した。サイエンスのニュースを示して、東大が医学系の不正を調査中で大きなスキャンダルになっている事も伝えた。
(2016年10月5日追記)
大野里奈(Satona Ohno)の連絡先がわかったので、研究不正とその根拠を伝え、説明を求めた。連絡がつかなくなった時は仕方ないので、ボスのStephen Charles Kowalczykowski氏に連絡して、大野里奈に伝えるように要求する。
(2016年10月6日追記)
Cell Cycle誌に大野里奈(Satona Ohno)らの研究不正とその根拠を伝え、調査と撤回、懸念表明などの適切な対応を求めた。
(2016年10月7日追記)
責任著者の吉田進昭が論文の撤回を表明した。私も説明を受けた。なお、大野里奈の論文をPubMedで調べると3報ヒットした。うち2報が筆頭著者、1報が撤回予定。
(2016年10月15日追記)
2016年9月30日付で告発され、2016年10月13日付で東大が受理し予備調査を開始した事を朝日新聞が報じた(写し)。
(2016年10月16日追記)
UC DavisのDirector of Research Compliance and IntegrityであるCraig Allison氏から、問題となったデータの取得や論文投稿後に大野里奈がUC Davisに着任したため、UC Davisのポリシーに基づくと、この問題に対して調査裁定権限がないと回答された。
(2016年10月26日追記)
(2016年11月2日追記)
画像の捏造、改ざんにより論文が撤回された事が公表された(写し)。撤回日は2016年11月1日(オンライン)。本ブログが第一報。
(2016年11月5日追記)
2016年11月4日付で東大が調査委員会を設置し本調査を開始する事を読売新聞が報じた(写し)。Yahooトップニュースでも紹介された。
(2016年12月2日追記)
責任著者が意図的改ざんや加工は全くない事をリトラクションウォッチに対して回答。本ブログの情報提供でリトラクションウォッチが報道(写し)。
(2016年12月8日追記)
松野博一文部科学大臣に対して本件に関する質問が出て、松野博一文部科学大臣が回答した。
松野博一文部科学大臣記者会見録(平成28年11月8日)、写し1、写し2、動画(約6:50頃から)
(2017年1月25日追記)