2016年6月18日(土) 2:00pm 東京芸術劇場
ストラヴィンスキー 管弦楽のための4つのエチュード 3′2′2′3′
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 皇帝 20′8′+11′
ピアノ、ハヴィエル・ペリアネス
(encore)
ショパン ノクターン第20番 遺作 4′
Int
ベートーヴェン プロメテウスの創造物、より
序曲、5曲アダージョ、16曲フィナーレ 5′8′5′
ストラヴィンスキー 火の鳥(1919年版) 21′
シルヴァン・カンブルラン 指揮 読売交響楽団
●
このプログラム構成は面白いもので、ベートーヴェン2曲が、ストラヴィンスキーにサンドウィッチにされているということと、視点を変えて、前半がピアノラ、ピアノの曲、後半がバレエ曲ということで二通りの楽しみ方が出来そうだ。
指揮者カンブルランの意図はわからないが、いつも、なにか考えさせてくれそうなところがありますね。
気持ちは二通りの楽しみ方で。
エチュード、4曲どれもこれも充実したハーモニーで、すればするほどストラヴィンスキー、特に第3曲カンティーク、このスモーキーなサウンドバランスの見事さ。味わいが濃すぎる。満足感でいっぱいになる。
ここに突然響く皇帝、このアンマッチな雰囲気、それ自体がベートーヴェンの奇作秀作のムードにつながっていく。練習曲の後は唯一無二の作品、この対比の妙。面白い。
このピアニストはお初で聴く。若いと思いますが本格派で、作品に真正面から取り組んでいて、逃げも隠れもしない状況を自分で醸しだしていく。勇気が自身に変わった瞬間があったのだろうと推測する。
アンコールのショパンはガラリとムードがかわりデリケートの極みのように響く。ベートーヴェンとの切り替え、音への集中。魅力的なピアニストですね。
後半、プロメテウスから3曲。演奏会で取り上げるのも珍しくて、やっても序曲だけ。なんでエロイカ節やらなかっただろうと思ってしまいますよね。フレッシュな気持ちになる。素晴らしく新鮮な泡立ち感覚。あまりに新鮮過ぎて、帰りに全曲のCDを2種買ってしまった。
締めくくりの火の鳥、これは読響の余裕の解像度レベル、そしてちりばめられたニュアンス。引き締まった演奏で聴きごたえ満点でした。
4曲とも楽しめました。ありがとうございました。
おわり