2014年12月22日(月) 7:00pm NHKホール
ベートーヴェン 交響曲第9番 14′13′13′21′
ソプラノ、安藤赴美子
アルト、山下牧子
テノール、福井敬
バリトン、甲斐栄次郎
合唱、国立音楽大学
フランソワ・グザヴィエ・ロト 指揮
NHK交響楽団
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毎月買うレコ芸を読んでいれば問題なかったのだろうが、買っては捨て、読まずに捨て、この状態がここ何年も続いていて、でもやっぱり買っている。買って読んでいればロトの名前もすんなり入ってきたはずだがと反省この上ない。
60人の弦5部の左手首が微動だにしない第九。(たまに癖で動かす人が若干名)
大編成のノンヴィヴは迫力あり。時代的な考証と言うより指揮者の感性や信念が色濃く出ているような気がしました。
結果、高いテンションが全く切れることなく最初から最後まで続くあたり、お見事の一言です。リハーサルでの指示が明確に浸透していて、その通りに演奏で来ていたのではないかと思います。気持ちの良い第九でした。
昨年のワールトは手綱が緩んだ演奏でしたが、今年は強烈な締め上げモード。緊張感がひしひしと伝わってくる。有能な指揮者なのでしょう。
第1楽章の空5度ホルンを押さえつけて、ちっぽけなところから、もしくは何もないところから巨大な全奏に変化(へんげ)させる。明白で確信犯的と言えるコントロールであり、聴いているほうへの効果も大きい。本当に何もないところから音楽が発生してくるようだ。
快速テンポは動かず突き進むので、パースペクティヴと疾走のそう快感、両方を一度に味わえる。気持ちよさもシナジー効果的。こうゆうあたり現代風と言うかトレンドを自ら作り上げるような人の才覚なのかなと思います。曲想とフィーリングがよくマッチしてかつ、インディーズ風な運びでとってもフレッシュ。今ここにある第九。
全般に作品に対して真摯な姿が良く見えます。そして開放。
今は前者のほうが勝っている感じで、几帳面さが前面に出ていたようでした。うまく両立していったらさらにいい演奏になると思いました。手綱を緩めることなく。
N響初顔合わせでこれだけ巧みな演奏を構築できるのは並みの才能ではないですね。
同じ緊張感で最後まで聴くことが出来ました。聴くほうとしても心地よい緊張感が持続できて満足。
第3楽章のホルン・パッセージは3番さん。
ソリストは奥のブラスと同じあたりの並び。トロンボーンは見た目、もっと奥に位置しているような印象。
ソリスト、パーカッション類は第2楽章終わったところで入場。パーカスは全員座りっぱなしのプレイでした。
おわり