ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

皇位継承21~日本精神を復興し、皇位の安定的な継承を

2021-12-04 10:11:50 | 皇室
 最終回。

●悠仁親王殿下における帝王学の課題(続き)

 悠仁様は、令和4年(2022年)3月中学を卒業し、4月から高校に進学される。通っておられるお茶の女子大学付属中学校は共学だが、付属高校は女子校である。それゆえ、悠仁様は高校には内部進学できず、別の学校へ進学されなければならない。伝統的に皇族男子は学習院高等科、皇族女子は学習院女子高等科に内部進学してきたが、悠仁様は高校から学習院に入るのか、それとも別の高校に進むのか。この進路の選択は、非常に重要である。今後、皇位に就くべき方であるので、高校からは学習院に進み、教育機関を通じても天皇の帝王学を学べるようにすべきである。
 先に引いた週刊新潮 2019.1.3-10号は、次のように伝えた。

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 天皇陛下も、将来のお世継ぎである悠仁さまの御身をひたすら案じておられるという。
 「悠仁さまに相応しい教育が過不足なく施されているかどうか、陛下は絶えず気を揉まれています。現時点で、将来の皇統は悠仁さまから続いていくことになる。すなわち、皇室の存亡が御身にかかっているわけですが、もはや陛下が手ずから帝王学をお授けするのが困難であり、それゆえ秋篠宮殿下と紀子妃殿下に託すしかない。ところが陛下は、その“内容”を案じておられるのです」(秋篠宮家の事情に通じる人物)
 「陛下が最も気を揉まれているのは、悠仁さまに教育係がおらず、さらに両殿下にも帝王学を授ける機会がないことです。12年の会見で秋篠宮殿下は『(悠仁さまが)どういう立場にいるかというのは、だんだん年を経るにつれて分かっていくのがいいのではないか。今、君はこういう立場なんだよ、というようなことは私たちは話しておりません』と仰っていた。それから6年、陛下が安心して譲位なさる土台が整ったかといえば、甚だ心許ないと言わざるを得ません」(同)
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 この記事は、平成31年(2019年)1月のものゆえ、その後、2年以上が経っている。「陛下が最も気を揉まれているのは、悠仁さまに教育係がおらず、さらに両殿下にも帝王学を授ける機会がないことです」「陛下が安心して譲位なさる土台が整ったかといえば、甚だ心許ないと言わざるを得ません」という言葉は、現在もそのまま当てはまるだろう。しかも、この間に眞子様のご結婚問題が起こった。思春期にある悠仁様にとって、姉の眞子氏のご結婚問題は、大きな心理的な影響を与えてきただろう。しかも、配偶者となった小室圭氏が直接、悠仁様に悪影響を与えてきていることも懸念される。
 将来天皇となる悠仁親王殿下がその御役目を立派に果たしていただくには、天皇の帝王学が実行されなければならない。とりわけ今上天皇陛下から帝王学を学ぶことが不可欠である。そのための最善の方法は、天皇家の養子に入られることである。それには、皇室典範を改正して天皇が養子を取れるようにする必要がある。皇位の安定的な継承は、単に男系男子で継承されることだけではなく、天皇が受け継ぐべき精神が次代へ継承され、さらに代々継承されることによってこそ実現されるのである。今日の有識者会議の議論には、この肝心な点が全く欠けていることを指摘したい。

結びに~日本精神を復興し、皇位の安定的な継承を

 本稿は、安定的な皇位継承を実現するための方策について述べてきた。
 わが国は、皇統の危機と民族の衰亡という、歴史上かつてない国難に直面している。まずその事態を理解するために、われわれ国民は皇位継承の歴史を学び、日本の伝統について真剣に考える必要がある。
 世界で唯一日本の皇室のみが、2千年以上と言われるほど長い間一貫して、継続している。そして、天皇を中心として、国民が団結することにより、優れた国柄を為してきた。こうした国柄を守ることが、日本を守ることである。
 日本の国柄を守るために、今こそ皇統の男系継承の伝統を堅持しつつ、皇室の繁栄と皇位の安定的継承を可能とする方策が求められている。私は、男系による皇位継承を保持し、かつ皇族の数を確保する最善の方策は、旧皇族の男系男子孫の皇籍復帰と考える。次善の方策は、皇族が基本的に旧皇族の男系男子孫に限って養子を取ることを許可することである。女性宮家創設については、旧皇族の男系男子孫との婚姻の場合に限るべきである。
 皇統の血筋を引く元皇族の男系男子孫が、皇籍復帰、皇族との養子、皇族女子との婚姻などの方策によって、男系男子皇族となる制度を整えば、皇族の人数は増加し、かつ安定的な皇位継承が可能になる。この旧皇族活用策以外に、皇室の繁栄と皇位の安定的継承を可能とする根本的な改善策はない。一時的な方策は根本的な改善にならず、旧皇族の活用を先送りすれば、皇室のご命運は先細りする。だが、今この根本的改善策を実施すれば、悠仁親王殿下が皇位を継承される将来、天皇を支える宮家が数家維持されて、皇室の弥栄を確かなものとすることができる。政府も有識者も国会議員も、そのことを理解して、根本的な改善に取り組んでもらいたいものである。
 皇室の繁栄と皇位の安定的継承を可能にする方策には、憲法の改正と皇室典範の改正が必要となる。憲法の改正は、国会の各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならないと規定されている。最後は、国民投票で決する。皇室典範の改正は、国会が行う。憲法も皇室典範も、適切な改正を実現するには、真に日本を愛し、皇室の弥栄を願う議員が国会の多数を占めるように、国民が選挙で議員を大幅に入れ替える必要がある。戦後民主主義の国家体制において、良かれ悪しかれ、皇室のご命運及び我が国の将来は、われわれ国民一人一人の意思にかかっている。国民の自覚なくして、皇室の弥栄、わが国の存続・繁栄は保てない。
 戦後世代を中心に、皇室の価値の分からない人が増えている。万が一、わが国が皇室を失うようなことになれば、民族の中心を失った日本人は、先祖伝来の団結力を失い、やがて国家をも失って、散り散りになり、地球を漂流することになるだろう。
 そうした暗黒の未来を避けるためには、日本人は自己本来の精神、日本精神を取り戻す必要がある。日本精神は、皇室を中心として国民が団結する大調和の精神である。その精神を世代から世代へと受け継いできたことによって、日本文明は発展してきた。国民が日本精神を取り戻し、皇位の安定的な継承を可能にすることによってのみ、日本文明のさらなる発展もまた可能になるのである。(了)

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