2015年1月16日(金)7:00pm NHKホール
リムスキー・コルサコフ 組曲「見えない町キーテジの物語」 24′
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第2番 10′9′6′
ヴァイオリン、ジェームズ・エーネス
(encore)
バッハ 無伴奏ソナタ第3番ハ長調BWV 1005 より第4楽章 3′
Int
ムソルグスキー(ラヴェル編曲) 展覧会の絵 33′
ジャナンドレア・ノセダ 指揮 NHK交響楽団
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先週に続きこれで、ノセダ今年3回目。
ノセダ&N響は1月度3週連続6回続くわけですが、ともに前半にソリストを立てております。そしてその協奏曲の前に1曲必ず付けてまして、企画としてはいいものですね。
とはいえ、本日期待をこめていったキーテジが今一つ不発と言いますか、流れない。流れないとこの曲は厳しいかもしれない。組曲といっても結構な長さで、それが堰止湖みたいな演奏になってしまうとは、早い話、のってこない演奏で、このモードが後半の展覧会まで引きずられていた。これだと、イタオペのロール不発のときの雰囲気に似てなくもない。
後半の展覧会もピッチが不安定な箇所少々あり。ベースの解像度はお見事と言うほかないのだが、全体としてはふらつき気味。
先週のステージは離れ最前列を取り払って前スペースを大きくしたもので響き全体が相応に前に向かってきたのですが、今週は昔と同じような元の木阿弥状態。
ただ、先週のステージも席を潰しておきながらその、前スペースがやたらと広くて、オーケストラのポジション自体は今日とあまり変わらずといったところで、結局のノセダの意向などではなく、N響とか局側や放送の都合で自由に決めているだけかもしれない。
座席つぶしでオケを前に出すやり方は音質改善になっていると思いますので、継続してほしいところではあります。でかいんだから席少しぐらい減らしてもいいと思いますよ、ついでに2階両翼奥は縦蓋をして閉じてほしいものです。
エーネスは柔らかくて暖かい音色で、鋭さが先に立つものでは無い。デリケートな感じでプロコフィエフのような鋭角の細線で際どさを重ねていくものとは方向感が必ずしも一致を見ているわけではないと思いました。だからといって良い悪いがどうだというはなしではありません。プロコフィエフに温かなぬくもりを。技術を誇示しない。自分流をデフォで貫いていけばその部分は余計なことを考えずに済むし、作品の内面に光をあてて思索を聴衆も、より味わうことが出来るようになる。これはこれでいいことですね。
一瞬のインパクトより持続の美。
おわり