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「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

新型インフルエンザ流行に臨む(2)要注意!

2007-12-11 16:19:59 | 各論:新型インフルエンザに備える
厚生労働省健康局結核感染症課から
平成19年12月10日付けの
特別区等衛生主管部局への事務連絡によりますと、

「中国(江蘇省)のおける、鳥インフルエンザ(H5N1)の
人から人への感染疑いについて」

という情報が届いています。

今後、詳細がはっきりするとは思いますが、
心の準備のために、
以前新型インフルエンザについて書いたこと(2007-10-31 23:53:43)を、
再掲させていただきます。

これからも、新型インフルエンザに関する
詳細が伝わり次第、
このブログ上でもアップしていきます。

いまは、あくまでも“発生疑い”の段階であり、
“発生”ではありません。念のため。


***再掲***


南関東エリアの大地震
(マグニチュード6.7~7.2程度)が、
10年以内に起こる発生確率は、30%。
30年以内に起こる発生確率は、70%。
地震の備えは、本区の重要課題である。

もう一つの脅威、
備える必要があるものをあげるとすれば、
新型インフルエンザの流行。

1)流行規模の想定
新型インフルエンザがもし、日本で流行したとすると
医療機関を受診する患者数:約1300万人~2500万人
病原性が中等度(アジアインフルエンザ並み)の場合
入院患者数:約53万人
死者数:約17万人

病原性が重度(スペインインフルエンザ並み)の場合
入院患者数:約200万人
死者数:約64万人

参考:最近のインフルエンザの場合
推定患者数:1000万人~2000万人
死者数(超過死亡数):2400人~15000人

2)新型インフルエンザって
簡単にいうと、「過去数十年に人が経験したことのないインフルエンザウイルスによる流行が生じた時、新型インフルエンザの流行という」(遠い過去に流行したインフルエンザの再来だとしても新型という)
学術的にいうと、「過去数十年に人が経験したことがないHAまたはNA亜型のウイルスが、人の間で効率的持続的なヒトーヒト感染により伝播してインフルエンザの流行を起こした場合をいう」

3)対策は?
一言で言うと、
「早期検知」し、リスク評価を行って、「早期対応」を行えば、社会機能を破綻させることなく終息しうる。

4)新型インフルエンザは、どうしてできるの?
①鳥インフルエンザ自体の遺伝子の変異で、ヒトに感染しやすいタイプに変身
②豚が鳥インフルエンザとヒトインフルエンザの両方にかかり、そこで両者のウイルスが合体し、ヒトに感染しやすいタイプに変身
③ヒトが鳥インフルエンザとヒトインフルエンザの両方にかかり、そこで両者のウイルスが合体し、ヒトに感染しやすいタイプに変身

5)新型インフルエンザが猛威を振るうと社会機能破綻は?
①医療機関は混乱
②労働力が失われる
③ライフライン(電気、ガス、水道、電話、鉄道など)がストップ

6)医療面での対策は?
①第一段階(他地域の発生)
発熱相談センターの設置

②第二段階(その地域にも発生)
発熱外来設置
要観察例は感染症指定医療機関に入院。

③第三段階(患者増加)
軽度→自宅療養
重度→病院で

④第四段階(患者数膨大へ)

⑤第五段階(流行終息期)

7)感染症の社会的な対策
①感染症予防の情報提供
②不要不急の外出を避ける
③医療機関へのかかり方
④発熱センターの電話番号
など、
住民に情報提供すること。


***再掲以上***


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新型インフルの質問 (布袋)
2007-12-11 17:37:01
教えてください。
新型は大人の方が掛かりやすいと効いたのですが?
タミフル以外の薬は無いのですか?
今、研究されていて有望な薬はありますか?
返信する
お答えになるかどうか (小坂和輝)
2007-12-14 19:20:34
布袋様、コメントありがとうございます。

SARSでは、なぜか、大人が多くかかっていたような気がします。新型インフルエンザでは、大人が多いのか、それは私もわかりません。
鳥インフルエンザの発生状況は、WHOのホームページから、知ることが出来ます。
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/country/en/index.html

新型インフルエンザの治療薬として、WHOは、タミフルやリレンザのノイラミニダーゼ阻害薬を推奨しています。それ以外の薬の開発状況は私は知りません。

新型インフルエンザに関するQ&Aは、東京都福祉保健局健康安全室感染症対策課 のホームページにあるものがよくまとまっています。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansen/sidou/qa.html
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