世界変動展望

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滋賀大、宮田仁(Hitoshi Miyata)が論文改ざん、盗用等で諭旨解雇!

2012-05-27 00:00:23 | 社会

『滋賀大は21日、論文盗用やデータの改ざんなどをしたとして、教育学部の宮田仁教授(53)を諭旨解雇処分(20日付)にしたと発表した。[1]』

この事件は今年2月に滋賀大学が公表したもの。調査報告書(概要)によると、論文11編で調査時期を偽るなどしてデータを流用(改ざん)、論文6編で盗用、論文の重複投稿6編、共著者の同意を得ない投稿も7編あった[2]。かなり大規模でいろいろな研究不正をやった。これだけやれば懲戒解雇が当然だ。しかし、処分は諭旨解雇にとどまった。その理由として

『大学側は諭旨解雇にとどめた理由について「発覚後、論文取り下げなど誠実な対応や謝罪をしているため」とした。[1]』

いかにこのような態度だったとしても不正の多さを考えると懲戒解雇が当然で諭旨解雇は甘すぎる。研究不正が続発し全くおさまる気配がないことや不正の根本原因の一つに研究者の人格的問題があることを考えると罰則は重いものでなくてはいけない[5][6]。大規模に不正をしても本人が謝罪等をしているだけで懲戒解雇を免れるようではいけない。この不正の原因が宮田の著しい倫理意識の欠如であることは佐和隆光学長も指摘した。

『佐和隆光学長は「研究者倫理の欠如に起因する許しがたい行為で遺憾。今後、研究活動の不正行為防止に全学的な対応を図る」とコメントした。[1]』

上のように大規模な不正をしたのだから、倫理意識の欠如が原因と断じられるのは当然といえよう。宮田も上原亜希子や服部良之らと同類で、業績向上のためには周りにどれだけ迷惑をかけようと構わないというとんでもない考えの持ち主で、そのために改ざんや盗用など多岐にわたる不正を反復して行った。宮田は動機として『忙しかったり、思うような結果が得られなかったりしたので、つい、以前のデータを使ってしまった[3]』と出来心で不正をしてしまったかのように供述しているが嘘で、調査委員会が『宮田教授の研究活動における不正行為は、偶発的ではなく、改ざんに見られるように、長期にわたり繰り返し行われている。[2]』と指摘したように明らかな故意犯かつ常習犯で著しい倫理意識の欠如が原因である。論文11編で改ざん、論文6編で盗用、論文の重複投稿6編、共著者の同意を得ない投稿を7編もやって「ついやってしまった」などという言い分けが通用するはずがない。

読者の方に知っていただきたいのは、研究不正が起きる根本原因の一つに宮田のような著しいモラルの欠如があり、これを防ぐには罰則を強化するなど研究者に不正を起こさせない気にさせる方法が必要だということである[5][6]。研究不正の根本原因には競争の激化や研究機関や監督省庁などの職務怠慢がある([4])ことは以前も述べたが、不正で最も責任が重いのは当然の事ながら不正をした研究者本人であり、彼らに不正をさせない気にさせる対策がとても重要である。

宮田は謝罪等をしたという理由で重大な不正をしたにも関わらず諭旨解雇で済んだが、罰則を強化し、懲戒解雇は当然のこととするだけでなく、使った研究費の全額返還や刑事罰などさらに厳しい罰則強化が必要だ。もともと著しい倫理意識の欠如・人格破綻が原因なのだから、採用段階でこのような人物を雇わないようにすることが研究不正防止に有効だろう。

参考
[1]毎日新聞、地方版 2012.5.22
[2]滋賀大学の調査報告書(概要)トップ、2012.2.10
[3]読売新聞 2012.2.13
[4]世界変動展望 著者:"研究不正が起きる根本原因について" 世界変動展望 2012.4.16
[5]世界変動展望 著者:"研究不正を防ぐための罰則強化策について" 世界変動展望 2012.5.15
[6]世界変動展望 著者:"研究不正の動機について" 世界変動展望 2012.4.28