ON THE ROAD

適当に音楽や映画などの趣味についてだらだら

『城』 カフカ

2024-05-06 21:16:10 | 


カフカという人は長編は3作しかなく、そのどれもが未完で終わっている。今作は600ページ以上もありながら未完というのは読み手としてはもやもやする。

読むまで代表作の『変身』や『訴訟』のようなシュルレアリスムともとれる不条理さに満ちた作品なのかと思った。測量士として呼ばれたのに測量士としての仕事は一切せず、城に翻弄される主人公は不条理ともとれるが、それぞれのキャラクターとその背景が面白い。ひょんなことから村八分にされた一家の話は切なくも生々しくて好き。

とはいえ全部が全部いいわけではなく、結構ダラダラした会話部分も多い。そして前述の通り謎が謎のまま終わるというのは最悪。最後の最後でお内儀との意味ありげな会話が繰り広げられるが気になりすぎる。




『アフリカン・カンフー・ナチス』

2024-05-06 11:25:47 | 洋画
刺激的なタイトルに惹かれて鑑賞したが、一部界隈では結構有名な映画なんだね。

生きていたヒトラーと東條英機が手を組んでガーナで野望を遂げようとするが、主人公はそれを阻むというのがあらすじ。
これだけ聞くとトホホな映画だが、結構面白い。まず、アクションシーンがかなりしっかりしていて、その部分に関してはとても低予算映画とは思えない。修行のシーンや酔拳を使うなど香港映画のインスパイアが見受けられる。

ぶっ飛んだ設定を抜きにしてストーリー自体はかなり王道をいっている。しかしながら観ていて飽きるようなポイントはなく、過激なバイオレンス描写もあって楽しめる。最後は銃撃戦かい!ってツッコミはしたくなったが。

吹き替えだと無駄にキャストが豪華だったり。関西弁キャラ多かったり、東條英機役の人が日本で便利屋やっていたりと色々と不可思議な部分が多いが、観て損はない。

検索するとピクシブ辞典がかなり充実していたり、続編も制作することからカルト人気はすごいようだ。
あと、劇中何度か出てきて私も気になったガーナのお酒、アドンコの入手に情熱をかけている人のドキュメントは面白くて読む価値がある。私も飲んでみたいな。