く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)> ジャスミンに似た芳香 花色が紫から白に変化

2013年05月28日 | 花の四季

【ナス科、原産地はブラジル~アルゼンチン】

 原産地は南米のブラジル南部からアルゼンチンにかけての地域で、日本には明治時代末期に渡ってきたといわれる。和名「匂蕃茉莉」の「蕃」は外国、「茉莉」はジャスミンを指す。海外から渡来したジャスミンのような香りを放つ花ということで、この名が付いた。ただニオイバンマツリはナス科に属し、モクセイ科のジャスミンとは同じ仲間ではない。

 花の咲き始めは青紫色。これが2日ほどの間に次第に〝退色〟して薄紫から白に変化していく。次々に咲き続けるため1株で複数の色が楽しめる。その色の変化から英名では「イエスタデー・トゥデー・アンド・トゥモロー」などと呼ばれているそうだ。芳香は夕方から明け方にかけて特に強くなり、周りは甘い香りに包まれる。ちなみに花言葉は「浮気な人」。このほか「乙女の香り」「熱心」などもあるという。

 フラワーショップなどでは単に「バンマツリ」や「マツリカ」「アメリカジャスミン」、学名の「ブルンフェルシア」などの名前でも流通している。ただ「マツリカ(茉莉花)」はモクセイ科ソケイ属の植物で、ジャスミンティーに花のつぼみが使われる「アラビアジャスミン」を指す。ニオイバンマツリと同じ仲間には、黄花種のアメリカバンマツリ、花や葉が一回り大きいオオバンマツリなどがある。増殖は挿し木で比較的容易。この写真の株も小枝の挿し木から育てて3年目だが、今では高さ1.5m近くまで成長した。

 静岡県下田市の了仙寺は境内から参道にかけて約1000株のニオイバンマツリが咲き誇る。幕末に日米下田条約が調印されたお寺で国の指定史跡。ここでは「アメリカジャスミン」と呼ばれ、ちょうど「香りの花まつり」(31日まで)が開かれている。関西では奈良市の珹寺(れんじょうじ)が有名。本尊は光明皇后をモデルにしたという「女人裸形阿弥陀如来立像」(31日まで開扉中)だが、その本尊にお似合いの花として先代住職が30年ほど前ニオイバンマツリを植樹したのが始まりという。


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