世界変動展望

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査読詐欺に騙されないための注意事項

2014-11-27 02:00:37 | 社会

韓国のムンヒュンイン、台湾のピーターチンによるネットを利用した自作自演の査読で大量の論文撤回が起きた事件が発生した。そういう事件が発覚すると査読システムの弱点が暴露されてしまって学術誌の信用は大きく落ちる。そうならないために編集者は査読過程の欠陥を埋めるべく改善に努めている。その他にもエディターシステムのハッキングによる不正査読事件偽査読者を斡旋するブローカーによる組織的不正査読事件などが発生した。ネイチャー誌が自作自演などの査読詐欺に騙されないために気を付けるべき事柄を公表した。Cat Fergusonとリトラクションウォッチの運営者であるAdam MarcusIvan Oranskyの記事[1]。リトラクションウォッチで関連記事が公表


査読における注意事項 [1]より

最近記事を公表した通り、悪質なオープンアクセスジャーナルIEEEやシュプリンガーの実質的査読放棄で無意味な論文が多数掲載された事件が暴露されてしまった。これらは金儲けのために実質的に査読を放棄して論文掲載又は国際会議で発表させているのが原因。そもそも査読をきちんとやろうとしないのは論外で、そういう態度を必ず改善する必要がある。日本でもそうだが、学術界は競争主義で査読付き論文をどれだけ発表したか、どれだけ著名な雑誌に掲載させたか、どれだけ引用されたかといった事が予算獲得や人事の重要事項になっている。そのための金儲けジャーナルや国際会議、不正な手段による査読など、いろいろな不正行為がある。

そういうものを必ず改善していかないと学術が信頼されないし、場合によっては誰かが大きな損害を被ることになる。そのために気を付けるべきことがいろいろある。

参考
[1]Nature 515, 480–482 (27 November 2014)