大野里奈(Satona Ohno、筆頭著者、経歴、1981年頃生まれ、現在約35歳)カルフォルニア大学デービス校ポスドクらが発表した捏造論文に関して、責任著者が意図的な改ざんを否定している事がリトラクションウォッチの取材でわかった(写し)。
リトラクションウォッチに対する責任著者の回答によると加工の類のような意図的改ざんは一切なく単に図表の過失と主張した。
この回答によると著者らは争うのだろう。少し驚いた。一般に単純ミスの場合は訂正で済ませるし、誤りが結果に抵触するなら撤回するのが相当かもしれないが、明らかな加工を指摘された直後に著者が撤回を申し出て、撤回公告で図表のirregularities(不正行為)が公言されたなら、普通は捏造、改ざんを認めたと思ってしまうが、責任著者はそういうつもりではないようだ。
責任著者は意図的改ざんや加工は一切ないと回答したが、リンク先の指摘を見てしまうと明らかに意図的改ざんや加工があったと思うので、回答を全く信用できない。前に撤回を紹介した時に、明らかな意図的改ざんがあったFigure5Aについて撤回公告上で何の言及もなかった事を疑問に思った事を言及したが、責任著者らは不正を否定するつもりなので、その部分を無視又は誤りを否定したのかもしれない。
リトラクションウォッチによると責任著者は現在指摘された論文が本調査されている事を認めた。本調査で判断される事になるが、公正に行ってほしい。上で述べた理由で私はこの件の不正が時間の問題で認められると予想していたが、責任著者が否定しているので確実というわけではないと思った。
もちろん客観的証拠から意図的な改ざんがあったと思うし、公正に調査されれば必ずそれが認定されるはずだが、研究機関の不公正な調査をこれまで何度も見てきたし、現在の東大医学系等の不正は大問題で前病院長など高位者も被告発者になっているので確実な判断ができない。
くれぐれも公正な調査を行ってほしい。