河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2141- シューマン2番、エルガー2番、アシュケナージ、N響、2016.6.22

2016-06-22 22:10:05 | コンサート

2016年6月22日(水) 7:00pm サントリー

シューマン 交響曲第2番ハ長調  11′6′9′7′

Int

エルガー 交響曲第2番変ホ長調  18′13′8′16′

ウラディーミル・アシュケナージ 指揮 NHK交響楽団


サントリー初日、さっぱりもりあがりのない聴衆、いつもの事なのだが老人が多すぎて、もはや、眠っている、聴いていない、聴こえない、その世界に重心が移ってしまったような反応で、やっぱり、N響事務局には、定期会員募集を一度全部やめます、世襲も継続もへったくれもありません、全部やめます。20XX年にゼロから定期会員を募集します。と、奇策のアナウンスをして欲しい。

と言うことで、アシュケナージの棒はさえわたる。
濃くて深みのある弦の響き、よどみなく流れる音楽。シューマンの震えるような弦の刻みがマッシヴなサウンドで流れるように表現される。これぞオーケストラを聴く醍醐味。
がっしりとした構成感、シンフォニックな鳴り、拍子を取るというよりもキューを入れたところがオーケストラの打点、ための無い棒で音がびっしりと詰まっている。ため無しでは息をするタイミングもないと言われそうだがそんなことはない。弦は音を切らずに音価を正確に伸ばし、圧力も減衰しない。ウィンド、ブラスはパッセージを滑らかに切らずに吹き上げる。そして呼吸。
N響の白眉は第2楽章、この流れは素晴らしく迫力があり、妖艶でもありますね。シューマンの管弦楽は全くもってもたもたするところもなく、わざわざこのようなボテボテ肉厚な譜面でオーケストラを試したかったのだと言いたげ。
本格的な演奏で秀逸な作品は秀逸な演奏で、満足。

後半のエルガーは、シューマンと同じ方針で、これまたアシュケナージの棒が隅々まで照らし全てを表現、やっぱりこれも、オーケストラの響きを聴く醍醐味。素晴らしい。
パルジファルから始まって、目もくらむような彫りの深いブラスセクションによる遠近法の極意みたいなエンディングで気絶させられてしまう1番の次にふさわしいのはこの2番。あるべき姿。この第1楽章はシューマン同様、濃くも深い弦の圧力、そしてイギリス・ブラスバンド風味満載のブラスセクションのパッセージが気持ち良い。N響のもたつかないブラスはアシュケナージとの合体技。結局、指揮者の神技棒のなせるもので、この一体感の音楽の進行が素晴らしく良い。そしてもつれたものがほどけるようにこの楽章は爆発エンド。快感です。
ゆるみない演奏は最後まで続く。終楽章の弱音終止はサッと終わる。あっという間の出来事、この1時間ロング、分厚いクリーム色の素晴らしい弦サウンド、それにブラスセクションの横広の充実した響き。圧倒的な演奏でした。アシュケナージの神技魅せてもらいました。
ありがとうございました。
おわり


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