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緊急投稿、ナチになったネタニヤフ 

2024年10月02日 | 地政学上のリスク

 隣国レバノンへ地上侵攻したイスラエルに対して、パレスチナを支援するイランが遂にイスラエルをミサイルで直接攻撃し始めました。本格的戦闘につながることが懸念されます。

 イスラエル国内のパレスチナ人ハマスを攻撃し、隣国レバノンにまで地上侵攻を行いヒズボラを直接攻撃したネタニヤフ。遂に自らがユダヤ人を虐殺したナチと同じレベルの虐殺者になりました。自国内でも反戦、反ネタニヤフ政権のデモが頻発するようになっている中での愚かな戦闘拡大を続けています。

 パレスチナ人を根絶やしになどできるはずもなく、きっと今後パレスチナ人は孫子の代までユダヤ人を恨み続けテロを繰り返すに違いない。イスラエルはネタニヤフのために中東全体に住む多くのイスラム系国家やフーシ派などの戦闘集団からの攻撃対象になるに違いない。

 このところせっかく下がり始めた原油価格がふたたび上昇を始めれば、世界経済はまたインフレという冷水を浴びせられることになります。株価への影響も出るに違いありません。

 

 1年前の10月17日、私はハマスによるイスラエルへの侵攻と人質の拉致に対して、以下のような投稿をしました。

再掲 タイトル;パレスチナは名前からしてパレスチナ人の地だ!

 パレスチナのハマスはテロリスト集団として一方的に非難されています。ハマスによる突然のイスラエルへの攻撃と人質の拉致は、まさにテロリストの手口で、許されるものではないと思います。

 しかし待てよ。そもそもパレスチナの地には誰が住んでいたのか。非常にザックリと言えば、それまでの経緯はあるにせよ紀元後から20世紀までの2千年はほぼパレスチナ人の地でした。19世紀末になってヨーロッパ各国などで迫害を受けたでユダヤ人が「シオニズム」という運動を起こして、「もともとパレスチナはユダヤ人の地だ」と勝手に主張し侵略と入植を始めてパレスチナ人を追い出しにかかり、いまや8割方を占拠した。しかも戦後の1949年に新たなイスラエルという国を勝手に建国してしまった。近代国際法という概念ができて以降、これほどひどい侵略と新国家の勝手な建国はそう多くはありません。

 しかもパレスチナ人をガザとヨルダン川西岸という狭い地域に追い詰めただけでなく、壁を作って経済封鎖をし、人道的にも許されない食料・飲料・エネルギーの供給を止め、医療行為すらまともにできない状況に追い込んだのはイスラエル側です。

 パレスチナ人は強引なユダヤ人からの迫害を70年間も受け続けたため、我慢の限界を超えて反撃をしたのだと言えます。ハマスがパレスチナ人の中のテロリストなら、イスラエルに住むユダヤ人はほぼ全員が同レベルのテロリストだと言えます。

 整理しますと、「ハマスがテロ行為をするのは、理由のない突然の行動などではなく、十分すぎるほどの理由をイスラエルこそが作り出したからだ。」それが私の考えです。

 以上、再掲でした。

 そしてイスラエルはハマスに対して倍返しどころか100倍返しをするに違いないとも書きました。現在のガザ地区を中心としたパレスチナ人はすでに子供2万人余りを含む4万人以上が虐殺され、街が爆撃でほぼ全滅に近い状況です。それを誰がいったい救済するのでしょうか。

 

 国際社会がどんなに非難しようがイスラエルと言う国、特に首相のネタニヤフはイスラエルの地からパレスチナ人を掃討するまで作戦をやめることはないでしょう。

 彼はすでに2019年に詐欺・収賄・背任の疑いでイスラエル当局から起訴されています。戦闘が終わるとその裁判が開始されるため、止められないのです。それはトランプが有罪判決を受けながらも立候補し、なんとしても自分が大統領になって「自分への恩赦」を狙っているのと同じ構図です。

 そして民主党も大統領選挙でユダヤ人票を狙いイスラエル支持を掲げ、反戦運動家の標的にされています。

 他国選挙のために翻弄されるパレスチナ人が本当に気の毒でなりません。

 

以上、緊急投稿、「ナチになったネタニヤフ」でした。

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日本製鉄によるUSスチール買収、両社は何故間違えたのか?

2024年09月25日 | ニュース・コメント

 アメリカ大統領選挙最大のバトル・フィールドの1つであるペンシルベニア州ピッツバーグにある、アメリカ最大の鉄鋼メーカーUSスチールを日本製鉄が買収するにあたって、様々な方面から大きな抵抗を受けています。

 誰が見ても大統領選挙イヤーにアメリカ最大の鉄鋼会社を買収するのは愚かそのものだと容易に判断できます。当然のごとく両大統領候補から反対、阻止の声があがっただけでなく、USスチールの労組からもあがっています。

 ではいったい誰が、何故そのような決断を行ったのか。この買収は両社が合意の上での買収ですから、両者の経営者が行った決断に間違いはありません。

 

 しかしかつてM&を専門としていた人間からみれば、その責任の大きな一端は買収アドバイザーにもあると判断できます。なにしろこれだけの大きな買収案件ですから、アドバイザーの報酬は莫大です。買収報酬システムのいわゆるリーマン方式をそのまま適用すれば、最低でも動く金額2兆円の約1%、つまり200億円の大台に乗ります。ではそのアドバイザーはいったい誰なのか?

 

 その情報は日鉄が昨年12月18日に発表した買収に関する会社リリースに明記されています。リリースの当該部分を以下に引用します。

引用

日本製鉄のファイナンシャル・アドバイザーは Citi、リーガル・アドバイザーは Ropes & Gray LLP が務めています。

U.S. Steel のファイナンシャル・アドバイザーは Barclays Capital Inc、 Goldman Sachs & Co LLC、リーガル・アドバイザーは Milbank LLP、Wachtell, Lipton, Rosen & Katz が務めています。

引用終わり

 

 名前を見るとシティー、バークレーズ、ゴールドマンとくれば文句なしのバンクであり、そして弁護士事務所です。

 ファイナンシャル・アドバイザーとはいわゆるメインのアドバイザーで、買収案の組み立てから金額設定、相手との交渉、資金調達のアドバイスまで行う主導部隊です。それを法律面からアドバイスするのがリーガル・アドバイザーで、国や州ごとの規制や法的問題点を洗い出してクリアーにし、最後の合意文書の作成までを行います。

 しかしこのような国の威信のかかるような大型M&A案件は、経済合理性だけでは説得力はなきに等しく、政治的判断への対処が経済合理性を上回るウェートを持つことは容易に想像がつきます。

 

 両社はかつて世界の鉄鋼業界を牛耳る巨大会社でした。日鉄の粗鋼生産量は今でも日本ではナンバー1ですが、USスチールはアメリカ内でもすでに3位に沈んでいるため、受け止めとしては「凋落するかつての大会社を救済する」という色彩が強い買収です。

 しかし昨年末の両者の合意報道の翌日にはUSW(全米鉄鋼労働組合)が反対声明を発出。そのニュースを12月19日の共同電から引用します。

引用

全米鉄鋼労働組合(USW)は18日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収に反対する声明を発表した。「従業員の懸念を押しのけて外資系企業に売却することを選択した」とUSスチールを非難し、米国の規制当局に買収を慎重に審査するよう求めた。

引用終わり

 こうした反対があろうことはアドバイザーたるもの当然あらかじめ予想し、即座に対応する声明を発するべきなのですが、それはなかったようです。

 その後は当然ラストベルトの労働者の代弁者を自負するトランプが即座に反応し阻止を表明バイデン大統領もハリス候補も反対の立場を表明しています。組合側、政治家側、ともに反対となると、実現への道はかなり困難と言えます。

 

 ではいったいこの誰が見ても反対運動が巻き起こるディールを、このようなタイミングでぶつけたのか。

 私なりの考えを述べますと、それは「かつて世界のトップ企業であった2社のおごりから来る慢心と、これまた世界のトップバンクに君臨していると自負するアドバイザー3社の慢心が重なったものだ」となります。

 発表当時のUSスチールの時価に4割ものプレミアムを付けたのにこの反応が来るとは、彼らの慢心のツケは非常に大きいと言わざるを得ません。

 

 念のために申しあげておきますと、私はイギリス系の投資会社の日本法人で、上場会社を含め7社の買収を経験しました。その投資会社はファイナンシャルバイヤーではなく、ストラテジックバイヤーです。つまり買収後に高値で売却して儲けるという商売ではなく、会社の自己成長を買収で補うという戦略的バイヤーをしていたということです。

ですのでもちろん、今はやりのいわゆる買収の仲介という立場ではなく、事業会社に在籍してシナジーの望める同業他社を買収し、買収した企業にはその都度経営者として参画。その後は吸収、あるいは独立のまま運営するということを行ってきました。

 そして買収案件ごとにアドバイザー、弁護士事務所、会計事務所を雇って買収を完遂し、かつ買収後の経営責任も自らが負うという仕事を10年続けました。買収開始前の企業規模を10年後にはちょうど3倍程度まで拡大し、引退しています。

 

 企業買収に関して一般的見方はあまりにも表面的です。買収される側の労働組合は特にその傾向が強いと思われます。「買収されると従業員は首を切られ、企業はズタズタにされる」というのが大方の見方ですが、大きな間違いです。

 買収側は大金を出して買収するのに、企業をズタズタになんか絶対にしません。出資した以上、大事に大事に育て上げ、企業価値を上げるのが最大の目的なのですから。従業員こそ会社の宝であり、その協力なしに会社の発展はあり得ないのですから。私が取った方針の第一は「経営者も従業員も解雇はいっさいしません」と宣言することから買収作業を開始しました。

 日米の雇用関係の違いはあるにせよ、私が本気で買収するならまずそれを宣言し、組合員を安心させ、政治家から余計なチャチャが入らないよう、安全保障上の保安措置を宣言するでしょう。 

 

 では今回のディールはどうなるか?

 当事者もアドバイザーも慢心を捨て去り、謙虚に反省した上で出直す以外、道はなさそうです。

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おめでとう真田広之さん

2024年09月17日 | エッセイ

  エミー賞の受賞、おめでとうございます。しかもほぼ独占というのは本当に素晴らしい快挙です。よくご存知とは思いますが、NHKニュースを引用します。

第76回エミー賞は現地時間の15日、ロサンゼルスで主要な賞の発表が行われ、俳優の真田広之さんがプロデュースと主演を務め、アメリカの有料テレビチャンネルFXが制作した「SHOGUN 将軍」がドラマ部門の作品賞を受賞しました。
このほか真田さん自身が主演男優賞、アンナ・サワイさんが主演女優賞、フレッド・トーイ監督が監督賞をそれぞれ受賞しました。
「SHOGUN 将軍」は9月8日に撮影賞や編集賞なども受賞していて、15日に発表された主要な賞とあわせてひとつのシーズンの作品として18の賞を受賞し、エミー賞で最多の受賞記録を打ちたてました。

引用終わり

 

 今回のお話は真田さんを私の家に招いて、バーベキュー・パーティーをしたお話です。

えっ?と思われる方が多いと思いますが、今を去ること35年前、1989年夏の思い出です。

 何故そんな機会があったのかを説明します。彼はテレビドラマの撮影で2か月間ニューヨークに滞在していたのです。日本はバブルにまみれていて、テレビドラマなのに豪華な出演者全員を2か月もニューヨークに滞在させ、全編現地ロケというありえないほどの豪華版連続ドラマでした。

 

ウィキペディアを引用しますと、

ニューヨーク恋物語 LOVE STORY IN NEW YORK』は、1988年10月から12月まで11回にわたるフジテレビ系列の「木曜劇場」枠で放送されたテレビドラマ。主演田村正和脚本鎌田敏夫その他の主な出演者は、真田広之、柳葉敏郎、桜田淳子、岸本加代子などで、かなりの視聴率を稼いだドラマでした。

 

 真田さんは主役ではありませんでしたので、けっこう暇な時間が多く、一緒に遊ぶ機会があったのです。何故そこにJAL社員の私が登場したのかを説明しますと、JALはスポンサーの一角にいて、出演者よりもはるかに多い撮影クルーや、撮影機材などの輸送に携わりました。全米の宣伝担当だった私は本社からの依頼で、「時間があれば出演者を適当に遊ばせてあげて」と言われていました。役得です(笑)。ドラマはフジテレビが作ったのですが、当時フジテレビはNYで日本語放送のニュースを地上波で流していたため、スポンサーだったJALとは商売上も仲良しだったのです。

 知り合いのフジテレビ・プロデュサーから「林さんゴルフするよね。真田さんがゴルフをしたがっているので、一緒に連れて行ってもらえないかな」という依頼があり、私は「喜んで引き受けます」となったのです。彼はその日一日自由だったので「ゴルフのあと私の家で一緒にバーベキューをしませんか」と誘うと、「是非」ということになりました。そこで私は近所に住む大学の同級生でJALに同期入社の友人家族も誘って、フジテレビのキャスターや真田さんを含め10人ほどでバーベキューをしたのです。

 住んでいた場所は 198 Bell Road, Scarsdale NY 。グーグルマップで簡単に検索できます。ご興味のある方はストリートビューで写真も是非ご覧ください。

  マンハッタンのグランドセントラル駅から北へ郊外電車で40分。一般的にニューヨークという地名から受ける印象とは真逆の、緑に囲まれた夢のような郊外の住宅地にありました。

 私が住み始めたのはこの家が建ってから60年経った時だったので、現在ではほぼ築100年ですが、グーグルマップの写真で見ると全く変わらずにきれいなまま建っています。さすがアメリカの家ですね。

 家賃は当時月1,650ドルで、社内規定を150ドルほどオーバーしていたのですが、広い庭と芝生にほれ込んで自腹を切るとして即決しました。敷地約300坪、平屋で50坪ほどのむこうでは「小さな家」です。右隣の家は敷地面積は同じくらいですが、そのあたりでは典型的な2階建てで、建坪は150坪ほどの大きな家。しかし私の借りた家は、実は地下室が1階とほぼ同じ広さのファミリールームがあったので、住んでいて余裕はありました。

 ところがこの家に実際に住むのは、かなりの覚悟が必要です。それは芝刈り落ち葉処理です。芝は成長が早いため、5月から10月くらいまで週に1度は必ず芝刈りをする必要があります。私は「今後一生で芝刈りをすることなどないだろう」と考え、芝刈りは自分ですることに決めました。エンジン付きの芝刈り機を買い、毎週せっせと芝を刈りました。週末はゴルフでも芝を刈り、家に帰っても芝を刈る生活でした(笑)。 

 ここまで書いて思い出したことがあります。それはこの広い庭の真ん中に、大きなゆりの木があったことです。今それはなくなっています。ゆりの木は葉がとても大きいため、落ち葉の季節はそれを道路に掃き出すのに、半日くらいはかかりとても大変でした。まあそれも楽しみのうちと考え、子供たちにも手伝わせながら、家族でやっていました。

 

 スカースデールは周辺の街より税金がかなり高いのですが、それは会社が払ってくれます。そしてその分公共サービスが充実しています。たとえば子供たちの行っていた公立学校は、全米でも指折りの学校でしたし、芝を刈ったあとの芝草や落ち葉も、すべ道路に掃き出すだけで済み、あとは街が巨大なバキュームカーで吸い取ってくれるのです。もちろん冬は寒くて雪が降るのですが、どんなに降っても朝までには除雪が終わっていますので、車のチェーンなどは不要でした。

 

 話が横道に逸れましたが、真田さんに戻します。彼はとてもナイスガイで、何にでも興味を持ち、ゴルフ場への往復の間もアメリカやニューヨークの郊外に住むというのはどんな感じか、安全性はどうか、食べ物はどうか、そして肝心のゴルフ場についてなど、話は尽きませんでした。

 今一度、おめでとう真田広之さん

 

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大統領選、勝負あり!

2024年09月14日 | アメリカ大統領選24年

 前回の投稿の最後を繰り返しますと、次のディベートに関して私は、

「トランプ陣営は2度目など『やるもんか』となるに違いない。」と書きました。その予想通り、トランプは2度目はやらんと逃げましたね。

 しかしその逃げ口上は、あきれるばかり。「どうだ、どの調査もオレ様が勝ったと言っている」、「これまでで最高の討論会だった」、とまあ、サイコパスらしい大ウソの連発です(笑)。

 

 ディベート後に行われた2人の支持率調査の結果が出始めました。それまでの多くの調査結果では2人の差が最高でも3ポイントでしたが、今回出た3つの調査結果は5ポイント差2件と4ポイント差1件です。きっと日が経つにつれ、こうした差のついている結果が積み上がっていくに違いない。

 

 ではあらゆる勝負事を予想する賭けサイトのオッズはどうか。それも含めたブルムバーグ社の討論2日後の報道を引用します。

 

引用

トランプ氏は勝利と宣言したが、自身のパフォーマンスを擁護する必要性を感じたもようで、討論会後に記者団と面会するという異例の行動に出た。ショーン・ハニティ氏(政治コメンテーター)とともにFOXニュースに出演し、ABCニュースの討論会司会者が公平ではなかったと批判した。

オンライン賭けサイトのプレディクトイットで、討論会前は両候補者の勝率はほぼ互角だったが、終了後はハリス氏が7ポイント優位になった。

引用終わり

 おバカなトランプちゃん、「公平ではなかった」ということは「そのせいでオレ様は負けた」と言っているに等しい。久々に出た「かわいいトランプちゃん」のガキっぽいいいぐさですね。言い訳をすればするほど負けた証拠になるのに、みっともない悪あがきをする。

 

 この大統領選の勝負、私ははきり言って今回で「勝負あり!」と見ました。

 

 これからまだオクトーバー・サプライズがあると言う識者は多いのですが、たとえそれがあっても結果は動かないほど今回の選挙は差がつくに違いないと見ています。

 

 その根拠は、なんといっても「ウソで固めたトランプ・マジックの賞味期限切れ」です。彼のウソに躍らされるのは一部のいわゆる岩盤トランプ教信者のみで、多くのまともなアメリカ人はトランプによるウソの発言、あの所作にウンザリなのです。その上著名人が続々とハリス支持を表明しています。

  最近になりハリス支持を表明したセレブを並べますと、先週支持を表明したロバート・デニーロ、バイデンの撤退を求めていたジョージ・クルーニー、歌手ではキャロル・キングアリアナ・グランデテイラー・スウィフトそして支持を表立って表明してはいませんが、ハリスが登壇する時のテーマソング「フリーダム」の使用を許しているビヨンセがいます。さらにバスケットボールのマジック・ジョンソンなども。

そして驚きなのは、トランプ支持メディアとして有名なFOXニュースを率いるマードック一族のジェームズ・マードックまでがハリス支持を表明、その数はどんどん増えています。

 これだけ並ぶと、本当はトランプ支持を表明したくても、とてもじゃないが表立って表明はできないというところにまでいっているのかもしれません。

 岩盤支持者にのみしかアピールしないウソばかりを吐き続けるトランプ。ハリスの地滑り的勝利を今予想するのはリスクがあるのは分かっていても、それを覆せる理由は私には全く見当たりません。

 

 もう一つ、大統領選挙で非常に大事なことは「ウィナー・テイク・オール」という方式の州別の選挙人獲得数です。これは州別ですから、特に接戦州の支持率が獲得数を左右します。もともと共和党が強い州は党のカラーのレッド・ステート。民主党が強い州はブルー・ステートと言われ、あまり支持政党は変化しません。接戦州はスイング・ステートと言われ、7つの州が該当します。

 私が常にチェックしている世論調査サイトは、Real Clear Politicsという各種調査のおまとめサイトで、多くの報道もこのサイトを見て報道しています。全体の集計値は先ほどのとおり、ハリスが一気に優勢にたちました。では接戦州の7州ではどうか。

 

 バイデンが候補の時はほとんどがトランプに傾いていましたが、ハリスになって少し変化し、ディベート後はじめて7州のうち過半数の4州でハリスが優勢となりました。特に選挙人の数が多いペンシルベニア州で遂に逆転が起ったのです。この州はトランプが演説中に狙撃され、今回のディベートが行われた大事な州で、USスチールの本拠地でもあります。

くわしい数字などに興味のある方は以下のサイトでご覧ください。

https://www.realclearpolling.com/polls/president/general/2024/trump-vs-harris

 

 大統領選で大事なことは、モメンタムがどちらに傾いているかです。今は大きくハリスに傾きつつあります。これだけのモメンタムが一気に噴き出すと、あとたった2か月でそれを覆すのはほぼ不可能です。

 

 これらの理由で私は「勝負あり、ハリスの勝!」と勝手な宣言をしたのです。

 

 

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Well done, Kamala!

2024年09月11日 | ブログの概要と方針

 先ほどはじめてのトランプとハリスの直接対決が終わりました。私の評価は、よくやったカマラ!です。

 

 彼女にとって最も大事なことは、果たして「大統領にふさわしい人物か否かを示すこと」でしたが、それには満点を上げたいと思います。細かいポイントはいくらでもありますが、何を置いてもふさわしさを証明することが最重要でした。

 

 堂々とした態度、笑みを絶やさない表情。それに対するトランプの相変わらずの悪態ぶりと、いつもの苦虫をかみつぶした表情。そしてABCキャスターからたびたび指摘された「それは事実ではない!」というウソ。

 

 ディベートが終わるとすぐに、注目されていた世界的人気歌手のテイラー・スウィフトさんがハリス支持を初めて表明しました。朝日新聞デジタルの記事を引用します。

「スウィフトさんは、10日夜に開かれたハリス氏と共和党のトランプ前大統領の討論会の終了直後、「私も今夜の討論会を見た」と投稿。ハリス氏について「着実な手腕と才能を備えたリーダー」と指摘し、「この国を混沌ではなく冷静さをもって導くことができれば、私たちはこの国でさらに多くのことを達成できる」と期待をつづった。」

引用終わり

 グラミー賞14回受賞を誇る圧倒的人気を持つ彼女の支持表明は、若い世代に対する影響力は全米一だと言われています。

 

 もう一つの評価をCNNの調査から見てみましょう。ディベートの前と後に視聴した方を集めて行った面白い調査がありました。それによるとディベート前に行った調査では、二人の出来栄え予想は50対50と全く同じでしたが、直後に行った調査ではハリス63%、トランプ37%と、圧倒的にハリスの勝となりました。

 

 今後時間が経てば様々な論評を受けて、さらに詳しい評価が出てくると思われますが、私はこの5分5分が6対4となった結果は、将来を見る上でとても大事な予想を示唆していると思います。

 

 きっと今後ディベートをさらに重ねるか否かについて、ハリス陣営は「いくらでも」、トランプ陣営は「やるもんか」となるに違いない。

 

 

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