2015年9月13日(日) 3:00-8:15pm サントリー
ワーグナー トリスタンとイゾルデ (コンサートスタイル)
キャスト (in order of voice’s appearance)
与儀巧、テノール 若い水夫、舵手、牧童
レイチェル・ニコルズ、ソプラノ イゾルデ
クラウディア・マーンケ、アルト ブランゲーネ
石野繁生、バリトン クルヴェナール
エリン・ケイヴス、テノール トリスタン
アンドレ・モルシュ、バリトン メロート
アッティラ・ユン、バス マルケ王
合唱、新国立劇場合唱団男声合唱
シルヴァン・カンブルラン 指揮 読売日本交響楽団
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(タイミング)
前奏曲 10′
第1幕 69′
Int 30′
第2幕 75′
Int 30′
第3幕 76′
拍手9′
(ポジション)
メインキャストはオーケストラの前で歌唱、都度出入り。
状況に応じて他キャスト含めオルガンの位置で歌う。
第1幕終結のファンファーレのバンダはLA席奥付近で、バンドマスター付きの吹奏。
第1幕のみの合唱はステージ奥、ティンパニを中央に挟んで横並び。
第2幕の角笛ファンファールはP席両扉開けて通路で吹奏。
第3幕のイングリッシュホルン、トランペットのソロはオルガン位置。
キャストに動きのあるオペラ風のものではなく、純粋なコンサートスタイル。歌の役目が終わればイゾルデの絶唱に関係なく最後は早めに退場のトリスタンといった出入りはあるが。椅子は無い。ブランゲーネのマーンケのみ譜面あり。
先週の1回目の公演はこちら 2015.9.6
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先週と概ね同じ感触です。
先週ひどいフラブラがあってみんな痛い目にあったせいかどうか、この日は、愛の死のエンディングのところで照明を落とし、少し経ってから明かりを戻すという策でフライングを阻止。涙ぐましい努力と成果があったわけです。先週は本当にひどいものでしたからね。
歌い手ではこれから声がさらに黒光りするであろうテノールのケイヴス、その四角四面度の高さもタイプです。
ソプラノのニコルズは裏表がなく、あわせて濃淡も同じ感じ。スキル的な乱れは無く、一瞬ドールみたいな現代的感覚を感じさせてくれる。
脇役のラインナップも充実した歌でした。
特に第3幕での石野クルヴェナールの感情の入れ込みが凄い。あの細身のどこからあれだけの声が出てくるのか、既に深手の傷を負っているトリスタンにはこたえる声だろうね。
カンブルランの歌い手への指示は動きの小さいものですけれど完璧ですね、オーケストラル・コンサートと同じく神経がゆきとどいた棒です。
それから、響きへのこだわりはかなりのもので、自分のイメージしているサウンドを完全に持っていて特にトリスタンの寂寥感はお見事。また各幕、爆発への熱狂に対するコントロール、これも冷静にして英知に優れている。それでも、手前から先のほうに腕をグワグワ伸ばすようにして振りまくってるときのカンブルランは、だいぶエキサイトしているところもありました、汗まみれで。
カンブルランの言では今回のトリスタンの2幕300小節越えのカットを全て復元。
せっかく字幕があるのですから、「ここからは慣例の300小節カット部分です」の目印表示は無理としてもなにかテロップ入れるとか(わがままが過ぎるか)
でも、これで2幕75分ですから、結構な猛速ですね、いくらコンサートスタイルとはいえ。
先週は2階センターで全部見回し、今日はLBにすわったのでオルガンポジションよく見えました。
第3幕、船が来た信号のホルツトランペットよく見えました。それからイングリッシュホルンも。両プレイヤーがうまい。
読響のやるオペラってやっぱりワーグナー。三角錐のオケ音場は安定感とド迫力ですね。
あと、
惚れ薬はペットボトルにストローで飲むという新時代が到来したのかもしれない。
2週連続で楽しみました。ありがとうございました。
おわり