く~にゃん雑記帳

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<デルフィニウム> 直立した花茎に鮮やかな青や紫など多彩な花色

2016年06月10日 | 花の四季

【その名はギリシャ語でイルカを指す「デルフィン」から!】

 キンポウゲ科デルフィニウム属(オオヒエンソウ属)。涼しく乾燥した気候を好み、北半球のヨーロッパからシベリア、アジア、北米などに広く分布する。元々は宿根草だが、高温多湿を嫌うため日本では一年草として扱われることが多い。デルフィニウムの名前はイルカを意味するギリシャ語の「デルピス」に由来する。花の蕾の形がイルカに似ていることに因むといわれる。

 和名は「オオヒエンソウ(大飛燕草)」。花の形をツバメが飛ぶ姿に見立てた命名といわれるが、デルフィニウムの名前が定着しており和名で呼ばれることは少ない。品種改良には300年余の長い歴史がある。最も古い栽培種といわれる「エラツム種」や「グランディフロラム種」などを基に、欧米で数多くの園芸品種が作り出されてきた。花弁のように見えるのは萼片で、実際の花弁は中心にあり小さい。それが花芯に止まった黒いハチのように見えることから「bee(ビー)」と呼ばれる。ビーがあるものはエラツム種の形質を引き継いでいることによるという。

 20世紀初めには「ベラドンナ系」といわれる鮮やかな青花が作り出された。ベラドンナは「美しい婦人」を意味する。青は園芸ファンにとって憧れの色だが、デルフィニウムに関しては今やあらゆる青の色調がそろっているといわれる。大戦中に米国で作出された「ジャイアントパシフィック系」と呼ばれる品種は大輪八重咲きで人気が高い。草丈は1.5~2mにもなり、花色も多彩。日本で切り花栽培が可能になったのも、この品種が1年草として扱える特質を併せ持っていたことによるそうだ。最近は矮性品種の登場で鉢植えとして栽培されることも増えてきた。

 豊富な花色がそろうデルフィニウムだが、赤花の作出は試行錯誤の連続だったようだ。多くの栽培家が米国カリフォルニア原産の「カルディナーレ」と「ヌディカウレ」という赤系統の原種を繰り返し交配してみたものの、なかなかうまくいかなかった。この2種の雑種から作った4倍体にエラツム種を掛け合わせて〝夢の赤花〟の栽培に成功したのはオランダ・ワーゲニンゲン大学のレグロ博士だった。約50年前のこと。その赤花には「ユニバーシティ・ハイブリッド」という名前が付けられている。


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