く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<クレマチス> 「テッセン」とも 人気の高い〝ツル性植物の女王〟

2015年05月04日 | 花の四季

【多彩な花色・花容、一重・八重・万重咲きも】

 キンポウゲ科のツル性多年植物。クレマチス属(センニンソウ属)は北半球の温帯地域に300種ほど分布、日本にもカザグルマ(風車)やセンニンソウ、ハンショウヅルなど約20種が自生する。一般にクレマチスといえば、日本のカザグルマや中国原産のテッセンに欧米原産のものを交配した園芸品種群を指す。ただ日本ではクレマチス全体を総称してテッセン(鉄線・鉄仙)とも呼んでいる。

 クレマチスの語源はブドウなどの「ツル」を意味するギリシャ語「klema(クレマ)」。テッセンの名前もツルが針金のように丈夫なことによる。花びらのように見えるのは萼(がく)が色づいたもので、本来の花弁は見当たらない。花の色は白や紫、黄、紅色、暗赤色など多彩、咲き方も一重や八重、さらに幾重にも重なった万重(まんじゅ)咲きと様々で、見栄えがするうえ開花期も長い。このためツル性植物の〝女王〟とまでいわれている。

 

 クレマチスの萼片は4枚、6枚、8枚など基本的に偶数枚数。日本原産のカザグルマは花の形や色(白または紫)が中国産のテッセンとよく似るが、カザグルマの萼が8枚なのに対し、テッセンは6枚という違いがある。テッセンは中国から江戸前期の寛文年間(1661~73年)に渡来したといわれ、カザグルマとともに絵画や蒔絵、織物などのデザインに多く採用された。

 

 19世紀後半、英国ではクレマチスの栽培ブームが過熱し、水代わりに紅茶を与えると美しい花が咲くと信じられていたという。クレマチスは全草に中毒成分のプロトアネモニンやサポニンを含む。このため葉などの汁は皮膚かぶれを引き起こす恐れも。フランスでは路上生活者が哀れみを誘うため、わざと汁を肌に付け、ただれを作ったことから「乞食草(こじきそう)」と呼ばれていたそうだ。「てつせんは花火の花のたぐひかな」(北村季吟)。


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