世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

博士修了者がアカデミックポストに就ける率

2008-07-31 22:17:54 | 社会
 大学院生のうちで、どのくらいの人がアカデミックポスト(大学教員、国立研究所研究員)につけるのか。1990年代から始まった大学院重点化、ポスドク増加で博士号取得者は大量に増えたが、就職難がはじまり、現在では博士修了者の25%がアルバイトにも就けないでいる[1]。
 
 逆に言うと、75%の人はアルバイトを含めて就職しているわけだ。しかし、アルバイト就労はアカデミックポストについたとはいえないし、一般にポスドクについても、安定的地位に就いたとは言わないだろう。博士修了者にとって、生き残りの一つの目安が終身型のアカデミックポストに就くことなので、その地位に就く割合について考えてみたい。
 
 その割合については、データを見たことがないので分からないが、東京大学の清水明教授(大学院総合文化研究科広域科学専攻)によると、物理学世界では学校にきちんとくる人のうちで2割程度しかアカデミックポストにつけないという[2]。清水明氏によると、現在は大学院定員の増員のため「今の大学院の研究室は,アカデミックポストに就けるような 実力を持った人はごく少数,ということになります.だから,「平均より少し頑張ったかな」という程度では,とてもアカデミックポストには就けない.[2]」という。
 
 やはり、平均より少しがんばった程度ではとてもアカデミックポストには就けないのが現実だろう。平均と同じ、少し上程度の博士学生、ポスドクは任期付ポストには付けても最終的に生き残れない。非常に厳しい世界といえるだろう。

参考
[1]世界変動展望 著者:"博士修了者、依然苦しい就職難-修了者の25%が浪人! "2008.7.27
[2]清水明:"大学院の変容" 2000.5.18
アカデミックポスト就職率が2割程度等、数字については清水明氏によると「具体的にあげる数字は,すべて,僕が修了した,東京大学理学部物理学科と理学系研究科物理学専攻の数字です.他の大学・学部・専攻では,数字を手直しする必要があるとは思いますが,定性的には同じかもしれません.」

世界変動展望、1周年!

2008-07-30 20:10:22 | Weblog
 世界変動展望は皆様のおかげで無事1周年を迎えることができました。心より感謝申し上げます。

 本ブログは2006年11月29日に別名称でスタートしてから、2007年7月17日に改名し、現在のURLへ移転しました。どちらを記念日とすべきか迷うところでありますが、スタートした日ということを重視して2006年11月29日を本ブログ誕生日としたいと思います。1年目だけは、1周年記念の祝いを本日に述べたいと思います。

 思えば、この1年はgooブログでの初ランクインやアクセス数上昇など読者の皆様のおかげで随分と認知度があがり、非常によかったと思います。今後もよい記事を書けるように精進を続けてまいりますので、皆様よろしくお願いします。

世界変動展望 著者
2008.7.30

漁業への緊急救済!

2008-07-30 20:10:07 | 政治・行政
 28日、農水省は原油高に伴う燃料価格の高騰で打撃を受けている漁業関係者に対して実施する総額745億円の緊急対策を発表した[1]。漁業関係者には、朗報だろう。今回の特別補填で打撃回復に十分かはわからないし、燃料高騰がさらに続くならば一時的回復にしかならないかもしれない。燃料高騰が緩和するかは全く見通しがたっていないが、世界的問題として一日も早く解決すべきだろう。

参考
[1]燃料高騰による漁業関係者への打撃回復措置については"YOMIURI ONLINE(2008.7.29)"によった。

来月にも内閣改造!

2008-07-30 20:09:51 | 政治・行政
 福田首相が内閣改造を検討しているが、来月にも改造がありそうだ[1]。時期については、8月初旬、お盆明けなどいろいろ予測されているが、はっきりとしたことはわからない。
 内閣改造をすると人員が刷新された効果で内閣支持率は上がるが、きちんと維持されるか下落するのかは福田首相にかかっていよう。思えば昨年の今頃も安部前首相が参議院選で負けて内閣改造をしたが、すぐに辞任した。支持率下落の本質的な問題が解決しなければ、内閣改造もその場しのぎの対策にしかならないという例だろう。

参考
[1]内閣改造については"YOMIURI ONLINE(2008.7.29)"によった。

公務員定年延長問題

2008-07-29 20:35:33 | 政治・行政
 公務員の定年を現在の60歳から65歳に延長することが政府で検討されている。退職再雇用をするよりも、仕事内容を考えると定年延長の方がよいと考えられているようだ。その代わり昇進スピードが遅れるという。
 
 公務員に限らず、将来の少子化を考えると定年が延びることは予想されることだ。健康を維持できればそれもいいし、長く働けることはモラールがない職場以外は歓迎されることかもしれない。
 
 公務員の定年延長に関しては、税金で賄っていることだから財源との関係をよく考えてほしい。まずは無駄遣いを何とかすべきだろう。防衛省の報償費問題など、公務員のヘソクリのような税金使いは断じてやめてもらいたい。
 
 無駄遣いについては、現在の医療費問題でも同じ事がいえると思う。不当な料金設定などは見なして、財源を効率的に使ってもらいたい。

経営者は従業員を守れ!-厚労省、30日以内の派遣禁止検討

2008-07-28 17:00:15 | 政治・行政
 厚生労働省が仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣について、1日単位の派遣だけでなく、30日以内の短期派遣を原則禁止する方向で検討していることがわかった。
 派遣労働者制度が格差社会を生み出し、経済的弱者がなかなか経済的苦境から抜け出せない現在の社会構造下では、厚生労働省の方向性は間違っていないと思う。以前から有識者や世論の間でも主張されてきたことであるし、即急に対策をたてるべきだろう。
 経営者側にすると、社員を守るのは社員自身で会社が守るものではないと冷淡なことを仰る人がいるが、社員によって会社は成り立っているし、仲間同士を助けるのは自然だろう。社員の社会生活をあずかる経営者が社員を守るのは当然だと思う。経営者がそのような冷淡な態度を持っているのは、経営者としての資質に欠ける部分があるといえよう。そのような経営者は態度を改めてほしい。

発展途上国、発言力増す!-WTOドーハ・ラウンド

2008-07-28 16:52:09 | 国際
 世界貿易機関(WTO)が26日にジュネーブで開催した新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)のサービス貿易分野に関する初の閣僚会合で、日米欧や主要途上国三十カ国がサービス市場の開放方針を表明した。
 
 今回の方針表明では、ブラジル、インドなどの発展途上国の発言力の強さが目立った。先進国が主導権を発揮し、途上国がそれに従ったウルグアイ・ラウンドとは全く異なる。
 
 世界の各地で発展途上国の躍進が進んでいるような気がする。世界経済が新しい転換期にある兆しかもしれない。日本の所得流出が中東に集中しているようだが、原油高は原料を加工し稼ぐ日本経済の前提を崩す事柄といえるだろう。現在の原油高が新興国の台頭に主因を置くならば、発展途上国の発展はさらにそれを加速しよう。日本経済が生き残るためにも、発言力の維持は重要である。

博士修了者、依然苦しい就職難-修了者の25%が浪人!

2008-07-27 16:59:14 | 社会
 文部科学省の調査によると、昨年3月の博士課程修了者1万6801人のうち行き場のない人は4146人。実に25%が「浪人」を余儀なくされている[1]。以前から指摘されてきたことであるが、現在でも博士課程修了者の就職難は変わっていないようだ。
 
 特に、文系博士の就職難は厳しいという。理系と違って民間研究所への就職先も少なく、大学や国立の研究機関しか就職先がない。多くの人は、非常勤講師や他のアルバイトをしないと生活を維持できないらしい。上記の、就職が決まっていない4146人はアルバイト就労者が含まれていないという。とすれば、いわゆるフリーターの博士を含めるともっと多いといえる。博士修了者の就職難は今後も続くだろう。

参考
[1]博士課程修了者の就職状況については"YOMIURI ONLINE(2008.7.26)"によった。

3人乗り自転車は全面禁止すべきだ!

2008-07-26 23:09:30 | 社会
 母子がよく用いる3人乗り自転車が、主婦などの要望から安全性が高いものに限り容認される方針が検討されている。メーカーが安全な3人乗り自転車を発表しているが、私は3人乗り自転車に反対である。普通の自転車よりも幅があるようだし、転倒・接触しやすい危険は通常の一人乗り自転車よりも大きいだろう。
 
 それに3人乗りが危険な主要な原因は運転者のマナーがなく運転が下手であることが少なくない。下手でマナーがない運転者が乗りにくい3人乗りに乗るから、いっそう危ないのである。本来なら、下手でマナーがない運転者は運転すべきでないし、より危険な3人乗り自転車なら、なおさらだ。この問題は自転車の改善とは無関係である。

 私は公衆の安全のために3人乗り自転車は全面禁止し、従来の利用者は歩行、バス、電車を用いるなどして対処させるのが適切だと考える。

言葉の正しい意味を使おう!-憮然など誤用多し、文化庁、国語世論調査

2008-07-26 23:08:59 | 社会
 文化庁が行った国語世論調査で、「檄をとばす」、「憮然」などの正しい意味を取り違える人が多いことがわかった。調査によると、約8割の人が「国語が乱れている」と回答した[1]。

 確かに、言葉の意味が乱れているという実感は私も持っている。言葉が正しい意味と違って使われ、世間で定着していることがある。私もたまに言葉の意味を国語辞典で調べると、今まで使っていた意味が実は誤解だったとわかることがある。そういう場合は、正しい意味で使うようにしている。言葉は正しい意味で使うべきであり、誤用していると恥ずかしいし、伝えたいことを誤解される危険もあるからだ。

 しかし、言葉によっては誤用が世間で定着し、新しい意味として使われることもある。例えば「打撃の極意に開眼(かいげん)する。」の「開眼(かいげん)」が挙げられる。本来は開眼(かいげん)と読むのが正しいが、俗的に開眼(かいがん)と読んでいる人が多い。国語辞書によると、

・開眼(かいげん);学問、技芸の真髄をさとること。
・開眼(かいがん);目が見えるようになること。

であり、表記は同じでも本来は異なる言葉である。しかし、眼を"がん"と読むことが多いせいか、開眼(かいげん)を開眼(かいがん)と読むことが通俗的となり、今日では開眼(かいげん/かいがん)という両方の読みで辞書に記述されている。

他にも、

・カリスマ
◎1.超自然的、非日常的資質、又はその持ち主。
×2.一般大衆を魅了するような資質・技能をもった人気者。
(すでに定着しているので辞書によっては2の意味で登録してあるものもある。)

・インテリ
◎1.知識階級。
×2.知性が優れること。理解力、判断力、思考力が優れること。インテリジェント。
×3.学歴が高いこと。
※インテリはインテリゲンチャ(知識階級)の略でインテリジェントの略ではない。

など本来の意味が転用され、俗的な意味で用いられている言葉も多い。

 言葉は生きているので、新しい意味が定着していくこともあろう。しかし、私は言葉はできるだけ本来の正しい意味で使うべきだと思う。上で述べたように、本来の意味と異なる使い方をすると、相手に誤解される可能性もあるし、恥をかくこともある。 それに、言葉は日常での使われ方を通して、少なからず人々の精神や文化に影響を与えるものだから、正しい使われ方がなされることが望ましい。

 例えば、カリスマのように本来は超能力者のような人を指すのに、一般の人気者をカリスマとよぶのはおかしいと思う。歴史上カリスマとよばれる預言者、英雄などは人々を盲目的かつカルト的に従わせ、異常な熱狂的な支持を得ていただろう。確かに、カリスマは高い人気を持つものという側面があるが、その人気の質は異常なものだろう。「カリスマ美容師」などと用いるカリスマには、そのような異常性はない。単に、「非常に人気がある、支持がある」といった方が、正鵠を射ている。

 表現したいことを、できるかぎり正しい言葉で表すことは重要なことである。それは良い文章、表現の基本である。

参考
[1]文化庁の国語世論調査は"毎日jp(2008.7.25)"によった。