河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2144- ブルッフ1協、カプソン、展覧会の絵、スラットキン、リヨン管、2016.6.30

2016-06-30 23:56:09 | コンサート

2016年6月30日(木) 7:00pm サントリー

ブラームス 悲劇的序曲  13′

ブルッフ  ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調  9+8+7′
  ヴァイオリン、ルノー・カプソン
(encore)
マスネ タイスの瞑想曲 (オーケストラ伴奏つき)  6′

Int

ムソルグスキー(ラヴェル編、スラットキン編) 展覧会の絵 36′

(encore)
オッフェンバック  ホフマンの舟歌  3′
スラットキン  ツイスト・カンカン  3′


レナード・スラットキン 指揮 フランス国立リヨン管弦楽団


リヨン管を初めて聴いたのは出来て間もない頃、セルジュ・ボドとの来日公演でした。
971- セルジュ・ボド リヨン管弦楽団 初来日 1979.4.26
まだまだというところでしたね。


スラットキンとの演奏は肩の力が抜けたもので日常普段の地元公演の延長のような雰囲気。楽しそうにしゃべったり、周りのプレイを見ていたり、はたまた、真剣そのものといったかたなど、色々と楽しそうだ。
ブラームスの1音目、音がでかい。分厚い16型の本格派演奏。スラットキンも言っているように、この時代、フランスのオーケストラがブラームスをやるのは意外なんてぇのは時代遅れと。インターナショナル化は時代の波。
この演奏聴きごたえありましたね。巨大な序曲でした。
スラットキンのバトン・テクニックはもはや世界最高峰で、このような棒さばきを楽々とやってのける指揮者はめったにいない。ちょっと見には小さめの何気ない棒にしか見えないのだが、作品を完全掌握していてピンポイントの筆の運びには驚嘆する。瞠目です。譜面無しのムソルグスキーではますますさえわたるものでしたね。
オーケストラのサウンドは分厚いものですが、なんというか、一つの音程に幅がある、奇妙な話ですがピッチがあっていないのではなくて、その幅の振幅の中であればどこをどう動こうとも安定したピッチで悠々と自在に動き回れる、そのような極めて不思議で、ある意味、許容範囲が広く楽天的になれる、そんな雰囲気が濃い。逆に言うとその幅の分、ミスする確率がどんどん減っていく、ので、気持ちに余裕が出ていて、いわゆるいい音楽をずっとしていられる。彼らの日常ですね。普段の演奏がこんな感じで形作られている。それがそのまま出てきている演奏でした。聴く側の日本人にとってはちょっと緊張感足りないんじゃないかと言う人がいても不思議はないですね。これは、世界の違い、ですから、つべこべ言っても始まらない。

次のコンチェルト、カプソンの濃厚で堅実な歩み、音に出さなければお話にならないと、ホール全体に密度の濃いヴァイオリンサウンドが響き渡りました。高音域から低音まで均質。まだら模様の音ではない。きっちりとバランスされた響きが素晴らしい。ブルッフをやっているというよりも、物足りない曲で、曲より演奏の方がやたらと巨大。もっと歯ごたえのある作品を聴きたかった思いもありますね。アンコールはオーケストラ伴奏つきで、ここらへん、やっているほうも同じような思いがあったのかもしれませんね。これまた本格派の演奏となりました。
カプソンは昨年一度接しました。
1753- ソヒエフ、トゥールーズ・キャピトル国立管、2015.2.21


後半は、ラヴェル編曲+スラットキン編曲の展覧会の絵、聴いたこともないような響きが散見され面白かったですね。
スラットキンの弁によると、ラヴェル以外の編曲が35もあって、ラヴェル以前の編曲も3個ある。ラヴェルが編曲に使ったスコアはあまり正確ではなかったということが知られており、自分は、よりムソルグスキーのオリジナルに近づけるような編曲をした、とのこと。

棒の動き無くざっくりとトランペットの吹奏で始まった展覧会の絵は、杞憂の無いもので、だいたいこのスタンスが最後まで続く。まぁ、リラックスの極みですね。
音色は少しザラザラと明るく、ブラームスのところで書いたピッチの雰囲気と同じ。音はでかいというより横幅があり、本当に横広な広がり。臆面なくすべてさらけ出す。
スラットキンの棒はますます冴えわたり、まぁ、魔術師みたいなもんですね。あのバトンだとプレイする方もあまり頑張らずとも正確に音を出していけるでしょうね。凄いもんです。
スラットキンの編曲の妙、屈託のないオーケストラ・サウンド、指揮者のバトン・テクニックの凄さ、色々と、大変に楽しめました。

アンコールはスラットキンがこっちを向いて、2曲やりますからね、と宣言。最初のピースで拍手がパラパラ起こりましたけれども、とりあえずはポーズの拍手を拒んだ感じで2曲連続演奏。
舟歌は大変に美しい演奏。2曲目は楽しかったですね。ボテボテの分厚い編曲ではなくてパーカッション類を躍らせた割と薄めの響きで現音系大好きのスラットキンに相応しいものでした。
いろいろ楽しめました。ありがとうございました。
おわり

おまけ
スラットキンが昔振っていた現音系の演奏会より

801- スラットキン共感の棒nyp  Horizon’s 1984 Festival 1984.6.2 HF-4

802- スラットキン1984.6.2のNYT評  Horizon’s 1984 Festival HF-4.1


 


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